35 / 68
壱 出会いの章
32話 囚われから余興は始まる
しおりを挟む
「うわ~予想通りすぎてなんか拍子抜けなんだけど」
緋夜は今、どこぞの地下牢にいた。冷たい鉄格子の中で冷たい床に座りながら苦笑する。
何故こんなことになっているのか、しばし時は遡りーー
緋夜は情報収集のため、ダサ……独特な名前の酒場に足を運んだ。昼間だというのに随分と人でごった返している。これならば多少は目眩しになるだろうと思いカウンターに座り、注文した果実水を口に含む。
(これだけ人がいるなら、いい情報が得られる可能性はある。しばらく様子をみてみよう)
そう思いながら果実水を飲んでいると、隣に顔立ちのいい男が座ってきた。
「ねえ君。もしかして一人?」
「ええ。急に飲みたい気分になって」
「あ~わかる。俺も時々あるからさ。結構いける口?」
「どうでしょうね。ほとんど一杯ほど飲んで終わりにすることが多いので」
嘘である。流石に一杯で止めることはほとんどない。普通に三杯は飲んでからやめることが多く、一杯だけの時は予定が入っている時くらいだ。
「へえ、そうなんだ。もっといけるかと思ってたけど」
「よく言われます」
「それにしても……この町にこんな美人がいたとはびっくりだよ」
「あら、この町の人ではないのですか?」
「まあね。今は絶賛旅行中」
「旅行ですか。いいですね」
「そう思う? 嬉しいなあ。俺旅行が趣味なんだよ」
「それは素敵な趣味をお持ちで」
「君はこの町の子?」
「いいえ。母からの使いの帰りに立ち寄ったのですよ。一度は来てみたかったもので」
「そうなんだ。いいところだよねこの町は」
「はい、とても」
「いい宿も酒場もいいものがいっぱいあるよね。さすが商業領地だ。 ……もちろん、君みたいな美人も、ね」
緋夜は目を細めながら男性の話に合わせていく。こういうおしゃべりな人間は情報収集にはうってつけだ。
「ありがとうございます。私もあなたのような殿方に会えて光栄ですよ」
「あはは! 君口がうまいね」
「ですが、そろそろ出ようかと思っています」
「なんで?」
「最近よからぬことが立て続けに起こっていてこれ以上いるのは危険かなって」
「ああ確かに。最近物騒だよね。なんか変な奴らが荒らし回っているんだろ?」
「ええ、そう聞いています。なんでも警吏の方も数人怪我を負ったとか」
「ああそれ俺も聞いたよ! 黒服の連中にやられたんだろ? ほんと勘弁してほしいよな」
「そうですね。ですからちょっと素直に楽しめなくて」
少し落ち込んだような声色で俯きがちに話すと男性が緋夜の顔を覗き込んできた。
「大丈夫? 顔色悪いけど飲みすぎた?」
「ええ、少し。すみません、なんだか」
「ああ気にしないでいいよ。気分が優れないことはあるし。なんなら送って行こうか?」
「ですが、初対面の方に甘えるわけには」
「いいっていいって。具合の悪い女性を放っておくのは俺のポリシーに反するってね」
「! フフッ……面白い方ですね」
「あ、そう? まあよく言われるけどな」
愉快な男性が支払いをし、緋夜を支えながら歩いていく。
「それで、どっち? お使い途中に寄ったってことは宿に泊まっているんだよね?」
「ええ、大通りに面した緑色の屋根の宿です」
「緑の屋根ね! 了解。それじゃしっかり掴まってて」
「はい、ありがとうございます」
緋夜は少々申し訳なさそうに微笑みながら男性に支えられて歩いていく。
(あれ? なんだか甘い香りがする……)
緋夜はその香りで次第に眠くなり、微睡の中に落ちていく。
「ゆっくり眠りな、綺麗な綺麗な俺達の商品」
という男の言葉を薄らと耳にしながらーー
ーーそして時は戻り、現在
「普通に怪しまれてるとか思わないのがすごいわ」
緋夜は酔ってもいないし具合が悪いわけでもない。何かあると確信した上で、男について行ったのだ。そもそも緋夜が飲んでいたのは果実水なので、酔えるはずもない。
よって、緋夜は自らこの渦中の飛び込んだことになるのだが、ここがどこかという情報は緋夜が眠ったフリをしながら聞いていた会話の内容で十分だった。
「タイミングから考えて今クリサンセマムを荒らしている連中かな。私がセレナの屋敷に出入りしたことが漏れたのかもね。もしくは全く別の連中って可能性もなくはないけど」
緋夜はそう言いながら申し訳程度に開けられている地上が見える隙間に視線を向けた。状況から既に一時間はとっくに過ぎているだろう。
「ガイをここに連れてくる方が早そうだね」
バッグは取り上げられているが、緋夜には空間収納がある。そこには緋夜が地球から持ち込んだ物が入っており、その中からあるものを取り出す。
「えーっと……取扱説明……書? によると…………本当になんでこんなの作るかなあの色彩音痴。これ自作していたせいで必修単位落としたっていうんだから世話ないよね。ていうかバッテリー大丈夫これ……あららご丁寧に予備の電池まで入っていることで」
ぶつくさ言いながらも取り出した物を組み立て隠し撮りしていたガイの写真をそれに入れ、スイッチを押し仕上げに魔法をかけて格子の間から外へと飛ばす。
「これで後は『あれ』がガイをここまで連れてくるでしょう。それまでどうしようかな……」
男は商品と言っていたため、おそらくここにはこれまでも多くの人が囚われている可能性が高い。そしてその理由はオークションに出すことだろうが、もしこれが例の黒服連中の行いだとするならばそれによって得られるメリットはなんなのか。
緋夜は思考を巡らせながら笑みを浮かべる。
「さて……鬼が出るか蛇が出るか、しばらくこの余興を楽しもうかな」
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
きっかり一時間後、ガイは待ち合わせ場所に戻ってきたもののそこにいるはずの緋夜はいなかった。
「あ? まだ戻ってねえのかあいつ」
(あいつは時間は守る奴だからてっきり俺より先に戻っていると思ったんだが)
今まで緋夜が時間を守らなかったことは一度もなかった。朝は苦手と言いながらも時間にはしっかり起きてくるし、寝過ごしても起こせばものすごく眠そうな顔はするものの一度の声がけできちんと起きる。
だからこそ、時間遅れるということはあまり考えられない。
(まさか、なんかあったか?)
そう思った時、ガイの目に変な鳥のようなものが映った。具体的には派手という言葉を具現化したようなありえない色彩の鳥のような『何か』だ。しかも驚くことにあれほど派手にも関わらず、周囲の人々は反応していない。どうやらガイ以外には見えていないらしい。
「……なんだありゃ。いやそれよりも、あんな物飛ばしながら周囲に見えないようにできる奴は……あいつしかいねえよな」
その鳥(だと思っておく)は自分目掛けて飛んできたと思ったら目の前で一回転した後、再び来た方向へと向かって行った。
「はいはい、ついて来いってか。ったくしょうがねえな」
ため息をつきながらもガイは自分を呼んでいる女の元へと走り出した。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
ガイの元に鳥を飛ばしてからしばらくうたた寝していた緋夜は不意にした物音で目を覚ます。
「目覚めはどうかな眠り姫?」
鉄格子越しに声をかけてきたのは酒場で緋夜に奢り、宿まで送ると言ったあの男だった。
「ここは一体どこでしょう? 私の泊まっている宿ではないようですが」
「あはは、本当に送ってくれると思ってたわけ? 随分といい環境で育ったんだね。人を疑う事を知らないような、清らかな世界でさ」
「あら? あなたは女性に対して紳士的な方だと思っていましたが」
「ああ、俺は紳士だよ? だからわざわざ眠らせて運んであげたじゃん? 男相手だったら問答無用で路地裏に引っ張り込んで、そのまま気絶させるんだからさ。っていうか君、結構肝据わってるね。今まで捕まえた女の子はみんな目を覚ました途端に喚き出したんだけど」
面白いものを見るように緋夜を見つめるその男はどこかその目に狂気を宿していた。
「わざわざ眠らせてまでこのような品のない場所に連れてきたからには、それ相応の理由があるんですよね?」
「あはは、君がそれを知ってどうするのさ? どうせ逃げられやしないのに」
「たとえ逃げられなくても……私を騙した殿方に一矢報いたいなとは思いますよ? 私、騙すのは好きですけど騙されるのは嫌いなので」
「は? 何言ってんだアンタ」
「男を騙し、悦に浸るのが私の至高の楽しみなんですよ。だから、ね?」
緋夜が笑顔を浮かべながら首を傾げると、男は数回瞬きした後、盛大に笑い出した。
「あっはははは! 君俺のこと笑い殺す気!? この状況でそんな言葉が出てくるとは思わなかった!」
男はひとしきり笑った後、ようやく息が整ったのか獲物を見つめる獣のような笑みを浮かべた。
「アンタ気に入ったよ。こんなに笑わせてくる女は初めてだ。俺の名前はセン。アンタは?」
「リタ、と申します」
「リタ、ねよろしく。俺を笑わせたご褒美にアンタが知りたい情報を教えてあげるよ」
「あら、それはありがたいですが、ただで教える訳はないですよね」
「ああ、普通に教えるのはつまらないからな。アンタだって普通に情報もらってもつまんなねえだろ?」
「ええ、それには同意しますよ」
「ククっ! アンタほんと肝据わってんのな」
「それで、どうすれば教えてくださるのですか?」
緋夜のその問いに、男はその瞳をぎらつかせながら口を開いたーー
緋夜は今、どこぞの地下牢にいた。冷たい鉄格子の中で冷たい床に座りながら苦笑する。
何故こんなことになっているのか、しばし時は遡りーー
緋夜は情報収集のため、ダサ……独特な名前の酒場に足を運んだ。昼間だというのに随分と人でごった返している。これならば多少は目眩しになるだろうと思いカウンターに座り、注文した果実水を口に含む。
(これだけ人がいるなら、いい情報が得られる可能性はある。しばらく様子をみてみよう)
そう思いながら果実水を飲んでいると、隣に顔立ちのいい男が座ってきた。
「ねえ君。もしかして一人?」
「ええ。急に飲みたい気分になって」
「あ~わかる。俺も時々あるからさ。結構いける口?」
「どうでしょうね。ほとんど一杯ほど飲んで終わりにすることが多いので」
嘘である。流石に一杯で止めることはほとんどない。普通に三杯は飲んでからやめることが多く、一杯だけの時は予定が入っている時くらいだ。
「へえ、そうなんだ。もっといけるかと思ってたけど」
「よく言われます」
「それにしても……この町にこんな美人がいたとはびっくりだよ」
「あら、この町の人ではないのですか?」
「まあね。今は絶賛旅行中」
「旅行ですか。いいですね」
「そう思う? 嬉しいなあ。俺旅行が趣味なんだよ」
「それは素敵な趣味をお持ちで」
「君はこの町の子?」
「いいえ。母からの使いの帰りに立ち寄ったのですよ。一度は来てみたかったもので」
「そうなんだ。いいところだよねこの町は」
「はい、とても」
「いい宿も酒場もいいものがいっぱいあるよね。さすが商業領地だ。 ……もちろん、君みたいな美人も、ね」
緋夜は目を細めながら男性の話に合わせていく。こういうおしゃべりな人間は情報収集にはうってつけだ。
「ありがとうございます。私もあなたのような殿方に会えて光栄ですよ」
「あはは! 君口がうまいね」
「ですが、そろそろ出ようかと思っています」
「なんで?」
「最近よからぬことが立て続けに起こっていてこれ以上いるのは危険かなって」
「ああ確かに。最近物騒だよね。なんか変な奴らが荒らし回っているんだろ?」
「ええ、そう聞いています。なんでも警吏の方も数人怪我を負ったとか」
「ああそれ俺も聞いたよ! 黒服の連中にやられたんだろ? ほんと勘弁してほしいよな」
「そうですね。ですからちょっと素直に楽しめなくて」
少し落ち込んだような声色で俯きがちに話すと男性が緋夜の顔を覗き込んできた。
「大丈夫? 顔色悪いけど飲みすぎた?」
「ええ、少し。すみません、なんだか」
「ああ気にしないでいいよ。気分が優れないことはあるし。なんなら送って行こうか?」
「ですが、初対面の方に甘えるわけには」
「いいっていいって。具合の悪い女性を放っておくのは俺のポリシーに反するってね」
「! フフッ……面白い方ですね」
「あ、そう? まあよく言われるけどな」
愉快な男性が支払いをし、緋夜を支えながら歩いていく。
「それで、どっち? お使い途中に寄ったってことは宿に泊まっているんだよね?」
「ええ、大通りに面した緑色の屋根の宿です」
「緑の屋根ね! 了解。それじゃしっかり掴まってて」
「はい、ありがとうございます」
緋夜は少々申し訳なさそうに微笑みながら男性に支えられて歩いていく。
(あれ? なんだか甘い香りがする……)
緋夜はその香りで次第に眠くなり、微睡の中に落ちていく。
「ゆっくり眠りな、綺麗な綺麗な俺達の商品」
という男の言葉を薄らと耳にしながらーー
ーーそして時は戻り、現在
「普通に怪しまれてるとか思わないのがすごいわ」
緋夜は酔ってもいないし具合が悪いわけでもない。何かあると確信した上で、男について行ったのだ。そもそも緋夜が飲んでいたのは果実水なので、酔えるはずもない。
よって、緋夜は自らこの渦中の飛び込んだことになるのだが、ここがどこかという情報は緋夜が眠ったフリをしながら聞いていた会話の内容で十分だった。
「タイミングから考えて今クリサンセマムを荒らしている連中かな。私がセレナの屋敷に出入りしたことが漏れたのかもね。もしくは全く別の連中って可能性もなくはないけど」
緋夜はそう言いながら申し訳程度に開けられている地上が見える隙間に視線を向けた。状況から既に一時間はとっくに過ぎているだろう。
「ガイをここに連れてくる方が早そうだね」
バッグは取り上げられているが、緋夜には空間収納がある。そこには緋夜が地球から持ち込んだ物が入っており、その中からあるものを取り出す。
「えーっと……取扱説明……書? によると…………本当になんでこんなの作るかなあの色彩音痴。これ自作していたせいで必修単位落としたっていうんだから世話ないよね。ていうかバッテリー大丈夫これ……あららご丁寧に予備の電池まで入っていることで」
ぶつくさ言いながらも取り出した物を組み立て隠し撮りしていたガイの写真をそれに入れ、スイッチを押し仕上げに魔法をかけて格子の間から外へと飛ばす。
「これで後は『あれ』がガイをここまで連れてくるでしょう。それまでどうしようかな……」
男は商品と言っていたため、おそらくここにはこれまでも多くの人が囚われている可能性が高い。そしてその理由はオークションに出すことだろうが、もしこれが例の黒服連中の行いだとするならばそれによって得られるメリットはなんなのか。
緋夜は思考を巡らせながら笑みを浮かべる。
「さて……鬼が出るか蛇が出るか、しばらくこの余興を楽しもうかな」
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
きっかり一時間後、ガイは待ち合わせ場所に戻ってきたもののそこにいるはずの緋夜はいなかった。
「あ? まだ戻ってねえのかあいつ」
(あいつは時間は守る奴だからてっきり俺より先に戻っていると思ったんだが)
今まで緋夜が時間を守らなかったことは一度もなかった。朝は苦手と言いながらも時間にはしっかり起きてくるし、寝過ごしても起こせばものすごく眠そうな顔はするものの一度の声がけできちんと起きる。
だからこそ、時間遅れるということはあまり考えられない。
(まさか、なんかあったか?)
そう思った時、ガイの目に変な鳥のようなものが映った。具体的には派手という言葉を具現化したようなありえない色彩の鳥のような『何か』だ。しかも驚くことにあれほど派手にも関わらず、周囲の人々は反応していない。どうやらガイ以外には見えていないらしい。
「……なんだありゃ。いやそれよりも、あんな物飛ばしながら周囲に見えないようにできる奴は……あいつしかいねえよな」
その鳥(だと思っておく)は自分目掛けて飛んできたと思ったら目の前で一回転した後、再び来た方向へと向かって行った。
「はいはい、ついて来いってか。ったくしょうがねえな」
ため息をつきながらもガイは自分を呼んでいる女の元へと走り出した。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
ガイの元に鳥を飛ばしてからしばらくうたた寝していた緋夜は不意にした物音で目を覚ます。
「目覚めはどうかな眠り姫?」
鉄格子越しに声をかけてきたのは酒場で緋夜に奢り、宿まで送ると言ったあの男だった。
「ここは一体どこでしょう? 私の泊まっている宿ではないようですが」
「あはは、本当に送ってくれると思ってたわけ? 随分といい環境で育ったんだね。人を疑う事を知らないような、清らかな世界でさ」
「あら? あなたは女性に対して紳士的な方だと思っていましたが」
「ああ、俺は紳士だよ? だからわざわざ眠らせて運んであげたじゃん? 男相手だったら問答無用で路地裏に引っ張り込んで、そのまま気絶させるんだからさ。っていうか君、結構肝据わってるね。今まで捕まえた女の子はみんな目を覚ました途端に喚き出したんだけど」
面白いものを見るように緋夜を見つめるその男はどこかその目に狂気を宿していた。
「わざわざ眠らせてまでこのような品のない場所に連れてきたからには、それ相応の理由があるんですよね?」
「あはは、君がそれを知ってどうするのさ? どうせ逃げられやしないのに」
「たとえ逃げられなくても……私を騙した殿方に一矢報いたいなとは思いますよ? 私、騙すのは好きですけど騙されるのは嫌いなので」
「は? 何言ってんだアンタ」
「男を騙し、悦に浸るのが私の至高の楽しみなんですよ。だから、ね?」
緋夜が笑顔を浮かべながら首を傾げると、男は数回瞬きした後、盛大に笑い出した。
「あっはははは! 君俺のこと笑い殺す気!? この状況でそんな言葉が出てくるとは思わなかった!」
男はひとしきり笑った後、ようやく息が整ったのか獲物を見つめる獣のような笑みを浮かべた。
「アンタ気に入ったよ。こんなに笑わせてくる女は初めてだ。俺の名前はセン。アンタは?」
「リタ、と申します」
「リタ、ねよろしく。俺を笑わせたご褒美にアンタが知りたい情報を教えてあげるよ」
「あら、それはありがたいですが、ただで教える訳はないですよね」
「ああ、普通に教えるのはつまらないからな。アンタだって普通に情報もらってもつまんなねえだろ?」
「ええ、それには同意しますよ」
「ククっ! アンタほんと肝据わってんのな」
「それで、どうすれば教えてくださるのですか?」
緋夜のその問いに、男はその瞳をぎらつかせながら口を開いたーー
10
お気に入りに追加
590
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思うので、第二の人生を始めたい! P.S.逆ハーがついてきました。
三月べに
恋愛
聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思う。だって、高校時代まで若返っているのだもの。
帰れないだって? じゃあ、このまま第二の人生スタートしよう!
衣食住を確保してもらっている城で、魔法の勉強をしていたら、あらら?
何故、逆ハーが出来上がったの?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
都市伝説と呼ばれて
松虫大
ファンタジー
アルテミラ王国の辺境カモフの地方都市サザン。
この街では十年程前からある人物の噂が囁かれていた。
曰く『領主様に隠し子がいるらしい』
曰く『領主様が密かに匿い、人知れず塩坑の奥で育てている子供がいるそうだ』
曰く『かつて暗殺された子供が、夜な夜な復習するため街を徘徊しているらしい』
曰く『路地裏や屋根裏から覗く目が、言うことを聞かない子供をさらっていく』
曰く『領主様の隠し子が、フォレスの姫様を救ったそうだ』等々・・・・
眉唾な噂が大半であったが、娯楽の少ない土地柄だけにその噂は尾鰭を付けて広く広まっていた。
しかし、その子供の姿を実際に見た者は誰もおらず、その存在を信じる者はほとんどいなかった。
いつしかその少年はこの街の都市伝説のひとつとなっていた。
ある年、サザンの春の市に現れた金髪の少年は、街の暴れん坊ユーリに目を付けられる。
この二人の出会いをきっかけに都市伝説と呼ばれた少年が、本当の伝説へと駆け上っていく異世界戦記。
小説家になろう、カクヨムでも公開してましたが、この度アルファポリスでも公開することにしました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
モブ令嬢はモブとして生きる~周回を極めた私がこっそり国を救います!~
片海 鏡
ファンタジー
――――主人公の為に世界は回っていない。私はやりたい様にエンディングを目指す
RPG顔負けのやり込み要素満載な恋愛ゲーム《アルカディアの戦姫》の世界へと転生をした男爵令嬢《ミューゼリア》
最初はヒロインの行動を先読みしてラストバトルに備えようと思ったが、私は私だと自覚して大好きな家族を守る為にも違う方法を探そうと決心する。そんなある日、屋敷の敷地にある小さな泉から精霊が現れる。
ヒーロー候補との恋愛はしない。学園生活は行事を除くの全イベントガン無視。聖なるアイテムの捜索はヒロインにおまかせ。ダンジョン攻略よりも、生態調査。ヒロインとは違う行動をしてこそ、掴める勝利がある!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる