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幼少期

転生してスキルを貰おう!

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享年32歳 独身、テンプレなら喪女と言いたいところだけど私は真逆だったりする。
職業・エッチなおねえさんだったので経験人数は数えていないが百人斬りとかそんなのは数ヶ月でクリア出来る位だったりしたしね……

18歳から学費稼ぐためにこの世界に入ってからどっぷり浸かってそのままフリーターに擬態?しつつこの業界極めてたけど年齢的に限界感じてたときにまさか店の他の子のストーカーに人違いで刺されて死んだのは参ったよ。

そんな過去をもつ私は異世界で元騎士の父親と商家の3女だった母親の間に産まれたが、父親が仕事中に怪我をして騎士を続けられなくなった途端当時3歳私と父親を捨てて実家に戻った母親に未練タラタラですっかり飲んだくれになった父親にネグレクトされて育った。

なんで前世の記憶があるのかは不思議だが、とにかく物心ついた時から徐々に思い出して10歳の今ではほぼ記憶が戻った状態になっているからこそあんな父親でもなんとか生きていけているのかもしれない。

ちなみに10際になるとスキルを創造神様から授かる事が出来るという異世界ならではのテンプレだったり、剣と魔法の世界でもあったりするけど王都の城壁内から出た事ない私からしてみたらあまり関係の無い話なので平民は生活魔法が3~5種使えるらしいのでスキルを授かるときに魔力も解放されるので楽しみではあったりする。


ごちゃごちゃ説明したけど、今日がそのスキルを貰える日なので酔っ払いのオヤジは放置して教会に出かける。
ちなみに今日のことはいつも不憫に思ってくれている隣の家のおばさん情報だ。
時々お手伝いをすると食べ物をくれるいい人だ。

普段は元日本人によくある都合のいい時だけ神頼み的な思考で教会にも滅多に行かないけど、今日だけは特別だ。
この世界に住むすべての人は10歳になると必ずスキルを貰いに行く権利がありスラムの子でも確実に10歳を過ぎたと思った頃に教会に行ってスキルを貰うのだ。
もちろんこういうのは親が子に教えるのだけど私みたいなのやスラムの子達は周りの人間から教えて貰えないと受けていない事もある。
20歳までに貰わないと一生貰えないらしいし、さっさともらってこんなダメ親父とはおさらばしたいところだよねー

「あ、おばさん!おはよぉ」
「リリスおはよう。コレお祝いだよ。」
そういって渡してくれたのは綺麗なコバルトブルーのリボン
「わぁーキレイ!おばさんありがとう。」
「こんな事しかしてやれないけどね、それじゃ気をつけて行っておいで。」
「はぁーい、いってきまぁーす」
家を出ると隣のおばさんがわざわざ待っていてくれ素敵なリボンのプレゼントをくれた。
母親が出ていってからは初めてのプレゼントで前世と違って手入れのしてないボサボサ髪だけどなんとかポニーテールに結く事ができて少しテンション上がるなー

住んでいる地区は平民でも一戸建て買える少しだけ裕福な家庭のエリアとは言っても食べるのに困らないレベルってだけで他人の子を育てるほど余裕は無い中ご近所さん達はお手伝いをさせてくれて食事をくれるいい人ばかりなのは幸運だったよね。

急ぎ教会でスキルを貰うための列に並んだけど既に10人くらい並んでいて数人スキル獲得した事を付き添いの親に報告している子もいた。

「母さん、俺【器用】だったよ!」
「あら、それなら父さんの跡継いで大工になれるわね!」
「うん!」

そんな微笑ましい会話が聞こえてきてちょっと羨ましかった。
聞いた限りだと、料理、器用、集中、怪力など平民には単純なスキルが多いそうだけど私はどんなスキルになるのかなー

あの飲んだくれオヤジのそばに居たらそのうち娼館に売られそうだよ。
仕事自体は前世でもしてたから抵抗は無いんだけど、売られた金が親父に持っていかれるのはすっごく嫌だとは思うからスキルをもらったら家出するつもり。

ぼんやり待っていると私の番だ。

祈りの間に入って
「女神様に祈ればスキルが貰えますので」と
係の神官に淡々と案内され祭壇前に膝をつき都合いい自分を何となく謝りつつスキルをくださいと祈る。

ふわっと暖かい空気に包まれた感覚のあと自分のスキルを唐突に理解する。

【床上手】【商才】
生活魔法は
・クリーン
・アクア
・そよ風
・ライト
・(避妊、アンチ性病)

(避妊、アンチ性病)だけは文字化けしてたというか日本語で脳内に表示されたような気がする。
教会にあるアーティファクトの鑑定機でその人のスキルを覗き見る事が出来るので一般的な生活魔法でないそれらが人にバレないのはちょっと安心かも。

にしても平民でスキルが2つはちょっと珍しい方なのと、スキルは親のスキルと似るらしいから【商才】は母方の家系からなのかもしれない。

【床上手】は……
前世の経験から来てる気がしてならないんだけどツッコンではダメな気がしてならないので放置!

にしても、【床上手】と【商才】とはねぇ

料理とか裁縫とか欲しかったんだけどなぁ、そしたら住み込みで料理屋とか服飾店とかで働こうと思ったんだけどこれは難しいよね。
「はぁ、どうせ売られる可能性あったんだし自分で自分を売る方がいいか。」

自分を売ったお金と若いうちに稼いだお金を貯めてある程度の歳になったら引退して地方で商売するってのもアリかなって思ったら吉日。
帰宅しないで近所のお世話になったおばさんたちにだけ挨拶に行ってそのまま自分を売り込むことにした。

前世でもそうだったけど時は金なり!と思ってるのでサクッと今後のことを決め行動するのだった。



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