7 / 22
一緒にご飯したい!!
しおりを挟む
狼さんは、赤ずきんちゃんの家に毎日通っています。朝ご飯を食べに、昼は一緒にお弁当。夕食も一緒にご飯を食べて、おやすみのキスをして帰ります。
お家に帰ると、とても辛い辛い。苦しい時間になります。ばあやが、狼さんを苛めるからです。
「坊ちゃん、何故、ご自宅で食事をなさらないのですか!!」
「……仕事が……」
「口答えはなさらないでください!!」
「はい」
「いいですか!! 坊ちゃまは、大事な坂口家の縁戚筋となっておりますが……」
そこから、ばあやが毎晩毎日。狼さんに言っています。大きなお屋敷に、長いテーブル。椅子はあるのに、座れず床に正座。
ばあやは、エプロン姿で冷えた食事を食べるようにと狼さんに言い。食べ終わるまで横で見張っています。
「食事は、美味しく楽しく!!」
赤ずきんちゃんの、優しく微笑む笑顔が浮かびます。必死に、味が感じられない。美味しいと感じられない。苦しく、辛い食事をします。
毎晩毎日。
どれだけ時間がかかろうとも、食べ終わるまで……。
食べ過ぎてしまった分は、身体を鍛えて動かして消費するしかなかった狼さん。必然的に逞しい体軀を手に入れ、腕力も体力も手に入れましたが……ばあやの前では、なんにもなりません。
幼かった頃から、ずっとずっと大きなお屋敷に1人でいたのですから。両親を知ることを許されず、ただ、坂口家のためと教育を受けてきた狼さん。
彼が心安まるのは、赤ずきんちゃん。沢絵里と一緒にいる時間だけになっていきました。
「帰りたい」
そのひと言を、ばあやは聞き逃しはしませんでした。
坂口家の屋敷に来て30数年。坊ちゃん。雅和を育ててきた彼女。孫を迎えている坂口家に出入りする勤め人と比べてしまう日もある。早く。そう、早く坊ちゃまに結婚して子をなして貰わねば!!
酷く焦りを感じ始めていた。
彼のひと言が、彼女を暴走へと変えるきっかけになった。
いつもの様に、早朝にランニングコースから彼女の家に向かう。朝食を用意して待ってくれている彼女の家に着くと、朝の挨拶とキスを交わした。
何度キスをしても、彼女は頬を染めている。愛らしい表情に辛くて苦しい時間を忘れられる。あの、檻に閉じ込められていた雅和は会社に行くことで一時的に解放される。
彼は、絵里と一緒にいられる事で嬉しくて楽しくて忘れていた。 ばあやが、『帰りたい』を忘れずにいたことを。
出社前の朝食。彼女と支度のために1度離れ、近くのホテルで着替えを済ませて出社。仕事。昼休憩で彼女と弁当。仕事。彼女の家に行く途中、一緒にスーパーで買い物をして家に行って食事。帰り際、甘いキスをして屋敷。
「……の、ようですね? 坊ちゃま?」
「……は、い……」
「聞こえません!!」
「はい!!」
延々と続いている話し。必死に堪える。そして、ばあやが言った。
「その女は、何を得ようとしているのですか?! 坂口家の名ですか? 金ですか? 支援ですか?」
「ちっ、ちがっ……彼女は、ちがっ……かの、かのじょ」
「何が違うというのです!!」
「違う!!!!」
「?!」
「ちがう、ちがう、ちがう!!」
雅和は、小さな子どもが必死に訴えるように何度も「違う」「彼女は違う」と繰り返した。
鋭いどう猛な狼が、ばあやを睨み付けた。
「ひっ」
喉奥でひゅっと風が鳴り、悲鳴を堪える。全身脂汗が出て、冷や汗が背中にまとわりつく。
『いいかい?! 坂口の血をまともに滾らせたら、君は大変なことになる。忘れずに……』
あの、あのお方の言葉を初めて理解した。目の前の血が滾った狼は、滾った血で狩りをし始めた。想い出したあの日の、あの方の言葉。あの時の瞳。あの方も、狩りの獲物を……狩った後だと、言っていた。
ばあやは、その後、虚ろな瞳でふらふらと食堂から出て行った。食堂の扉の外には、坂口の人間がいた。
「雅和……君は遅かったけど、確かな……」
「…………」
「分かってる。それ以上は口出し無用だね」
「当たり前だ」
育てのばあやは、その日の夜。坂口家の別宅へと姿を消した。そして、家には雅和がひとりになった。
寂しくなった狼さん。血が滾って目醒めた狼さん。赤ずきんちゃんと一緒の時間をもっともっと……欲してやまない狼さん。
【絵里。一緒にもっともっとご飯】
【ひとり。さびしい】
「雅和さん……どうしたんだろう?」
メッセージアプリの電話機能を使い、電話をすると雅和が絵里にキスをして懇願したときのように。低くて身体を疼かせる響く甘い声が届いた。
「一緒にいたいんだ。ひとりは、いや、だ。絵里」
「あの、雅和さん? 何かありました?」
「逢いたい……今から、行っていい? ダメかい?」
「でも、夜遅いですし……明日の朝、ご飯一緒ですし……」
「我慢できたら、一緒にいていいよね? 絵里」
「……? はい……」
翌朝、雅和は絵里とご飯を食べた。違ったのはランニング姿ではなく。スーツ姿。
一緒に出社をして、仕事をして帰ろうとすると。
「我慢できたから……今日から、一緒でいいよね? 絵里?」
「えっ、あの、今日から……一緒って……」
「俺の家で、一緒にいよう」
「ぇえ!! ま、雅和さん?!」
サイボーグ課長。ばあやの教育の仕方が悪かった訳でも……ないと思いたいが、高井雅和は、初めて好きになった女性へのアプローチをとてつもない方向でしていた。
それも、初恋相手が高井雅和という難易度の高すぎる男に。ある意味、初クエストでラスボスと闘うような状態。ラスボス以上だろう……きっと。
お家に帰ると、とても辛い辛い。苦しい時間になります。ばあやが、狼さんを苛めるからです。
「坊ちゃん、何故、ご自宅で食事をなさらないのですか!!」
「……仕事が……」
「口答えはなさらないでください!!」
「はい」
「いいですか!! 坊ちゃまは、大事な坂口家の縁戚筋となっておりますが……」
そこから、ばあやが毎晩毎日。狼さんに言っています。大きなお屋敷に、長いテーブル。椅子はあるのに、座れず床に正座。
ばあやは、エプロン姿で冷えた食事を食べるようにと狼さんに言い。食べ終わるまで横で見張っています。
「食事は、美味しく楽しく!!」
赤ずきんちゃんの、優しく微笑む笑顔が浮かびます。必死に、味が感じられない。美味しいと感じられない。苦しく、辛い食事をします。
毎晩毎日。
どれだけ時間がかかろうとも、食べ終わるまで……。
食べ過ぎてしまった分は、身体を鍛えて動かして消費するしかなかった狼さん。必然的に逞しい体軀を手に入れ、腕力も体力も手に入れましたが……ばあやの前では、なんにもなりません。
幼かった頃から、ずっとずっと大きなお屋敷に1人でいたのですから。両親を知ることを許されず、ただ、坂口家のためと教育を受けてきた狼さん。
彼が心安まるのは、赤ずきんちゃん。沢絵里と一緒にいる時間だけになっていきました。
「帰りたい」
そのひと言を、ばあやは聞き逃しはしませんでした。
坂口家の屋敷に来て30数年。坊ちゃん。雅和を育ててきた彼女。孫を迎えている坂口家に出入りする勤め人と比べてしまう日もある。早く。そう、早く坊ちゃまに結婚して子をなして貰わねば!!
酷く焦りを感じ始めていた。
彼のひと言が、彼女を暴走へと変えるきっかけになった。
いつもの様に、早朝にランニングコースから彼女の家に向かう。朝食を用意して待ってくれている彼女の家に着くと、朝の挨拶とキスを交わした。
何度キスをしても、彼女は頬を染めている。愛らしい表情に辛くて苦しい時間を忘れられる。あの、檻に閉じ込められていた雅和は会社に行くことで一時的に解放される。
彼は、絵里と一緒にいられる事で嬉しくて楽しくて忘れていた。 ばあやが、『帰りたい』を忘れずにいたことを。
出社前の朝食。彼女と支度のために1度離れ、近くのホテルで着替えを済ませて出社。仕事。昼休憩で彼女と弁当。仕事。彼女の家に行く途中、一緒にスーパーで買い物をして家に行って食事。帰り際、甘いキスをして屋敷。
「……の、ようですね? 坊ちゃま?」
「……は、い……」
「聞こえません!!」
「はい!!」
延々と続いている話し。必死に堪える。そして、ばあやが言った。
「その女は、何を得ようとしているのですか?! 坂口家の名ですか? 金ですか? 支援ですか?」
「ちっ、ちがっ……彼女は、ちがっ……かの、かのじょ」
「何が違うというのです!!」
「違う!!!!」
「?!」
「ちがう、ちがう、ちがう!!」
雅和は、小さな子どもが必死に訴えるように何度も「違う」「彼女は違う」と繰り返した。
鋭いどう猛な狼が、ばあやを睨み付けた。
「ひっ」
喉奥でひゅっと風が鳴り、悲鳴を堪える。全身脂汗が出て、冷や汗が背中にまとわりつく。
『いいかい?! 坂口の血をまともに滾らせたら、君は大変なことになる。忘れずに……』
あの、あのお方の言葉を初めて理解した。目の前の血が滾った狼は、滾った血で狩りをし始めた。想い出したあの日の、あの方の言葉。あの時の瞳。あの方も、狩りの獲物を……狩った後だと、言っていた。
ばあやは、その後、虚ろな瞳でふらふらと食堂から出て行った。食堂の扉の外には、坂口の人間がいた。
「雅和……君は遅かったけど、確かな……」
「…………」
「分かってる。それ以上は口出し無用だね」
「当たり前だ」
育てのばあやは、その日の夜。坂口家の別宅へと姿を消した。そして、家には雅和がひとりになった。
寂しくなった狼さん。血が滾って目醒めた狼さん。赤ずきんちゃんと一緒の時間をもっともっと……欲してやまない狼さん。
【絵里。一緒にもっともっとご飯】
【ひとり。さびしい】
「雅和さん……どうしたんだろう?」
メッセージアプリの電話機能を使い、電話をすると雅和が絵里にキスをして懇願したときのように。低くて身体を疼かせる響く甘い声が届いた。
「一緒にいたいんだ。ひとりは、いや、だ。絵里」
「あの、雅和さん? 何かありました?」
「逢いたい……今から、行っていい? ダメかい?」
「でも、夜遅いですし……明日の朝、ご飯一緒ですし……」
「我慢できたら、一緒にいていいよね? 絵里」
「……? はい……」
翌朝、雅和は絵里とご飯を食べた。違ったのはランニング姿ではなく。スーツ姿。
一緒に出社をして、仕事をして帰ろうとすると。
「我慢できたから……今日から、一緒でいいよね? 絵里?」
「えっ、あの、今日から……一緒って……」
「俺の家で、一緒にいよう」
「ぇえ!! ま、雅和さん?!」
サイボーグ課長。ばあやの教育の仕方が悪かった訳でも……ないと思いたいが、高井雅和は、初めて好きになった女性へのアプローチをとてつもない方向でしていた。
それも、初恋相手が高井雅和という難易度の高すぎる男に。ある意味、初クエストでラスボスと闘うような状態。ラスボス以上だろう……きっと。
0
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
完結*三年も付き合った恋人に、家柄を理由に騙されて捨てられたのに、名家の婚約者のいる御曹司から溺愛されました。
恩田璃星
恋愛
清永凛(きよなが りん)は平日はごく普通のOL、土日のいずれかは交通整理の副業に励む働き者。
副業先の上司である夏目仁希(なつめ にき)から、会う度に嫌味を言われたって気にしたことなどなかった。
なぜなら、凛には付き合って三年になる恋人がいるからだ。
しかし、そろそろプロポーズされるかも?と期待していたある日、彼から一方的に別れを告げられてしまいー!?
それを機に、凛の運命は思いも寄らない方向に引っ張られていく。
果たして凛は、両親のように、愛の溢れる家庭を築けるのか!?
*この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
*不定期更新になることがあります。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ
慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。
その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは
仕事上でしか接点のない上司だった。
思っていることを口にするのが苦手
地味で大人しい司書
木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)
×
真面目で優しい千紗子の上司
知的で容姿端麗な課長
雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29)
胸を締め付ける切ない想いを
抱えているのはいったいどちらなのか———
「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」
「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」
「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」
真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。
**********
►Attention
※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです)
※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。
※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
氷萌
恋愛
彼との未来を本気で考えていた―――
ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。
それは同棲の話が出ていた矢先だった。
凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。
ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。
実は彼、厄介な事に大の女嫌いで――
元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる