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五頁 孤立したホオズキ
67話 『少年と嘘』
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滞在二日目は事前にクラルテから言われていた『少年と嘘』の劇を観ることになっていた。これも原作通り。座席も俺以外はみんな同じだ。ゲームでは劇の最中は何事も起こらなかったから大丈夫、と思いたいけど油断はできない。今後大幅な変更がないとはすでに言い切れない状況になっているのだから。
「活字で読むのもいいですが実際に動きがつくというのはまた違った楽しみがありますね」
「そうだな。それが劇の醍醐味でもある。活字は想像するものだがどうしても難しいと思う部分はある。劇はそれを補ってくれるからより作品の解釈に深みが出てきて面白さが増すんだ」
「オルニス公子、殿下と同じこと仰ってますよ」
「そうか?」
「はい。以前殿下と共に観劇へ行った際に全く同じことを話しておりました」
アウルとリヒトの会話を聞きながら確かにあいつなら言うわ、と思ってしまった。あいつ芸術大好きだから。だけど話している内容は知らないことなのでおそらく行ったメンバーはエヴェイユ、リヒト、クオーレなんだろうな。ちなみにこのエピソードはそれぞれの攻略ルートで詳しく語られる。
「確かに彼ならば言いそうだ」
「アクナイト公子は劇を見たことがあるか」
リヒトと会話をしていたアウルからそう聞かれ、俺は記憶を探ってみる。うん、特に劇を見た思い出はない。柊紅夏としてなら何度かあるがシュヴァリエ・アクナイトには芸術鑑賞へ行った覚えは全くなかった。貴族が芸術について知らないなんてかなりまずい事態だと思うんだけど、おかしいねえ。俺もアクナイト公爵家の体面を保つためにシュヴァリエ・アクナイトにも貴族としての教育は受けているはずなんだけど、流行や芸術なんかは知らないんだよな。まあ試験で出るからってことで初めて芸術に触れた。楽器の演奏は……あれ、どうだったっけ? ……。帰ったら確認してみよう。
「あるはずないでしょう。私が芸術などに興味を持つと思いますか?」
「じゃあアクナイトさんはこれが初めての劇なんですね!」
「……なぜ嬉しそうにする」
「だってアクナイトさんの初めてがファルカタでなんて嬉しいんですもん!」
確かに初めてではあるが、そこまで嬉しがる意味がわからん。するとクラルテの言葉を補うようにアウルが肩をすくめながら口を開いた。
「初めて体験することは思い出として残りやすいだろう? クラルテは故郷が好きだからその好きな場所で思い出を作ってくれるのが嬉しいんだよ」
「……そういうものですか?」
よくわからん。まあでもシュヴァリエもファルカタに行くって知った時もめちゃくちゃ喜んでいたからそういうことなんだろう。俺クラルテに冷たく当たっていた記憶しかないんだがそれでも来てくれて嬉しいって言えるのすごくない?
会場が暗くなり、涼やかな音が三回鳴り響く。開演の合図だ。
「いよいよ始まるよ」
——『少年と嘘』
物語の冒頭は長閑でゆったりした村の風景から始まる。その村にある日一組の親子がやってきた。その親子は人の好さと何でもできる器用さで瞬く間に町の人気者になった。しかしある時から少年は奇妙な行動をとるようになる。要するに何の脈絡もない嘘を吐きだすのだ。しかしそれは村の外の人間に対してだけで、村の住人は外から来た人間が彼を陥れるために言っていると外の人間を相手にしなかった。そんな中、外から来た一人の青年が親子の恐ろしい企みに気付いてしまう。青年はすぐさま親子の企みを暴き村を守るために奮闘する。その青年の働きにより少年を村から追い出すことに成功し、村は収穫したばかりであったホオズキを使って村中を飾り平和と安寧を願った。それからホオズキを使った祭りが行われることになる。
これが物語の全容だ。だけどこの物語には町の人ですら知らないことがある。——これは物語なんかではなく五百年前この町がまだ村だった頃に、本当に起こった実話だ。隠蔽されるのを恐れた村の人間によって生まれたのが『少年と嘘』である。ゲームでは終盤にそれが明かされるんだけどね。
『ねえ親父……やっぱりこの村は嫌いだ。もっと早くに潰しておかないといけなかったんだ。村の人間たちを騙すのはもう疲れたし。……全部全部全部全部、終わらせよう。この村にあるあの実のように全部を赤く染めてさ』
場面はちょうど少年と父親の企みを青年が聞いてしまうところだった。ここは明るく楽しい少年がその内に秘めた狂気を見せる場面で、この話の見せ場の一つでもある。この後青年に企みを阻止されて少年は追放される。そう少年だけが追放されるんだ。父親のほうは……実際に悪事を働いていたのは少年のほうだったんだから父親には慈悲を与えてもいいんじゃないかってことになった。
……で、父親のラストに強烈な違和感を感じたユーザーたちがなにかある、と勘繰り考察班が再び立ち上がったんだよな。
現実として見てみればその奇妙さがより際立つよね。『少年と嘘』が実話である以上あんまり不都合なことは隠蔽されることもあるんだろうけど、それにしても引っかかる。ゲームの四章のシリアスさから言って『少年と嘘』もそんな綺麗な話じゃないだろ。……気持ち悪いな。
『これより休憩に入ります』
やっと前半終了か。劇の鑑賞とかもはや懐かしいわ。母親の趣味が観劇でよく付き合わされたけど、あらすじが気に入ったもの以外半分寝ていた記憶しかない。あとは学校で行われる芸術鑑賞か。あ、でも男性ソプラノの方のコンサートは面白かったな。この世界でも見られないだろうか。
「何か飲み物でも買いに行く?」
「そうだな。座りっぱなしは体に良くない」
「僕は所用があるので少し出てきます。すぐに戻りますので」
「わかった。アクナイト公子はどうする?」
「私は少し外の空気を吸ってきます」
「そうか。じゃあ代わりに飲み物を買ってくるよ。なにがいい?」
「甘くなければ何でも構いません」
そのまま俺は外に出る。広い場所に出た瞬間詰めていた息を一気に吐き出した。映画館と言い劇場と言い窮屈さは変わらないな。映画館は飲み食いできるからまだマシっちゃマシか。
みんな中にいるからか人っ子一人いやしない。
「う~~~ん!」
そのおかげで背伸びも堂々とできるってもんですよ。学園や家だと常に人目があるからこんなことできるのは自室だけっていうね。貴族っていうのはいろいろな意味で不自由だ。
シュヴァリエ・アクナイトが人前でこんなことしようものなら面倒なことになりかねない。死角がある場所ってホント便利だよね。静かで身を隠せて……そして、密談に最適だ。
「……原作通りで助かったわ。なあ、ヌカヅキさんよ」
俺が視線を向けた先にはこちらに背を向けている二人の人物。今は祭りのことで忙しいからと観劇を断ったはずのカガチとヌカヅキがこそこそと話をしていた。
彼らが話しているのは祭りの当日に行おうとしている計画の確認だろう。劇を利用して俺たちを一か所に隔離してその間に残りの仕上げをするっていう算段だってわけだ。
「ほんと……俺こんなことに首突っ込むようなことしたくないんだけどなぁ……」
そう愚痴りながら俺は二人の会話に耳を澄ませた。
『それにしても本当にやれるのか?』
『やれるやれないじゃなくて、やらなきゃならないんだよ』
『しかし……』
『なに? 怖気づいたわけ?』
『そんなことはない。だがお前はいいのか?』
『なにが?』
『アクナイト公子のこと気に入っていただろう』
……はあ? なんで俺がヌカヅキに気に入られるんだよ。思わず半目になったのは許して。対して話していないしなんならめちゃくちゃ塩対応どころか氷対応しかしてませんが?
『ああ……そうだね~。あんな傲慢な人間をねじ伏せられたらきっと楽しいだろうね』
……それは気に入っているとは言わねえだろうが。ほんとに理解不能な奴だなお前は。
『だからこそシュヴァリエ・アクナイトは俺自身の手で——この世で一番、美しく殺してやるんだ』
——はい?
「活字で読むのもいいですが実際に動きがつくというのはまた違った楽しみがありますね」
「そうだな。それが劇の醍醐味でもある。活字は想像するものだがどうしても難しいと思う部分はある。劇はそれを補ってくれるからより作品の解釈に深みが出てきて面白さが増すんだ」
「オルニス公子、殿下と同じこと仰ってますよ」
「そうか?」
「はい。以前殿下と共に観劇へ行った際に全く同じことを話しておりました」
アウルとリヒトの会話を聞きながら確かにあいつなら言うわ、と思ってしまった。あいつ芸術大好きだから。だけど話している内容は知らないことなのでおそらく行ったメンバーはエヴェイユ、リヒト、クオーレなんだろうな。ちなみにこのエピソードはそれぞれの攻略ルートで詳しく語られる。
「確かに彼ならば言いそうだ」
「アクナイト公子は劇を見たことがあるか」
リヒトと会話をしていたアウルからそう聞かれ、俺は記憶を探ってみる。うん、特に劇を見た思い出はない。柊紅夏としてなら何度かあるがシュヴァリエ・アクナイトには芸術鑑賞へ行った覚えは全くなかった。貴族が芸術について知らないなんてかなりまずい事態だと思うんだけど、おかしいねえ。俺もアクナイト公爵家の体面を保つためにシュヴァリエ・アクナイトにも貴族としての教育は受けているはずなんだけど、流行や芸術なんかは知らないんだよな。まあ試験で出るからってことで初めて芸術に触れた。楽器の演奏は……あれ、どうだったっけ? ……。帰ったら確認してみよう。
「あるはずないでしょう。私が芸術などに興味を持つと思いますか?」
「じゃあアクナイトさんはこれが初めての劇なんですね!」
「……なぜ嬉しそうにする」
「だってアクナイトさんの初めてがファルカタでなんて嬉しいんですもん!」
確かに初めてではあるが、そこまで嬉しがる意味がわからん。するとクラルテの言葉を補うようにアウルが肩をすくめながら口を開いた。
「初めて体験することは思い出として残りやすいだろう? クラルテは故郷が好きだからその好きな場所で思い出を作ってくれるのが嬉しいんだよ」
「……そういうものですか?」
よくわからん。まあでもシュヴァリエもファルカタに行くって知った時もめちゃくちゃ喜んでいたからそういうことなんだろう。俺クラルテに冷たく当たっていた記憶しかないんだがそれでも来てくれて嬉しいって言えるのすごくない?
会場が暗くなり、涼やかな音が三回鳴り響く。開演の合図だ。
「いよいよ始まるよ」
——『少年と嘘』
物語の冒頭は長閑でゆったりした村の風景から始まる。その村にある日一組の親子がやってきた。その親子は人の好さと何でもできる器用さで瞬く間に町の人気者になった。しかしある時から少年は奇妙な行動をとるようになる。要するに何の脈絡もない嘘を吐きだすのだ。しかしそれは村の外の人間に対してだけで、村の住人は外から来た人間が彼を陥れるために言っていると外の人間を相手にしなかった。そんな中、外から来た一人の青年が親子の恐ろしい企みに気付いてしまう。青年はすぐさま親子の企みを暴き村を守るために奮闘する。その青年の働きにより少年を村から追い出すことに成功し、村は収穫したばかりであったホオズキを使って村中を飾り平和と安寧を願った。それからホオズキを使った祭りが行われることになる。
これが物語の全容だ。だけどこの物語には町の人ですら知らないことがある。——これは物語なんかではなく五百年前この町がまだ村だった頃に、本当に起こった実話だ。隠蔽されるのを恐れた村の人間によって生まれたのが『少年と嘘』である。ゲームでは終盤にそれが明かされるんだけどね。
『ねえ親父……やっぱりこの村は嫌いだ。もっと早くに潰しておかないといけなかったんだ。村の人間たちを騙すのはもう疲れたし。……全部全部全部全部、終わらせよう。この村にあるあの実のように全部を赤く染めてさ』
場面はちょうど少年と父親の企みを青年が聞いてしまうところだった。ここは明るく楽しい少年がその内に秘めた狂気を見せる場面で、この話の見せ場の一つでもある。この後青年に企みを阻止されて少年は追放される。そう少年だけが追放されるんだ。父親のほうは……実際に悪事を働いていたのは少年のほうだったんだから父親には慈悲を与えてもいいんじゃないかってことになった。
……で、父親のラストに強烈な違和感を感じたユーザーたちがなにかある、と勘繰り考察班が再び立ち上がったんだよな。
現実として見てみればその奇妙さがより際立つよね。『少年と嘘』が実話である以上あんまり不都合なことは隠蔽されることもあるんだろうけど、それにしても引っかかる。ゲームの四章のシリアスさから言って『少年と嘘』もそんな綺麗な話じゃないだろ。……気持ち悪いな。
『これより休憩に入ります』
やっと前半終了か。劇の鑑賞とかもはや懐かしいわ。母親の趣味が観劇でよく付き合わされたけど、あらすじが気に入ったもの以外半分寝ていた記憶しかない。あとは学校で行われる芸術鑑賞か。あ、でも男性ソプラノの方のコンサートは面白かったな。この世界でも見られないだろうか。
「何か飲み物でも買いに行く?」
「そうだな。座りっぱなしは体に良くない」
「僕は所用があるので少し出てきます。すぐに戻りますので」
「わかった。アクナイト公子はどうする?」
「私は少し外の空気を吸ってきます」
「そうか。じゃあ代わりに飲み物を買ってくるよ。なにがいい?」
「甘くなければ何でも構いません」
そのまま俺は外に出る。広い場所に出た瞬間詰めていた息を一気に吐き出した。映画館と言い劇場と言い窮屈さは変わらないな。映画館は飲み食いできるからまだマシっちゃマシか。
みんな中にいるからか人っ子一人いやしない。
「う~~~ん!」
そのおかげで背伸びも堂々とできるってもんですよ。学園や家だと常に人目があるからこんなことできるのは自室だけっていうね。貴族っていうのはいろいろな意味で不自由だ。
シュヴァリエ・アクナイトが人前でこんなことしようものなら面倒なことになりかねない。死角がある場所ってホント便利だよね。静かで身を隠せて……そして、密談に最適だ。
「……原作通りで助かったわ。なあ、ヌカヅキさんよ」
俺が視線を向けた先にはこちらに背を向けている二人の人物。今は祭りのことで忙しいからと観劇を断ったはずのカガチとヌカヅキがこそこそと話をしていた。
彼らが話しているのは祭りの当日に行おうとしている計画の確認だろう。劇を利用して俺たちを一か所に隔離してその間に残りの仕上げをするっていう算段だってわけだ。
「ほんと……俺こんなことに首突っ込むようなことしたくないんだけどなぁ……」
そう愚痴りながら俺は二人の会話に耳を澄ませた。
『それにしても本当にやれるのか?』
『やれるやれないじゃなくて、やらなきゃならないんだよ』
『しかし……』
『なに? 怖気づいたわけ?』
『そんなことはない。だがお前はいいのか?』
『なにが?』
『アクナイト公子のこと気に入っていただろう』
……はあ? なんで俺がヌカヅキに気に入られるんだよ。思わず半目になったのは許して。対して話していないしなんならめちゃくちゃ塩対応どころか氷対応しかしてませんが?
『ああ……そうだね~。あんな傲慢な人間をねじ伏せられたらきっと楽しいだろうね』
……それは気に入っているとは言わねえだろうが。ほんとに理解不能な奴だなお前は。
『だからこそシュヴァリエ・アクナイトは俺自身の手で——この世で一番、美しく殺してやるんだ』
——はい?
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