上 下
23 / 24

愛してます!!これからも……

しおりを挟む
 教会で、教会長が証人として婚儀が執り行われた。国王をはじめ、王宮や上位貴族。聖騎士団などが招待された。
 マリアの花嫁姿は、婚儀の列席者から溜め息が漏れるほど美しかった。はかなげでありながら、愛らしさに隠れた色香。その色香が本物であることを、新郎のリヒャルトの態度で証明された。 アノ冷酷無慈悲の騎士が、唯一、愛を示した女性。彼の豹変するまでの、溺愛ぶりと。囁かれている、愛情表現。
 
 「新郎、新婦である。リヒャルト、マリア。ともに、愛を交わし続け、恒久に魂と供に繋がりあい。離れずに夫婦となることをここに、証明する!!」

 教会長の証明の言葉により、2人の婚儀の指輪が光によって鎖が現れ2人を結びつけた。
 この婚儀により、2人は決して離れる事ができなくなる。リヒャルトがマリアに申し込んだ婚儀は、通常の婚儀ではなかった。魂をも結びつけ、肉体が滅びたのちも続く婚儀。
 2人の気持ちが、本当に望まないと鎖が現れることがない。鎖が現れ2人を結びつけたことにより、本物であると証明された。
 指輪は、鎖が出る魔法の指輪で結びついた後は残痕ざんこんが指に遺った。

 婚儀の後のパーティーは盛大で、国王たちは大喜び。クロイツ侯爵家は、安堵した。
 ロイは、アルバルトとの婚儀を進めている。どちらが、花婿か……は、マリアには分かっていた。
 リヒャルトを見つめると、彼は鎖を悪戯に動かしウェデング衣装のマリアの身体を刺激した。漏れる甘い吐息。とろける瞳。ほんのり紅く染まった頬。
 その2人を見た、ロイと王太子は「「なぁんか、変な補助魔法をさっそく作って試してるし」」と。

 パーティーが終わり、国王が用意してくれていた王宮の一室。マリアの身体は、悪戯に焦らされ続け。限界を何度も超えては、達するのを我慢させられていた。
 横抱きで部屋に連れられてきたが、彼に触れられているだけで感じている。
 涙目のマリア。恍惚こうこつの表情でみつめ、鎖が繋がれた後から達するのを我慢し続け、俺を待ち望む彼女。彼自身の昂ぶりも限界になっていた。
 
 部屋に入ると、指を鳴らして彼女のウェディング衣装を脱がせた。露わになった、婚儀のために彼女が作ったレース刺繍だけの下着。
 彼女のうずきや、彼との鎖により刺激され続けている身体が露わになっている。その姿と、表情。漏れ聞こえる溜め息交じりの喘ぎ声。強い興奮を呼び起こされる。 

 「はぁ……こんなにまで、我慢して。マリア? 俺と愛し合いたい?」
 「っあ、ぁ……意地悪し、な、ぃでぇ……」

 彼に翻弄ほんろうされ、愛され。そんな彼を愛しているマリアに、リヒャルト自身がさらに夢中になり……より、もっともっと彼女を愛したくなる。
 結婚後の初めて迎える夜。
 その、恒久の婚儀の鎖によってもたらされた感情と感覚。愛し合う2人の興奮などは、今までにないものとなっていた。

 「ぅくっ、はっ、はっぁ!! ま、り、あ……っくぁっ!!」
 「ぅあぁぁんっ!! やっぁ!! 愛してますぅ!!」
 「俺も、あいし、て!! もっと、深く!! あぁ!!」
 「ぅんんっ……んっ……キス、ほしぃ……んっんんぁ」
 「んぅんんっ!! はっあ、マリア!!」

 2人の愛し合い。激しいだけでなく、深く、強く。魂をも震わせ、感じさせ。達した時には、魂をも満たされ。
 マリアは、何度も涙をしながら彼を受けれた。底知れぬ彼の昂ぶり。何度も何度も、深く強く、激しく。愛撫とキスと、手。彼の昂ぶり。全身だけでなく、身も心も。魂までもが、震えて感じて、達し続ける。
 
 鎖が、2人の繋がりをしっかりと結び付けていく。
 彼の挿入れる激しさと、彼女のナカでの受け容れの感じ方。リヒャルトのもつ補助魔法が、強固なものへと変わる。
マリアは、さらに彼しかみえていない。

 「んっ、ぁあ!! らっぁぁぁあ!! りひゃ、る、と、さまぁ!! やっ、許してぇ!!」
 「はぁ、マリア……今夜は、コレを強く結びつける夜だかっらっなぁ!!」

 ギリギリ。ジャラジャラ……と。
 2人を結び付ける鎖は、柔らかな翠の淡い光を放ち続ける。
 鎖が幾重にもマリアを縛りつけるようにし、その許の鎖はリヒャルトの婚儀の指輪の残痕ざんこんに繋がる。魂の繋がりの婚儀の夜。これにより、鎖がより強くなる。

 婚儀の夜から、7日間。
 マリアは、部屋から。ベッドから基本的に一歩もでていない。彼と彼からの鎖の動き。全てに溺れていく。
 さらに、日は過ぎていき……婚儀から1ヶ月はすでに経ったのを、公爵邸に戻った日に知った。

 「……あぁ、マリア? 無理させすぎた、か?」
 「……っ、ぁ……」
 「マリア?」
 「だ、め……ぁ……」

 彼女の瞳を見た時、リヒャルトは理解した。マリアは、自分の声で感じ始めている。小さく震えている彼女を抱き上げる。立っているのもやっとだったようだ。
 婚儀前から、彼自身が……自分好みにしつけ……過ぎた。あまりにも、受け容れてくれ。調子に乗ったようだ。

 邸宅には、新たに夫婦の寝室が用意され部屋の壁紙から調度品も2人の好みに調和されていた。

 天蓋付きのベッドに横たえさせ、薄い絹地に翠のレース刺繍のカーテンを閉める。
 溜め息と小さな喘ぎを同時に漏らす彼女の唇を、軽くむと身体を震わせ小さく達した。

 「あぁ、マリア……君は、やはり俺の嫁だよ……こんなに、俺を求めてくれるのは。君だけだ……なぁ、待てしてきたんだ。もぅ、待てはないから覚悟してるだろ?」
 「……っ、はぃ……リヒャルト様ぁ……」

 彼の背中に手をまわして、キスをして合図をした。
 そして、邸宅に戻った夜。2人の鎖は、恒久の婚儀の鎖になった。
 翌朝、邸宅中の者も解る。淡く光る翠の小さな鎖が、幾重にもマリアの身体に巻き付いており許の鎖がリヒャルトへと……。2人の恒久の婚儀が、誰しもが解るように……。

 「マリア? 恒久の鎖だが、誰しも解るから……な?」
 「ぅ……少し、恥ずかしいで、す……」
 「でも、嬉しいだろ? 俺の、俺だけに……だから、なぁ?」

 悪巧みをしている漆黒の瞳がマリアを捉える。魂が震えて感じる。彼の愛をいま、感じたい……と。
 
 「あの、いま……おねがぁぃ……」
 「マリア? 今かい?」
 「っ、ぁ……ぁ……」
 「あぁ、もぅ感じ始めて……ここは今、どこかな?」
 「……っ、リヒャルト様の叙任式です……」
 「あぁ、呼ばれたよ? さぁ、行こう」

 叙任式の最中、彼の巧みに操る鎖の愛撫と刺激に小さな喘ぎを漏らし続ける。リヒャルトに抱き寄せられる姿は、周囲から、「まぁ仲睦まじいのね?」という声。

 「ふっ、本当は、イきたくて堪らないのになぁ? マリア?」
 「はぃ……っぁ、ぁん……」
 「式が終えるまで、我慢できるだろう?」
 「っ、ぁ、んっ」
 「いけないねぇ、もっと、我慢と待てを覚えないと……ほぅら?」
 「んんんっ、んんっ、んぁ、んんんっーーーーー!!」

 必死に口を押さえ、涙を浮かべ。マリアは声を周りに響かせないよう、リヒャルトに抱き寄せられたまま。激しい鎖の愛撫で、達し続けた。
 国王と王妃、王太子が……「あぁ、またやってるよ」と薄ら目でいた。背中を見ている周囲の貴族や騎士たちは、奥方は殿下の式典で喜びで涙していると思っていた。
 ロイ公爵とアルバルトは、知っていた。

 「あのバカ。マリアに何を躾けまくったのよ?」
 「あぁ、リヒャルトって。結構ドS? っていうのかな?」
 「知っていたけどさ。あそこまで、躾ける? 恒久の婚儀してるのに、ソレすら遣うって」
 「僕も初めて聞いた。あっ、僕もされたい!! ロイ、に……」

 小さくお強請ねだりするアルバルト。ロイは、耳元で、「覚えてろよ、その言葉」と言った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

元男爵令嬢ですが、物凄く性欲があってエッチ好きな私は現在、最愛の夫によって毎日可愛がられています

一ノ瀬 彩音
恋愛
元々は男爵家のご令嬢であった私が、幼い頃に父親に連れられて訪れた屋敷で出会ったのは当時まだ8歳だった、 現在の彼であるヴァルディール・フォルティスだった。 当時の私は彼のことを歳の離れた幼馴染のように思っていたのだけれど、 彼が10歳になった時、正式に婚約を結ぶこととなり、 それ以来、ずっと一緒に育ってきた私達はいつしか惹かれ合うようになり、 数年後には誰もが羨むほど仲睦まじい関係となっていた。 そして、やがて大人になった私と彼は結婚することになったのだが、式を挙げた日の夜、 初夜を迎えることになった私は緊張しつつも愛する人と結ばれる喜びに浸っていた。 ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

未亡人メイド、ショタ公爵令息の筆下ろしに選ばれる。ただの性処理係かと思ったら、彼から結婚しようと告白されました。【完結】

高橋冬夏
恋愛
騎士だった夫を魔物討伐の傷が元で失ったエレン。そんな悲しみの中にある彼女に夫との思い出の詰まった家を火事で無くすという更なる悲劇が襲う。 全てを失ったエレンは娼婦になる覚悟で娼館を訪れようとしたときに夫の雇い主と出会い、だたのメイドとしてではなく、幼い子息の筆下ろしを頼まれてしまう。 断ることも出来たが覚悟を決め、子息の性処理を兼ねたメイドとして働き始めるのだった。

【R18】××××で魔力供給をする世界に聖女として転移して、イケメン魔法使いに甘やかされ抱かれる話

もなか
恋愛
目を覚ますと、金髪碧眼のイケメン──アースに抱かれていた。 詳しく話を聞くに、どうやら、私は魔法がある異世界に聖女として転移をしてきたようだ。 え? この世界、魔法を使うためには、魔力供給をしなきゃいけないんですか? え? 魔力供給って、××××しなきゃいけないんですか? え? 私、アースさん専用の聖女なんですか? 魔力供給(性行為)をしなきゃいけない聖女が、イケメン魔法使いに甘やかされ、快楽の日々に溺れる物語──。 ※n番煎じの魔力供給もの。18禁シーンばかりの変態度高めな物語です。 ※ムーンライトノベルズにも載せております。ムーンライトノベルズさんの方は、題名が少し変わっております。 ※ヒーローが変態です。ヒロインはちょろいです。 R18作品です。18歳未満の方(高校生も含む)の閲覧は、御遠慮ください。

慰み者の姫は新皇帝に溺愛される

苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。 皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。 ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。 早速、二人の初夜が始まった。

大嫌いなアイツが媚薬を盛られたらしいので、不本意ながらカラダを張って救けてあげます

スケキヨ
恋愛
媚薬を盛られたミアを救けてくれたのは学生時代からのライバルで公爵家の次男坊・リアムだった。ほっとしたのも束の間、なんと今度はリアムのほうが異国の王女に媚薬を盛られて絶体絶命!? 「弟を救けてやってくれないか?」――リアムの兄の策略で、発情したリアムと同じ部屋に閉じ込められてしまったミア。気が付くと、頬を上気させ目元を潤ませたリアムの顔がすぐそばにあって……!! 『媚薬を盛られた私をいろんな意味で救けてくれたのは、大嫌いなアイツでした』という作品の続編になります。前作は読んでいなくてもそんなに支障ありませんので、気楽にご覧ください。 ・R18描写のある話には※を付けています。 ・別サイトにも掲載しています。

異世界騎士の忠誠恋

中村湊
恋愛
異世界から飛ばされたされた王子と騎士。 騎士のハロルドは、現代の世界で歌音(かのん)と出会う。 歌音への恩義を果たそうと、四苦八苦する日々のハロルド。彼女とともに過ごすうちに、恩義以上のものを感じ始める。 歌音は、ハロルドに少しずつ惹かれていくが……。

【R18】助けてもらった虎獣人にマーキングされちゃう話

象の居る
恋愛
異世界転移したとたん、魔獣に狙われたユキを助けてくれたムキムキ虎獣人のアラン。襲われた恐怖でアランに縋り、家においてもらったあともズルズル関係している。このまま一緒にいたいけどアランはどう思ってる? セフレなのか悩みつつも関係が壊れるのが怖くて聞けない。飽きられたときのために一人暮らしの住宅事情を調べてたらアランの様子がおかしくなって……。 ベッドの上ではちょっと意地悪なのに肝心なとこはヘタレな虎獣人と、普段はハッキリ言うのに怖がりな人間がお互いの気持ちを確かめ合って結ばれる話です。 ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。

絶倫獣人は溺愛幼なじみを懐柔したい

なかな悠桃
恋愛
前作、“静かな獣は柔い幼なじみに熱情を注ぐ”のヒーロー視点になってます。そちらも読んで頂けるとわかりやすいかもしれません。 ※誤字脱字等確認しておりますが見落としなどあると思います。ご了承ください。

処理中です...