狼さんのごはん

中村湊

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大神の長

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 坂口家本家ーー

 本家に来たのは、幼い自分が祖父と会った日以来だろうか? あの時に会った祖父は、幼心おさなごころでも恐怖を感じた。大神の長であることを、空気だけでも強く強く感じ「はい」というくらいしかまともに言えなかった気がする。
 今、目の前にいる祖父。坂口商社の会長で、大神おおかみの長はだらしないくらいに顔が緩んでいる。

 「おじい様にお会いできて、嬉しいです」
 「そうかそうか!! おじい様じゃなくて、おじいちゃん……と、呼んでくれんか? 絵里ちゃん?」
 「よろしいんですか? でも……」

 ちらりと、雅和を見る表情も可愛いし。瞳で、「どうしよう?」と困って自分に助けを求めるところが堪らない。堪らなくて、行動に出ており大神の長もそっちのけで絵里を抱き締めて頬ずりし始める。
 番になってからというものの、どうも自制が効かない。と、いうよりもする気が全くもってなくなった。

 「おほんっ!!」

 わざとらしい大きな咳払いをする。祖父。横目で見ると、大きく手を広げて「絵里ちゃん、おじいちゃんとこにおいで?」みたいなポーズをしている。
 横にいる、坂口家本家の執事である山ちゃんの叔父も絵里にメロメロなのか? 悦びの舞。あの執事の家は、悦びを舞って表現するのか? 不思議だが、突っ込むのも雅和は面倒だった。

 「おじい様、今日伺ったのは……番の件です」
 「うんうん!! 雅くんに、番かぁ……おじいちゃん、うれしいぞっ!! 番は、その絵里ちゃんなんだろ? もう、わかる!! いつ、式を挙げるんだ? なんなら、今すぐ入籍の手筈をするか?」
 「あ、あの、おじいちゃん? えっと、入籍は……雅和さん、早いです……よね?」
 「する!!」
 「山ちゃん!! 入籍届、持ってきなさい!!」
 「長、すでにここに」

 にやりと山ちゃんの叔父執事がうやうやしく銀のトレーに載せて持っている。
 準備万端……両親と山ちゃんの手筈は、どうやら此処まで仕込んでいた。らしい。雅和としては、嬉しい。大きな尻尾を振って、耳をひょこひょこさせて期待を孕んだ瞳で絵里を見る。
 絵里は戸惑いを隠せないでいたが、どこか覚悟を決めて入籍届に記入をした。番になった日から、彼の尋常でない異常な愛の表現を受け止めすぎて……もう、一緒に居たいのだ。

 「雅和さん、届け出の前に。私の両親にも伝えていいですか?」
 「うん。大事だから」
 「番になった、って。話したら……なんだか、お兄ちゃん達はすごく驚いていたけど。両親には、雅和さんと一緒に暮らしているのはお兄ちゃん達が言っていたんです」
 「うん。絵里のお兄ちゃん、すごい絵里を大事にしてくれたから……俺も嬉しい」
 「絵里ちゃんは、お兄ちゃんが護ってくれていたのか? おー、それは良かった良かった!! 山ちゃん!!」
 「はい、私としても番になられる方は……とても清い心が大事と思っておりますし。何より!! あの!! 大神の雄との夜!! 昼夜問わずに求められる雄のたぎり!! 激しすぎて求められすぎて!! あぁ、旦那様の若かりし頃を想い出します!!」
 「はっ、はっ!! 今でも我が番の妻はワシと仲良しだぞ?」

 絵里の兄の話から、いつの間にやら祖父の番話やら。雄のこと云々。昼夜問わずに求められる雄の滾り……絵里には聞かせられ、ない。というより、すでにそうなっているので彼女は耳まで真っ赤になっている。
 昨日、会長の家に行く前の休日。一日中、前の前の晩から、雅和が昼夜問わず求めていたのだから。激しくて啼いても啼いても、喘いでも止まらない。達した回数も、分からない。
 彼が何度達していたのかも分からない。週末のエッチ○ラウンドは、平日のラウンドへと変わっている。つまり……週末エッチは、番での本番ラウンド。考えたら、想像したら大変だと思う。

 「えっっ、えぇぇっと……うん、色々あるよ……」

 優歌に話したら、酷くとてつもなく、遠い目をしていた。意識が半分飛んでいるんでは? という感じだった。楓さんは、「理人以上のがいたんだ……私でもアレは……うん、頑張ろう」と励まされた。
 山ちゃんから届く、定期便はひと箱から大きなひと箱へと変わった。大きなひと箱と、雅和のママからの箱も絵里宛てにきている。開けた時は、びっくりした。
 今では普通に着ているが、色気たっぷりのレース下着だったり、紐下着やら。その他モロモロ。

 色々想い出して、会長の前だが赤面状態が止まらずにいる。そんな絵里を見て、雅和は今朝も抱いた時の絵里のことを想い出して半勃ち。以下、省略。

 「あぁ、部屋を用意しておくから。雅くんと絵里ちゃんは、明日と明後日は特別休暇。ゆっくり泊まって堪能していいぞっ!!」

 ビッっと親指で、「頑張れ」をする祖父。本当に、あの日会った威厳もあって畏怖感と恐怖感に襲われた祖父だろうか?

 坂口家本家の離れーー

 「ぅん、っあ、やぁあ!! またイッちゃうぅん!!」
 「はっ、はぁ、っ!! 絵里!! 愛してる!! もっと、愛させて!!」
 「あ、んぅ……私も愛してますぅ!! 雅和さんぅ」
 「すごいよ? 絵里、もう、何度可愛がっても、愛しても足りないよ……どんどんイヤらしくて可愛くて、愛らしくて、愛おしい!!」
 「雅和さん、愛してます!! もっと、愛したいぃ!! っ、あぁ、やっあっ、ソコらめぇ!!」
 「ここ、好きだからね? 俺知ってるよ? 絵里が、こうやってされながら……んぅ、んっ……舌絡めてキスするの、好きだって」
 「好き、です。雅和さんだけ、好きぃ」

 とろとろの蜜で溢れかえって、雄の滾りに攻めて攻めて突かれ緩急つけて全てを愛撫されて愛されている状態に絵里は堕ちて囚われて逃れられない。
 自身が、この大神の愛してやまない大きな大きなオオカミの大好きな愛おしいごはんになっているのだから。
 オオカミさんは、赤ずきんちゃんの作るご飯はもちろん。彼女を愛しながら食べ尽くしながら、喰らい尽くす。絵里という番の愛おしいごはん。
 ずっと、ずっと、一緒に居るための番の儀式が坂口家本家で用意された部屋での特別休暇だった。坂口家の人間が、雄が番を迎えた後の、番の儀式のための部屋。
 2日間過ごすこの部屋では、外との隔たりという空間に感じるのか? 外の時間が2日間なのに、番の儀式の部屋では時間の感覚がなくなってしまう。大神がこの土地に置いた、姫巫女さまが護った神社の守り神が移されている本家の土地。
 大神は、姫巫女さまのためにも神社を護り、彼女を護り続けている。

 「あぁ、絵里? なんだか、もっと滾ってくる……絵里が愛おしすぎて狂いそうだよ……はぁはぁ……なぁ、もっと喰らい尽くすだけじゃ足りない。俺の姫になって?」
 「ぁぁあ!! 雅和、さぁん!! 大神さん!! もっと、愛したいぃ!! 私のこと、もっともっと味わって欲しい!!」
 「堪らないよ、絵里……俺の姫。あぁ!! もっと、一緒に!! あぁ、イクぅ!! 一緒に、イこう?」
 「ふぁ、あぁっ!! イっちゃう!! やっ、イッたら……もう、雅和さんの!! あぁん!! イクゥ!!」

 激しく痙攣しながら何度も何度も、それから雅和と達する。胡乱だ瞳に映る、逞しくて大きなオオカミは、大神になって絵里を「俺だけの番」「俺の絵里姫」と愛おしいキスをしながら滾った雄で攻めて喰らう。
 番の部屋での時間を過ごした雅和は、とても凜々しい表情と背筋をスッと伸ばし抱き潰され尽くした……喰らいに喰らい尽くされた姫を抱えて帰って行った。

 「アレこそ、次の大神だ!!」

 おじいちゃん、こと。坂口の会長は、嬉しそうに孫の後ろ姿を見送った。
 絵里は、両親と雅和との引き合わせができ、入籍届を役所に雅和と一緒に提出した。兄たちのお陰もあり無事に終わることができた。
 後日、坂口食品の社員全員が、理人と楓。優歌を除いた社員が、あの商品開発部の課長が入籍したと知った瞬間に……会社中に響き渡る驚きの声を発した。その相手が、沢絵里と知ると。男性社員、既婚社員すら驚き……涙していた。
 絵里の護衛部隊は、守り抜けた任務が一段落したが。隙あらば、という輩がでないために気を引き締めた。

 「楓さん!! 理人さん!! ここは、精鋭部隊の強化もしましょう!!」
 「そうね!!」
 「あっ、それ面白いね? 優歌ちゃん、本当に絵里ちゃんの事好きだよね? 健人くんの次に」
 「け、健人は……絵里のお兄ちゃんです!!」
 「えっ、でも来月式でしょ? 俺たち招待状貰ってるし」
 「絵里ちゃんがきっかけで、健人くんと出逢ってるものね。優歌ちゃんは」
 「でもでも、絵里は……健人は愛してるし……絵里は可愛いし……」

 公園で絵里といつもの様に昼食を食べているが、視線に理人達が何やら騒いでるのが見えたが気にしないことにした。雅和は……。 隣の、絵里姫だけがいればいいのだから……。
 あの日、番の部屋から帰った以来。祖父からの荷物も届くようになった。
 絵里と雅和には、色々と役立つが……主に雅和には。荷物の置き場に困り初め、一回は出た自身の屋敷に戻る準備を最近は始めた。新居として、住むためのリフォームをしている。祖父や両親が業者の候補を教えてくれ、絵里と一緒に選んだ。お金は自分たちで出すと強く言い、祖父や両親からの援助は断った。 

 苦しいばかりの屋敷を絵里と暮らすことで塗り替えていける、その嬉しい気持ちが溢れている。
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