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~第3章 元凶と秘密~
35 討伐DAY1~
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~特殊隊の寮~
ドクロシーフを片付けた日から3日後――。
ニクスがバーレーンにしっかりと思いを告げ、正式にまた俺達と行動を共にする事となり、あの後寮に戻った俺達はダッジ隊長と国王にも詳細を報告し、無事一件落着となったのだ。
「――そういえばドクロシーフの奴らどうなったんだろ? クレーグ知ってる?」
「あー、アイツらかい? ドクロシーフの奴らは元から評判が最悪だったからねぇ、ルカが拠点を潰した後にさ、いざ蓋を開けて調査してみたら……これがとんでもない悪事ばかりが出るわ出るわだったらしくて、皆はらわたが煮え繰り返ったみたいだよ。
一切の余地なく重罪人扱い。即死刑でも良かったぐらいだけど、今頃死んだ方がいいと思える様な収容所で血反吐はいて労働してるよ」
クレーグは明後日の方を見ながら俺にそう言った。
「収容所か……。そこってそんなにキツイの?」
「そうだね。聞いただけでもかなりヤバいかな。僕だったら迷わず自害するね。まぁそれすらさせてくれないからより地獄だよ。
あそこは1番キツイのが採掘場の労働と言われているみたいだけど、それ以上に恐ろしいのが、実質死刑になった連中が飛ばされる人体実験施設。
ドクロシーフの奴らは確実に採掘場かその人体実験施設のどちらかに放り込まれるってダッジ隊長が言っていたよ」
うわぁ~、本当に聞いただけでヤバそう……。人体実験って何やらされるんだろ。まぁアイツらは自業自得だよな。非人道的な事していたんだから当然だ。
「そうなんですね……」
「まぁ関係ないけどね、僕らには。それよりフェニックスの件も無事済んだみたいで良かったね」
そう。どちらかと言えばこっちの方が凄い事になっていた――。
あの日、俺達がダッジ隊長と国王に報告を伝えた後で、国王は早くもバーレーンと会って話をした様だ。しかも超極秘の会談だったらしい。だが、何故そんな超極秘の会談があったと俺が知っているかと言うと、余りに“起きた事が大きい”からだ……。
正確に言うと、この極秘会談は俺とダッジ隊長などごく一部の人しかまだ知らないと思う。だがその起きた事自体は国民全員が知っている。何故かって? そりゃそうだろ。だってあのイディアナ王国がドラシエル王国に“引き渡された”たんだから――。
あれからまだ3日しか経っていないんだぞ……? 何故それで国民どころか世界が揺らぐ大騒動になったんだ。誰もがそう思う。勿論驚いた俺も理由を聞いた。そしてこの理由がまた驚きなんだけど……。
イディアナ王国は何年か前に国王が変わったらしく、イディアナ王国の現国王であったソイツがかなりヤバい奴だったらしい。簡単に言うとドクロシーフの奴らとも繋がっていて、裏で相当悪事を働かせて利益を生み出していたとか何とか。
以前からそのイディアナ王国の異変に気付いていたバーレーンが何とか状況を変えようとしたのだが、バーレーンは昔結んだ制約のせいで攻撃が出来なかった。でもそこへ今回の出来事。
俺らの国王がバーレーンと手を組み、悪事を働かせていたイディアナ王国の国王を襲撃。まぁ襲撃と言ってもフェニックスと国王の絶対的な脅しらしいけど……。ってな感じでイディアナ王国の国王は自らその座を降り、かなり貧困が進んでいた情勢を立て直すべく、イディアナ王国はドラシエル王国に正式に引き渡される事となったんだ。
そしてこれでも十分驚きだがまだある――。
なんでも、イディアナ王国の立て直しに選ばれた最高責任者はなんとマスターだ。俺らのゼインマスターね。だからギルドの次のマスターはフリードさんがなった。
色々驚く事ばかりだったが、人選に間違いないと俺は思う。俺なんかが偉そうに言う事じゃないけど……。
「――おーい、ルカ!」
そんな事をボーっと考えていたらエレナに声を掛けられた。任務に行っていたから2日ぶりに顔を見た。
「お帰り。任務ご苦労様」
「ありがとう。なんか隊長が呼んでるよ」
「そうなんだ。すぐ行くよ」
エレナにそう言われ、俺はダッジ隊長の部屋に向かった。
~ダッジ隊長の部屋~
「――以上が次の任務内容だ。頼んだぞ」
「はい!」
しっかり返事をして、俺は部屋を後にした。
ダッジ隊長から言い渡された次の任務……。内容はモンスターの討伐。もう慣れたものだ。と言うかほぼそれしかしていない。まぁそれが俺の目的でもあるからいいんだけどさ。
こうして、新たな任務の為俺とレベッカとニクスの3人は、王国の最南端にある雪の街……スノウランド街に向けて出発した――。
♢♦♢
~スノウランド街~
「――よく来てくれたね!ルージュドラゴンの時は本当に助かったよ。改めてお礼を言わせてくれ」
「いえいえ、あれは皆で協力した結果なので、お礼なんてされる立場じゃないですよ」
俺達を出迎えてくれたのはここのマスターだ。スノウランド街には南の冒険者ギルドがある。
東西南北全ての街に冒険者ギルドが存在するが、どこのマスターとも以前のルージュドラゴンの件で顔はもう知っている。あんまり話す時間はなかったけど皆一緒に戦った仲間だ。
「寒ーい!」
「それは全くだ。マジで寒い!」
「ハハハハ。慣れていないとかなりキツイだろここは。取り敢えず中に入りなよ。暖かい飲み物でも用意するからさ」
そう言ってマスターはギルドの中へ案内してくれた。
流石雪国の人だなマスターも……。俺達より薄着なのに全然寒そうじゃない。それにニクスもこの寒さが大丈夫みたいだ。いいな~、羨ましい。フェニックス暖かそうだもんな。
そんな事を思いながら、俺達は今回の討伐の件について話し合った。
「どうだ?少しは温まったか?」
「かなり良いです。ありがとうございます。それでマスター、今回は“ホワイトゴーレム”の討伐って事でいいですよね?」
「ああ。此処からもう少し南に行ったところに大きな雪山があってね。そこでホワイトゴーレムの姿が確認されているんだけど、何せその雪山はここより寒い上に吹雪が凄くて歩くだけでも大変なんだ。
雪や寒さに慣れている私でも1人だと厳しくてね。実力ある人にサポートしてもらわないと厳しくて」
雪国で暮らすマスターでも大変な環境って……これ人選ミスじゃないか? 街の寒さで既に俺とレベッカは凍死しそうだぞ。
「俺達に出来る事なら勿論協力したいですけど、この寒さどうにかなりませんよね……?」
「ルカさんそんなに寒いの?レベッカさんも?」
「「寒い」」
「じゃあ私の聖霊魔法で暖かくしてあげますよ」
えー!そんな事出来るの?是非お願いしますニクス様!
ニクスは早速俺達に聖霊魔法を掛けてくれた。するとあら不思議。本当にポカポカと暖かくなってきた。
「もう大丈夫ですよ」
「本当だ。なんか暖かい感じする!」
「いや確かに暖かい感じするけど、本当に大丈夫?」
決してニクスを疑っている訳ではないが、まさか本当にコレで寒さが和らいだのかと疑問に思いながら俺は確かめるためにまたギルドの外へ出た。すると……。
「うわ凄ぇ!本当に寒くない!」
「だから言ってるじゃないですか!信じてないんですか私の事」
「私は何も疑ってないからねニクス」
「ズ、ズルいぞレベッカ!俺だって別に疑ってた訳じゃないからなニクス……!」
苦し紛れにそう言うも、ニクスは疑う様な目で俺を見ていた。
そんなこんなで話を戻し、俺達はマスターと一緒に目的のホワイトゴーレムの討伐に向かった――。
~雪山~
ホワイトゴーレムはSランク指定のモンスター。普通のゴーレムよりも更に防御力が高い。半端な攻撃では倒しきれないちょっと厄介な相手だ。しかも生息場所がこんな険しい雪山とくれば、普通のSランクより討伐が難しい。
「――あそこだよ」
マスターがそう指差した方向に、確かにホワイトゴーレムの姿を確認した。
<奴はただの木偶の坊。強めに一撃放てば終わりだな>
「それよりも、凄い吹雪だな……!」
「前がほぼ見えないよ」
「何処かに降りますか?」
マスターの言った通り雪山は吹雪がとても凄いな。普段から全く見慣れていない俺達にとってはより現実離れして見えてるだろう。
「いや、これは慣れない俺達にとって危ない環境だ。俺がこのまま1発で仕留める」
「頼もしいな~」
マスターに少し茶化されながらも、俺はホワイトゴーレムを一撃で倒し、サクッと素材も回収して街に戻った。そしてマスターとも別れを済ませ、俺達は寮に帰った――。
ドクロシーフを片付けた日から3日後――。
ニクスがバーレーンにしっかりと思いを告げ、正式にまた俺達と行動を共にする事となり、あの後寮に戻った俺達はダッジ隊長と国王にも詳細を報告し、無事一件落着となったのだ。
「――そういえばドクロシーフの奴らどうなったんだろ? クレーグ知ってる?」
「あー、アイツらかい? ドクロシーフの奴らは元から評判が最悪だったからねぇ、ルカが拠点を潰した後にさ、いざ蓋を開けて調査してみたら……これがとんでもない悪事ばかりが出るわ出るわだったらしくて、皆はらわたが煮え繰り返ったみたいだよ。
一切の余地なく重罪人扱い。即死刑でも良かったぐらいだけど、今頃死んだ方がいいと思える様な収容所で血反吐はいて労働してるよ」
クレーグは明後日の方を見ながら俺にそう言った。
「収容所か……。そこってそんなにキツイの?」
「そうだね。聞いただけでもかなりヤバいかな。僕だったら迷わず自害するね。まぁそれすらさせてくれないからより地獄だよ。
あそこは1番キツイのが採掘場の労働と言われているみたいだけど、それ以上に恐ろしいのが、実質死刑になった連中が飛ばされる人体実験施設。
ドクロシーフの奴らは確実に採掘場かその人体実験施設のどちらかに放り込まれるってダッジ隊長が言っていたよ」
うわぁ~、本当に聞いただけでヤバそう……。人体実験って何やらされるんだろ。まぁアイツらは自業自得だよな。非人道的な事していたんだから当然だ。
「そうなんですね……」
「まぁ関係ないけどね、僕らには。それよりフェニックスの件も無事済んだみたいで良かったね」
そう。どちらかと言えばこっちの方が凄い事になっていた――。
あの日、俺達がダッジ隊長と国王に報告を伝えた後で、国王は早くもバーレーンと会って話をした様だ。しかも超極秘の会談だったらしい。だが、何故そんな超極秘の会談があったと俺が知っているかと言うと、余りに“起きた事が大きい”からだ……。
正確に言うと、この極秘会談は俺とダッジ隊長などごく一部の人しかまだ知らないと思う。だがその起きた事自体は国民全員が知っている。何故かって? そりゃそうだろ。だってあのイディアナ王国がドラシエル王国に“引き渡された”たんだから――。
あれからまだ3日しか経っていないんだぞ……? 何故それで国民どころか世界が揺らぐ大騒動になったんだ。誰もがそう思う。勿論驚いた俺も理由を聞いた。そしてこの理由がまた驚きなんだけど……。
イディアナ王国は何年か前に国王が変わったらしく、イディアナ王国の現国王であったソイツがかなりヤバい奴だったらしい。簡単に言うとドクロシーフの奴らとも繋がっていて、裏で相当悪事を働かせて利益を生み出していたとか何とか。
以前からそのイディアナ王国の異変に気付いていたバーレーンが何とか状況を変えようとしたのだが、バーレーンは昔結んだ制約のせいで攻撃が出来なかった。でもそこへ今回の出来事。
俺らの国王がバーレーンと手を組み、悪事を働かせていたイディアナ王国の国王を襲撃。まぁ襲撃と言ってもフェニックスと国王の絶対的な脅しらしいけど……。ってな感じでイディアナ王国の国王は自らその座を降り、かなり貧困が進んでいた情勢を立て直すべく、イディアナ王国はドラシエル王国に正式に引き渡される事となったんだ。
そしてこれでも十分驚きだがまだある――。
なんでも、イディアナ王国の立て直しに選ばれた最高責任者はなんとマスターだ。俺らのゼインマスターね。だからギルドの次のマスターはフリードさんがなった。
色々驚く事ばかりだったが、人選に間違いないと俺は思う。俺なんかが偉そうに言う事じゃないけど……。
「――おーい、ルカ!」
そんな事をボーっと考えていたらエレナに声を掛けられた。任務に行っていたから2日ぶりに顔を見た。
「お帰り。任務ご苦労様」
「ありがとう。なんか隊長が呼んでるよ」
「そうなんだ。すぐ行くよ」
エレナにそう言われ、俺はダッジ隊長の部屋に向かった。
~ダッジ隊長の部屋~
「――以上が次の任務内容だ。頼んだぞ」
「はい!」
しっかり返事をして、俺は部屋を後にした。
ダッジ隊長から言い渡された次の任務……。内容はモンスターの討伐。もう慣れたものだ。と言うかほぼそれしかしていない。まぁそれが俺の目的でもあるからいいんだけどさ。
こうして、新たな任務の為俺とレベッカとニクスの3人は、王国の最南端にある雪の街……スノウランド街に向けて出発した――。
♢♦♢
~スノウランド街~
「――よく来てくれたね!ルージュドラゴンの時は本当に助かったよ。改めてお礼を言わせてくれ」
「いえいえ、あれは皆で協力した結果なので、お礼なんてされる立場じゃないですよ」
俺達を出迎えてくれたのはここのマスターだ。スノウランド街には南の冒険者ギルドがある。
東西南北全ての街に冒険者ギルドが存在するが、どこのマスターとも以前のルージュドラゴンの件で顔はもう知っている。あんまり話す時間はなかったけど皆一緒に戦った仲間だ。
「寒ーい!」
「それは全くだ。マジで寒い!」
「ハハハハ。慣れていないとかなりキツイだろここは。取り敢えず中に入りなよ。暖かい飲み物でも用意するからさ」
そう言ってマスターはギルドの中へ案内してくれた。
流石雪国の人だなマスターも……。俺達より薄着なのに全然寒そうじゃない。それにニクスもこの寒さが大丈夫みたいだ。いいな~、羨ましい。フェニックス暖かそうだもんな。
そんな事を思いながら、俺達は今回の討伐の件について話し合った。
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「ルカさんそんなに寒いの?レベッカさんも?」
「「寒い」」
「じゃあ私の聖霊魔法で暖かくしてあげますよ」
えー!そんな事出来るの?是非お願いしますニクス様!
ニクスは早速俺達に聖霊魔法を掛けてくれた。するとあら不思議。本当にポカポカと暖かくなってきた。
「もう大丈夫ですよ」
「本当だ。なんか暖かい感じする!」
「いや確かに暖かい感じするけど、本当に大丈夫?」
決してニクスを疑っている訳ではないが、まさか本当にコレで寒さが和らいだのかと疑問に思いながら俺は確かめるためにまたギルドの外へ出た。すると……。
「うわ凄ぇ!本当に寒くない!」
「だから言ってるじゃないですか!信じてないんですか私の事」
「私は何も疑ってないからねニクス」
「ズ、ズルいぞレベッカ!俺だって別に疑ってた訳じゃないからなニクス……!」
苦し紛れにそう言うも、ニクスは疑う様な目で俺を見ていた。
そんなこんなで話を戻し、俺達はマスターと一緒に目的のホワイトゴーレムの討伐に向かった――。
~雪山~
ホワイトゴーレムはSランク指定のモンスター。普通のゴーレムよりも更に防御力が高い。半端な攻撃では倒しきれないちょっと厄介な相手だ。しかも生息場所がこんな険しい雪山とくれば、普通のSランクより討伐が難しい。
「――あそこだよ」
マスターがそう指差した方向に、確かにホワイトゴーレムの姿を確認した。
<奴はただの木偶の坊。強めに一撃放てば終わりだな>
「それよりも、凄い吹雪だな……!」
「前がほぼ見えないよ」
「何処かに降りますか?」
マスターの言った通り雪山は吹雪がとても凄いな。普段から全く見慣れていない俺達にとってはより現実離れして見えてるだろう。
「いや、これは慣れない俺達にとって危ない環境だ。俺がこのまま1発で仕留める」
「頼もしいな~」
マスターに少し茶化されながらも、俺はホワイトゴーレムを一撃で倒し、サクッと素材も回収して街に戻った。そしてマスターとも別れを済ませ、俺達は寮に帰った――。
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