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彼が欲しいモノ
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雅和は、絵里の家になんとか戻れた日を境に彼女への執着・愛着度合いが増しに増していった。
ベッドでの愛し方も、今まで以上の激しさだけでなく濃度が日に日に濃さを増していく。
「っふぁ、あぁっ!! ぁん、ひゃぁ!! 雅和さぁん!!」
「ふっ、はぁっ!! っくぅ!! 絵里!! 離さない!!」
「んぅ、んんっ!! ぁん、らめぇ!! またイッちゃうっぅ!」
「くっ、はぁぁぁ!!」
ラウンドは同じのはずなのに、絵里はどんどん呑まれに呑まれ堕とし込まれてイク。もう、彼の底なしの状態ではないだろうか? という状態に彼女は達し続けていく。
優しいのに、執拗に気持ちいいと感じたと分かった場所を愛撫し、彼女を絶頂の域へと持っていく。キスだけで、蕩けてぼんやりとしてしまうのに……彼の唇で身体中を愛され尽くされ、喰われて貪り尽くされて堕とされる。
彼のその愛し方に、絵里は嫌と思っていたりはしなかった。心も身体も、彼に喰われて貪り尽くす愛され方に……もっともっと、溺れたいと想っている。
感度も、反応も、雅和好みにされてイキながら、彼のことをもっと感じたいと……淡く色づいた花の蕾は開花しており、彼だけに甘い蜜を与え続ける。もっと、彼と深い深い繋がりが欲しい。彼と……。
「ぁん、はぁあん!! 雅和さん、雅和さん!! もっと一緒に居たいぃ!!」
「くぅ、俺も!! 一緒に!! ずっと、一緒だ!!」
「うぁん、嬉しいのぉ!! あぁん、あっ、やぁ!! もっと一緒にぃ!!」
「絵里、どんどん……イヤらしくなって……っく、もっと俺と一緒にいよう? ずっと、一緒に!!」
雅和に「もっと一緒にいよう」「ずっと一緒にいよう」と囁かれながら、激しくナカを彼の昂ぶりが刺激していく。ドクドクと熱く脈打ち、彼女のなかを求めている。それに応えるように、彼の昂ぶりを抱かれる度に受け容れ、果て続けている。
抱きつくされ、喰い尽くされ、貪り尽くされ、眠っている彼女を優しく抱き締めて一緒に眠る。
毎夜、彼女を抱いて一緒に眠ると。とても安心して心地よく眠れる。
会社での絵里は、彼とのお茶の時間も大切にし、一緒にお弁当を食べられそうな日は一緒に食べた。夕飯も、できるだけ一緒に食べた。
それでも、彼は時々、不安そうな瞳になりベッドで激しく彼女を求めた。不安と恐れを抱いた瞳の彼が心配だった。何かに怯えているように、「一緒にいたい」「ずっと一緒」と繰り返し繰り返し言う彼が……。
雅和の実家に行った時も、彼の母親に「一緒にいてね」と言われていた。その言葉の意味が、なんとなくボンヤリとひっかかっていた。
「……聞いてみた方がいいよね?」
彼女は意を決して、彼の母親にメッセージを送った。
【雅和さんのことで、聞きたいことがあります】
すぐに、母親から返事があった。
【絵里ちゃん、お家きてー!! 話しいっぱいあるの!!】
なんだか、予想していたかのような? 感じはあったものの……とにかく、彼の不安を取り除きたかった。
彼には、用事があるので遅くなります、と帰る前に直接伝えた。少し不安げな瞳をしていたが……「待ってる」と、彼は言った。触れてきた手は、少し震えていた。
屋敷に行くと、山ちゃんがスキップして出迎えてくれた。
通された応接間では、彼の母親が抱き締めて歓迎してくれた。父親は、「僕もハグしたいけど……」とぼやいていた。
用意された紅茶を一口飲んで、絵里は気持ちを落ちつかせてから切り出した。
「雅和さんのことで、聴きたいことがあります。彼が、ひどく不安と恐怖を抱いているように思えるんです」
「「っっっっ!!」」
「一緒に居たいって、ずっと言っていて……その、何だか……」
「「そ、それは……」」
「あの、雅和さんは……一緒に暮らしていた、んです……か?」
「……それは……」
「わたしから話すわ、ね。パパ?」
「ん、ぁあ」
彼の母から聞いた話しを整理すると……坂口家本家の代々の習わしで、家の血をひくモノとしての『教育』が施されてきた。食育という悪教育を受けてしまったのが、高井家の会長の子息たち。つまり、雅和と弟の朝。人材教育を受けたのは、従兄弟の理人。
本人やその親の意向はお構いなしに、教育は割り振りが生まれる前から決められており、それに刃向かうならば子どもが成人年齢に近づくまでは一緒に暮らすことを許されなくなる。
高井夫婦は、逆らった。互いに大切な子どもには、自分の好きな道を見つけて選んで欲しいと望んでいたから……しかし、坂口家の大長。本家の権力者が、彼らの隙をついて隔離教育を施した。
面会を許された日。数年ぶりに会える息子に、夫婦は喜んだ。弟も生まれ、もしかしたら、一緒に暮らせるかも知れない……と。
『…………』
『坊ちゃま、こちらです』
『……はじめまして、たかいまさかずです……』
『雅くん? パパと呼んでいいんだよ?』
『雅ちゃん、弟の朝くんよ?』
『だれです? このひとたち?』
『坊ちゃまの産みの親にございます』
『『なっっ?!』』
両親は驚愕し、失意の底に堕ちた。しばらく立ち直れない状態の2人に知恵を与えたのは、山井だった。傍仕えとして坂口の家のひとつ。高井家に仕えてから、2人の温かさや供に支え合う姿に感銘を受けていた。
ーーこの方たちの役立ちたい。おそばで支えていきたいーー
そう、常々想っていた。2人のお陰で、山井自身も交際が順調で婚約の運びになっている。その2人が……子どもに「誰?」と言われては、それは心を痛めてしまう。
本当は、自分たちで育てていたかったのを……あんっ、の時代錯誤もはなはなだしい頑固偏屈ジジィめが!! と、口に出しそうなのを堪えて。
『旦那様、奥様……あのジジィに一泡喰らわせませんか?』
『やまちゃん?!』
『何か、奇策でも……』
『えぇ、弟の朝さまと理人さまのご協力が第一の奇策です』
『『この子と、りっくん?』』
ニヤリと悪巧みを考えている山ちゃん。それに賛同する雅和の両親。山ちゃんはそれから、旦那様と奥様の味方になる屋敷中の仕える者にも周知させたり……旦那様の秘書としても仕える山ちゃんは、坂口グループの中でも大暗躍活動。
嬉々として、それはそれは毎日楽しく? 働いて……。
と、話しを聞いた絵里。雅和さんの生い立ちは色々と分かったものの……肝心のことは、「絵里ちゃんと雅ちゃん。2人でよく話し合ってね?」と。
遅く帰宅した彼女を、大きな尻尾を振って出迎えて抱き締める彼。すりすりと頬ずりして、キスをし「待ってた」と甘えながら泣きそうな瞳。
「雅和さん……どうして、いつも泣きそうで怖がっているんですか?」
「っっ!!」
「ずっとずっと気になっていたんです、わたし。雅和さん……まるで、わたしが離れていかないか心配で恐くなっているんじゃないかって……」
「……一緒がいい……ずっと、絵里とは……一緒に居て……」
「お話し、しませんか?」
小さくコクリと頷いた彼は、彼女が淹れてくれたお茶を前にして湯飲みで手を温めている。小さく震えている大きな男の人の手。その手にそっと触れて、揺れる瞳をみつめた。
呼吸を整え、雅和は小さい声で震えながら話してくれた。
絵里の家に来るまでの出来事。
ご飯を、幼い頃から一緒に食べてくれる人が誰もいなかった。という事実。
家族がいると自覚したのが、15歳の高校入学の時だった。時折、屋敷に遊びに来ていた2人の男の子。朝が実弟で、理人が従兄弟だったのも知ったと。ばあやが唯一、遊び相手として許していた子ども達が、この2人だった。
「弟の朝さんと理人さん以外と遊んだことは……」
「ないんだ。他の人は……話すこともまともに……だから、話す時がその……朝と理人以外は分からない話し方に」
「でも、わたしは普通にお話してました」
「ん……絵里は違ったんだ。最初から俺の頷き会話が成立してて……」
「頷き会話?」
「んっ、ってばかり言って話してるから。頷き会話って、理人たちが言ってる」
「えっ、今まで……頷いてたんですか?!」
「……絵里は知らなかった?」
「……はい……」
整理しましょう!! そうしましょう!! 雅和独特の頷き会話。「んっ」「んんっ」「んーーー」が、最初から難なく分かって会話が成立。
するわけ、ないでしょ? 普通……ふつう、なら。なんで? と、思っても分からない2人。いつから、どう成立するようになっていたとか、もう考えるのも……。
「わたし……雅和さんが、ずっとずっと苦しそうに辛そうにして。心配で怖がってる瞳が気になって……そうしていたら、雅和さんの傍、離れたくなくて……」
「……同情? だったら……」
「それとは、違うんです……前に話したように。わたし、恋とか経験なくて……あなたと一緒に居ると、嬉しいし。抱き締められるとドキドキして、キスされると嬉しくて気持ちよくて」
「それ以上……は……」
「あと夜の時は、あれだけされても……もっともっと、て。想ったりする自分がいて……わたし……」
ガタッっと音がしたら、唇が奪われていた。激しくキスをされた。
「俺が欲しいのは……君と。絵里と一緒に居る時間。君と一緒にご飯を食べたいんだ」
「わたしと一緒に?」
「君じゃないと、ご飯が美味しいとも楽しいとも思えない!! だから、俺と一緒に居て欲しい!! これからもずっと!!」
プロポーズの言葉だった、はずだが……雅和自身にとっては、一世一大の初めての……渾身のプロポーズ。だった。 可愛い、愛らしくて大好きな、愛おしい彼女が笑顔で「わたしも一緒にご飯食べるの、美味しくて楽しいです」と応えた。
プロポーズ……の、はずだった。彼にとっては……。
ベッドでの愛し方も、今まで以上の激しさだけでなく濃度が日に日に濃さを増していく。
「っふぁ、あぁっ!! ぁん、ひゃぁ!! 雅和さぁん!!」
「ふっ、はぁっ!! っくぅ!! 絵里!! 離さない!!」
「んぅ、んんっ!! ぁん、らめぇ!! またイッちゃうっぅ!」
「くっ、はぁぁぁ!!」
ラウンドは同じのはずなのに、絵里はどんどん呑まれに呑まれ堕とし込まれてイク。もう、彼の底なしの状態ではないだろうか? という状態に彼女は達し続けていく。
優しいのに、執拗に気持ちいいと感じたと分かった場所を愛撫し、彼女を絶頂の域へと持っていく。キスだけで、蕩けてぼんやりとしてしまうのに……彼の唇で身体中を愛され尽くされ、喰われて貪り尽くされて堕とされる。
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感度も、反応も、雅和好みにされてイキながら、彼のことをもっと感じたいと……淡く色づいた花の蕾は開花しており、彼だけに甘い蜜を与え続ける。もっと、彼と深い深い繋がりが欲しい。彼と……。
「ぁん、はぁあん!! 雅和さん、雅和さん!! もっと一緒に居たいぃ!!」
「くぅ、俺も!! 一緒に!! ずっと、一緒だ!!」
「うぁん、嬉しいのぉ!! あぁん、あっ、やぁ!! もっと一緒にぃ!!」
「絵里、どんどん……イヤらしくなって……っく、もっと俺と一緒にいよう? ずっと、一緒に!!」
雅和に「もっと一緒にいよう」「ずっと一緒にいよう」と囁かれながら、激しくナカを彼の昂ぶりが刺激していく。ドクドクと熱く脈打ち、彼女のなかを求めている。それに応えるように、彼の昂ぶりを抱かれる度に受け容れ、果て続けている。
抱きつくされ、喰い尽くされ、貪り尽くされ、眠っている彼女を優しく抱き締めて一緒に眠る。
毎夜、彼女を抱いて一緒に眠ると。とても安心して心地よく眠れる。
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それでも、彼は時々、不安そうな瞳になりベッドで激しく彼女を求めた。不安と恐れを抱いた瞳の彼が心配だった。何かに怯えているように、「一緒にいたい」「ずっと一緒」と繰り返し繰り返し言う彼が……。
雅和の実家に行った時も、彼の母親に「一緒にいてね」と言われていた。その言葉の意味が、なんとなくボンヤリとひっかかっていた。
「……聞いてみた方がいいよね?」
彼女は意を決して、彼の母親にメッセージを送った。
【雅和さんのことで、聞きたいことがあります】
すぐに、母親から返事があった。
【絵里ちゃん、お家きてー!! 話しいっぱいあるの!!】
なんだか、予想していたかのような? 感じはあったものの……とにかく、彼の不安を取り除きたかった。
彼には、用事があるので遅くなります、と帰る前に直接伝えた。少し不安げな瞳をしていたが……「待ってる」と、彼は言った。触れてきた手は、少し震えていた。
屋敷に行くと、山ちゃんがスキップして出迎えてくれた。
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「「っっっっ!!」」
「一緒に居たいって、ずっと言っていて……その、何だか……」
「「そ、それは……」」
「あの、雅和さんは……一緒に暮らしていた、んです……か?」
「……それは……」
「わたしから話すわ、ね。パパ?」
「ん、ぁあ」
彼の母から聞いた話しを整理すると……坂口家本家の代々の習わしで、家の血をひくモノとしての『教育』が施されてきた。食育という悪教育を受けてしまったのが、高井家の会長の子息たち。つまり、雅和と弟の朝。人材教育を受けたのは、従兄弟の理人。
本人やその親の意向はお構いなしに、教育は割り振りが生まれる前から決められており、それに刃向かうならば子どもが成人年齢に近づくまでは一緒に暮らすことを許されなくなる。
高井夫婦は、逆らった。互いに大切な子どもには、自分の好きな道を見つけて選んで欲しいと望んでいたから……しかし、坂口家の大長。本家の権力者が、彼らの隙をついて隔離教育を施した。
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『…………』
『坊ちゃま、こちらです』
『……はじめまして、たかいまさかずです……』
『雅くん? パパと呼んでいいんだよ?』
『雅ちゃん、弟の朝くんよ?』
『だれです? このひとたち?』
『坊ちゃまの産みの親にございます』
『『なっっ?!』』
両親は驚愕し、失意の底に堕ちた。しばらく立ち直れない状態の2人に知恵を与えたのは、山井だった。傍仕えとして坂口の家のひとつ。高井家に仕えてから、2人の温かさや供に支え合う姿に感銘を受けていた。
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そう、常々想っていた。2人のお陰で、山井自身も交際が順調で婚約の運びになっている。その2人が……子どもに「誰?」と言われては、それは心を痛めてしまう。
本当は、自分たちで育てていたかったのを……あんっ、の時代錯誤もはなはなだしい頑固偏屈ジジィめが!! と、口に出しそうなのを堪えて。
『旦那様、奥様……あのジジィに一泡喰らわせませんか?』
『やまちゃん?!』
『何か、奇策でも……』
『えぇ、弟の朝さまと理人さまのご協力が第一の奇策です』
『『この子と、りっくん?』』
ニヤリと悪巧みを考えている山ちゃん。それに賛同する雅和の両親。山ちゃんはそれから、旦那様と奥様の味方になる屋敷中の仕える者にも周知させたり……旦那様の秘書としても仕える山ちゃんは、坂口グループの中でも大暗躍活動。
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と、話しを聞いた絵里。雅和さんの生い立ちは色々と分かったものの……肝心のことは、「絵里ちゃんと雅ちゃん。2人でよく話し合ってね?」と。
遅く帰宅した彼女を、大きな尻尾を振って出迎えて抱き締める彼。すりすりと頬ずりして、キスをし「待ってた」と甘えながら泣きそうな瞳。
「雅和さん……どうして、いつも泣きそうで怖がっているんですか?」
「っっ!!」
「ずっとずっと気になっていたんです、わたし。雅和さん……まるで、わたしが離れていかないか心配で恐くなっているんじゃないかって……」
「……一緒がいい……ずっと、絵里とは……一緒に居て……」
「お話し、しませんか?」
小さくコクリと頷いた彼は、彼女が淹れてくれたお茶を前にして湯飲みで手を温めている。小さく震えている大きな男の人の手。その手にそっと触れて、揺れる瞳をみつめた。
呼吸を整え、雅和は小さい声で震えながら話してくれた。
絵里の家に来るまでの出来事。
ご飯を、幼い頃から一緒に食べてくれる人が誰もいなかった。という事実。
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「弟の朝さんと理人さん以外と遊んだことは……」
「ないんだ。他の人は……話すこともまともに……だから、話す時がその……朝と理人以外は分からない話し方に」
「でも、わたしは普通にお話してました」
「ん……絵里は違ったんだ。最初から俺の頷き会話が成立してて……」
「頷き会話?」
「んっ、ってばかり言って話してるから。頷き会話って、理人たちが言ってる」
「えっ、今まで……頷いてたんですか?!」
「……絵里は知らなかった?」
「……はい……」
整理しましょう!! そうしましょう!! 雅和独特の頷き会話。「んっ」「んんっ」「んーーー」が、最初から難なく分かって会話が成立。
するわけ、ないでしょ? 普通……ふつう、なら。なんで? と、思っても分からない2人。いつから、どう成立するようになっていたとか、もう考えるのも……。
「わたし……雅和さんが、ずっとずっと苦しそうに辛そうにして。心配で怖がってる瞳が気になって……そうしていたら、雅和さんの傍、離れたくなくて……」
「……同情? だったら……」
「それとは、違うんです……前に話したように。わたし、恋とか経験なくて……あなたと一緒に居ると、嬉しいし。抱き締められるとドキドキして、キスされると嬉しくて気持ちよくて」
「それ以上……は……」
「あと夜の時は、あれだけされても……もっともっと、て。想ったりする自分がいて……わたし……」
ガタッっと音がしたら、唇が奪われていた。激しくキスをされた。
「俺が欲しいのは……君と。絵里と一緒に居る時間。君と一緒にご飯を食べたいんだ」
「わたしと一緒に?」
「君じゃないと、ご飯が美味しいとも楽しいとも思えない!! だから、俺と一緒に居て欲しい!! これからもずっと!!」
プロポーズの言葉だった、はずだが……雅和自身にとっては、一世一大の初めての……渾身のプロポーズ。だった。 可愛い、愛らしくて大好きな、愛おしい彼女が笑顔で「わたしも一緒にご飯食べるの、美味しくて楽しいです」と応えた。
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