87 / 107
六頁 サンビタリアに染まって
81話 デビュタント舞踏会へ向けて①
しおりを挟む
サンビタリアでのパーティーを終えた二日後、この短期間でシュヴァリエ・アクナイトが遂に公の場に顔を出したとの情報が社交界全体に広がっていた。ほんとびっくりするくらい話の回りが早い。人間社会は怖いね。誰が誰に告白したって話が次の日の朝クラス中に広まっていてその日のうちに学校全体に知れ渡っている的なあれ。そして各学年どころかクラスに一人はいるスピーカー人間。当然貴族社会にもそういう奴はいるもので。今アクナイトと繋がりを持ちたい連中やパーティーで俺に惚れたらしい令嬢たちが挙って俺宛ての招待状を送ってきているとサリクスに教えられた。ほんと勘弁してほしい。そもそも近いうちに第四王子の誕生日パーティーがあるんだからそれまで我慢すればいいだろうに、どいつもこいつも気短すぎだろ。暇なんか。
「シュヴァリエ様大丈夫ですか?」
自室の机の上に山と積まれた招待状を一枚一枚開いてはゴミ箱に入れるを無心で繰り返していた俺にサリクスは苦笑しながら声をかけてきた。この招待状のせいで帰ってきてから押し花作りができていない。当然サンビタリアだけに出席して後は無視なんて真似はできないためどっかの誘いにはいかないといけないんだけどさ……派閥とか力関係とか身分なんかを考慮したうえで選ばないといけないっていうのが心底面倒くさい。
「はあ……なんで俺がこんな目に……」
「それはシュヴァリエ様が公爵子息だからです」
正論言われた。容赦ねえなサリクスさんよ。もうちょっとなんかあってもよくない? はあ~……かったるいな。かと言って俺に来たものを誰かに押し付けるわけにはいかないし……なんて憂鬱な夏休みだ。
「シュヴァリエ様の場合はこれまでがおかしかったんです。本来ならとっくの昔に社交界へ顔を出しているはずなんですから」
「そうなんだけどな……」
「それにご自分で仰ったんじゃないですか。アクナイトの姓を名乗らせている以上は相応に扱うべきだって」
「本当に今さらなんだけどな」
俺も考えていたことだし反論のしようがないんだけど。
なんて思っていたらノックが響いた。
「失礼いたしますシュヴァリエ様。サンビタリア侯爵令嬢セレーナ様がお見えになりました」
ああ、そういや今日だったな。
俺は椅子から立ち上がり玄関へ向かうとちょうどセレーナが玄関に入ってきたところだった。うん、だいぶ緊張しているらしい。
「ようこそアクナイト公爵家へ。どうぞよろしくお願い致しますわね」
「は、はい。ほ、本日はお招きくださり、あ、ありがとうございます」
「立ち話も面倒だ。中へどうぞ」
「もう、お兄様ったら。そっけなさすぎですわよ」
「ふん、話す機会などいくらでもあるというのになにをそんなに拘る必要があると?」
それだけ言うとルアルと新しく侍女頭になったエステティカ・カランコエへ目を向ける。
「それにお前たちがいれば私など不要だろう」
「それはそうですけど、お兄様にも手伝っていただくことだってありますわ。その時はちゃんとこき使われてくださいませ」
おい、兄に向かってこき使われろって言ったぞこの妹。シュヴァリエももうちょっと家族と交流を持つ勇気があったらあんな末路は辿らなかったのではないだろうか。多分その前に扇子で引っ叩いてでも引き戻してくれたかもしれないと思うとなんかやるせないな。
「ふん、兄をこき使う妹がどこにいる」
「目の前にいますわよ。というかこれはお兄様が発端なのですからちゃんと動いてもらいませんと」
「……はあ。必要になったら呼べ。エステティカ妹を頼んだぞ」
「お任せくださいシュヴァリエお坊ちゃま」
後のことはあの二人に任せておけば心配ないだろう。なんせ令嬢の模範と言われている妹とかつて社交界を制していた百戦錬磨の猛者である侍女が教育役なのだ。これ以上の存在はいないだろう。きっと最高の淑女に仕上がるに違いない。……俺にもやることがあるし。
さて、セレーナのことはあの二人に任せて支度をしますか。
部屋に戻るとすでにサリクスが準備を終わらせていた。こいつは本当に仕事ができる。
「シュヴァリエ様~! 準備終わっています。あとはシュヴァリエ様が着替えるだけです」
「ああ」
外出用の服に着替えてサリクスと一緒に馬車へ向かった。セレーナが屋敷に来たら俺とサリクスは買い物に行く手はずを整えていた。
「それにしてもよくあんなことを思いつきましたね」
「何の話だ」
「とぼけないでください。デビュタント舞踏会までセレーナ嬢をアクナイト公爵邸で面倒を見るってことですよ」
そう、俺が提案したのはパーティーを無事に迎えるまでアクナイトの屋敷で面倒を見るというもの。理由は簡単、あの三姉妹対策だ。あの三人はセレーナを忌み嫌っているからどんな妨害を受けるかわかったものじゃない。実際ゲームではありきたりな嫌がらせを受けていた。セレーナがちゃんと成功しないと俺の名誉にも傷がつく。だったら最初からあの性悪女たちの手が届かない我が家で匿ってしまえばいい。本来ならあり得ないことだが、実はあの三人、ゲーム内でセレーナのエスコート役に色仕掛けをして略奪するなんてことをやってのけたのだ。普通はありないんだけど、セレーナのパートナー候補になりそうな子息をあの手この手で篭絡して抱き込み、パートナーになった後で手酷く破棄するなんて算段を立て、ものの見事に成功させやがった。だが今回パートナーが俺になったことで筋書きが思い切り狂っている。もうこの時点でストーリーもなにもあったものじゃない。……あとから強制的に修正イベント発生したりして。
「サンビタリアの令嬢たちは信用ならないからな。彼女が失敗すれば俺の名誉に傷がつく」
「とか言って単純に令嬢が心配だっただけじゃないですか?」
「はあ? なんで俺があんな冴えない令嬢を心配するんだ。自分のためだ」
「……そういうことにしておきますよ」
とか言いながらにやにやしているサリクスに一発。アウルとルアルに続いてこいつまで本当に意味がわからない。人をからかってそんなにたのしいのか。
「ところで今日はどちらへ行くんですか?」
「キハダ地区」
♦♦♦♦♦♦♦
キハダ地区は数多の店が立ち並ぶツヴィトーク最大の商業地区だ。キハダ地区は三つの区域に分かれており、第一区は超高級店が軒並みを連ねる上流区域、第二地区は貴族平民だれでも利用できるお値段の中流区域、そして第三地区平民向けのお値段の品々が並ぶ下流区域である。……で俺は今第一区域にいるのだが、さすがは超高級店が並ぶ区域なだけはある。ようするに……店の外観もめちゃくちゃ豪華だということだ。初めて来たけどすごいな。貴族たちがうろうろしているし、いろいろな意味でキラキラしていてぶっちゃけ目が痛い。
「……サリクス」
「なんでしょうか」
「第二地区に行くぞ」
「え? ですがセレーナ嬢への贈り物を買いに来られたんですよね?」
「別にいいだろ。最後に買って帰るんだから」
「もう……まあいいですけどね。じゃあ第二地区に行きましょう」
俺の我が儘で第一地区から第二地区へ移動。せっかく来たんだからいろいろ見て回りたいし、DIYに使える良さげな掘り出し物があるかもしれないじゃん。
馬車置き場に馬車を預けたら散策開始。なんかこう言うの久しぶりだな。
「それにしてもシュヴァリエ様がショッピングなんて初めてじゃないですか?」
「ああ。これまでは学園以外で屋敷の外に出ることは禁止されていたからな、あの女の重荷がなくなって自由に外を出歩けるのがこんなに嬉しいとは。昔友だちとゲーセンだのイベントだのを行きまくっていたころが懐かしい」
「何のことですか?」
「こっちの話だ」
さて、何か面白いものはあるかな。……って、え? おい、なんかものすごく見覚えのある後ろ姿の奴らが三人いるんですけど。嘘でしょ、ここでエンカウントします? ……え、超嫌だ。うん、三十六計逃げるに如かず。
「サリクス、あっちへ行こう」
「え? あ、はい」
即座に踵を返してやや早歩きでその場を去ろうとした直後。
「あれ? アクナイトさん? こんなところでどうしたんですか?」
その無邪気な声はとっても聞いたことのあるもので、そっと後ろを振り返るとそこにいたのはお馴染みのメンバーアウル、リヒト、クラルテだった。……フラグ回収、乙。
「シュヴァリエ様大丈夫ですか?」
自室の机の上に山と積まれた招待状を一枚一枚開いてはゴミ箱に入れるを無心で繰り返していた俺にサリクスは苦笑しながら声をかけてきた。この招待状のせいで帰ってきてから押し花作りができていない。当然サンビタリアだけに出席して後は無視なんて真似はできないためどっかの誘いにはいかないといけないんだけどさ……派閥とか力関係とか身分なんかを考慮したうえで選ばないといけないっていうのが心底面倒くさい。
「はあ……なんで俺がこんな目に……」
「それはシュヴァリエ様が公爵子息だからです」
正論言われた。容赦ねえなサリクスさんよ。もうちょっとなんかあってもよくない? はあ~……かったるいな。かと言って俺に来たものを誰かに押し付けるわけにはいかないし……なんて憂鬱な夏休みだ。
「シュヴァリエ様の場合はこれまでがおかしかったんです。本来ならとっくの昔に社交界へ顔を出しているはずなんですから」
「そうなんだけどな……」
「それにご自分で仰ったんじゃないですか。アクナイトの姓を名乗らせている以上は相応に扱うべきだって」
「本当に今さらなんだけどな」
俺も考えていたことだし反論のしようがないんだけど。
なんて思っていたらノックが響いた。
「失礼いたしますシュヴァリエ様。サンビタリア侯爵令嬢セレーナ様がお見えになりました」
ああ、そういや今日だったな。
俺は椅子から立ち上がり玄関へ向かうとちょうどセレーナが玄関に入ってきたところだった。うん、だいぶ緊張しているらしい。
「ようこそアクナイト公爵家へ。どうぞよろしくお願い致しますわね」
「は、はい。ほ、本日はお招きくださり、あ、ありがとうございます」
「立ち話も面倒だ。中へどうぞ」
「もう、お兄様ったら。そっけなさすぎですわよ」
「ふん、話す機会などいくらでもあるというのになにをそんなに拘る必要があると?」
それだけ言うとルアルと新しく侍女頭になったエステティカ・カランコエへ目を向ける。
「それにお前たちがいれば私など不要だろう」
「それはそうですけど、お兄様にも手伝っていただくことだってありますわ。その時はちゃんとこき使われてくださいませ」
おい、兄に向かってこき使われろって言ったぞこの妹。シュヴァリエももうちょっと家族と交流を持つ勇気があったらあんな末路は辿らなかったのではないだろうか。多分その前に扇子で引っ叩いてでも引き戻してくれたかもしれないと思うとなんかやるせないな。
「ふん、兄をこき使う妹がどこにいる」
「目の前にいますわよ。というかこれはお兄様が発端なのですからちゃんと動いてもらいませんと」
「……はあ。必要になったら呼べ。エステティカ妹を頼んだぞ」
「お任せくださいシュヴァリエお坊ちゃま」
後のことはあの二人に任せておけば心配ないだろう。なんせ令嬢の模範と言われている妹とかつて社交界を制していた百戦錬磨の猛者である侍女が教育役なのだ。これ以上の存在はいないだろう。きっと最高の淑女に仕上がるに違いない。……俺にもやることがあるし。
さて、セレーナのことはあの二人に任せて支度をしますか。
部屋に戻るとすでにサリクスが準備を終わらせていた。こいつは本当に仕事ができる。
「シュヴァリエ様~! 準備終わっています。あとはシュヴァリエ様が着替えるだけです」
「ああ」
外出用の服に着替えてサリクスと一緒に馬車へ向かった。セレーナが屋敷に来たら俺とサリクスは買い物に行く手はずを整えていた。
「それにしてもよくあんなことを思いつきましたね」
「何の話だ」
「とぼけないでください。デビュタント舞踏会までセレーナ嬢をアクナイト公爵邸で面倒を見るってことですよ」
そう、俺が提案したのはパーティーを無事に迎えるまでアクナイトの屋敷で面倒を見るというもの。理由は簡単、あの三姉妹対策だ。あの三人はセレーナを忌み嫌っているからどんな妨害を受けるかわかったものじゃない。実際ゲームではありきたりな嫌がらせを受けていた。セレーナがちゃんと成功しないと俺の名誉にも傷がつく。だったら最初からあの性悪女たちの手が届かない我が家で匿ってしまえばいい。本来ならあり得ないことだが、実はあの三人、ゲーム内でセレーナのエスコート役に色仕掛けをして略奪するなんてことをやってのけたのだ。普通はありないんだけど、セレーナのパートナー候補になりそうな子息をあの手この手で篭絡して抱き込み、パートナーになった後で手酷く破棄するなんて算段を立て、ものの見事に成功させやがった。だが今回パートナーが俺になったことで筋書きが思い切り狂っている。もうこの時点でストーリーもなにもあったものじゃない。……あとから強制的に修正イベント発生したりして。
「サンビタリアの令嬢たちは信用ならないからな。彼女が失敗すれば俺の名誉に傷がつく」
「とか言って単純に令嬢が心配だっただけじゃないですか?」
「はあ? なんで俺があんな冴えない令嬢を心配するんだ。自分のためだ」
「……そういうことにしておきますよ」
とか言いながらにやにやしているサリクスに一発。アウルとルアルに続いてこいつまで本当に意味がわからない。人をからかってそんなにたのしいのか。
「ところで今日はどちらへ行くんですか?」
「キハダ地区」
♦♦♦♦♦♦♦
キハダ地区は数多の店が立ち並ぶツヴィトーク最大の商業地区だ。キハダ地区は三つの区域に分かれており、第一区は超高級店が軒並みを連ねる上流区域、第二地区は貴族平民だれでも利用できるお値段の中流区域、そして第三地区平民向けのお値段の品々が並ぶ下流区域である。……で俺は今第一区域にいるのだが、さすがは超高級店が並ぶ区域なだけはある。ようするに……店の外観もめちゃくちゃ豪華だということだ。初めて来たけどすごいな。貴族たちがうろうろしているし、いろいろな意味でキラキラしていてぶっちゃけ目が痛い。
「……サリクス」
「なんでしょうか」
「第二地区に行くぞ」
「え? ですがセレーナ嬢への贈り物を買いに来られたんですよね?」
「別にいいだろ。最後に買って帰るんだから」
「もう……まあいいですけどね。じゃあ第二地区に行きましょう」
俺の我が儘で第一地区から第二地区へ移動。せっかく来たんだからいろいろ見て回りたいし、DIYに使える良さげな掘り出し物があるかもしれないじゃん。
馬車置き場に馬車を預けたら散策開始。なんかこう言うの久しぶりだな。
「それにしてもシュヴァリエ様がショッピングなんて初めてじゃないですか?」
「ああ。これまでは学園以外で屋敷の外に出ることは禁止されていたからな、あの女の重荷がなくなって自由に外を出歩けるのがこんなに嬉しいとは。昔友だちとゲーセンだのイベントだのを行きまくっていたころが懐かしい」
「何のことですか?」
「こっちの話だ」
さて、何か面白いものはあるかな。……って、え? おい、なんかものすごく見覚えのある後ろ姿の奴らが三人いるんですけど。嘘でしょ、ここでエンカウントします? ……え、超嫌だ。うん、三十六計逃げるに如かず。
「サリクス、あっちへ行こう」
「え? あ、はい」
即座に踵を返してやや早歩きでその場を去ろうとした直後。
「あれ? アクナイトさん? こんなところでどうしたんですか?」
その無邪気な声はとっても聞いたことのあるもので、そっと後ろを振り返るとそこにいたのはお馴染みのメンバーアウル、リヒト、クラルテだった。……フラグ回収、乙。
909
お気に入りに追加
2,034
あなたにおすすめの小説
僕の太客が義兄弟になるとか聞いてない
コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
没落名士の長男ノアゼットは日々困窮していく家族を支えるべく上級学校への進学を断念して仕送りのために王都で働き出す。しかし賢くても後見の無いノアゼットが仕送り出来るほど稼げはしなかった。
そんな時に声を掛けてきた高級娼家のマダムの引き抜きで、男娼のノアとして働き出したノアゼット。研究肌のノアはたちまち人気の男娼に躍り出る。懇意にしてくれる太客がついて仕送りは十分過ぎるほどだ。
そんな中、母親の再婚で仕送りの要らなくなったノアは、一念発起して自分の人生を始めようと決意する。順風満帆に滑り出した自分の生活に満ち足りていた頃、ノアは再婚相手の元に居る家族の元に二度目の帰省をする事になった。
そこで巻き起こる自分の過去との引き合わせに動揺するノア。ノアと太客の男との秘密の関係がまた動き出すのか?
【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。

悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る
竜鳴躍
BL
異性間でも子どもが産まれにくくなった世界。
子どもは魔法の力を借りて同性間でも産めるようになったため、性別に関係なく結婚するようになった世界。
ファーマ王国のアレン=ファーメット公爵令息は、白銀に近い髪に真っ赤な瞳、真っ白な肌を持つ。
神秘的で美しい姿に王子に見初められた彼は公爵家の長男でありながら唯一の王子の婚約者に選ばれてしまった。どこに行くにも欠かせない大きな日傘。日に焼けると爛れてしまいかねない皮膚。
公爵家は両親とも黒髪黒目であるが、彼一人が色が違う。
それは彼が全てアルビノだったからなのに、成長した教養のない王子は、アレンを魔女扱いした上、聖女らしき男爵令嬢に現を抜かして婚約破棄の上スラム街に追放してしまう。
だが、王子は知らない。
アレンにも王位継承権があることを。
従者を一人連れてスラムに行ったアレンは、イケメンでスパダリな従者に溺愛されながらスラムを改革していって……!?
*誤字報告ありがとうございます!
*カエサル=プレート 修正しました。
神子だろうが、なにもかも捨てて俺は逃げる。
白光猫(しろみつにゃん)
BL
脱サラしたアラフォー男が異世界へ転生したら、癒しの力で民を救っている美しい神子でした。でも「世界を救う」とか、俺のキャパシティ軽く超えちゃってるので、神様とは縁を切って、野菜農家へ転職しようと思います。美貌の後見人(司教)とか、色男の婚約者(王太子)とか、もう追ってこないでね。さようなら……したはずなのに、男に求愛されまくる話。なんでこうなっちまうんだっ!
主人公(受け)は、身体は両性具有ですが、中身は異性愛者です。
※「ムーンライトノベルズ」サイトにも転載。

それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。
まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。
転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。
ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。
「本当に可愛い。」
「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」
かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。
「お願いだから、僕にもう近づかないで」

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

断罪回避のはずが、第2王子に捕まりました
ちとせ
BL
美形王子×容姿端麗悪役令息
——これ、転生したやつだ。
5歳の誕生日、ノエル・ルーズヴェルトは前世の記憶を取り戻した。
姉が夢中になっていたBLゲームの悪役令息に転生したノエルは、最終的に死罪かそれ同等の悲惨な結末を迎える運命だった。
そんなの、絶対に回避したい。
主人公や攻略対象に近づかず、目立たずに生きていこう。
そう思っていたのに…
なぜか勝手に広まる悪評に、むしろ断罪ルートに近づいている気がする。
しかも、関わるまいと決めていた第2王子・レオンには最初は嫌われていたはずなのに、途中からなぜかグイグイ迫られてる。
「お前を口説いている」
「俺が嫉妬しないとでも思った?」
なんで、すべてにおいて完璧な王子が僕にそんなことを言ってるの…?
断罪回避のはずが、いつの間にか王子に捕まり、最後には溺愛されるお話です。
※しばらく性描写はないですが、する時にはガッツリです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる