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三頁 ローダンセの喜劇
39話 コランバイン伯爵との対峙
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昨日の話の通り今朝宿を出てすぐにローダンセの屋敷へ場所を移した。ひとまず使う部屋からを魔法でちゃっちゃと掃除しフェリキタスをベッドに寝かせた。
「なんとか寝かせることはできたな。一応食材を売っている店もあったから材料を買ってきてここで作ろう」
「料理なら任せてください!」
「私も簡単なものなら作れますので……」
「頑張りましょうねオルテンシアさん!」
「あ、うん……」
へえ、イデアルって料理できるんだ。まあ料理が趣味のご婦人がいれば子どもも興味を持つだろうね。
……それにしてもこの屋敷、ちょっと違和感あるな。
「アクナイト公子、どうかなさいましたか?」
昨日よりいくらか顔色がマシになったルーフが尋ねてきた。
「貴族の屋敷だったにも関わらず、調度品や絵画なんかが一才見当たらない」
「確かにそうだな。この屋敷に入ってから見かけていない」
「そういえば厨房にもお皿とかグラスがなくなっていました! あったのは使用人が使っていたと思われる物だけです」
「……これはもう少し調べてみた方が良さそうだな」
「……っ!」
うん……? ルーフの奴なんかおかしくないか? なんとなく目が忙しないというか、若干汗が滲んでいるというか……どうしたんだろう?
幼馴染の家ってことは少なからずこの家にも出入りしたことがあるってことだから、屋敷の惨状を見るのが辛いんだろうか。
…………。
いやちょっと待て。なんかこの屋敷関連であったはずだ。ローダンセの屋敷、ルーフ、幼馴染…………えーっとあともう少しーー
「みんな大変! 豪華な馬車がこっちに向かってきています!」
……。
タイミング最悪。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
「まさかアクナイト公爵家が誇る幻の雄花にお目見えすることができるとは、私はなんて幸運なんでしょう」
「……」
とっとと消えやがれこの××××××野郎。
……俺は今いるのはかつてローダンセ領とコランバイン領のちょうど中間地点にある町、その中でも一番豪華な宿である。なんでそんなところにいるかって? 強引に連れ込まれたんだよ。いくら実家の身分が高かろうと爵位を賜っていない以上、爵位持ちであるコランバインの方が位は上になる。それに住民へ危害を加えるかのような匂わせをされれば、動かざるを得ない。
一応皆には万が一のことを考えて対策を伝えてあるし、俺には昨夜作った切り札もある。だけど……。
こいつマジでキモいんだけど。いやゲームで容貌は知っていたけどさ、今まで会ったことないよこんなカビの生えた樽みたいな奴。腹なんて特に内臓じゃなくて樽が丸ごと入ってんじゃねえかってくらい出ているし、無駄に背も高いからマジで頭と四肢とったら樽よ樽。こんな下衆の寝所に侍らされるって考えたらその時点で卒倒するか自害するかだと思う。しかも宝飾品もあちこちにつけていて成金の小物感半端ないし……。
「いやあ、ぜひとも我が屋敷へお越しいただきたいものですな」
「誰が行くか馬鹿じゃねえの立場弁えろや樽風情が」
「もちろんですとも。我がコランバインはいつでもアクナイト公子を歓迎しますぞ!」
「どのようなおもてなしをしてくださるのか楽しみですね」
「きっとご満足いただけると思いますよ! その際にはぜひ公爵閣下にもよろしくお伝えください」
「ええそうさせてもらいます。もっともこの私を唸らせるのは至難の業ですよ」
「はっはっはっ! アクナイト公子も人が悪い。ですがご安心ください。食事もデザートもそして……私が独自で生み出した遊びも損はさせないものばかりですから」
遊び、ねえ……?
……。
こいつ俺のこと舐めてんのか?
黒幕にずっとへこへこしてやらかしてすぐに始末されるような二流のモブがなにイキってんだか。
せっかくだしどうにか自白をもぎ取りたいところだけど、さてどうするかな。あんまり直球だと怪しまれそうだから世間話程度で言葉の端々から探るしかないんだよな。俺正直言葉の駆け引きとか苦手だし、今は手元に録音機みたいなのはない。ああスマホが恋しい。あれボイスメモついているからその場で録音できるし警察も呼べる。なんて便利な世界だったんだろう。
「それはそれは、コランバイン伯爵は大変精力的でいらっしゃる。きっと陛下もお喜びになりますよ」
いや誰だよお前は。シュヴァリエも柊紅夏もこんなこと言わんぞ。
自分で自分にツッコミを入れている間もなんかずっとペラペラ喋っている樽、もうこれでいい。こんな奴を貴族として見るのは真っ当な貴族に対して失礼だ。よしお前は今から銭樽だ。
「それはまあ、私ほどの人間であれば侯爵位を賜るのも時間の問題でしょうが他の者が嫉妬なさるもので……いやはや力あるものを貶めんとする行為は実に愚かなものです」
お前が言うなよ。ちょっと褒められただけで天狗になるとかないわ。実は演技ですとかない? 正直こんな奴だったら手練れは一瞬で情報もぎ取っちゃうぞ? ゲームでは先代のコランバイン伯爵は有能だったってちょろっと言っていたけど、人を見る目はなさそうだな。これに家継がせたら一族滅ぶって思わなかったのか?
まあいいや。ここらでちょっと仕掛けてみよう。
「貴殿ともなれば気苦労も絶えないことでしょう。……まだローダンセ一家も見つかっていないことですし、ね?」
ややストレートに言ってみたけど、どう出る?
「……あ、ああ! ローダンセ伯爵夫妻ですか! ええ、ええそうなんですよ! いくら領地を併呑したとはいえ、彼らの能力は捨て難いですからな。失踪などなければ優秀な相棒として私の仕事もやりやすくなったでしょうに、実に残念です」
つまりローダンセ一家に仕事を丸投げして自分は欲望の限りを尽くせたのにってことですか。
「それにローダンセのご子息もなかなかの美形でしたからご自分の身分も相まって将来有望だったというのに」
……。
目の前のティーポットの持ち手が俺の方へ向かって動いた気がする。つまりはやっちゃっていいってことですよね? 俺が下手に出てりゃ調子に乗りやがって。
「とはいえ、アクナイト公子の前ではいかなる美貌の持ち主も敵わないでしょうが」
……おっと? 何を言っているのかなこの銭樽は。しかも話題の転換とともに視線が下劣になりやがった。
「そのお髪もさることながら、月の光を思わせるような瞳もこの国ではなかなかお目にかかれませんよ。初めて見たときはまるで月の精霊が私の元へ舞い降りたのかと思ってしまった」
たとえ俺が精霊でもあんたの元へは天地がひっくり返ろうとも降り立ちたくないけどね。
……だけどこいつが下賤な口説きをしてきたということは。
「そうだアクナイト公子。せっかくこうして語り合うことができた記念に、公子だけの特別なお茶をご用意させていただきましたぞ」
「……お茶ですか。それは楽しみですね」
「ええ……アクナイト公子もきっと心地よい気分になれると思いますよ」
……とか言いながら視線がどんどんキモくなっていっているの自覚している? しているわけないか。これからのことで頭がいっぱいで気づいていないものね。
ツカツカとティーポットを持ってきた使用人に銭樽野郎は横柄に顎でしゃくる。
「そら注いでやれ」
「失礼いたします」
ティーカップに注がれる一見普通の紅茶だけど微かに漂うサフランの香り。ここはゲーム通りで助かった。ゲームでも銭樽がクラルテに紅茶をすすめるシーンがあって、出されたお茶のことがしっかり言及されていた。ここが変わっていたらどうしようと思ったけど。
「ささ、アクナイト公子ごゆっくりお楽しみください」
「……」
言われた通りティーカップを手に持った俺はーーお茶を注いだ使用人へ向かって思い切り中身をぶちまけた。
「な、なにを……!」
「失礼。手が滑ってしまいました。ご無礼謝罪いたします」
突然の出来事に思わずと言ったように声を荒げた銭樽に俺は一切調子を崩すことなく思ってもいない謝罪を述べる。
一瞬怒りを滲ませた銭樽野郎だったが。
「アクナイト公子はなかなか抜けているところがおありのようですね。ですが……」
不気味にニヤリと笑った。……あ、なんかやばいかも。
その笑顔に不吉な予感を覚えた直後ーー
「なにがなんでもあなたには我が家のお茶を飲んでいただきますよ」
首の裏に鈍い痛みが走りろくでもない言葉を聞きながら俺は気を失った。
「なんとか寝かせることはできたな。一応食材を売っている店もあったから材料を買ってきてここで作ろう」
「料理なら任せてください!」
「私も簡単なものなら作れますので……」
「頑張りましょうねオルテンシアさん!」
「あ、うん……」
へえ、イデアルって料理できるんだ。まあ料理が趣味のご婦人がいれば子どもも興味を持つだろうね。
……それにしてもこの屋敷、ちょっと違和感あるな。
「アクナイト公子、どうかなさいましたか?」
昨日よりいくらか顔色がマシになったルーフが尋ねてきた。
「貴族の屋敷だったにも関わらず、調度品や絵画なんかが一才見当たらない」
「確かにそうだな。この屋敷に入ってから見かけていない」
「そういえば厨房にもお皿とかグラスがなくなっていました! あったのは使用人が使っていたと思われる物だけです」
「……これはもう少し調べてみた方が良さそうだな」
「……っ!」
うん……? ルーフの奴なんかおかしくないか? なんとなく目が忙しないというか、若干汗が滲んでいるというか……どうしたんだろう?
幼馴染の家ってことは少なからずこの家にも出入りしたことがあるってことだから、屋敷の惨状を見るのが辛いんだろうか。
…………。
いやちょっと待て。なんかこの屋敷関連であったはずだ。ローダンセの屋敷、ルーフ、幼馴染…………えーっとあともう少しーー
「みんな大変! 豪華な馬車がこっちに向かってきています!」
……。
タイミング最悪。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
「まさかアクナイト公爵家が誇る幻の雄花にお目見えすることができるとは、私はなんて幸運なんでしょう」
「……」
とっとと消えやがれこの××××××野郎。
……俺は今いるのはかつてローダンセ領とコランバイン領のちょうど中間地点にある町、その中でも一番豪華な宿である。なんでそんなところにいるかって? 強引に連れ込まれたんだよ。いくら実家の身分が高かろうと爵位を賜っていない以上、爵位持ちであるコランバインの方が位は上になる。それに住民へ危害を加えるかのような匂わせをされれば、動かざるを得ない。
一応皆には万が一のことを考えて対策を伝えてあるし、俺には昨夜作った切り札もある。だけど……。
こいつマジでキモいんだけど。いやゲームで容貌は知っていたけどさ、今まで会ったことないよこんなカビの生えた樽みたいな奴。腹なんて特に内臓じゃなくて樽が丸ごと入ってんじゃねえかってくらい出ているし、無駄に背も高いからマジで頭と四肢とったら樽よ樽。こんな下衆の寝所に侍らされるって考えたらその時点で卒倒するか自害するかだと思う。しかも宝飾品もあちこちにつけていて成金の小物感半端ないし……。
「いやあ、ぜひとも我が屋敷へお越しいただきたいものですな」
「誰が行くか馬鹿じゃねえの立場弁えろや樽風情が」
「もちろんですとも。我がコランバインはいつでもアクナイト公子を歓迎しますぞ!」
「どのようなおもてなしをしてくださるのか楽しみですね」
「きっとご満足いただけると思いますよ! その際にはぜひ公爵閣下にもよろしくお伝えください」
「ええそうさせてもらいます。もっともこの私を唸らせるのは至難の業ですよ」
「はっはっはっ! アクナイト公子も人が悪い。ですがご安心ください。食事もデザートもそして……私が独自で生み出した遊びも損はさせないものばかりですから」
遊び、ねえ……?
……。
こいつ俺のこと舐めてんのか?
黒幕にずっとへこへこしてやらかしてすぐに始末されるような二流のモブがなにイキってんだか。
せっかくだしどうにか自白をもぎ取りたいところだけど、さてどうするかな。あんまり直球だと怪しまれそうだから世間話程度で言葉の端々から探るしかないんだよな。俺正直言葉の駆け引きとか苦手だし、今は手元に録音機みたいなのはない。ああスマホが恋しい。あれボイスメモついているからその場で録音できるし警察も呼べる。なんて便利な世界だったんだろう。
「それはそれは、コランバイン伯爵は大変精力的でいらっしゃる。きっと陛下もお喜びになりますよ」
いや誰だよお前は。シュヴァリエも柊紅夏もこんなこと言わんぞ。
自分で自分にツッコミを入れている間もなんかずっとペラペラ喋っている樽、もうこれでいい。こんな奴を貴族として見るのは真っ当な貴族に対して失礼だ。よしお前は今から銭樽だ。
「それはまあ、私ほどの人間であれば侯爵位を賜るのも時間の問題でしょうが他の者が嫉妬なさるもので……いやはや力あるものを貶めんとする行為は実に愚かなものです」
お前が言うなよ。ちょっと褒められただけで天狗になるとかないわ。実は演技ですとかない? 正直こんな奴だったら手練れは一瞬で情報もぎ取っちゃうぞ? ゲームでは先代のコランバイン伯爵は有能だったってちょろっと言っていたけど、人を見る目はなさそうだな。これに家継がせたら一族滅ぶって思わなかったのか?
まあいいや。ここらでちょっと仕掛けてみよう。
「貴殿ともなれば気苦労も絶えないことでしょう。……まだローダンセ一家も見つかっていないことですし、ね?」
ややストレートに言ってみたけど、どう出る?
「……あ、ああ! ローダンセ伯爵夫妻ですか! ええ、ええそうなんですよ! いくら領地を併呑したとはいえ、彼らの能力は捨て難いですからな。失踪などなければ優秀な相棒として私の仕事もやりやすくなったでしょうに、実に残念です」
つまりローダンセ一家に仕事を丸投げして自分は欲望の限りを尽くせたのにってことですか。
「それにローダンセのご子息もなかなかの美形でしたからご自分の身分も相まって将来有望だったというのに」
……。
目の前のティーポットの持ち手が俺の方へ向かって動いた気がする。つまりはやっちゃっていいってことですよね? 俺が下手に出てりゃ調子に乗りやがって。
「とはいえ、アクナイト公子の前ではいかなる美貌の持ち主も敵わないでしょうが」
……おっと? 何を言っているのかなこの銭樽は。しかも話題の転換とともに視線が下劣になりやがった。
「そのお髪もさることながら、月の光を思わせるような瞳もこの国ではなかなかお目にかかれませんよ。初めて見たときはまるで月の精霊が私の元へ舞い降りたのかと思ってしまった」
たとえ俺が精霊でもあんたの元へは天地がひっくり返ろうとも降り立ちたくないけどね。
……だけどこいつが下賤な口説きをしてきたということは。
「そうだアクナイト公子。せっかくこうして語り合うことができた記念に、公子だけの特別なお茶をご用意させていただきましたぞ」
「……お茶ですか。それは楽しみですね」
「ええ……アクナイト公子もきっと心地よい気分になれると思いますよ」
……とか言いながら視線がどんどんキモくなっていっているの自覚している? しているわけないか。これからのことで頭がいっぱいで気づいていないものね。
ツカツカとティーポットを持ってきた使用人に銭樽野郎は横柄に顎でしゃくる。
「そら注いでやれ」
「失礼いたします」
ティーカップに注がれる一見普通の紅茶だけど微かに漂うサフランの香り。ここはゲーム通りで助かった。ゲームでも銭樽がクラルテに紅茶をすすめるシーンがあって、出されたお茶のことがしっかり言及されていた。ここが変わっていたらどうしようと思ったけど。
「ささ、アクナイト公子ごゆっくりお楽しみください」
「……」
言われた通りティーカップを手に持った俺はーーお茶を注いだ使用人へ向かって思い切り中身をぶちまけた。
「な、なにを……!」
「失礼。手が滑ってしまいました。ご無礼謝罪いたします」
突然の出来事に思わずと言ったように声を荒げた銭樽に俺は一切調子を崩すことなく思ってもいない謝罪を述べる。
一瞬怒りを滲ませた銭樽野郎だったが。
「アクナイト公子はなかなか抜けているところがおありのようですね。ですが……」
不気味にニヤリと笑った。……あ、なんかやばいかも。
その笑顔に不吉な予感を覚えた直後ーー
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