40 / 102
三頁 ローダンセの喜劇
38話 コランバインの疑惑
しおりを挟む
アウルとクラルテの話の内容を整理するとこうだ。
まずローダンセ伯爵家が治めていた頃は非常に活気で溢れ、このセンダンの町ならではの特産品も多く作られていた。ローダンセ伯爵一家はとても民を思いやり、領民もまたそんな領主を慕っていた。
しかし数年前ローダンセ伯爵一家の失踪直後行われた併呑と代替わりによって町は大きく変わってしまった。
「ローダンセ伯爵の頃には考えられないほど税が重くなり、若い男女の奉公を強制されたりしているらしい」
「特産品もこのセンダンではなくコランバイン伯爵の屋敷がある町・カラテアで作られるようになっているそうです。その結果この町は若者も仕事もなくなっていると言っていました」
聞けば聞くほど気分悪いな。そんな統治が数年前からされていたとか吐き気がする。俺は元平民だから上の政策で金銭的に苦しい思いはしてきた。野菜も肉も健康保険や年金なんかも二万円近く取られて結構かつかつだったんだよな。おかげでバイトしてもし足りないって感じで苦労したな。庶民にとって二万円がどれだけ大きい金額かわかってんのかっつーの!
一応の救済措置があるにはある日本でも大変だったのに、ここでは若者もいない上に仕事も奪われているときた。いや日本でも人手不足とか言いつつ、安月給で使い捨てみたいな派遣とかばかり取るようになっているけどさ。この町の人たちは領主に仕事自体を取られているわけじゃん? そりゃ数年で寂れるわけだよ。
みんなが険しい顔をする中、ふいにイデアルが口を開いた。
「そんな状態になっているのになんで情報が出回っていないんでしょう? 王家も調査を行なったというのに、この実態が明らかになっていないだなんて変じゃないですか?」
「確かにおかしいですわね。こんな状態の町になってしまって、他の町に移住する人も出るでしょうにこんな状態を誰も知らないなんて」
……。
……それはゲームの内容を知っているからわかる。わかるけど、それを断定で言うことはできない。だからと言って見て見ぬふりをしていいわけじゃない。
「それなら誰も出ていっていないんだろう」
「それはどういうことだ。アクナイト公子」
「そのままの意味ですよ。誰も出ていっていないんです。この領地から」
「それは確かにそうなりますが……」
「クラルテ、オルニス公子。町の人たちは人が減っていると言いましたか?」
「……は、はい。若い人が減っていると。……あれ、そういえばそれを言っているとき、少しだけ様子が変だったような? アウルも気づいていた?」
「ああ。何やら煮え切らない様子だった……いや、あれはどちらかと言うと怯えていた?」
「怯える? なぜだ?」
皆首を傾げている。まあ普通はやらないし想像すらしないよね。本来は守るはずの対象にそんな真似をするなんてあり得ないと思っている連中しかここにはいないし。だからゲーム内で真相が明らかになった時に関わった俺以外の面々は実家も揃ってブチギレた。
「……もし、自分にとって不都合なことを知ってしまった人間がいるとして、それが知られてしまうと領民が危険にさらされるとわかっている。さらにそれがまもなく知れ渡るとなった場合。皆ならばどう対応する?」
「唐突ですわねアクナイト公子様。でも……うーん」
俺の急な質問に揃って首を捻るが、シャリテはわかったのか、青ざめながら口を開く。
「まさか……」
「顔色が悪いが大丈夫か?」
「ええ大丈夫です。ですがそれを言うならばルーフ様も顔色がよろしくありませんわ」
「俺も大丈夫だ」
結構心が乱れているだろうにちゃんと婚約者を気遣えるあたり、人としてできてる。娘を愛している親からすればこういう男に嫁がせたいよな。
……話が逸れた。
「……アクナイト公子、もし私が思っていることが事実ならば絶対に許されませんわ」
「どうしましたの? シャリテらしくありませんわよ」
「わかっていますわ。だけどプレア、これは貴族としてあってはならないことなんですよ」
「一体何を言っていますの?」
心底わからないって顔しているあたり本当に純真なんだろうな。
「ブバルディア嬢、こんな言葉を聞いたことはあるか? ーー死人に口なし」
「……え、そ、それは、つまり……」
気づいたらしいプレアは一瞬で真っ青になった。イデアルやクラルテ、ルーフにアウルまで青ざめている。まあそういう反応になるよね。
平民を守護する立場である貴族が自分のために平民を殺すなんて、たとえ予想でも口にしちゃいけないことだと思う。
だけど実際ゲームでは町を出ようとした住民は殺されている。ただし比較的見目のいい人は生け捕りにされ、強制奉仕に出ている容姿のいい男女もと合わせてもれなくコランバイン伯爵の寝所に侍らされているというのがゲームの内容だった。
……さすがにこの場でそれを言う度胸はないけど。男からしても嫌だけどご令嬢方はもっといやだろう。それに女性には妊娠という危険もあるから強制的に組み敷かれるのがどれだけの恐怖か妊娠の危険がない俺には正直想像もつかない。力勝負になっては言っちゃ悪いが打つ手がないから逃げ出したくても無理。しかも捕まっている多くは平民だ。逆らえば家族を殺される可能性がある以上強く反抗することもできないから彼らからすればまさしく詰み。
しかも外に情報が漏れない理由がまだあってこれが一番厄介だったりする。
「それが本当なら何がなんでもここの実態を暴くほかないな。これ以上犠牲者や被害者を出すわけにはいかない。明日からはそれを前提に行動しよう」
「そうですわね。なんとかして外部の協力を得ないと私たち生徒だけで救出は不可能ですわ」
「それなら地図の作成はできるだけ抜け道や隠れられそうなところも踏まえて行いましょう」
「はい/ええ」
「では俺とクラルテは町の人からもう少し詳しい情報を得てまとめておく。領民の直の声は重要な証拠になる。アクナイト公子とパフィオペディラム公子はどうする?」
「……」
フェリキタスが旧ローダンセの屋敷で見つかった以上、ストーリーが変わっているの確かだ。それにあの屋敷自体全然調べられていない。ストーリーの変化に伴って、ゲーム内では出ていなかった証拠かなにかが出てくる可能性だってある。
……はあ、ストーリーには関与しないって決めていたんだけど、なんでこうなるんだか。
「私とパフィオペディラム公子はローダンセの屋敷を調べることにする。そこにはまだ何かあるだろう。パフィオペディラム公子もそれでいいか?」
「はい。異論はありません」
「わかった。くれぐれも気をつけてくれ」
「わかっています」
「はい」
ゲームでは町の人から情報を得たクラルテがルーフと一緒にわざと町の外に行こうとして捕まりコランバイン伯爵の屋敷に乗り込んで、その間にリヒトが隣り合っているカンパニュラ伯爵の元へ話をしに行く。事態を把握した伯爵が王宮へ直接連絡を繋いで捕縛の許可をもぎ取った後、コランバイン伯爵の屋敷にガサ入れし証拠がボロボロ出てきた伯爵はその場でお縄につく、という流れだった。この時のリヒトはマジ有能で、絶対敵に回したくねえって思ったのは内緒。
今回はリヒトの代わりに俺が来ているからリヒトやクラルテのようにうまくやれるかわからないけど、下衆野郎の好き勝手を許すほど俺はクズじゃない。もともとストーリーは無視するって決めているんだ。内容の改竄も立派な無視だろ。
……だけど、ちょーっと問題がある。
ゲームの中でクラルテたちがセンダンの町にいることを知るや否やコランバイン伯爵がここに飛んでくるんだよね。屋敷を見ているときに鉢合わせたりしたら最悪だ。
……。
……よし、ちょっとばかり行動の変更をしよう。
「……少しばかり行動を変更したほうがいいだろう」
「アクナイト公子、どうしたんだ?」
「さっきの予想で町を出ようとした民を消しているという話になったでしょう。そんなことは実際にこの町の状況を知っていないとできないはずです。ということはどこからか町全体を監視している可能性があります」
「確かにアクナイト公子のおっしゃる通りかもしれません。そうなると私たちがこの町に来ていることもすでに知っているかもしれないですね」
「ああ。だから明朝全員で旧ローダンセの屋敷に行き、以降はそこで寝泊まりをするというのはどうだろうか」
「危険ではありませんか?」
「野宿よりはマシだろうし、元は貴族の屋敷だ。それにローダンセ一家の失踪と関係があるかもしれないコランバイン伯爵がローダンセ公子を見逃すとは思えない」
「確かにそうだな。貴族の屋敷である以上は二人で調べるには骨が折れるだろうし、万が一鉢合わせることになった場合ローダンセ公子を守れなくなる。……わかった。明朝全員で宿を出てローダンセ邸へ向かおう」
アウルの宣言に全員が頷く。
……だがこの後、予定が大幅に狂うこととなる。
まずローダンセ伯爵家が治めていた頃は非常に活気で溢れ、このセンダンの町ならではの特産品も多く作られていた。ローダンセ伯爵一家はとても民を思いやり、領民もまたそんな領主を慕っていた。
しかし数年前ローダンセ伯爵一家の失踪直後行われた併呑と代替わりによって町は大きく変わってしまった。
「ローダンセ伯爵の頃には考えられないほど税が重くなり、若い男女の奉公を強制されたりしているらしい」
「特産品もこのセンダンではなくコランバイン伯爵の屋敷がある町・カラテアで作られるようになっているそうです。その結果この町は若者も仕事もなくなっていると言っていました」
聞けば聞くほど気分悪いな。そんな統治が数年前からされていたとか吐き気がする。俺は元平民だから上の政策で金銭的に苦しい思いはしてきた。野菜も肉も健康保険や年金なんかも二万円近く取られて結構かつかつだったんだよな。おかげでバイトしてもし足りないって感じで苦労したな。庶民にとって二万円がどれだけ大きい金額かわかってんのかっつーの!
一応の救済措置があるにはある日本でも大変だったのに、ここでは若者もいない上に仕事も奪われているときた。いや日本でも人手不足とか言いつつ、安月給で使い捨てみたいな派遣とかばかり取るようになっているけどさ。この町の人たちは領主に仕事自体を取られているわけじゃん? そりゃ数年で寂れるわけだよ。
みんなが険しい顔をする中、ふいにイデアルが口を開いた。
「そんな状態になっているのになんで情報が出回っていないんでしょう? 王家も調査を行なったというのに、この実態が明らかになっていないだなんて変じゃないですか?」
「確かにおかしいですわね。こんな状態の町になってしまって、他の町に移住する人も出るでしょうにこんな状態を誰も知らないなんて」
……。
……それはゲームの内容を知っているからわかる。わかるけど、それを断定で言うことはできない。だからと言って見て見ぬふりをしていいわけじゃない。
「それなら誰も出ていっていないんだろう」
「それはどういうことだ。アクナイト公子」
「そのままの意味ですよ。誰も出ていっていないんです。この領地から」
「それは確かにそうなりますが……」
「クラルテ、オルニス公子。町の人たちは人が減っていると言いましたか?」
「……は、はい。若い人が減っていると。……あれ、そういえばそれを言っているとき、少しだけ様子が変だったような? アウルも気づいていた?」
「ああ。何やら煮え切らない様子だった……いや、あれはどちらかと言うと怯えていた?」
「怯える? なぜだ?」
皆首を傾げている。まあ普通はやらないし想像すらしないよね。本来は守るはずの対象にそんな真似をするなんてあり得ないと思っている連中しかここにはいないし。だからゲーム内で真相が明らかになった時に関わった俺以外の面々は実家も揃ってブチギレた。
「……もし、自分にとって不都合なことを知ってしまった人間がいるとして、それが知られてしまうと領民が危険にさらされるとわかっている。さらにそれがまもなく知れ渡るとなった場合。皆ならばどう対応する?」
「唐突ですわねアクナイト公子様。でも……うーん」
俺の急な質問に揃って首を捻るが、シャリテはわかったのか、青ざめながら口を開く。
「まさか……」
「顔色が悪いが大丈夫か?」
「ええ大丈夫です。ですがそれを言うならばルーフ様も顔色がよろしくありませんわ」
「俺も大丈夫だ」
結構心が乱れているだろうにちゃんと婚約者を気遣えるあたり、人としてできてる。娘を愛している親からすればこういう男に嫁がせたいよな。
……話が逸れた。
「……アクナイト公子、もし私が思っていることが事実ならば絶対に許されませんわ」
「どうしましたの? シャリテらしくありませんわよ」
「わかっていますわ。だけどプレア、これは貴族としてあってはならないことなんですよ」
「一体何を言っていますの?」
心底わからないって顔しているあたり本当に純真なんだろうな。
「ブバルディア嬢、こんな言葉を聞いたことはあるか? ーー死人に口なし」
「……え、そ、それは、つまり……」
気づいたらしいプレアは一瞬で真っ青になった。イデアルやクラルテ、ルーフにアウルまで青ざめている。まあそういう反応になるよね。
平民を守護する立場である貴族が自分のために平民を殺すなんて、たとえ予想でも口にしちゃいけないことだと思う。
だけど実際ゲームでは町を出ようとした住民は殺されている。ただし比較的見目のいい人は生け捕りにされ、強制奉仕に出ている容姿のいい男女もと合わせてもれなくコランバイン伯爵の寝所に侍らされているというのがゲームの内容だった。
……さすがにこの場でそれを言う度胸はないけど。男からしても嫌だけどご令嬢方はもっといやだろう。それに女性には妊娠という危険もあるから強制的に組み敷かれるのがどれだけの恐怖か妊娠の危険がない俺には正直想像もつかない。力勝負になっては言っちゃ悪いが打つ手がないから逃げ出したくても無理。しかも捕まっている多くは平民だ。逆らえば家族を殺される可能性がある以上強く反抗することもできないから彼らからすればまさしく詰み。
しかも外に情報が漏れない理由がまだあってこれが一番厄介だったりする。
「それが本当なら何がなんでもここの実態を暴くほかないな。これ以上犠牲者や被害者を出すわけにはいかない。明日からはそれを前提に行動しよう」
「そうですわね。なんとかして外部の協力を得ないと私たち生徒だけで救出は不可能ですわ」
「それなら地図の作成はできるだけ抜け道や隠れられそうなところも踏まえて行いましょう」
「はい/ええ」
「では俺とクラルテは町の人からもう少し詳しい情報を得てまとめておく。領民の直の声は重要な証拠になる。アクナイト公子とパフィオペディラム公子はどうする?」
「……」
フェリキタスが旧ローダンセの屋敷で見つかった以上、ストーリーが変わっているの確かだ。それにあの屋敷自体全然調べられていない。ストーリーの変化に伴って、ゲーム内では出ていなかった証拠かなにかが出てくる可能性だってある。
……はあ、ストーリーには関与しないって決めていたんだけど、なんでこうなるんだか。
「私とパフィオペディラム公子はローダンセの屋敷を調べることにする。そこにはまだ何かあるだろう。パフィオペディラム公子もそれでいいか?」
「はい。異論はありません」
「わかった。くれぐれも気をつけてくれ」
「わかっています」
「はい」
ゲームでは町の人から情報を得たクラルテがルーフと一緒にわざと町の外に行こうとして捕まりコランバイン伯爵の屋敷に乗り込んで、その間にリヒトが隣り合っているカンパニュラ伯爵の元へ話をしに行く。事態を把握した伯爵が王宮へ直接連絡を繋いで捕縛の許可をもぎ取った後、コランバイン伯爵の屋敷にガサ入れし証拠がボロボロ出てきた伯爵はその場でお縄につく、という流れだった。この時のリヒトはマジ有能で、絶対敵に回したくねえって思ったのは内緒。
今回はリヒトの代わりに俺が来ているからリヒトやクラルテのようにうまくやれるかわからないけど、下衆野郎の好き勝手を許すほど俺はクズじゃない。もともとストーリーは無視するって決めているんだ。内容の改竄も立派な無視だろ。
……だけど、ちょーっと問題がある。
ゲームの中でクラルテたちがセンダンの町にいることを知るや否やコランバイン伯爵がここに飛んでくるんだよね。屋敷を見ているときに鉢合わせたりしたら最悪だ。
……。
……よし、ちょっとばかり行動の変更をしよう。
「……少しばかり行動を変更したほうがいいだろう」
「アクナイト公子、どうしたんだ?」
「さっきの予想で町を出ようとした民を消しているという話になったでしょう。そんなことは実際にこの町の状況を知っていないとできないはずです。ということはどこからか町全体を監視している可能性があります」
「確かにアクナイト公子のおっしゃる通りかもしれません。そうなると私たちがこの町に来ていることもすでに知っているかもしれないですね」
「ああ。だから明朝全員で旧ローダンセの屋敷に行き、以降はそこで寝泊まりをするというのはどうだろうか」
「危険ではありませんか?」
「野宿よりはマシだろうし、元は貴族の屋敷だ。それにローダンセ一家の失踪と関係があるかもしれないコランバイン伯爵がローダンセ公子を見逃すとは思えない」
「確かにそうだな。貴族の屋敷である以上は二人で調べるには骨が折れるだろうし、万が一鉢合わせることになった場合ローダンセ公子を守れなくなる。……わかった。明朝全員で宿を出てローダンセ邸へ向かおう」
アウルの宣言に全員が頷く。
……だがこの後、予定が大幅に狂うこととなる。
391
お気に入りに追加
1,912
あなたにおすすめの小説
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
公爵家の五男坊はあきらめない
三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。
生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。
冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。
負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。
「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」
都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。
知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。
生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。
あきらめたら待つのは死のみ。
転生先がハードモードで笑ってます。
夏里黒絵
BL
周りに劣等感を抱く春乃は事故に会いテンプレな転生を果たす。
目を開けると転生と言えばいかにも!な、剣と魔法の世界に飛ばされていた。とりあえず容姿を確認しようと鏡を見て絶句、丸々と肉ずいたその幼体。白豚と言われても否定できないほど醜い姿だった。それに横腹を始めとした全身が痛い、痣だらけなのだ。その痣を見て幼体の7年間の記憶が蘇ってきた。どうやら公爵家の横暴訳アリ白豚令息に転生したようだ。
人間として底辺なリンシャに強い精神的ショックを受け、春乃改めリンシャ アルマディカは引きこもりになってしまう。
しかしとあるきっかけで前世の思い出せていなかった記憶を思い出し、ここはBLゲームの世界で自分は主人公を虐める言わば悪役令息だと思い出し、ストーリーを終わらせれば望み薄だが元の世界に戻れる可能性を感じ動き出す。しかし動くのが遅かったようで…
色々と無自覚な主人公が、最悪な悪役令息として(いるつもりで)ストーリーのエンディングを目指すも、気づくのが遅く、手遅れだったので思うようにストーリーが進まないお話。
R15は保険です。不定期更新。小説なんて書くの初めてな作者の行き当たりばったりなご都合主義ストーリーになりそうです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる