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戻る力と、募る想い

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 それから彼は、リヒャルト殿下としての執務や実務に追われ始めた。
 サラの魅了によって、器が壊れ始めた兵士や騎士たち。【与える者】。それらの者達の力を、無力化の魔法で1度ないものにした。そして、教会長が彼らの力をもとに戻せるように補助魔法をかける。
 その繰り返しの日々。1日に行える人数も限られ、魔法の力の消耗も激しい。教会で行い、王宮の国王に報告し邸宅に戻る。馬車で帰宅しているが……帰りは殆ど眠っている。

 「おかえりなさいませ」
 「あぁ、マリア。ただいま」
 「少し、お疲れではないですか?」
 「……その、帰ってきてすぐで悪いのだが……」

 申し訳なさそうに、言う。直ぐに、休めるようにとギルバートは主人の寝室の準備は万全にしている。
 力の消耗の激しい状態で、マリアの祝福がないと翌日の執務や実務はまったくできない。彼自身、マリアとの時間が減っていくことに心の寂しさを覚えている。
 寝室で、マリアとキスをしながら触れ合う。
 祝福を得る、ためではなく。純粋に彼女を愛したい気持ちが大きい。
 
 「マリア……寂しくは、なかったかい?」
 「んっ……ぁん……リヒャルト様。寂しいですよ。でも……」
 「でも? なんだい?」
 「あなたの方が……心配です」

 彼女の潤んだ瞳に見つめられ、あおられているようにしか思えない。キスを深め、指をあらゆる彼女の感じる場所を刺激する。
 可愛い甘い声。小さな身体。着ているドレスからはわかりにくい、自分の手で触れてい続けたい胸。頂きにキスをし、甘噛あまがみしたり舌で転がす。
 ビクリと身体が跳ねたり、後ろに少しのけぞり甘い喘ぎ声を漏らす。蜜の溢れた脚の間に、指でなぞり彼女を刺激し続ける。

 「っひゃぁ、ぁあん!! やっぁ!! んんっ、んっ!!」
 「マリア? そんなに……あぁ、もう!! 我慢が……」
 「リヒャルトさ、まぁ!! 好きですぅ!!」
 「っく、もう、本当に、無理だぁぁぁぁ!!」

 マリアをベッドに押し倒し、全身を激しく刺激し、舌を絡めキスでも味わう。彼女の蜜壺を指で愛撫し、刺激し。準備をしていく。
 彼女の蕩けた瞳。

 「り、ひゃ、ルトさまぁ」
 「マリア、もう……んんっ、くっうぅ!!」
 「あっあっ、あぁあぁ!!」
 「もう、すこし、力を……んっ、んんっ」

 彼女のナカに挿入れた。それから、彼女のナカをゆっくり刺激していく。
 初めて彼女とひとつになれた。リヒャルトは彼女を優しく抱き締め、キスを繰り返す。

 「っふぁ、あ。リヒャルトさまぁ……んんっ、あんっ、やっあぁ!!」
 「マリア、マリア!! あぁ、ダメだ!! もっと、あぁ、少し辛いかもしれないが……ぅくっ!! はぁ!!」
 「ぁあ!! ひゃぁ!! あっ、あぁ!! リヒャルト様!! リヒャルト様!! んっ、好きぃ!!」
 「俺もっ、だっ!! くっ、とまら、ない!!」
 
 俺の名前を呼び、好き、愛している。何度も、むせき、俺の下で彼女が応える。背中に手をまわし、俺を全身で、心から受け止めているのが分かる。
 彼女が、小さな唇から彼に何度もキスをねだる。
 あぁ、堪らない。こんなに、可愛い俺の嫁。もっと、愛して愛して、愛し倒して……。彼女の声。瞳。俺を見ている。俺の名前を呼んでいる。
 マリア。アカネ。俺を愛してくれている。あぁ、俺も、愛している!!

 「っあぁ、あっあぁん!! も、ぅ、あぁ、だめぇ!!」
 「マリア!! マリア!! あぁ、マリア!!」

 リヒャルトは、マリアを愛した倒した。倒し……尽くした。

 「はっ、はっ、はぁ……マリア、あぁ、マリア……マリア?」

 声を掛けたが、反応がない。
 彼の下で、ぐったりして……汗まみれで、動かない。
 リヒャルトは、彼女にキスしたが応えない。

 「ま、ま、マリア? マリアぁーーーーーーーーーーー!!」

 ビリビリビリッ!!

 屋敷中に響き渡るような、大きな声。砲口ほうこう
 主人の異常事態に、ギルバートが駆けつけた。

 「旦那様!! 失礼!!」
 「マリアがっ、マリアがぁぁあぁ!!」
 
 「失礼します」と、言い主人の愛しい妻の顔色を見て、唇の上に手を当てる。

 「旦那様……お帰りになられてから、今の時間。何時だと思われていますか?」
 「んっ、時間か……夕食前に帰って、食事はせず……今は、6時か……それが、どうした?」
 「朝の、6時です。そして、言いにくいのですが……シ過ぎです」
 「シ過ぎ?」
 「つまり、奥様は……旦那様に、愛され倒され尽くされ、気を失われています」
 「…………」
 「加減をしませんと、いけません」

 かなりの時間、マリアを愛していて。気を失わせた……。ヤリ過ぎた、と言われた。

 気を失って、ぐっすり眠ったマリアは起きた時は、昼になっていた。
 昨日の夕食も食べておらず、かなり空腹だった。
 リヒャルトは、執務へと出掛けた後だった。
 ギルバートさんは、侍女を通して飲み薬と塗り薬を渡した。主人のような、超絶絶倫には、必要であろうと用意していた薬。まさか……あそこまでとは、予想以上だった。長年仕えているギルバートですら。一番効く、薬を用意していた。
 マリアは、ありがたく遣わせて貰った。本当に、助かった。
 
 「お加減はいかがですか? 奥様?」
 「ありがとう、ギルバート。大分、落ちついたわ」
 「奥様になにかあっては、屋敷だけでなく、国王さま達も……」
 「……んっ?……」
 「どうかされましたか?」
 「えぇっと、奥様って?」
 「マリア様以外に、どなたがいらっしゃいますか? 奥様」

 リヒャルト様と一緒に一晩。一晩どころではないけれど……うん、目覚めたら、奥様確定。
 ギルバートさん、サラリと言っています。それに、私……普通に受け答えしてしまっていた。
 あぁぁぁぁあぁぁ!! どんどん、リヒャルト様の……なんか、色々な意味で。掴まえられた。サレまくった。というか、婚姻してない奥様って、アリなのでしょうか?

 帰ってきたリヒャルト様。
 色々と反省させられた、みたいです。
 
 寝室で2人でいて、彼が少し話しが……と。
 
 「その、俺の力だが……完全に光魔法が戻っていた」
 「ほへ?」
 「今日、教会長が言っていた。だが、髪の毛の色や瞳の色は……戻っていない」
 「はい。綺麗なサラサラの黒い髪の毛。素敵な黒い瞳です」
 「マリア? そう言ってくれるのは、嬉しい。光魔法については、教会長とバカ親父と話して伏せておくことにした」
 「国王様を、バカ親父呼ばわりやめましょう」
 「……善処する……」

 殿下としての実務仕事負担が大きく、これからは私も同行することになりました。
 リヒャルト様が、どうやら王宮で駄々こねている……らしいです。ギルバートさんが、「旦那様が仕事を放棄されないようにして欲しいのです」と嘆願たんがんしていたので。
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