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三頁 ローダンセの喜劇
33話 学外ワーク開始
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あっという間に学外ワークの日がやって来た。正門に集合した生徒たちがどこかそわそわとしている中、俺の気分は深海に沈んだ難破船の如く重苦しいことになっている。
ああ、とうとう来てしまった。本編ストーリーで最初の胸糞イベントが始まってしまう~!
……そんな俺の心情など知ったことかとばかりに空気の読めない主人公たちが声をかけて来た。
「おはようアクナイト公子」
「アクナイトさんおはようございます。今日からよろしくお願いします」
「おはようございます」
アウル、クラルテの挨拶を皮切りに同じグループの面々も次々に挨拶をしてきた。
「はじめまして。プレア・ブバルディアと申します。本日はよろしくお願いいたします」
「シャリテ・サフィニアと申します。アクナイト公子様におかれましてはご機嫌麗しゅう」
「ルーフ・パフィオペディラムです。以前はまともなご挨拶もできず申し訳ございませんでした。これからよろしくお願いいたします」
「シュヴァリエ・アクナイトです。こちらこそよろしくお願いします」
ひとまず挨拶を返したものの、俺は今そんな気分ではない。むしろ今すぐにでも自室へ回れ右したいくらいだ。……どうしよう、なんだかお腹が痛くなってきたなぁ。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
「それでは現地に着いてから二週間しっかり学び自らの糧となるよう努めてください」
教師のよくある挨拶を耳にした後、各々馬車に乗り込み領地へと出発する。
領地までは馬車で三日ほど。そこまで遠くではないが馬車での移動になるため場所に到着時間がバラバラだ。よって二週間は領地に到着してからのカウントになる。だから実際には二週間の実地ワーク+移動日数となるのでこの学外ワークは実質一ヶ月というかなり大掛かりな授業なのだ。加えて座学や実技の課題もしっかり出されるので俺の経験した修学旅行よりもだいぶハードである。誰だよこんな行事考えた奴……。
「センダンの町についたらまずは宿を見つけることになるが……ローダンセ一家が暮らしていた町だからそれなりにいい場所があるはずだ」
「そうですわね。向かった場所によっては荒屋のような場所だったと言う方もおりますし、今回は良い場所だといいのですが」
そうなんだよな。この学外ワークは市井を知ることを目的の一つにしているから、貴族の身分を使って宿を貸切にしたり高級品を要求したりすることができない。町に入ったらそれぞれのお金で宿の調達から地形の把握、場所によっては魔物や盗賊なんかも警戒しなくてはならない。
ちなみに第一学年は第六学年と第二学年は第五学年と合同で学外ワークのやり方を学ぶ。そして第三学年になると上級生なしでのワークが始まり、第四学年からは完全にランダムになるのだ。一応あまりに治安の悪い場所や魔物が多く出るような場所は除外されるが。
「そうですわね。クラルテさんは初めての学外ワークですし、あまり危険なことは避けたいですわ」
「そうだな。クラルテは色々と苦労すると思うが困ったら遠慮せずに聞いてくれ」
「ええ、この学外ワークは身分などで解決できるものではありませんから気負う必要はありませんわ」
「俺も力になるよクラルテさん」
「ありがとうございます」
俺以外の面々がクラルテに声をかけていく。平民を蔑視する連中がいないからこいつもやりやすいだろう。もっとも学外ワークで身分云々なんて言う奴は基本的に今後弾かれるようになるから、普段民間人を見下している連中も学外ワークの時だけは大人しくなるらしい。
「ちなみに皆さん前回はどのような場所で過ごしたんですか?」
初めての学外ワークにクラルテは興味津々のようでやや前のめりになりながらそんなことを聞いてきた。まあ、入学早々学校行事にしては長期のイベントがやってきて興奮するのも判る。だがなクラルテ、目をキラキラさせているところ悪いが今回かなり苦労すると思うよ。
「どんなと言われましても……私は前回野宿でしたわよ」
「え!? 野宿ですか!?」
「ええ……お恥ずかしいのですが、ちょっと夢中になりすぎまして……」
シャリテは恥ずかしそうに頬を染めながら言った。そういうところも授業ってことなんだろうな。全部生徒たちだけでやるからこそ細心の注意をってね。俺も流石にこんな世界で野宿はごめんだ。
「今回はそうならないように時間に気をつけて」
「そうですわね。ご忠告ありがとうございます。ルーフ様」
身分の高い相手を名呼び……ああそっか。この二人最近婚約したんだったな。サリクスの発言的に婚約したのはかなり直近らしいけど、それなりに交流を結んでいるみたいだ。
「お二人は最近ご婚約なさったのでしょう? 仲が良さそうで何よりですわ」
直球で言ったなおい。えーっと確かプレアだっけ? 第二章のモブキャラのひとりだったはずだけど結構印象に残っていたな。……この性格で。普通はそんなスパッといかないって。
「もともと家同士の交流はありましたのでそれなりに言葉を交わす機会も多かったのですよ」
「幼馴染と言ってもいいほどの付き合いですわ」
「そうでしたの。羨ましいですわね」
「あら、ブバルディア様ももうすぐご婚約されると伺いましてよ?」
「プレアとお呼びくださいサフィニア様」
「それでは私のこともシャリテとお呼びくださいな」
「ありがとうございます」
なんか女子だけで盛り上がっている。メンバー内に二人だけだし、同性がいると相談しやすいこともあろうから仲がいいに越したことはないのか。
「アクナイト公子、どうかしたか?」
「……いえなんでもありません」
いかんいかんだいぶボケっとしていたようだ。馬車の中って案外退屈だな。おしゃべり以外にすることがないとは……。これが現代ならみんなスマホ取り出していろいろやっていたんだろうけど、この世界娯楽なさすぎじゃね? カードゲームとかあればいいのに。
「あ、申し訳ございませんアクナイト公子様。お側で騒々しくしてしまいました」
「申し訳ありません」
……? なんか女子二人に謝られたんだけど。あれか? 俺が女子たちのおしゃべりがうるさくて無言になっていたなんて思っちゃった? ……わかってはいたけど、シュヴァリエの認識ってそんな感じなんだな。地味にショック。
「何を謝っているんだ。もし私が君たちの話し声を不快に思ったなどと考えているのなら、それは見当違いもいいところだ。余計な謝罪はしないでくれるか」
「「は、はい……」」
「それよりもまずはついてからの具体的な行動を決めておくのが先ではないのか? 少なくとも現地に着いた初日で行き当たりばったりではその後にも支障が出る。時間があるのだから、初日の予定くらいは決めるべきだろう」
「そうだな。雑談はその後でもいいだろう。先に予定を決めてしまおう」
気まずい空気になりかけたところでアウルの鶴の一声で、馬車の中で到着当日の予定についての話し合いが行われた。普通こういうのは事前に決めるものだと思うが、事前に具体内容を詰めておくのは禁止されている。理由としては『無計画の状態からどこまで行動しどんな情報を得られるのかを知るとともに、計画を立てることの大切さと実行することの難しさ、そして状況に合わせた対応を取ることの必要性を学ぶため』ということらしい。
……こんな授業をやっているのになんでアホな貴族が一定数は出るんだろう。平民を下に見るような奴も居なくなっていいと思うんだけどな。喉元過ぎればなんとやらってことなのか?
「初日はまず宿を確保するところからですわね。七人分の空きがあれば良いのですが」
「それも合わせて確認が必要だな」
「宿に拘らず空き家を借りるという手もありますが宿よりも安全性は下がりますよね」
「立地や町そのものの状況でも変わってくると思いますから、周辺の状況確認も必要でしょう」
「連日の馬車移動でしばらくゆっくり休めないだろうから宿を見つけてチェックインしたら、翌日の予定を決めて休んだ方がいい」
「そうですね。ぼ、私もそれがいいと思います。疲れていては何かあった時に動けませんし」
時折馬車を止めて休憩をとりながら各々がそれぞれ意見を出し合って、着実に予定を詰めていく。
結果として到着初日は、
・宿を見つけ次第翌日の予定を立てて解散
・町の状態がわからない状況なので初日は外出禁止
・翌日の予定は前日の夜に決める
という内容で落ち着いた。特に最後の内容は俺が提案して譲らなかった。確実に予定通りにいかないことが目に見えているからだ。当日になって予定が狂うことも充分考えられるが、事前に決めておくよりも直近で決めたほうが情報の齟齬が少なく、面倒事や危険な事に遭いづらいだろうとの判断だ。クラルテと一緒の以上ストーリーのトラブルは発生するだろうがそれでも俺は最小限に留めたいんだよ。
……どうか穏便に終わりますようにっ!
ああ、とうとう来てしまった。本編ストーリーで最初の胸糞イベントが始まってしまう~!
……そんな俺の心情など知ったことかとばかりに空気の読めない主人公たちが声をかけて来た。
「おはようアクナイト公子」
「アクナイトさんおはようございます。今日からよろしくお願いします」
「おはようございます」
アウル、クラルテの挨拶を皮切りに同じグループの面々も次々に挨拶をしてきた。
「はじめまして。プレア・ブバルディアと申します。本日はよろしくお願いいたします」
「シャリテ・サフィニアと申します。アクナイト公子様におかれましてはご機嫌麗しゅう」
「ルーフ・パフィオペディラムです。以前はまともなご挨拶もできず申し訳ございませんでした。これからよろしくお願いいたします」
「シュヴァリエ・アクナイトです。こちらこそよろしくお願いします」
ひとまず挨拶を返したものの、俺は今そんな気分ではない。むしろ今すぐにでも自室へ回れ右したいくらいだ。……どうしよう、なんだかお腹が痛くなってきたなぁ。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
「それでは現地に着いてから二週間しっかり学び自らの糧となるよう努めてください」
教師のよくある挨拶を耳にした後、各々馬車に乗り込み領地へと出発する。
領地までは馬車で三日ほど。そこまで遠くではないが馬車での移動になるため場所に到着時間がバラバラだ。よって二週間は領地に到着してからのカウントになる。だから実際には二週間の実地ワーク+移動日数となるのでこの学外ワークは実質一ヶ月というかなり大掛かりな授業なのだ。加えて座学や実技の課題もしっかり出されるので俺の経験した修学旅行よりもだいぶハードである。誰だよこんな行事考えた奴……。
「センダンの町についたらまずは宿を見つけることになるが……ローダンセ一家が暮らしていた町だからそれなりにいい場所があるはずだ」
「そうですわね。向かった場所によっては荒屋のような場所だったと言う方もおりますし、今回は良い場所だといいのですが」
そうなんだよな。この学外ワークは市井を知ることを目的の一つにしているから、貴族の身分を使って宿を貸切にしたり高級品を要求したりすることができない。町に入ったらそれぞれのお金で宿の調達から地形の把握、場所によっては魔物や盗賊なんかも警戒しなくてはならない。
ちなみに第一学年は第六学年と第二学年は第五学年と合同で学外ワークのやり方を学ぶ。そして第三学年になると上級生なしでのワークが始まり、第四学年からは完全にランダムになるのだ。一応あまりに治安の悪い場所や魔物が多く出るような場所は除外されるが。
「そうですわね。クラルテさんは初めての学外ワークですし、あまり危険なことは避けたいですわ」
「そうだな。クラルテは色々と苦労すると思うが困ったら遠慮せずに聞いてくれ」
「ええ、この学外ワークは身分などで解決できるものではありませんから気負う必要はありませんわ」
「俺も力になるよクラルテさん」
「ありがとうございます」
俺以外の面々がクラルテに声をかけていく。平民を蔑視する連中がいないからこいつもやりやすいだろう。もっとも学外ワークで身分云々なんて言う奴は基本的に今後弾かれるようになるから、普段民間人を見下している連中も学外ワークの時だけは大人しくなるらしい。
「ちなみに皆さん前回はどのような場所で過ごしたんですか?」
初めての学外ワークにクラルテは興味津々のようでやや前のめりになりながらそんなことを聞いてきた。まあ、入学早々学校行事にしては長期のイベントがやってきて興奮するのも判る。だがなクラルテ、目をキラキラさせているところ悪いが今回かなり苦労すると思うよ。
「どんなと言われましても……私は前回野宿でしたわよ」
「え!? 野宿ですか!?」
「ええ……お恥ずかしいのですが、ちょっと夢中になりすぎまして……」
シャリテは恥ずかしそうに頬を染めながら言った。そういうところも授業ってことなんだろうな。全部生徒たちだけでやるからこそ細心の注意をってね。俺も流石にこんな世界で野宿はごめんだ。
「今回はそうならないように時間に気をつけて」
「そうですわね。ご忠告ありがとうございます。ルーフ様」
身分の高い相手を名呼び……ああそっか。この二人最近婚約したんだったな。サリクスの発言的に婚約したのはかなり直近らしいけど、それなりに交流を結んでいるみたいだ。
「お二人は最近ご婚約なさったのでしょう? 仲が良さそうで何よりですわ」
直球で言ったなおい。えーっと確かプレアだっけ? 第二章のモブキャラのひとりだったはずだけど結構印象に残っていたな。……この性格で。普通はそんなスパッといかないって。
「もともと家同士の交流はありましたのでそれなりに言葉を交わす機会も多かったのですよ」
「幼馴染と言ってもいいほどの付き合いですわ」
「そうでしたの。羨ましいですわね」
「あら、ブバルディア様ももうすぐご婚約されると伺いましてよ?」
「プレアとお呼びくださいサフィニア様」
「それでは私のこともシャリテとお呼びくださいな」
「ありがとうございます」
なんか女子だけで盛り上がっている。メンバー内に二人だけだし、同性がいると相談しやすいこともあろうから仲がいいに越したことはないのか。
「アクナイト公子、どうかしたか?」
「……いえなんでもありません」
いかんいかんだいぶボケっとしていたようだ。馬車の中って案外退屈だな。おしゃべり以外にすることがないとは……。これが現代ならみんなスマホ取り出していろいろやっていたんだろうけど、この世界娯楽なさすぎじゃね? カードゲームとかあればいいのに。
「あ、申し訳ございませんアクナイト公子様。お側で騒々しくしてしまいました」
「申し訳ありません」
……? なんか女子二人に謝られたんだけど。あれか? 俺が女子たちのおしゃべりがうるさくて無言になっていたなんて思っちゃった? ……わかってはいたけど、シュヴァリエの認識ってそんな感じなんだな。地味にショック。
「何を謝っているんだ。もし私が君たちの話し声を不快に思ったなどと考えているのなら、それは見当違いもいいところだ。余計な謝罪はしないでくれるか」
「「は、はい……」」
「それよりもまずはついてからの具体的な行動を決めておくのが先ではないのか? 少なくとも現地に着いた初日で行き当たりばったりではその後にも支障が出る。時間があるのだから、初日の予定くらいは決めるべきだろう」
「そうだな。雑談はその後でもいいだろう。先に予定を決めてしまおう」
気まずい空気になりかけたところでアウルの鶴の一声で、馬車の中で到着当日の予定についての話し合いが行われた。普通こういうのは事前に決めるものだと思うが、事前に具体内容を詰めておくのは禁止されている。理由としては『無計画の状態からどこまで行動しどんな情報を得られるのかを知るとともに、計画を立てることの大切さと実行することの難しさ、そして状況に合わせた対応を取ることの必要性を学ぶため』ということらしい。
……こんな授業をやっているのになんでアホな貴族が一定数は出るんだろう。平民を下に見るような奴も居なくなっていいと思うんだけどな。喉元過ぎればなんとやらってことなのか?
「初日はまず宿を確保するところからですわね。七人分の空きがあれば良いのですが」
「それも合わせて確認が必要だな」
「宿に拘らず空き家を借りるという手もありますが宿よりも安全性は下がりますよね」
「立地や町そのものの状況でも変わってくると思いますから、周辺の状況確認も必要でしょう」
「連日の馬車移動でしばらくゆっくり休めないだろうから宿を見つけてチェックインしたら、翌日の予定を決めて休んだ方がいい」
「そうですね。ぼ、私もそれがいいと思います。疲れていては何かあった時に動けませんし」
時折馬車を止めて休憩をとりながら各々がそれぞれ意見を出し合って、着実に予定を詰めていく。
結果として到着初日は、
・宿を見つけ次第翌日の予定を立てて解散
・町の状態がわからない状況なので初日は外出禁止
・翌日の予定は前日の夜に決める
という内容で落ち着いた。特に最後の内容は俺が提案して譲らなかった。確実に予定通りにいかないことが目に見えているからだ。当日になって予定が狂うことも充分考えられるが、事前に決めておくよりも直近で決めたほうが情報の齟齬が少なく、面倒事や危険な事に遭いづらいだろうとの判断だ。クラルテと一緒の以上ストーリーのトラブルは発生するだろうがそれでも俺は最小限に留めたいんだよ。
……どうか穏便に終わりますようにっ!
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