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私、特許取りました!
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見本の品と使用方法を書いた紙を用意して行ったので特許は思ったより簡単に取れたのにはすこし拍子抜けしたけれどもコレで改めてお店の準備に取り掛れるわ。
ユリアーナさんは自分の私物だけ持って引越しをのでほとんど用意するものは無いのだけれども窓辺に飾る花瓶や雑貨を少し仕入れ店用に用意したクロスとミニクロスを持って店に向かう。
この角を曲がればすぐ店に着くというところで慌てて通りに曲がってきた男性とぶつかってしまい危うく転びそうになるが、ぶつかった男性に支えられて転ばずに済んでホッとしたのもつかの間、
「大丈夫ですか?急いでいたのですみませんでした。申し訳ないですが、怪我が無さそうなので失礼します。」
そうまくし立てて立ち去った男性の顔をみてびっくりしました。
「旦那様でしたわね。」
「そうですね。」
私もタリアも思わず会うと思わなかった人物にびっくりしてその場でしばらく立ち尽くしてしまったけれども気を取り直して店に向かう。
店に着くとちょうど荷物を馬車に載せているユリアーナさんと出くわした。
「お嬢さんがたこんにちは。最後にお会いできて良かったわ。」
「こんにちはユリアーナさん、最後と言うと今日このままお引越しされて街から出られるのですか?」
「ええ、迎えの馬車が早く来たのでこのまま引越ししようと思いまして、少し早いですがお引き渡ししますね。」
引き渡し日まだあと4日ほどあったけれども引越しされるなら鍵を受け取って正式に譲渡完了を済ませてしまいましょう。
「これが譲渡完了証と鍵です。この店をよろしくお願いしますね。」
この完了証を商業ギルドに提出すれば私の持ち物として登録される。
大きな買い物は初めてなので今更ながらドキドキしてきたわ。
「ええ、この街に来ることがアレば是非お店に寄ってくださいね。その時には繁盛店になってるように頑張りますので。」
そう言うとユリアーナさんはほっとした様な嬉しそうな顔をして馬車に乗っていった。
「さぁ、私はこれからこの完了証をギルドに提出してきますのでお店の中で鍵をかけて準備をお願い出来ますか?」
「ええ、わかったわ。貴女も気をつけてね。」
タリアを見送り戸締りをして改めて店を見渡す。
「私のお店……」
実家にいる時は私の私物はボロボロの服と形見として唯一奪い取られなかった母が刺繍をしてくれたハンカチしかなかったし、結婚してからも旦那様のお金で何かを買う気も起きなかったので最低限の服と身の回りに使うものをタリアが注文してくれていたくらいだったものね。
しばらく浸ってから食器のチェックをして見たのだけれどもこの辺は使えるものは使ってイメージと合わないものは食器棚から出しておく。
片付けをしながらふとさっきぶつかった旦那様を思い出すが、
「こんな所で何をしていらしたのかしら。」
あんなに慌てていたので少しばかり気にはなったものの、結局は自分とは書類上の夫婦なので気にしても仕方が無いので忘れる事にしましょう。
ユリアーナさんは自分の私物だけ持って引越しをのでほとんど用意するものは無いのだけれども窓辺に飾る花瓶や雑貨を少し仕入れ店用に用意したクロスとミニクロスを持って店に向かう。
この角を曲がればすぐ店に着くというところで慌てて通りに曲がってきた男性とぶつかってしまい危うく転びそうになるが、ぶつかった男性に支えられて転ばずに済んでホッとしたのもつかの間、
「大丈夫ですか?急いでいたのですみませんでした。申し訳ないですが、怪我が無さそうなので失礼します。」
そうまくし立てて立ち去った男性の顔をみてびっくりしました。
「旦那様でしたわね。」
「そうですね。」
私もタリアも思わず会うと思わなかった人物にびっくりしてその場でしばらく立ち尽くしてしまったけれども気を取り直して店に向かう。
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「こんにちはユリアーナさん、最後と言うと今日このままお引越しされて街から出られるのですか?」
「ええ、迎えの馬車が早く来たのでこのまま引越ししようと思いまして、少し早いですがお引き渡ししますね。」
引き渡し日まだあと4日ほどあったけれども引越しされるなら鍵を受け取って正式に譲渡完了を済ませてしまいましょう。
「これが譲渡完了証と鍵です。この店をよろしくお願いしますね。」
この完了証を商業ギルドに提出すれば私の持ち物として登録される。
大きな買い物は初めてなので今更ながらドキドキしてきたわ。
「ええ、この街に来ることがアレば是非お店に寄ってくださいね。その時には繁盛店になってるように頑張りますので。」
そう言うとユリアーナさんはほっとした様な嬉しそうな顔をして馬車に乗っていった。
「さぁ、私はこれからこの完了証をギルドに提出してきますのでお店の中で鍵をかけて準備をお願い出来ますか?」
「ええ、わかったわ。貴女も気をつけてね。」
タリアを見送り戸締りをして改めて店を見渡す。
「私のお店……」
実家にいる時は私の私物はボロボロの服と形見として唯一奪い取られなかった母が刺繍をしてくれたハンカチしかなかったし、結婚してからも旦那様のお金で何かを買う気も起きなかったので最低限の服と身の回りに使うものをタリアが注文してくれていたくらいだったものね。
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片付けをしながらふとさっきぶつかった旦那様を思い出すが、
「こんな所で何をしていらしたのかしら。」
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