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~第1章 追放と召喚~
10 これがパーティ戦か
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「ほ、本当ですかッ⁉」
自分でも何でそんな事言ったのか分からない。あんな裏切られ方をしたから2度とパーティなんて組むつもりなかったのにな……。
「ああ。でも条件がある」
「条件……? 大丈夫です! 何でも言って下さい!」
「追放者同士、お互いに突然の裏切りは止める。それだけだ」
「追放者同士って……ルカさんも? と言うか、私が追放されたの知ってたんですね……。お恥ずかしい」
「それは御免。別に聞き耳を立てるつもりじゃなかったんだけど、聞こえちゃって」
「フフフ。別に構いませんよ。本当の事ですからね。それよりルカさんが追放されていた事に私は驚きましたよ。こんな素敵な人なのに」
「――!」
彼女の言葉に、俺は思わずドキッとしてしまった。何だ……今の高鳴りは……。
「な、何言ってんだよ。そんな事より早く行くぞ」
「そうでしたね! ルカさんのクエストに向かいましょう」
こうして、俺は予想だにしていなかった出会いを経て、これまた予想だにしていなかったパーティを組んでしまった――。
♢♦♢
~ペトラ遺跡・森の奥~
俺と彼女……レベッカは、あれから日が暮れる前にベヒーモスを見つけ様と、深い森の奥にある遺跡目指して進んでいた。
何時しか辺りはだいぶ薄暗くなってきた。俺は暗闇でもある程度見えるが、レベッカはただ見えずらいのかはたまた彼女は少しドジなのかは分からないが、さっきから幾度となく転びそうになっていた。
「わッ!……っとと⁉……ハァ……ハァ……。キャッ!」
「大丈夫か……?」
進む足を止め、後ろを振りレベッカを確認すると、彼女は屈託のない笑顔を放ちながら「大丈夫!」と言った。
絶対にいい子なんだろうなというのは直ぐに分かる。だから俺もパーティを組むなんて有り得ない発言をしたんだろうな。
そして正直、レベッカは結構美人だ。綺麗な明るいロングの髪にパッチリとした青い瞳。それに服の上からでも分かるスタイルの良さ。これはかなり男にモテるだろう……と、全然関係ない事まで思ってしまう。
「……!これは」
突如臭ってきた獣臭と血の折り混ざった鼻につく臭い。どうやらお目当てのベヒーモスがいるみたいだ。俺は魔力感知で敵の位置を探った。
「レベッカ、近くにベヒーモスがいる。気を付けろ」
「べ、ベヒーモス……⁉ Sランクの⁉」
あれ、その事言ってなかったか……?
「俺の目的はベヒーモスだ。……お、やっぱいるな。しかも向こうから俺達に近付いて来てるぞ」
「えッ! ちょ、ちょっと待って下さい……まだ心の準備が」
「レベッカ、そっちから来るぞ!」
次の瞬間、木々の間から雄叫びを上げたベヒーモスが姿を現した。
『グオォォッ!』
「……ッ⁉」
大きさは3m以上。ジークの言った通り横にもデカいせいでより大きく見える。俺達を完全に獲物としてロックオンしているみたいだ。
<吐くぞ>
ジークが言ったとほぼ同時、ベヒーモスが得意の炎を俺達目掛けて吐いてきた。
――ブオォォォォ!
「マジかコイツ!……っと、レベッカ大丈夫か⁉」
俺は慌ててレベッカを確認した。すると、レベッカはいつの間にか杖を手にしており、氷の防御壁でベヒーモスの炎を防いでいた。
「は、はい!なんとか」
「おー、流石Aランク。ちょっと抜けた感じだったから心配だったけど、余裕そうだな。一応俺の魔法で付与しておくか」
こんな実力あるのに何回もパーティから追い出されるなんて、よっぽど厄介な体質なんだろうな。まぁ魔力なんて吸い取られたら何も出来ないから皆困るか。
『グオオオ!』
「さっさとくたばれ。“炎撃波《プロメテウス》”」
俺はお返し代わりにベヒーモスに炎魔法を放った。奴に向けた右手から豪炎を放ち、直撃したベヒーモスは一撃で戦闘不能となった。
当たり前だ。お前のとは火力が桁違いだからな。
<デジャヴかコレは――>
「もう1発」
ベヒーモスの攻撃を放った瞬間、別方向からもう1体のベヒーモスが襲い掛かっていた。ジークの言った通り、まるでグリフォン討伐のデジャヴみたいだ。
俺は反対の手を奴に向けまたプロメテウスを放った。だが、僅かに攻撃するタイミングが遅かったせいでダメージが浅かった。
どの道次で終わり。
そう思いながら連続でもう1発放とうと思った瞬間、ベヒーモスの体が突如氷に覆われた――。
「“氷の一矢”!」
攻撃を放ったのはレベッカだった。見た感じ魔法使いの適性だろう。杖を持っているし、当たった氷の矢が一瞬でベヒーモスを氷で固めてしまった。
そして何だろうこの不思議な高揚感は……。
まさか今のが“連携攻撃”とかいうお洒落な技じゃないだろうか。
散々グレイのパーティにいた時は活用していたが、それは勿論後方からのサポート。自分が直接加わったのはこれが初めてだ。何とも新鮮な感じ。
「これが本物のパーティか」
<何をブツブツ言っている>
連携攻撃の余韻に浸りながらふとレベッカを見ると、何やら彼女は震えていた。
え?もしかして奴の攻撃が当たっていた?
そう思った矢先、レベッカは俺を見ながらお礼を言ってきた。
「ルカさん!ありがとうございます!」
なんのお礼かは分からないが取り敢えず大丈夫そうだ。
「私、こんな魔法使えたの初めてなんです! 何時も人の魔力吸い取った挙句に直ぐ消えちゃっていたので!」
そう言う事か。彼女も中々大変な人生を歩んできたようだな。
「いやいや、俺の方こそ。実は初めて連携攻撃みたいな事が出来て興奮してるんだ。凄い新鮮な気持ちだ」
俺とレベッカはそんな事を言いながら笑い合っていた。
「そう言えばレベッカって歳いくつ?」
「え、18ですけど」
「何だ、俺と一緒じゃん。だったらもう敬語止めにしようよ。パーティも組むんだし」
「いいんですか……じゃなくて、分かった! これから宜しくねルカ!」
「こちらこそ。じゃあギルドに戻るか」
ベヒーモスを無事討伐した俺とレベッカは、ペトラ遺跡を後にした――。
♢♦♢
~冒険者ギルド~
「――すみません、クエストの手続きお願いします」
「はい。かしこまりました……って、ルカさんじゃないですか!お疲れ様です。 ベヒーモスの討伐もう終わったんですか⁉」
「うん、まぁね」
マリアちゃんは何時も元気だ。だがその驚きの声で周りの人から視線が集まっちゃってるよ。ベヒーモスって一応Sランクだからね。
「流石ですね」
「そんな事無いよ。あ、そうだ、そう言えばこの子とパーティ登録したいんだけど」
パーティを組むにはギルドで登録が必要。俺とレベッカはその手続きをする為にタグを一緒に渡した。
「え、ちょっと待って⁉ ルカそれって……まさかSSSランク⁉」
「ああ」
「凄いッ……私初めて見た」
これもまた似た者同士か。
レベッカもマリアちゃんと同様元気タイプだから少し声が大きい。また周りの視線が集まってるじゃないか。別に隠すつもりはないからいいんだけどさ、注目されるのは慣れてないんだよ。
「マリアちゃんごめん、急いで頼める? 面倒な事になりそう」
ハッとしたマリアちゃんは急いで準備をしてくれた。
レベッカをパーティーに登録した後、手続きの関係でレベッカが再診断を受ける事になった。
「レベッカ様、こちらで再診断お願い致します」
「はい、分かりました」
俺が再診断した時と全く同じ。レベッカは魔石に手を置き魔力を流し込んだ。
『レベッカ・ストラウス 魔力値:Sランク』
「え? 私何でランク上がってるの?」
そうだ。付与魔法掛けたままだった。まぁどっちにしても俺とパーティ組むとジークの恩恵で能力値向上するけどね。
「あー、それ多分俺のせいかも。言ってないけど俺もある意味ちょっと特異体質なんだよね。でも魔力とか身体能力が向上するから損はないと思う」
「へぇ~、そんなのあるんだルカ君。驚いちゃった。私が言うのも変だけどね。だから私ベヒーモス相手にあんな魔法出せたのね」
多少は俺の力によるものだけど、元々のポテンシャルが高いんじゃないかなレベッカは。少しドジっぽいけど……。
レベッカはランクが上がった事もあり更に診断を行った。
『レベッカ・ストラウス 魔力値:Sランク
適性:魔法使い
使用魔法:氷魔法 水魔法 炎魔法
風魔法 土魔法 回復魔法 付与魔法
身体・特殊:魔力感知(B)状態異常耐性(A)
性質:魔力イーター 』
「わぁ……。凄い能力アップしてる」
「それではレベッカ様、新しい冒険者タグの準備が出来ましたらまたお渡ししますね」
そう係りの人に言われ、何故か俺はまたマスターの部屋に呼ばれた。
レベッカも一緒に――。
自分でも何でそんな事言ったのか分からない。あんな裏切られ方をしたから2度とパーティなんて組むつもりなかったのにな……。
「ああ。でも条件がある」
「条件……? 大丈夫です! 何でも言って下さい!」
「追放者同士、お互いに突然の裏切りは止める。それだけだ」
「追放者同士って……ルカさんも? と言うか、私が追放されたの知ってたんですね……。お恥ずかしい」
「それは御免。別に聞き耳を立てるつもりじゃなかったんだけど、聞こえちゃって」
「フフフ。別に構いませんよ。本当の事ですからね。それよりルカさんが追放されていた事に私は驚きましたよ。こんな素敵な人なのに」
「――!」
彼女の言葉に、俺は思わずドキッとしてしまった。何だ……今の高鳴りは……。
「な、何言ってんだよ。そんな事より早く行くぞ」
「そうでしたね! ルカさんのクエストに向かいましょう」
こうして、俺は予想だにしていなかった出会いを経て、これまた予想だにしていなかったパーティを組んでしまった――。
♢♦♢
~ペトラ遺跡・森の奥~
俺と彼女……レベッカは、あれから日が暮れる前にベヒーモスを見つけ様と、深い森の奥にある遺跡目指して進んでいた。
何時しか辺りはだいぶ薄暗くなってきた。俺は暗闇でもある程度見えるが、レベッカはただ見えずらいのかはたまた彼女は少しドジなのかは分からないが、さっきから幾度となく転びそうになっていた。
「わッ!……っとと⁉……ハァ……ハァ……。キャッ!」
「大丈夫か……?」
進む足を止め、後ろを振りレベッカを確認すると、彼女は屈託のない笑顔を放ちながら「大丈夫!」と言った。
絶対にいい子なんだろうなというのは直ぐに分かる。だから俺もパーティを組むなんて有り得ない発言をしたんだろうな。
そして正直、レベッカは結構美人だ。綺麗な明るいロングの髪にパッチリとした青い瞳。それに服の上からでも分かるスタイルの良さ。これはかなり男にモテるだろう……と、全然関係ない事まで思ってしまう。
「……!これは」
突如臭ってきた獣臭と血の折り混ざった鼻につく臭い。どうやらお目当てのベヒーモスがいるみたいだ。俺は魔力感知で敵の位置を探った。
「レベッカ、近くにベヒーモスがいる。気を付けろ」
「べ、ベヒーモス……⁉ Sランクの⁉」
あれ、その事言ってなかったか……?
「俺の目的はベヒーモスだ。……お、やっぱいるな。しかも向こうから俺達に近付いて来てるぞ」
「えッ! ちょ、ちょっと待って下さい……まだ心の準備が」
「レベッカ、そっちから来るぞ!」
次の瞬間、木々の間から雄叫びを上げたベヒーモスが姿を現した。
『グオォォッ!』
「……ッ⁉」
大きさは3m以上。ジークの言った通り横にもデカいせいでより大きく見える。俺達を完全に獲物としてロックオンしているみたいだ。
<吐くぞ>
ジークが言ったとほぼ同時、ベヒーモスが得意の炎を俺達目掛けて吐いてきた。
――ブオォォォォ!
「マジかコイツ!……っと、レベッカ大丈夫か⁉」
俺は慌ててレベッカを確認した。すると、レベッカはいつの間にか杖を手にしており、氷の防御壁でベヒーモスの炎を防いでいた。
「は、はい!なんとか」
「おー、流石Aランク。ちょっと抜けた感じだったから心配だったけど、余裕そうだな。一応俺の魔法で付与しておくか」
こんな実力あるのに何回もパーティから追い出されるなんて、よっぽど厄介な体質なんだろうな。まぁ魔力なんて吸い取られたら何も出来ないから皆困るか。
『グオオオ!』
「さっさとくたばれ。“炎撃波《プロメテウス》”」
俺はお返し代わりにベヒーモスに炎魔法を放った。奴に向けた右手から豪炎を放ち、直撃したベヒーモスは一撃で戦闘不能となった。
当たり前だ。お前のとは火力が桁違いだからな。
<デジャヴかコレは――>
「もう1発」
ベヒーモスの攻撃を放った瞬間、別方向からもう1体のベヒーモスが襲い掛かっていた。ジークの言った通り、まるでグリフォン討伐のデジャヴみたいだ。
俺は反対の手を奴に向けまたプロメテウスを放った。だが、僅かに攻撃するタイミングが遅かったせいでダメージが浅かった。
どの道次で終わり。
そう思いながら連続でもう1発放とうと思った瞬間、ベヒーモスの体が突如氷に覆われた――。
「“氷の一矢”!」
攻撃を放ったのはレベッカだった。見た感じ魔法使いの適性だろう。杖を持っているし、当たった氷の矢が一瞬でベヒーモスを氷で固めてしまった。
そして何だろうこの不思議な高揚感は……。
まさか今のが“連携攻撃”とかいうお洒落な技じゃないだろうか。
散々グレイのパーティにいた時は活用していたが、それは勿論後方からのサポート。自分が直接加わったのはこれが初めてだ。何とも新鮮な感じ。
「これが本物のパーティか」
<何をブツブツ言っている>
連携攻撃の余韻に浸りながらふとレベッカを見ると、何やら彼女は震えていた。
え?もしかして奴の攻撃が当たっていた?
そう思った矢先、レベッカは俺を見ながらお礼を言ってきた。
「ルカさん!ありがとうございます!」
なんのお礼かは分からないが取り敢えず大丈夫そうだ。
「私、こんな魔法使えたの初めてなんです! 何時も人の魔力吸い取った挙句に直ぐ消えちゃっていたので!」
そう言う事か。彼女も中々大変な人生を歩んできたようだな。
「いやいや、俺の方こそ。実は初めて連携攻撃みたいな事が出来て興奮してるんだ。凄い新鮮な気持ちだ」
俺とレベッカはそんな事を言いながら笑い合っていた。
「そう言えばレベッカって歳いくつ?」
「え、18ですけど」
「何だ、俺と一緒じゃん。だったらもう敬語止めにしようよ。パーティも組むんだし」
「いいんですか……じゃなくて、分かった! これから宜しくねルカ!」
「こちらこそ。じゃあギルドに戻るか」
ベヒーモスを無事討伐した俺とレベッカは、ペトラ遺跡を後にした――。
♢♦♢
~冒険者ギルド~
「――すみません、クエストの手続きお願いします」
「はい。かしこまりました……って、ルカさんじゃないですか!お疲れ様です。 ベヒーモスの討伐もう終わったんですか⁉」
「うん、まぁね」
マリアちゃんは何時も元気だ。だがその驚きの声で周りの人から視線が集まっちゃってるよ。ベヒーモスって一応Sランクだからね。
「流石ですね」
「そんな事無いよ。あ、そうだ、そう言えばこの子とパーティ登録したいんだけど」
パーティを組むにはギルドで登録が必要。俺とレベッカはその手続きをする為にタグを一緒に渡した。
「え、ちょっと待って⁉ ルカそれって……まさかSSSランク⁉」
「ああ」
「凄いッ……私初めて見た」
これもまた似た者同士か。
レベッカもマリアちゃんと同様元気タイプだから少し声が大きい。また周りの視線が集まってるじゃないか。別に隠すつもりはないからいいんだけどさ、注目されるのは慣れてないんだよ。
「マリアちゃんごめん、急いで頼める? 面倒な事になりそう」
ハッとしたマリアちゃんは急いで準備をしてくれた。
レベッカをパーティーに登録した後、手続きの関係でレベッカが再診断を受ける事になった。
「レベッカ様、こちらで再診断お願い致します」
「はい、分かりました」
俺が再診断した時と全く同じ。レベッカは魔石に手を置き魔力を流し込んだ。
『レベッカ・ストラウス 魔力値:Sランク』
「え? 私何でランク上がってるの?」
そうだ。付与魔法掛けたままだった。まぁどっちにしても俺とパーティ組むとジークの恩恵で能力値向上するけどね。
「あー、それ多分俺のせいかも。言ってないけど俺もある意味ちょっと特異体質なんだよね。でも魔力とか身体能力が向上するから損はないと思う」
「へぇ~、そんなのあるんだルカ君。驚いちゃった。私が言うのも変だけどね。だから私ベヒーモス相手にあんな魔法出せたのね」
多少は俺の力によるものだけど、元々のポテンシャルが高いんじゃないかなレベッカは。少しドジっぽいけど……。
レベッカはランクが上がった事もあり更に診断を行った。
『レベッカ・ストラウス 魔力値:Sランク
適性:魔法使い
使用魔法:氷魔法 水魔法 炎魔法
風魔法 土魔法 回復魔法 付与魔法
身体・特殊:魔力感知(B)状態異常耐性(A)
性質:魔力イーター 』
「わぁ……。凄い能力アップしてる」
「それではレベッカ様、新しい冒険者タグの準備が出来ましたらまたお渡ししますね」
そう係りの人に言われ、何故か俺はまたマスターの部屋に呼ばれた。
レベッカも一緒に――。
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