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五頁 孤立したホオズキ
62話 四章の重要人物は本当に面倒くさい
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ヌカヅキと名乗った男は名前の通り、こいつは平民だ。ただしびっくりするくらいの礼儀知らずでどうしようもない男。確かに記憶では平民だから気にしないけど、残念ながらこの世界には身分制度がありまして。今の俺の身分は公爵子息だ。つまり目の前の男は不敬罪で即打ち首でも文句は言えないほどの無礼を働いているってことになる。その証拠に周囲からの視線はこれ以上ないほどに冷え切っていた。身分にかなり寛容なアウルでさえ不愉快とばかりに顔を歪めている。
「ヌカヅキと言ったな。いくら何でも失礼が過ぎないか?」
「アンタ誰?」
アウルに向かって『アンタ誰?』って……。ここにエヴェイユやリヒトがいなくてよかった。あの二人いたらこいつ大変なことになっているぞ。案の定アウルの片眉がピクリと動く。まあでも……俺も結構不快だしこのままダラダラと時間を浪費する趣味はない。
「君に名乗る名前などない。行きましょうオルニス公子」
「アクナイト公子……? どうしたんだ?」
「どうしたもなにもありません。どう考えても時間の無駄でしょう」
言っている間にも俺の体はすでにヌカヅキに背を向けていた。珍しく困惑したアウルを見られてちょっと溜飲が下がったかも、なんて…………。
「待ってよ。アンタあのアクナイト公子なの? ちょうどよかったアンタに伝言があるんだけど」
「「はあ?」」
思わずアウルと共に振り向いてしまった。こんな平民に伝言頼むって何? 肝心のヌカヅキはニヤニヤしながらこちらを楽しそうに見つめている。気持ち悪…………。
しかしヌカヅキの発言についに周囲が先に我慢の限界を迎えたらしい。
「アクナイト公爵子息に対してその態度はなんだ! 不敬だぞ」
「そうですわ。たかが平民風情が公爵家の方を呼び止めるだけでも非常識ですのに、タメ口だなんて。育ちが知れますわね」
「やめなよ。きっと身分の違いすらわからないほどの環境で育てられたんだ。あんまり虐めたら可哀想だ」
「ああそうなのか。それは確かに可哀想だな。彼みたいなのがこの学園に通っているのが奇跡そのものに思えてくるよ」
あちこちから嘲笑と侮蔑の言葉が聞こえてくる。普段だったら聞きたくないからって黙らせるけど流石にこれは…………ねえ。アウルも醜悪な光景に眉を歪ませているけど止める気はないらしい。普段のこいつからはあんまり想像でいないな。
……などとぼんやり考えている間も野次馬、もとい生徒たちの言動は更に悪辣さを増していった。うん、これ以上は流石によろしくないな。平民に至ってはピー音入れたほうが良さそうなこと言い始めている輩もいるしいい加減こんな茶番に付き合ってられない。
「騒々しい」
シュヴァリエの感情のない声はこういう時本当にいい武器になる。一瞬で静まるんだもん。これを利用しない手はないよね~。使い方さえ間違えなければシュヴァリエの持つ、かなり強いカードになったんじゃないだろうか。
「私の前で貴族の子息子女が声を上げるなど醜いにもほどがある」
あからさまに不機嫌だと言わんばかりに対して動かない眉を動かして周囲を睨みつけると、野次を飛ばしていた生徒たちが青ざめながら俯いたり、わざとらしく視線を逸らす。……いや、さすがにそこまでの反応されるのはちょっと傷つくんだが。
俺は心の中で地味に落ち込みながらもやじうまは無視することに決め、ヌカヅキに向き直る。
「生憎とどこの誰とも知れない野良犬如きに費やす時間はない。…………失せろ」
滅多にしない命令口調で言うとさすがにまずいと思ったのかヌカヅキの顔から人を馬鹿にしたような笑みが消えた。ついでに周りにいた生徒たちが震えあがっていた。
しばらく表情を消していたヌカヅキは突然狂ったように笑いだした。…………ゲーム内でもそうだったけど生で見てみるとやっぱりこいつ、不気味だな。
「本当に容赦ないんだなアンタ。…………だ」
え? 今こいつなんて言った?
「まあいいや、今日のところは引き下がるよ。これ以上はなんかまずそうだし……図書館デートの邪魔してごめんね~? あんたの言う通り出直してくるからさ、今度はちゃんと相手してくれよ? シュヴァリエ・アクナイトさん?」
最後まで非常識極まりない態度で笑いながら図書館を出て行ったヌカヅキの姿に、その場にいた全員がすぐには動けずにいた。ほんとに何だったんだあの野郎。
「……オルニス公子行きましょう」
俺の言葉にハッとしたアウルが心配そうにこちらを見てきた。
「大丈夫だったか?」
「私が気にかける価値などありません。さっさと行きましょう」
「あ、ああ。それにしても彼は一体何なんだろうな」
「さあ? 興味ありませんね」
「だがあの様子では近いうちにまた現れるのではないか?」
「関係ありません」
「伝言があると言っていたのに?」
「だから知りませんって」
言いながらさっさと目的の本棚に向かって歩き出す。
「君に何か言伝があると言っていたが心当たりは?」
「あるわけないでしょう。あったとしてもあの平民に言伝を頼む意味が分かりません」
「それもそうか」
ようやく目的の本棚に到着し、目当ての本を数冊借りることができた。たかが本を数冊借りるのにこんなに時間がかかるとは思わなかった。
「……目的の本借りられてよかったな」
「ええ、まあ……」
「それにしてもなぜその本だったんだ?」
「……あの教師の性格を考えた場合はこのような本から問題を出してもおかしくないと思いましたので」
言えるわけないだろう。『少年と嘘』の一部が試験問題に出るからなんて。しかもそれは公式ファンブックに書いてあったもの。ご丁寧に? クラルテたちが行った試験問題と解答が丸ごと載っていたそれを俺の足りない記憶力から引っ張り出してきたのだ。本当に運営側の頭の中がさっぱりわからん。
……それはいいとして。客観的に見たら事前に職員室に入ってテスト問題盗み見ましたっていうのと大差ない。もっとも今はちょっとずつゲームの内容と相違しているところがあるからその通りに出るとは限らないけど、ある程度はピンポイントで対策が立てられてしまうという現状は充分にカンニングと呼ばれる行為だ。黙っておくに限る。
「なるほど。確かにそうだな。あの人ならそういうことをやってもおかしくない。俺ももう一度読んでみるか」
「お好きにどうぞ」
「『荒野の丘で』は花が出てくるから、だろう?」
「…………黙秘します」
「……今さら隠す必要ないだろう」
「何か仰いました?」
「気のせいだ」
嘘つけ! 絶対になんか言っただろこの野郎! ……と、言いたいところだけど、その前に言っておかなければならないことがある。
「オルニス公子」
「なんだ?」
「申し訳ありませんでした」
突然謝罪を述べた俺にアウルは目を白黒させて立ち止まる。うん、あんなほのぼの会話していたのにいきなりごめんなさいなんか言ったら俺でもそんな反応になるわ。でも言わなきゃいけないんだよな……。八・二の割合で本心と必要事項だ。
「突然謝罪なんかして……どうしたんだ?」
「あの平民の不敬な発言です。謝罪をさせる間もありませんでしたので」
「ああ……そういうことか。君は謝ることじゃない。それに俺は気にしていない」
「随分と寛容ですね。あれは不敬が過ぎると思いますが」
「確かにかなり驚いたが……社交界に出ればそれこそ欲や悪意を何重にも覆い隠した貴族たちを相手取ることになるんだ。あの程度の無礼など可愛いものだ」
この男……サラッと言ってのけやがんの。あれを可愛いと言ってしまえる懐の深さが羨ましい。
「だが謝罪の言葉は受け取ろう」
「ありがとうございます」
よし、義務は果たした! 終わり!
「それじゃあ行こうか」
そう言ってアウルはヴィオレ寮がある方向とは別の方角に足を向けた。
「図書館からは君の寮よりも俺のいる寮のほうが近い」
……はい?
「それがどうしました」
ものすごく嫌な予感がするんだけど、念のため問いかける。頼むから予想通りのこと言わないでくれ。
「俺の部屋で勉強をしないか?」
「お断りします」
あ、うっかり即拒否しちゃった。でもなんでそうなるんですかアウルさんや。
「俺との勉強を了承したのは君だろう。どこで勉強しようが変わるものでもないはずだ」
「…………」
「俺の部屋なら道具も参考書も揃っているし不都合はないと思うが」
仰る通りです。むしろ部屋に来られて不都合があるのは俺のほうだ。だってあの部屋、押し花で溢れかえっているからぶっちゃけ広いはずの部屋に人を招けないし招きたくない。…………拒否権、なし。
謎の敗北感を胸に抱きながら俺は無言で了承の意を示す。
「大丈夫だ。そこまで厳しくはしないさ」
…………その時のアウルの表情が今まで見た中で一番輝いて見えたのは、気のせいだろうか。
「ヌカヅキと言ったな。いくら何でも失礼が過ぎないか?」
「アンタ誰?」
アウルに向かって『アンタ誰?』って……。ここにエヴェイユやリヒトがいなくてよかった。あの二人いたらこいつ大変なことになっているぞ。案の定アウルの片眉がピクリと動く。まあでも……俺も結構不快だしこのままダラダラと時間を浪費する趣味はない。
「君に名乗る名前などない。行きましょうオルニス公子」
「アクナイト公子……? どうしたんだ?」
「どうしたもなにもありません。どう考えても時間の無駄でしょう」
言っている間にも俺の体はすでにヌカヅキに背を向けていた。珍しく困惑したアウルを見られてちょっと溜飲が下がったかも、なんて…………。
「待ってよ。アンタあのアクナイト公子なの? ちょうどよかったアンタに伝言があるんだけど」
「「はあ?」」
思わずアウルと共に振り向いてしまった。こんな平民に伝言頼むって何? 肝心のヌカヅキはニヤニヤしながらこちらを楽しそうに見つめている。気持ち悪…………。
しかしヌカヅキの発言についに周囲が先に我慢の限界を迎えたらしい。
「アクナイト公爵子息に対してその態度はなんだ! 不敬だぞ」
「そうですわ。たかが平民風情が公爵家の方を呼び止めるだけでも非常識ですのに、タメ口だなんて。育ちが知れますわね」
「やめなよ。きっと身分の違いすらわからないほどの環境で育てられたんだ。あんまり虐めたら可哀想だ」
「ああそうなのか。それは確かに可哀想だな。彼みたいなのがこの学園に通っているのが奇跡そのものに思えてくるよ」
あちこちから嘲笑と侮蔑の言葉が聞こえてくる。普段だったら聞きたくないからって黙らせるけど流石にこれは…………ねえ。アウルも醜悪な光景に眉を歪ませているけど止める気はないらしい。普段のこいつからはあんまり想像でいないな。
……などとぼんやり考えている間も野次馬、もとい生徒たちの言動は更に悪辣さを増していった。うん、これ以上は流石によろしくないな。平民に至ってはピー音入れたほうが良さそうなこと言い始めている輩もいるしいい加減こんな茶番に付き合ってられない。
「騒々しい」
シュヴァリエの感情のない声はこういう時本当にいい武器になる。一瞬で静まるんだもん。これを利用しない手はないよね~。使い方さえ間違えなければシュヴァリエの持つ、かなり強いカードになったんじゃないだろうか。
「私の前で貴族の子息子女が声を上げるなど醜いにもほどがある」
あからさまに不機嫌だと言わんばかりに対して動かない眉を動かして周囲を睨みつけると、野次を飛ばしていた生徒たちが青ざめながら俯いたり、わざとらしく視線を逸らす。……いや、さすがにそこまでの反応されるのはちょっと傷つくんだが。
俺は心の中で地味に落ち込みながらもやじうまは無視することに決め、ヌカヅキに向き直る。
「生憎とどこの誰とも知れない野良犬如きに費やす時間はない。…………失せろ」
滅多にしない命令口調で言うとさすがにまずいと思ったのかヌカヅキの顔から人を馬鹿にしたような笑みが消えた。ついでに周りにいた生徒たちが震えあがっていた。
しばらく表情を消していたヌカヅキは突然狂ったように笑いだした。…………ゲーム内でもそうだったけど生で見てみるとやっぱりこいつ、不気味だな。
「本当に容赦ないんだなアンタ。…………だ」
え? 今こいつなんて言った?
「まあいいや、今日のところは引き下がるよ。これ以上はなんかまずそうだし……図書館デートの邪魔してごめんね~? あんたの言う通り出直してくるからさ、今度はちゃんと相手してくれよ? シュヴァリエ・アクナイトさん?」
最後まで非常識極まりない態度で笑いながら図書館を出て行ったヌカヅキの姿に、その場にいた全員がすぐには動けずにいた。ほんとに何だったんだあの野郎。
「……オルニス公子行きましょう」
俺の言葉にハッとしたアウルが心配そうにこちらを見てきた。
「大丈夫だったか?」
「私が気にかける価値などありません。さっさと行きましょう」
「あ、ああ。それにしても彼は一体何なんだろうな」
「さあ? 興味ありませんね」
「だがあの様子では近いうちにまた現れるのではないか?」
「関係ありません」
「伝言があると言っていたのに?」
「だから知りませんって」
言いながらさっさと目的の本棚に向かって歩き出す。
「君に何か言伝があると言っていたが心当たりは?」
「あるわけないでしょう。あったとしてもあの平民に言伝を頼む意味が分かりません」
「それもそうか」
ようやく目的の本棚に到着し、目当ての本を数冊借りることができた。たかが本を数冊借りるのにこんなに時間がかかるとは思わなかった。
「……目的の本借りられてよかったな」
「ええ、まあ……」
「それにしてもなぜその本だったんだ?」
「……あの教師の性格を考えた場合はこのような本から問題を出してもおかしくないと思いましたので」
言えるわけないだろう。『少年と嘘』の一部が試験問題に出るからなんて。しかもそれは公式ファンブックに書いてあったもの。ご丁寧に? クラルテたちが行った試験問題と解答が丸ごと載っていたそれを俺の足りない記憶力から引っ張り出してきたのだ。本当に運営側の頭の中がさっぱりわからん。
……それはいいとして。客観的に見たら事前に職員室に入ってテスト問題盗み見ましたっていうのと大差ない。もっとも今はちょっとずつゲームの内容と相違しているところがあるからその通りに出るとは限らないけど、ある程度はピンポイントで対策が立てられてしまうという現状は充分にカンニングと呼ばれる行為だ。黙っておくに限る。
「なるほど。確かにそうだな。あの人ならそういうことをやってもおかしくない。俺ももう一度読んでみるか」
「お好きにどうぞ」
「『荒野の丘で』は花が出てくるから、だろう?」
「…………黙秘します」
「……今さら隠す必要ないだろう」
「何か仰いました?」
「気のせいだ」
嘘つけ! 絶対になんか言っただろこの野郎! ……と、言いたいところだけど、その前に言っておかなければならないことがある。
「オルニス公子」
「なんだ?」
「申し訳ありませんでした」
突然謝罪を述べた俺にアウルは目を白黒させて立ち止まる。うん、あんなほのぼの会話していたのにいきなりごめんなさいなんか言ったら俺でもそんな反応になるわ。でも言わなきゃいけないんだよな……。八・二の割合で本心と必要事項だ。
「突然謝罪なんかして……どうしたんだ?」
「あの平民の不敬な発言です。謝罪をさせる間もありませんでしたので」
「ああ……そういうことか。君は謝ることじゃない。それに俺は気にしていない」
「随分と寛容ですね。あれは不敬が過ぎると思いますが」
「確かにかなり驚いたが……社交界に出ればそれこそ欲や悪意を何重にも覆い隠した貴族たちを相手取ることになるんだ。あの程度の無礼など可愛いものだ」
この男……サラッと言ってのけやがんの。あれを可愛いと言ってしまえる懐の深さが羨ましい。
「だが謝罪の言葉は受け取ろう」
「ありがとうございます」
よし、義務は果たした! 終わり!
「それじゃあ行こうか」
そう言ってアウルはヴィオレ寮がある方向とは別の方角に足を向けた。
「図書館からは君の寮よりも俺のいる寮のほうが近い」
……はい?
「それがどうしました」
ものすごく嫌な予感がするんだけど、念のため問いかける。頼むから予想通りのこと言わないでくれ。
「俺の部屋で勉強をしないか?」
「お断りします」
あ、うっかり即拒否しちゃった。でもなんでそうなるんですかアウルさんや。
「俺との勉強を了承したのは君だろう。どこで勉強しようが変わるものでもないはずだ」
「…………」
「俺の部屋なら道具も参考書も揃っているし不都合はないと思うが」
仰る通りです。むしろ部屋に来られて不都合があるのは俺のほうだ。だってあの部屋、押し花で溢れかえっているからぶっちゃけ広いはずの部屋に人を招けないし招きたくない。…………拒否権、なし。
謎の敗北感を胸に抱きながら俺は無言で了承の意を示す。
「大丈夫だ。そこまで厳しくはしないさ」
…………その時のアウルの表情が今まで見た中で一番輝いて見えたのは、気のせいだろうか。
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