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私、悩み中です。
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殿下は私をシェーングレン公爵家の養女にすると言っていた。
でも私は平民になりこのまま過ごしたいと思っているのよね。
その事で一つだけ心配があるとすれば離婚後この土地には居づらいという事。
旦那様に会わずに離婚出来たとしても知らずに通ってくるだろうし、今はタリアとふざけてどんなアプローチするのかしらと笑っていられたけれども今後はそういう気持ちには慣れないでしょう。
離婚の時にお会いしたらリリーと妻が同一人物と知ることになってその時もこの街には居づらいわ。
正直、私がリリーだと知った時の旦那様の顔はみてみたいのよね。
でも、殿下の提案通り養女になるべきなのかしら。
貴族として商会を立ち上げたり、ドレスショップを開いたりしている方は多くは無いが居るので落ち着いたらまた新しいお店を開かせて貰うのが1番良いのだろうとわかってはいるの。
見ないふりをしていた現実が差し迫ってきていることに久しぶりに手放すのが寂しいという感情に襲われる。
お母様が無くなられて形見の品を義母達に奪われた時いらいかしら。
お家がおとり潰しになったのであればあの品々もどこかに売られてしまったのかしら。
お母様の嫁入りの際に持ち込んだとされる猫足のソファでお茶をするのが大好きだったわ。
薔薇の蔦と花を彫ったドレッサーの前で着飾るお母様を見るのが好きだったの。
品がよくでも可愛らしい装飾の家具達はお母様にとっても良くお似合いだったわ。
義母の部屋で趣味の悪い絵と一緒に置かれているのを見る度にとても悲しかったししばらくして飽きたと、屋根裏に移動した時はこっそり見に行くのが唯一の楽しみだったかもしれないわね。
もちろん宝石類も奪われたが、義母の好みでは無かったようで使われる事が無かったのだけは良かったことだと思えるの。
1つでも良いから取り戻せたらとお金を稼ぐ目標だったのは私だけの秘密だわ。
でも売られてしまったのであればもう探すのは難しいのね。
殿下をお見送りしたあとお店のソファでぼんやり考え込んでいたの。
「奥様、お茶を入れ直しましたので。」
タリアったら本当によく出来た侍女だわ。
殿下ったらタリアを公爵家に専属侍女として連れて行けるようにしてあるから安心しろとまで言ってらっしゃったのよ?
外堀を埋められて逃げられないわ。
「ありがとうタリア。」
「あまり難しく考えなくてもよろしいのでは?第2王子殿下は奥様の想いは尊重されていらっしゃるようですから不安が有るならご相談してみるのもら良いのかも知れませんよ。」
ん?タリア…… 殿下に好意的になっていない?
「そうかしら、でも、タリアはこの街に家族が居るのに私についてほかの土地に行くなんて迷惑でしょう?」
「問題ありませんよ。元々商家の娘として他の街に嫁ぐ可能性もありましたし。なにより私は奥様について行きたいので置いていかないでください。」
「タリア……ありがとう。」
なんだか照れるわ。
「これから忙しくなりそうですし、休める時にお休み下さい。お着替えをお手伝い致しますので。」
タリアに手伝ってもらい着替えを済ませ自室で再び考え事をしてしまう。
実家の事はもう終わったことですから諦めるしかありませんね。
あとはこのお店の事と、養女の事を自分がどうしたいのかだわ。
お店の事は離婚後はほかの土地に移る可能性が高いと分かっていたわ、だからこそ多少の根回しを最近はしてあったのだから感傷に浸っていないでしっかりと引き継ぎをしましょう。
養女の件はもう少し殿下とお話して受け入れるかどうかを決めましょう。
王妃様のお兄様である現公爵もそのお父様である先代公爵も私に会いたがっていると言ってらしたそうなので、1度は会ってみたいと思ってしまったの。
せっかくならお会いしてそれからどうするのかお返事してもいいのかもしれないわね。
自分に言い訳をしつつどこか前向きに状況を受け入れつつある自分が居ることはもう少したってから自覚したのはもう少し後だったわ。
でも私は平民になりこのまま過ごしたいと思っているのよね。
その事で一つだけ心配があるとすれば離婚後この土地には居づらいという事。
旦那様に会わずに離婚出来たとしても知らずに通ってくるだろうし、今はタリアとふざけてどんなアプローチするのかしらと笑っていられたけれども今後はそういう気持ちには慣れないでしょう。
離婚の時にお会いしたらリリーと妻が同一人物と知ることになってその時もこの街には居づらいわ。
正直、私がリリーだと知った時の旦那様の顔はみてみたいのよね。
でも、殿下の提案通り養女になるべきなのかしら。
貴族として商会を立ち上げたり、ドレスショップを開いたりしている方は多くは無いが居るので落ち着いたらまた新しいお店を開かせて貰うのが1番良いのだろうとわかってはいるの。
見ないふりをしていた現実が差し迫ってきていることに久しぶりに手放すのが寂しいという感情に襲われる。
お母様が無くなられて形見の品を義母達に奪われた時いらいかしら。
お家がおとり潰しになったのであればあの品々もどこかに売られてしまったのかしら。
お母様の嫁入りの際に持ち込んだとされる猫足のソファでお茶をするのが大好きだったわ。
薔薇の蔦と花を彫ったドレッサーの前で着飾るお母様を見るのが好きだったの。
品がよくでも可愛らしい装飾の家具達はお母様にとっても良くお似合いだったわ。
義母の部屋で趣味の悪い絵と一緒に置かれているのを見る度にとても悲しかったししばらくして飽きたと、屋根裏に移動した時はこっそり見に行くのが唯一の楽しみだったかもしれないわね。
もちろん宝石類も奪われたが、義母の好みでは無かったようで使われる事が無かったのだけは良かったことだと思えるの。
1つでも良いから取り戻せたらとお金を稼ぐ目標だったのは私だけの秘密だわ。
でも売られてしまったのであればもう探すのは難しいのね。
殿下をお見送りしたあとお店のソファでぼんやり考え込んでいたの。
「奥様、お茶を入れ直しましたので。」
タリアったら本当によく出来た侍女だわ。
殿下ったらタリアを公爵家に専属侍女として連れて行けるようにしてあるから安心しろとまで言ってらっしゃったのよ?
外堀を埋められて逃げられないわ。
「ありがとうタリア。」
「あまり難しく考えなくてもよろしいのでは?第2王子殿下は奥様の想いは尊重されていらっしゃるようですから不安が有るならご相談してみるのもら良いのかも知れませんよ。」
ん?タリア…… 殿下に好意的になっていない?
「そうかしら、でも、タリアはこの街に家族が居るのに私についてほかの土地に行くなんて迷惑でしょう?」
「問題ありませんよ。元々商家の娘として他の街に嫁ぐ可能性もありましたし。なにより私は奥様について行きたいので置いていかないでください。」
「タリア……ありがとう。」
なんだか照れるわ。
「これから忙しくなりそうですし、休める時にお休み下さい。お着替えをお手伝い致しますので。」
タリアに手伝ってもらい着替えを済ませ自室で再び考え事をしてしまう。
実家の事はもう終わったことですから諦めるしかありませんね。
あとはこのお店の事と、養女の事を自分がどうしたいのかだわ。
お店の事は離婚後はほかの土地に移る可能性が高いと分かっていたわ、だからこそ多少の根回しを最近はしてあったのだから感傷に浸っていないでしっかりと引き継ぎをしましょう。
養女の件はもう少し殿下とお話して受け入れるかどうかを決めましょう。
王妃様のお兄様である現公爵もそのお父様である先代公爵も私に会いたがっていると言ってらしたそうなので、1度は会ってみたいと思ってしまったの。
せっかくならお会いしてそれからどうするのかお返事してもいいのかもしれないわね。
自分に言い訳をしつつどこか前向きに状況を受け入れつつある自分が居ることはもう少したってから自覚したのはもう少し後だったわ。
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