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真の歴史!(笑)
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太古の昔の時代よりも遥かに古老な時代、神々の時代とも呼ばれている。『卑弥呼』は正にその時代の人物だ。彼の研究成果は凄まじい、最早人族が神々と対抗し得る程にまで至っていた。
神界は彼に恐怖して大軍を派遣して卑弥呼と討伐しようとした。結果、彼女は神界からの討伐軍を返り討ちにして、逆に神界に向かって進攻した。
その戦いは『神々の黄昏』と呼ばれて、最初は卑弥呼が優勢だったものの、神界てま最も強い力を持つ主神の『ミカド』が彼女を鎮圧した。その主神も戦いで受けた傷で長い眠りについた。
この出来事を神界は恥と思っている為、神々によって歴史に残されなかった。そもそも、その時代には文字を持つ種族が少なかったから人族と魔族をどうにかしてしまえば問題はない。
卑弥呼を失った人族は神々の力に逆らえる筈もなく、歴史書から卑弥呼の名はほとんど残されておらず、古い文献から関係する単語がいくつか出てくるだけである。
魔族側は最初から興味がなかったので、彼女の名前を載せてある本も少ない。このように、彼女の名前は歴史の流れに刻まれることはなかった。
「うん?『神々の黄昏』という単語は何かの本で読んだことがあるわ。何の本だったかしら……」
(まさか、こっちの世界で本当にこんな茶番があったのか!?)
アリスの呟きを聴いた小沼は酷く狼狽えた。ここで自分の嘘がばれてしまうのは命に関わる。仕方なく嘘に嘘を重ねて何とかして誤魔化す。
蓬莱の山では卑弥呼本人に会うことはできなかった。彼女は主神の『ミカド』に封印されてまともに動けない。彼女の魂の破片が彼と融合して、彼は卑弥呼の力の一部と知識を手に入れた。
しかし、彼女の力は強過ぎたので小沼は魔界に転送されて、毒に侵されないのもその力のお陰だと小沼は嘘を続けた。
小沼の精神力が弱過ぎる為、力はまだ完全に解放されておらず、彼が成長するにつれてその力も解放される。
これは嘘ではない。実際、彼が強くなればスマホ様も新機能が搭載される。
ダークエルフの顔色は少し暗かったが、狂乱の状態からは抜けられたようだ。彼のこれまでの研究成果が全て無駄な訳ではない。いかんせん小沼は特殊過ぎたのだ。
アリスは小沼の話が相当面白かったのか、もっと神代の話をしろと小沼に迫った。ネタには困らなかった小沼だったが、このままいけば確実に話すことがなくなってしまう。
そこで小沼を助けてしまったのは意外なことにアルダスだった。
「その神代とやらが存在していたとして、私は一人の錬金術師が神々に対抗できるとは思えない。お前にような無能がその知識が受け継げるとはもっと想像できない。もし今日に私に信じさせることができるだけの証拠を出さねば、ダークエルフを騙したことを後悔させてやろう!」
「あとクベオロ王家も!」
小沼は冷や汗をかく。彼に何か証拠を見せろと言ったところで、彼はそんなものを出せる訳がない。まず、ほとんどの話は嘘の上にスマホ様は彼らには見えない。目に見える証拠など何一つとしてない。
「今日は流石に無理です。もう数日待ってください。そうすれば卑弥呼様の発明の中で作れそうな物を見せます。」
「わかった、『ダークエルフ一族の名誉』に誓って、お前が相当な証拠を見せればお前を絶対に殺さない。」
これを聴いたアリスほくそ笑んだ。ダークエルフの名誉?魔界でのダークエルフの評判は常に『狡猾』と『裏切り』であり、彼らもそれを誇りとしている。
魔界では少なくとも半分の殺し屋はダークエルフであることを見れば、それが窺える。しかし、そんなことを知る由もない小沼はアルダスが本当に誓約を遵守すると思って話を続ける。
「僕の精神力はまだ弱過ぎるから大した道具の作り方はまだ知ることはできません。けれど、卑弥呼様にとって大したことのないオモチャ程度は作れます。」
「早く言え!」
小沼の話が終わる前に、アルダスは遮られた。神々に対抗でき得る程の錬金術師にとってはどうってことはない物でも、彼にとっては計り知れない価値があるかもしれない。
「明日まで待ってもらえませんか?卑弥呼様の知識を得るには精神が万全の状態でなければなりません。」
「今は無理なのか?時間を伸ばそうとしている訳じゃないだろうな?」
「ボロボロの状態の一般人が神級の知識を得られると思いますか?」
小沼はこれ以上はどうしようもないと思った。彼には今すぐここで何かとんでもない物を作り出す知識もアイディアもない。
これがダメなら本当にどうしようもないのだ。
神界は彼に恐怖して大軍を派遣して卑弥呼と討伐しようとした。結果、彼女は神界からの討伐軍を返り討ちにして、逆に神界に向かって進攻した。
その戦いは『神々の黄昏』と呼ばれて、最初は卑弥呼が優勢だったものの、神界てま最も強い力を持つ主神の『ミカド』が彼女を鎮圧した。その主神も戦いで受けた傷で長い眠りについた。
この出来事を神界は恥と思っている為、神々によって歴史に残されなかった。そもそも、その時代には文字を持つ種族が少なかったから人族と魔族をどうにかしてしまえば問題はない。
卑弥呼を失った人族は神々の力に逆らえる筈もなく、歴史書から卑弥呼の名はほとんど残されておらず、古い文献から関係する単語がいくつか出てくるだけである。
魔族側は最初から興味がなかったので、彼女の名前を載せてある本も少ない。このように、彼女の名前は歴史の流れに刻まれることはなかった。
「うん?『神々の黄昏』という単語は何かの本で読んだことがあるわ。何の本だったかしら……」
(まさか、こっちの世界で本当にこんな茶番があったのか!?)
アリスの呟きを聴いた小沼は酷く狼狽えた。ここで自分の嘘がばれてしまうのは命に関わる。仕方なく嘘に嘘を重ねて何とかして誤魔化す。
蓬莱の山では卑弥呼本人に会うことはできなかった。彼女は主神の『ミカド』に封印されてまともに動けない。彼女の魂の破片が彼と融合して、彼は卑弥呼の力の一部と知識を手に入れた。
しかし、彼女の力は強過ぎたので小沼は魔界に転送されて、毒に侵されないのもその力のお陰だと小沼は嘘を続けた。
小沼の精神力が弱過ぎる為、力はまだ完全に解放されておらず、彼が成長するにつれてその力も解放される。
これは嘘ではない。実際、彼が強くなればスマホ様も新機能が搭載される。
ダークエルフの顔色は少し暗かったが、狂乱の状態からは抜けられたようだ。彼のこれまでの研究成果が全て無駄な訳ではない。いかんせん小沼は特殊過ぎたのだ。
アリスは小沼の話が相当面白かったのか、もっと神代の話をしろと小沼に迫った。ネタには困らなかった小沼だったが、このままいけば確実に話すことがなくなってしまう。
そこで小沼を助けてしまったのは意外なことにアルダスだった。
「その神代とやらが存在していたとして、私は一人の錬金術師が神々に対抗できるとは思えない。お前にような無能がその知識が受け継げるとはもっと想像できない。もし今日に私に信じさせることができるだけの証拠を出さねば、ダークエルフを騙したことを後悔させてやろう!」
「あとクベオロ王家も!」
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「今日は流石に無理です。もう数日待ってください。そうすれば卑弥呼様の発明の中で作れそうな物を見せます。」
「わかった、『ダークエルフ一族の名誉』に誓って、お前が相当な証拠を見せればお前を絶対に殺さない。」
これを聴いたアリスほくそ笑んだ。ダークエルフの名誉?魔界でのダークエルフの評判は常に『狡猾』と『裏切り』であり、彼らもそれを誇りとしている。
魔界では少なくとも半分の殺し屋はダークエルフであることを見れば、それが窺える。しかし、そんなことを知る由もない小沼はアルダスが本当に誓約を遵守すると思って話を続ける。
「僕の精神力はまだ弱過ぎるから大した道具の作り方はまだ知ることはできません。けれど、卑弥呼様にとって大したことのないオモチャ程度は作れます。」
「早く言え!」
小沼の話が終わる前に、アルダスは遮られた。神々に対抗でき得る程の錬金術師にとってはどうってことはない物でも、彼にとっては計り知れない価値があるかもしれない。
「明日まで待ってもらえませんか?卑弥呼様の知識を得るには精神が万全の状態でなければなりません。」
「今は無理なのか?時間を伸ばそうとしている訳じゃないだろうな?」
「ボロボロの状態の一般人が神級の知識を得られると思いますか?」
小沼はこれ以上はどうしようもないと思った。彼には今すぐここで何かとんでもない物を作り出す知識もアイディアもない。
これがダメなら本当にどうしようもないのだ。
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