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二頁 アジサイの涙
25話 主人公と右腕と悪役と①
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心地のいい風が吹く午後の時間、綺麗な景色の続く細い道を優雅に散策……とはならず俺の心は灰色だ。
「僕この道はじめて通りました」
「クラルテの寮はヴィオレ寮ではないからな」
少し先を行くクラルテは普段は歩くことのない道にはしゃいでいた。学園に来てからまだ日の浅い上そもそもこんな広い敷地自体はじめてだろう。まるで子どもみたいだな。……いや年齢的には子どもか、成人していないし。まさか二回も十代を経験することになるなんて誰も予想できないよなぁ……。
「アクナイト公子、どうしました?」
「なんでもありません」
それ以外に言えねえよ。なんでこうなるんだよ。俺が避けたいと思っている奴らと行動を共にしているんだからもう泣きたいってえの!
「どうかしたというのならばそこの編入生では?」
「? ……クラルテ?」
どうにか俺から認識を逸らしたくてクラルテへと誘導した。やや前方を歩くクラルテは先程までの高揚した様子は消え、その背中にはなんともいえない不安が滲んでいる。
「あの……僕に会ってくれるでしょうか」
「大丈夫だ。落とし物を返しにいくだけなのだからそこまで不安がる必要はない」
クラルテが不安になるのも無理はない。周りは圧倒的に貴族が多く、平民は一割にも満たないほどしかいない。ただでさえ気まずいのにクラルテの場合は季節外れの編入生という肩書きまでついてしまっている。当然学園内ではいい意味でも悪い意味でも話題の的だ。中には選民意識が強く平民に対してキツく当たる奴らが一定数いる。
だからこんな自分が貴族を訪ねて気分を害したらと縮こまっているのだろう。……そんなクラルテをこれ見よがしに邪険にしていたのがシュヴァリエなんだよな。……ため息しか出ない。シュヴァリエも俺みたいに好きなことでもあればクラルテに構わなかったんだろうか。考えてもしょうがない、か……。
アウルが慰めの言葉をかけても不安は拭えないのか、辛気臭い顔は変わっていなかった。
……だけどね、今回は平民云々とかそんなの気にされないと思うんだよ。
「……くだらない」
俺の言葉に反射的に顔を上げたクラルテがこちらを見つめる。その目には強い不安と少しの困惑が宿っていた。
「アクナイト公子?」
「エヴェイユ殿下がなんのために私に命じたと思っているんだ。全くの不本意だというのに……にも関わらず君はぐずぐずと鬱陶しい。そんな無様な姿を晒すのなら今すぐ私の前から消えろ」
ちょーっとだけキツめだったのかクラルテはさらに俯いてしまった。別に怒ったわけではないんだけど、クラルテにはだいぶ負荷だったのか。でもここで優しい言葉をかけるのはシュヴァリエじゃない。
「なぜ俯いている? 下を向いて震えれば私が謝るとでも? 生憎と私はそんな優しい人間ではない。さっさと足を動かせ」
……だいぶ酷い言い方だな。でもシュヴァリエの性格的にこの言い方がいちばんなんだよ。意味合い的には俺がいるんだから問題ないって感じなんだけど……うん、もうちょいなんかあるよね、ごめん。
クラルテはしばらく俯いていたが、やがてのろのろと顔を上げて俺を真っ直ぐに見つめてきた。
「アクナイトさんの言う通りです。落ち込んでいても始まりませんよね。慰めていただいてありがとうございます」
過去数回のオドオドした様子はなくはきはきとお礼を言ってきたクラルテに内心驚くが、そういやクラルテってこんなキャラだったな~とぼんやり思い出した。……が、こんな正直に直球でお礼を言われたことが少ない俺はどうすればいいのかわからない。こんなキラキラの目でお礼言われることなんかないんだよ! 何だこの無邪気な生き物は。
……結局俺は悩んだ末に、知らん顔してクラルテの横を通り過ぎ先頭を歩き出した。二人より前を歩けば表情を見られずに済むからな。なんか後ろでコソコソ話すのがうっすらと耳に入るが気のせいだ気のせい。
とか思っていたら、なぜかクラルテが小走りで寄って来た。
「……ところでアクナイトさん。今回のこと何かご存じなんですか?」
「……はあ?」
いきなりどうしたんだこいつは。
俺はクラルテに不審感を全面に出した眼差しを向ける。一瞬怯んだクラルテだがそれでも目は逸らさず言葉を続けた。
「アクナイトさんは小箱の模様が文字だと気づいたでしょう? それにアウルからもいろいろ聞きましたし」
……あいつ、情報話しやがったのか。いや話すだけならまだしも俺の言葉だとバラしたのか。
思わずアウルにきつい視線を向けるも当の本人は素知らぬ顔。あんの野郎……! 関わらないとアウルに言い放った直後にエヴェイユからの命令で否が応でも動く羽目になって気分悪いのに、あの話が俺だとバラされたら余計面倒になるじゃねえか。ああ腹立つ!
「それで?」
「ですからアクナイトさんのお話を聞かせてください。みなさんが言っている結構複雑かもしないというのはどういう意味ですか?」
あ~……まあクラルテは平民だから貴族社会とは無縁だ。よって貴族間のアレやコレは知らなくても無理はない。でもわざわざそんなドロドロの話を聞かせる必要があるかといえば微妙。まあ周囲は貴族が多いからよっぽどの鈍感でなければ、噂話とか日常会話でうっすら察せるだろうけど貴族というのは優雅なだけの存在なんかじゃないのだ。
クラルテの質問に答えるにはその辺りも踏まえて話さなければいけない。まあ話せばなぜ俺が駆り出させたのかも自ずと理解できるんだが。
……なぜそんなことが理解できるかと言うとシュヴァリエは『人』には興味がなかったが家名や派閥、国内外の情報はそれなりに持っているのだ。コミュニケーションが下手なだけで話題の手札は豊富ってこと。今まではそれをうまく活用できていなかっただけ。
……話が逸れた。なぜ今回の件が複雑なのかは、本人たちの会話を聞けばある程度の予想は立てられるとも思うが、どうしよう?
……でもよく考えたらシュヴァリエにそこまで説明してあげる義務ないよな。性格的にもしなさそうだし。だったら別に言わなくても良くね?
「……わざわざ話す義理があるのか?」
「……知りたいんです、どうしても。出しゃばっている自覚はあります。きっと貴族の皆さんのお話なんだろうなということもわかっています」
理解はできていたんだ。それでも聞くんだから単なる好奇心ではないんだろう。だけど知らない方がいいこともあるとクラルテはわかっているんだろうか。
「でもなんか知らないといけない気がするんです。根拠はありませんアクナイトさんにもかなり失礼なことしていると思います。けど僕はどうしても知りたいんです。お願いします!」
……。めっちゃ食い下がったと思ったら、体を九十度に曲げたぞ。…………ここまで言われたら流石に断れない。正直面倒だけど仕方ない、か。
俺は盛大にため息をついて口を開いた。
「いいだろう。今回きりだ。この件が片付いたら私に関わらないというなら聞き入れる」
「……! ……わ、かりました。僕からアクナイトさんには関わりません」
あからさまに傷ついた顔をしたけどクラルテは了承した。その様子を確認して俺は自分の推察を語ることに。
「俺にもぜひ聞かせてくれ」
「……ずっと黙ってらしたのでてっきりどこかへ行ったものかと」
「クラルテが必死だったので邪魔するのは野暮だと思い石像にならせてもらった」
「……まあいいでしょう。話しますが私個人の見解でしかないことはご了承ください」
「心得た」
「はい、わかりました」
俺はひとつ息をはき、ゆっくりと口を開いた。
--------------------------------
あと5話+1話です。
気になったこと、質問事項などご意見ご感想お待ちしてます。
「僕この道はじめて通りました」
「クラルテの寮はヴィオレ寮ではないからな」
少し先を行くクラルテは普段は歩くことのない道にはしゃいでいた。学園に来てからまだ日の浅い上そもそもこんな広い敷地自体はじめてだろう。まるで子どもみたいだな。……いや年齢的には子どもか、成人していないし。まさか二回も十代を経験することになるなんて誰も予想できないよなぁ……。
「アクナイト公子、どうしました?」
「なんでもありません」
それ以外に言えねえよ。なんでこうなるんだよ。俺が避けたいと思っている奴らと行動を共にしているんだからもう泣きたいってえの!
「どうかしたというのならばそこの編入生では?」
「? ……クラルテ?」
どうにか俺から認識を逸らしたくてクラルテへと誘導した。やや前方を歩くクラルテは先程までの高揚した様子は消え、その背中にはなんともいえない不安が滲んでいる。
「あの……僕に会ってくれるでしょうか」
「大丈夫だ。落とし物を返しにいくだけなのだからそこまで不安がる必要はない」
クラルテが不安になるのも無理はない。周りは圧倒的に貴族が多く、平民は一割にも満たないほどしかいない。ただでさえ気まずいのにクラルテの場合は季節外れの編入生という肩書きまでついてしまっている。当然学園内ではいい意味でも悪い意味でも話題の的だ。中には選民意識が強く平民に対してキツく当たる奴らが一定数いる。
だからこんな自分が貴族を訪ねて気分を害したらと縮こまっているのだろう。……そんなクラルテをこれ見よがしに邪険にしていたのがシュヴァリエなんだよな。……ため息しか出ない。シュヴァリエも俺みたいに好きなことでもあればクラルテに構わなかったんだろうか。考えてもしょうがない、か……。
アウルが慰めの言葉をかけても不安は拭えないのか、辛気臭い顔は変わっていなかった。
……だけどね、今回は平民云々とかそんなの気にされないと思うんだよ。
「……くだらない」
俺の言葉に反射的に顔を上げたクラルテがこちらを見つめる。その目には強い不安と少しの困惑が宿っていた。
「アクナイト公子?」
「エヴェイユ殿下がなんのために私に命じたと思っているんだ。全くの不本意だというのに……にも関わらず君はぐずぐずと鬱陶しい。そんな無様な姿を晒すのなら今すぐ私の前から消えろ」
ちょーっとだけキツめだったのかクラルテはさらに俯いてしまった。別に怒ったわけではないんだけど、クラルテにはだいぶ負荷だったのか。でもここで優しい言葉をかけるのはシュヴァリエじゃない。
「なぜ俯いている? 下を向いて震えれば私が謝るとでも? 生憎と私はそんな優しい人間ではない。さっさと足を動かせ」
……だいぶ酷い言い方だな。でもシュヴァリエの性格的にこの言い方がいちばんなんだよ。意味合い的には俺がいるんだから問題ないって感じなんだけど……うん、もうちょいなんかあるよね、ごめん。
クラルテはしばらく俯いていたが、やがてのろのろと顔を上げて俺を真っ直ぐに見つめてきた。
「アクナイトさんの言う通りです。落ち込んでいても始まりませんよね。慰めていただいてありがとうございます」
過去数回のオドオドした様子はなくはきはきとお礼を言ってきたクラルテに内心驚くが、そういやクラルテってこんなキャラだったな~とぼんやり思い出した。……が、こんな正直に直球でお礼を言われたことが少ない俺はどうすればいいのかわからない。こんなキラキラの目でお礼言われることなんかないんだよ! 何だこの無邪気な生き物は。
……結局俺は悩んだ末に、知らん顔してクラルテの横を通り過ぎ先頭を歩き出した。二人より前を歩けば表情を見られずに済むからな。なんか後ろでコソコソ話すのがうっすらと耳に入るが気のせいだ気のせい。
とか思っていたら、なぜかクラルテが小走りで寄って来た。
「……ところでアクナイトさん。今回のこと何かご存じなんですか?」
「……はあ?」
いきなりどうしたんだこいつは。
俺はクラルテに不審感を全面に出した眼差しを向ける。一瞬怯んだクラルテだがそれでも目は逸らさず言葉を続けた。
「アクナイトさんは小箱の模様が文字だと気づいたでしょう? それにアウルからもいろいろ聞きましたし」
……あいつ、情報話しやがったのか。いや話すだけならまだしも俺の言葉だとバラしたのか。
思わずアウルにきつい視線を向けるも当の本人は素知らぬ顔。あんの野郎……! 関わらないとアウルに言い放った直後にエヴェイユからの命令で否が応でも動く羽目になって気分悪いのに、あの話が俺だとバラされたら余計面倒になるじゃねえか。ああ腹立つ!
「それで?」
「ですからアクナイトさんのお話を聞かせてください。みなさんが言っている結構複雑かもしないというのはどういう意味ですか?」
あ~……まあクラルテは平民だから貴族社会とは無縁だ。よって貴族間のアレやコレは知らなくても無理はない。でもわざわざそんなドロドロの話を聞かせる必要があるかといえば微妙。まあ周囲は貴族が多いからよっぽどの鈍感でなければ、噂話とか日常会話でうっすら察せるだろうけど貴族というのは優雅なだけの存在なんかじゃないのだ。
クラルテの質問に答えるにはその辺りも踏まえて話さなければいけない。まあ話せばなぜ俺が駆り出させたのかも自ずと理解できるんだが。
……なぜそんなことが理解できるかと言うとシュヴァリエは『人』には興味がなかったが家名や派閥、国内外の情報はそれなりに持っているのだ。コミュニケーションが下手なだけで話題の手札は豊富ってこと。今まではそれをうまく活用できていなかっただけ。
……話が逸れた。なぜ今回の件が複雑なのかは、本人たちの会話を聞けばある程度の予想は立てられるとも思うが、どうしよう?
……でもよく考えたらシュヴァリエにそこまで説明してあげる義務ないよな。性格的にもしなさそうだし。だったら別に言わなくても良くね?
「……わざわざ話す義理があるのか?」
「……知りたいんです、どうしても。出しゃばっている自覚はあります。きっと貴族の皆さんのお話なんだろうなということもわかっています」
理解はできていたんだ。それでも聞くんだから単なる好奇心ではないんだろう。だけど知らない方がいいこともあるとクラルテはわかっているんだろうか。
「でもなんか知らないといけない気がするんです。根拠はありませんアクナイトさんにもかなり失礼なことしていると思います。けど僕はどうしても知りたいんです。お願いします!」
……。めっちゃ食い下がったと思ったら、体を九十度に曲げたぞ。…………ここまで言われたら流石に断れない。正直面倒だけど仕方ない、か。
俺は盛大にため息をついて口を開いた。
「いいだろう。今回きりだ。この件が片付いたら私に関わらないというなら聞き入れる」
「……! ……わ、かりました。僕からアクナイトさんには関わりません」
あからさまに傷ついた顔をしたけどクラルテは了承した。その様子を確認して俺は自分の推察を語ることに。
「俺にもぜひ聞かせてくれ」
「……ずっと黙ってらしたのでてっきりどこかへ行ったものかと」
「クラルテが必死だったので邪魔するのは野暮だと思い石像にならせてもらった」
「……まあいいでしょう。話しますが私個人の見解でしかないことはご了承ください」
「心得た」
「はい、わかりました」
俺はひとつ息をはき、ゆっくりと口を開いた。
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