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餌付けはじめました!!
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短大を無事に卒業して、栄養士資格も取得し坂口商社に入社した。坂口商社は大手で、オリジナル食品も手がけていて安定した販売数の『おうちご飯』シリーズがある。
絵里はご飯は基本自炊。『おうちご飯』シリーズに出会っていたが、料理をするきっかけを広めてくれるという感覚の中でいた。
入社当初は、優歌と一緒にルームシェアしていた。お互いに同じ会社で、他部署だったが忙しい商品開発部の彼女は仕事ゆえに自社製品も食べなくてはならない。
ある日、ずらっと並んだ『おうちご飯』で1食分を食べることに嫌気がさして優歌は大爆発を起こした。
それも、会社の中で。
「っ~~!! だーかーらー!! 仕事だからって、調理がおんなじじゃ飽き飽きすんの!! わかる!!」
開発部課長に向かって、ギャーギャー怒り始める。
出来上がった『おうちご飯』シリーズの豚肉の生姜焼きを、無表情で口の中に運んでいく。
「食って、売れるかを考えるだけにしたらどうだ?」
シレッとただ食っているサイボーグを目の前に、あほらしく感じた。
カッカッカッ、バタン!!
開発部内は、とても空気が悪い。
優歌の大爆発がいつ起こるか? 課長の無表情食い。
食品を手がける部署とは思えない殺伐さ。夢見て入社し、配属に期待を胸にした新入社員は「ぁあー」という表情で見送られていった。
そして痛感する。
『ここは地獄だ』
開発部の面々が、そろそろと1人、また1人と「ちょっと書類を」「昼休憩入ります」などと言って居なくなる。
むっしゃむしゃと無表情で、開発中の食品と販売している食品をただ1人で食べる。
気が付くと、サイボークと呼ばれていた。新入社員が数年前に入ったが、その女は無表情で食べている自分にとてつもなく腹を立てて出て行くことが度々ある。そのたびに、他の部下達も席をたっていく。
時間が過ぎると、部下達は幸せな表情で戻ってきている。
怒りをあらわに爆発した女性社員もだ。
高井は、見た目はとても良いので女が自然と寄ってきたが、特に興味ないが来るモノ拒まずでいた。結局は、女の方から去って行く。名前を覚えるのも面倒になった。
社会人になっても、部下の名前はボンヤリだ。
数年前に入社し配属された、この女の名前だけは変な組み合わせをして覚えてしまった。
野崎。名字だけ、覚えた。
野崎が行く先に、必ず開発部の面々も行っている……らしい。と、小耳に挟んだ。
特に興味はない、そう、自分に言い聞かせていた。野崎たちが顔を緩めている中心に、彼女がいた。
彼女の横には、お重があった。卵焼き、筑前煮、ほうれん草のおひたし。白和え。おにぎり。
特に手の込んだ料理には見えなかった。『おうちご飯』シリーズにもあるおかず。それを使ったのだろうと思った。
風に流れて鼻をくすぐる匂い。今までない感覚が全身を巡る。
お重のおかずを口に運び、咀嚼する。美味しく食べている。それも楽しそうに。
食事の風景が、自分の中で崩れていく。
ーなんだ? コレは?ー
高井は衝撃を受け、ふらふらと戻っていく。部下達が満たされた表情で戻ってきた。
『ごめんね!!今日はお昼一緒にできない~!!』
『大丈夫だよ』
『アソコで食べるんだよ』
優歌に念押しされて、お昼ご飯が1人の時は隠れたお弁当スポットに行く。
ベンチに腰掛け、持ってきたお弁当セットを広げ膝の上に乗せる。
「いただきます!!」
お弁当の蓋を開けた。
大きな陰が覆い尽くす。鋭い視線。ふと、お弁当から視線を少し上にずらす。
無表情でサイボーグと言われている、高井雅和が目の前にいた。絵里の弁当を凝視していいる。無言でずっと見ているのが、妙なプレッシャーを覚えた。
ー欲しいのかな?ー
卵焼きを一口目の前に出すと、食べた。無表情と言われる高井には、表情がある。感情はあると、絵里は感じた。
「……開発部の高井課長……ですよね?」
いつの間にやら絵里の横に座り、弁当をもらい受け食べている。
食べながら、頷き、絵里にしかわからない美味しいという表情をだす。
「お弁当……作ってきましょうか?」
すごい勢いで絵里を見返す。
眉間に酷くしわが寄り、眼光がどんどん鋭くなっていく。
「お弁当の1つ増えても、大丈夫です」
眉間に出来ている皺に指をあて、さらにうなり始める。
「課長の迷惑にならない場所で、受け取りなら……良いですか?」
絵里の顔を見てから、胸元からメモ帳を取り出し書いて四つ折りにした。
食べ終えた弁当の上にメモを置いて、「では」と言って足早に高井は去って行った。周囲をとてつもなく警戒していた。
メモのやり取りを弁当箱と一緒にするようになり、3ヶ月が経った。
ルームシェアしていた優歌は、絵里の兄と同居のため2ヶ月前にアパートを出ていた。絵里と家賃を折半していたので、優歌が同居と同時にアパートを変えた。
兄の1人、健人とは優歌が短大時代に家に訪れていたのがきっかけで付き合いが始まっている。長兄の信人は、なんと優歌の姉と付き合っている。信人はすでに婚約中。
絵里が大好きな彼女たちが、「近くに住んで欲しい」と言い張り、物件を決めていたことには驚いた。
「ごめん……勝手に引っ越し先まで決めて」
叱られた子犬のような優歌に、「また一緒にご飯食べられるね」と笑った。
高井課長に弁当とメモのやり取りも、相変わらず続いている。優歌たちには、高井課長のことはまだ話していない。彼が、「弁当のことは他言無用」と言われたのだ。とても、厳しい顔で。
絵里はご飯は基本自炊。『おうちご飯』シリーズに出会っていたが、料理をするきっかけを広めてくれるという感覚の中でいた。
入社当初は、優歌と一緒にルームシェアしていた。お互いに同じ会社で、他部署だったが忙しい商品開発部の彼女は仕事ゆえに自社製品も食べなくてはならない。
ある日、ずらっと並んだ『おうちご飯』で1食分を食べることに嫌気がさして優歌は大爆発を起こした。
それも、会社の中で。
「っ~~!! だーかーらー!! 仕事だからって、調理がおんなじじゃ飽き飽きすんの!! わかる!!」
開発部課長に向かって、ギャーギャー怒り始める。
出来上がった『おうちご飯』シリーズの豚肉の生姜焼きを、無表情で口の中に運んでいく。
「食って、売れるかを考えるだけにしたらどうだ?」
シレッとただ食っているサイボーグを目の前に、あほらしく感じた。
カッカッカッ、バタン!!
開発部内は、とても空気が悪い。
優歌の大爆発がいつ起こるか? 課長の無表情食い。
食品を手がける部署とは思えない殺伐さ。夢見て入社し、配属に期待を胸にした新入社員は「ぁあー」という表情で見送られていった。
そして痛感する。
『ここは地獄だ』
開発部の面々が、そろそろと1人、また1人と「ちょっと書類を」「昼休憩入ります」などと言って居なくなる。
むっしゃむしゃと無表情で、開発中の食品と販売している食品をただ1人で食べる。
気が付くと、サイボークと呼ばれていた。新入社員が数年前に入ったが、その女は無表情で食べている自分にとてつもなく腹を立てて出て行くことが度々ある。そのたびに、他の部下達も席をたっていく。
時間が過ぎると、部下達は幸せな表情で戻ってきている。
怒りをあらわに爆発した女性社員もだ。
高井は、見た目はとても良いので女が自然と寄ってきたが、特に興味ないが来るモノ拒まずでいた。結局は、女の方から去って行く。名前を覚えるのも面倒になった。
社会人になっても、部下の名前はボンヤリだ。
数年前に入社し配属された、この女の名前だけは変な組み合わせをして覚えてしまった。
野崎。名字だけ、覚えた。
野崎が行く先に、必ず開発部の面々も行っている……らしい。と、小耳に挟んだ。
特に興味はない、そう、自分に言い聞かせていた。野崎たちが顔を緩めている中心に、彼女がいた。
彼女の横には、お重があった。卵焼き、筑前煮、ほうれん草のおひたし。白和え。おにぎり。
特に手の込んだ料理には見えなかった。『おうちご飯』シリーズにもあるおかず。それを使ったのだろうと思った。
風に流れて鼻をくすぐる匂い。今までない感覚が全身を巡る。
お重のおかずを口に運び、咀嚼する。美味しく食べている。それも楽しそうに。
食事の風景が、自分の中で崩れていく。
ーなんだ? コレは?ー
高井は衝撃を受け、ふらふらと戻っていく。部下達が満たされた表情で戻ってきた。
『ごめんね!!今日はお昼一緒にできない~!!』
『大丈夫だよ』
『アソコで食べるんだよ』
優歌に念押しされて、お昼ご飯が1人の時は隠れたお弁当スポットに行く。
ベンチに腰掛け、持ってきたお弁当セットを広げ膝の上に乗せる。
「いただきます!!」
お弁当の蓋を開けた。
大きな陰が覆い尽くす。鋭い視線。ふと、お弁当から視線を少し上にずらす。
無表情でサイボーグと言われている、高井雅和が目の前にいた。絵里の弁当を凝視していいる。無言でずっと見ているのが、妙なプレッシャーを覚えた。
ー欲しいのかな?ー
卵焼きを一口目の前に出すと、食べた。無表情と言われる高井には、表情がある。感情はあると、絵里は感じた。
「……開発部の高井課長……ですよね?」
いつの間にやら絵里の横に座り、弁当をもらい受け食べている。
食べながら、頷き、絵里にしかわからない美味しいという表情をだす。
「お弁当……作ってきましょうか?」
すごい勢いで絵里を見返す。
眉間に酷くしわが寄り、眼光がどんどん鋭くなっていく。
「お弁当の1つ増えても、大丈夫です」
眉間に出来ている皺に指をあて、さらにうなり始める。
「課長の迷惑にならない場所で、受け取りなら……良いですか?」
絵里の顔を見てから、胸元からメモ帳を取り出し書いて四つ折りにした。
食べ終えた弁当の上にメモを置いて、「では」と言って足早に高井は去って行った。周囲をとてつもなく警戒していた。
メモのやり取りを弁当箱と一緒にするようになり、3ヶ月が経った。
ルームシェアしていた優歌は、絵里の兄と同居のため2ヶ月前にアパートを出ていた。絵里と家賃を折半していたので、優歌が同居と同時にアパートを変えた。
兄の1人、健人とは優歌が短大時代に家に訪れていたのがきっかけで付き合いが始まっている。長兄の信人は、なんと優歌の姉と付き合っている。信人はすでに婚約中。
絵里が大好きな彼女たちが、「近くに住んで欲しい」と言い張り、物件を決めていたことには驚いた。
「ごめん……勝手に引っ越し先まで決めて」
叱られた子犬のような優歌に、「また一緒にご飯食べられるね」と笑った。
高井課長に弁当とメモのやり取りも、相変わらず続いている。優歌たちには、高井課長のことはまだ話していない。彼が、「弁当のことは他言無用」と言われたのだ。とても、厳しい顔で。
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