異世界でオトコを手玉にとります～前世の職業が異世界でスキルになったので有効活用します！～

商人編

ターゲットは？！

なんでこうなった……

ターゲットは下級貴族から裕福な商人位のつもりだったのよ？
お店のオープン初日。
接客スタッフはアーノルド様が用意してくれていた。
1週間接客の方向性のすり合わせなどをして今日オープンしたの。

娼館のオーナーには手紙で宣伝したから買いに来てくれると返信来てたから少しはお客さん来るって期待はしてたけどね、開店前に行列になってるとは思わなかったのだけど……
予想外の列に慌てて列の誘導を出したり早々に品切れになった商品の補充や急遽予約をとる事に切り替えたりとてんやわんやだったの。

お客さんとスタッフとの会話をまとめると、侯爵家でのお茶会で出たクッキーが買えると聞いてきた、侯爵家での晩餐会で食べた柔らかいパンが買えると聞いて来た。
などなど、アーノルド様の息子さんが当主をしている侯爵家からの情報がほとんどだつたの。
途中で様子を見に来てくれたアーノルド様に確認したところ、クッキーとパンを作らせて息子さん達にもこっそり食べさせていたらしくオープン前にお茶会や晩餐会に使ってくれて宣伝してくれたらしい。

侯爵家としても販売前から手に入るっていうマウント？が取れたから喜んでいたそう。
アーノルド様のお役にたてたのなら文句は言えないよ。ここは出資してもらってるのは本当だしね。
保存が聞くクッキーなども完売してお店の中は空っぽなので今は別邸の料理人達フル稼働でパンとラスクを量産中。
ラスクは明日の分用のパンはそこまで用意してなかったので生産数は数日ははまだ少なめになるけど仕方がない。
ラスク用のパンもこの後焼いて明日のラスク用に焼かないと！

売り切れた後も行列は長く続いていたので明日の分、明後日の分の予約をラスクとシフォンケーキは少なめで取ったのでそれでも買えなかった人達が、
「○○伯爵家が買ってやるというのに！」
「△△商会がこのレシピを買ってやる(激安)からさっさと寄越せ！」
なども湧いて出たけど、そういう奴はアーノルド様の私兵(過保護だと思ってたけど助かったよぉ)が裏に連れて行ってオハナシをしてくれたら大人しく帰って行ったので良かった良かった！

ちなみに娼館のオーナーはアーノルド様と来て別で用意しておいたパンやお菓子をプレゼントしておいたよ。
久しぶりに会ったけど娼館も私の引退後少し大変だったみたいだけど今は落ち着いたから心配するなと言って貰えた。
娼婦生活は一瞬だったけど、5年間生活した半ば実家のようなところだからこれからも繁盛して欲しいところだね。

「もぉ！アーノルド様が裏で宣伝してくれるとは思わなかったよ。」
「完売はすると思っていたがあそこまでになるとは思わなかったな。」
そんなサラッと…
「冷静になって列を制限した時にはもう2日分の予約で埋まってしまう位だったからね。」
「ははっ、これは対策を考えないとな。」
「あ、それなんだけど……」
パンを作ることを考えてから少し思い出した事があった。
ラノベで既存の商売を淘汰してトラブルになっていた話があったのを。
なのでアーノルド様が調べて真面目で私のレシピをしっかり覚える気があるパン屋を数件リストアップして欲しいとお願いしたの。
フランチャイズシステムを私の知る限り説明すると新しい方式の商売だから商業ギルドで登録した方が良いと言われたので近いうちに行くことになりそう。