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弟の誕生
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1975年10月、一つの出来事が起こった。朝からかずちゃん、まちゃきが何だかざわざわしていた。
「剛。弟産まれたたよ」
どうやら彼の弟が近くの私立病院で産まれたらしい。彼は弟とか、産まれるとか何のことだか分らなかったが
「剛。病院行こうよ」
と言うかずちゃん、まちゃきの言葉に誘われ近くの市立病院へと向かった。
市立病院に到着すると、病院内は白い洋服を着た女性達が何やらいそいそと早歩きで狭い病室の中を行ったり来たりしていた。
その中の一人の看護婦に誘導され、かずちゃん、まちゃきと彼は奥の病室へと連れて行かれた。病院の一室には彼の母がベッドで横になって休んでいた。その隣に赤ちゃんがもぞもぞと動いていた。
「剛、弟だよ、弟が産まれたんだよ」
もぞもぞと動く赤ちゃんを目の前にしたかずちゃんが今までに聞いたことのないような大きな声で彼にそう言った。
「可愛いね、ちょっと剛に似てない」
かずちゃんはいたずらっ子な笑顔を浮かべ彼にそう言った。
その瞬間、もぞもぞと動く小さな生き物は寝返りを打ち、力いっぱいの声で「うぎゃー」と泣いた。ふっと見るとその赤ちゃんの左側の足の裏にはマジックで順二《じゅんじ》と書かれていた。
彼の弟の誕生の瞬間だ。
「剛。弟産まれたたよ」
どうやら彼の弟が近くの私立病院で産まれたらしい。彼は弟とか、産まれるとか何のことだか分らなかったが
「剛。病院行こうよ」
と言うかずちゃん、まちゃきの言葉に誘われ近くの市立病院へと向かった。
市立病院に到着すると、病院内は白い洋服を着た女性達が何やらいそいそと早歩きで狭い病室の中を行ったり来たりしていた。
その中の一人の看護婦に誘導され、かずちゃん、まちゃきと彼は奥の病室へと連れて行かれた。病院の一室には彼の母がベッドで横になって休んでいた。その隣に赤ちゃんがもぞもぞと動いていた。
「剛、弟だよ、弟が産まれたんだよ」
もぞもぞと動く赤ちゃんを目の前にしたかずちゃんが今までに聞いたことのないような大きな声で彼にそう言った。
「可愛いね、ちょっと剛に似てない」
かずちゃんはいたずらっ子な笑顔を浮かべ彼にそう言った。
その瞬間、もぞもぞと動く小さな生き物は寝返りを打ち、力いっぱいの声で「うぎゃー」と泣いた。ふっと見るとその赤ちゃんの左側の足の裏にはマジックで順二《じゅんじ》と書かれていた。
彼の弟の誕生の瞬間だ。
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