62 / 112
第四章 ~幽霊屋敷(ゴーストハウス)編~
61 小さな双子
しおりを挟む
「おいおい……今の一瞬で何処まで行ったんだよローラの奴」
「そこそこ広いから逸れると手間だな。ランベル、リエンナ。俺がローラ連れてくるからここで待っててくれ!」
「分かりました。お願いしますね!」
ローラを見失ったレイ達。
レイが連れてくると言ったので、ランベルとリエンナは入り口正面の大きな階段で待つ事にした。
すると、屋敷の何処か奥の方から再びローラの叫び声が聞こえた。
「元気だなぁアイツ」
「ランベルさんが余計な事するからですよ」
二人は階段に座りレイとローラを待った。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
「――おーい!ローラ!何処だ~!」
ローラを探すレイ。
すると、レイがいる所から少し先の方でローラの叫び声が聞こえてきた。
「あっちか……」
声がする方へ急いで向かう。
「どこにいるんだー!」
「こ、ここッ……!ここよレイ!」
ある部屋の机の蔭へと隠れていたローラ。
「こんな所にいたのか……早く行くぞ。ランベルとリエンナも待ってる」
「ちょ、ちょっと待って……!また“いた”のよ今!」
「また言ってんのか?しつこいぞ流石に」
「だから見間違いとかじゃなくてホントにッ―――ギャァァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!!!!!!!」
屋敷中……いや、それ以上に響き渡る断末魔の様な叫び声―。
遡っていた話がここで元に戻る―。
「――うるさいな!いちいち何なんだよお前!」
「だって今何かそこにいたわよ⁉⁉」
「だから気のせいだって」
「違うっ!!絶対なんかいたってば!」
一階の広いリビングでローラを見つけたレイ。騒ぐローラを無理矢理連れて行く。
これでやっと調査が出来ると、レイ達はランベルとリエンナが待つ階段まで戻って来たのだが、そこにランベル達の姿が見られなかった。
トイレでも行ったのかと、辺りをきょろきょろ見回すレイ。
「そんなに怖いならここで待ってろよ」
「嫌に決まってるでしょ!一人の方が怖いわッ!」
「面倒くさい奴だな~……。それにしても、ランベルとリエンナは“何処行ったんだ”?」
試しに五分、十分と待ったが来る気配がない。
「なんだよ。順番に迷子になりたいのか皆」
「ねぇレイ……。ひょっとして何かに連れて行かれちゃったんじゃない……?」
「お前自分でどんどん怖い方に行ってないか?しかも連れて行かれるってお化けに?そんなのいる訳ないだろ!仮にモンスターとかが出たとしても、ランベルもリエンナも強いんだから大丈夫だ」
「じゃあ何で二人共いないのよ⁉」
「知らないよそんなの。元はと言えばお前がっ――「ギャァァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!!!!!!!」
もう何度目か分からないローラの悲鳴。
鼓膜が破れそうな発狂にレイも我慢の限界がきた。
「……っとにマジでいい加減にしろ!!こんなんじゃ何も進まねッ……⁉」
腰を抜かしその場に座り込むローラに、怒りの喝を入れようとしたレイだが、そのローラが顔面蒼白で口を開けたままレイを……いや。レイの“後ろ”を何か指差していた―。
その気配にレイも気付いたのか、途中で言葉を止め後ろを振り返った。
するとそこには何とも恐ろしい人ならざる者の姿が―。
…………………………あった訳ではなく、レイとローラの視線の先には二人の子供がいた―。
「子供?」
「あ、あ、アンタも見えてるのよね……?あの子達……」
取り敢えず自分だけでなく、レイに二人の子供が見えていた事に少し安心したローラ。
しかし問題はそこではない。
「君達こんな所で何してるんだ?」
この屋敷にはレイ達以外誰もいないはず。
レイがその二人の子供に話しかけた。
「僕達が“視えるの”?お兄ちゃん達」
「出たァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」
まさかの子供の言葉に、一瞬で背筋が凝ったローラは思いっ切り叫んだ。
「見えるに決まってるだろ……あ!ひょっとしてお化けごっこしてるのか」
「そうじゃないでしょ!!こんな所にいるなんて明らか可笑しいわよこの子達!!」
呑気なレイに、ローラが怒りのツッコミを入れる。
確かに、こんな所に人がいるのは可笑しかった。
それもレイ達よりも歳が下の子供が二人。一人は男の子でもう一人は女の子。
想定外の状況に頭を悩ますレイだったが、更に想定外の言葉が女の子から発せられた。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん。一緒に“皆”を探して?」
レイとローラは黙ったまま顔を見合わせるのだった―。
「そこそこ広いから逸れると手間だな。ランベル、リエンナ。俺がローラ連れてくるからここで待っててくれ!」
「分かりました。お願いしますね!」
ローラを見失ったレイ達。
レイが連れてくると言ったので、ランベルとリエンナは入り口正面の大きな階段で待つ事にした。
すると、屋敷の何処か奥の方から再びローラの叫び声が聞こえた。
「元気だなぁアイツ」
「ランベルさんが余計な事するからですよ」
二人は階段に座りレイとローラを待った。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
「――おーい!ローラ!何処だ~!」
ローラを探すレイ。
すると、レイがいる所から少し先の方でローラの叫び声が聞こえてきた。
「あっちか……」
声がする方へ急いで向かう。
「どこにいるんだー!」
「こ、ここッ……!ここよレイ!」
ある部屋の机の蔭へと隠れていたローラ。
「こんな所にいたのか……早く行くぞ。ランベルとリエンナも待ってる」
「ちょ、ちょっと待って……!また“いた”のよ今!」
「また言ってんのか?しつこいぞ流石に」
「だから見間違いとかじゃなくてホントにッ―――ギャァァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!!!!!!!」
屋敷中……いや、それ以上に響き渡る断末魔の様な叫び声―。
遡っていた話がここで元に戻る―。
「――うるさいな!いちいち何なんだよお前!」
「だって今何かそこにいたわよ⁉⁉」
「だから気のせいだって」
「違うっ!!絶対なんかいたってば!」
一階の広いリビングでローラを見つけたレイ。騒ぐローラを無理矢理連れて行く。
これでやっと調査が出来ると、レイ達はランベルとリエンナが待つ階段まで戻って来たのだが、そこにランベル達の姿が見られなかった。
トイレでも行ったのかと、辺りをきょろきょろ見回すレイ。
「そんなに怖いならここで待ってろよ」
「嫌に決まってるでしょ!一人の方が怖いわッ!」
「面倒くさい奴だな~……。それにしても、ランベルとリエンナは“何処行ったんだ”?」
試しに五分、十分と待ったが来る気配がない。
「なんだよ。順番に迷子になりたいのか皆」
「ねぇレイ……。ひょっとして何かに連れて行かれちゃったんじゃない……?」
「お前自分でどんどん怖い方に行ってないか?しかも連れて行かれるってお化けに?そんなのいる訳ないだろ!仮にモンスターとかが出たとしても、ランベルもリエンナも強いんだから大丈夫だ」
「じゃあ何で二人共いないのよ⁉」
「知らないよそんなの。元はと言えばお前がっ――「ギャァァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!!!!!!!」
もう何度目か分からないローラの悲鳴。
鼓膜が破れそうな発狂にレイも我慢の限界がきた。
「……っとにマジでいい加減にしろ!!こんなんじゃ何も進まねッ……⁉」
腰を抜かしその場に座り込むローラに、怒りの喝を入れようとしたレイだが、そのローラが顔面蒼白で口を開けたままレイを……いや。レイの“後ろ”を何か指差していた―。
その気配にレイも気付いたのか、途中で言葉を止め後ろを振り返った。
するとそこには何とも恐ろしい人ならざる者の姿が―。
…………………………あった訳ではなく、レイとローラの視線の先には二人の子供がいた―。
「子供?」
「あ、あ、アンタも見えてるのよね……?あの子達……」
取り敢えず自分だけでなく、レイに二人の子供が見えていた事に少し安心したローラ。
しかし問題はそこではない。
「君達こんな所で何してるんだ?」
この屋敷にはレイ達以外誰もいないはず。
レイがその二人の子供に話しかけた。
「僕達が“視えるの”?お兄ちゃん達」
「出たァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」
まさかの子供の言葉に、一瞬で背筋が凝ったローラは思いっ切り叫んだ。
「見えるに決まってるだろ……あ!ひょっとしてお化けごっこしてるのか」
「そうじゃないでしょ!!こんな所にいるなんて明らか可笑しいわよこの子達!!」
呑気なレイに、ローラが怒りのツッコミを入れる。
確かに、こんな所に人がいるのは可笑しかった。
それもレイ達よりも歳が下の子供が二人。一人は男の子でもう一人は女の子。
想定外の状況に頭を悩ますレイだったが、更に想定外の言葉が女の子から発せられた。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん。一緒に“皆”を探して?」
レイとローラは黙ったまま顔を見合わせるのだった―。
0
お気に入りに追加
1,377
あなたにおすすめの小説

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる