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~第1章 追放と召喚~
09 追放者は引き寄せ合う
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♢♦♢
~ペトラ遺跡~
「――なぁジーク、ベヒーモスってどんな感じ?」
<知力の低い単細胞だな。後は吐く炎が鬱陶しい>
成程。Sランク指定のモンスターだが大丈夫そうだ。寧ろ先日のマスター達の総攻撃に比べれば最早何とも思わん。グリフォンも余裕だったしな。
「じゃあ今回も楽だな」
<何だか雰囲気が変わったのルカよ>
「そうか?」
ジークの言った事は一理あるかもしれない。俺はあれ以来恐らく開き直っている。色んな意味で。
ジャックさん達に褒められたのは本当に嬉しい。自信にもなったからな。でもマスターと出会ってからというもの展開が早過ぎる。しかもこっちの気持ちの準備はまるで出来ていないのに。
今回のこのベヒーモス討伐のクエストもそうだ。
俺は折角ジークの力をしっかり自分のものにしていると、約束通りグリフォンを討伐したのにも関わらず、まさか最終テストと名目され総攻撃を仕掛けられた。でも無事に認めてもらって黒色のタグを貰えた。
だから俺はソロ冒険者として自由気ままにクエストを受けようと思ったのに……。何故俺の意志も選択肢もないままベヒーモスの討伐に来ているんだ俺は――。
「まぁいいけどね。どうせ最終的な目標は全モンスターを駆逐する事だから」
<何を1人でブツブツ言っている>
「それでも何でSランクのベヒーモス何かがペトラ遺跡で目撃されてるんだろう?」
<そんな事は知らぬ。早くあのデブを始末しろ>
ジークはかなり博識だ。これまでもかなり助けられた。
だがジークはモンスターの事となると最小限の事しか教えてくれない。コイツも俺と同じで相当モンスターが憎いんだろうな。裏切られる気持ちもよく分かる……。だから俺はそれ以上ジークに詮索するつもりはない。
「ベヒーモスってやっぱ肥えてるのか」
<たるんだ肉の塊だあんなものは>
ペトラ遺跡周辺に生息しているモンスターの平均指定ランクはB。本来ならSランクのベヒーモスがいるのは有り得ないから、今回は何らかの原因で迷い込んだか突然変異個体のどっちかじゃないかな。
「ん――?」
遺跡に向かっていたその時、数キロ先から人の叫び声が聞こえた。全く関係ないが何やら揉めているようだ。
「……いい加減にしろッ!」
「ごめんなさい……本当にごめんなさい」
聞き耳を立てる訳じゃないが、こんな場所だと人がいる方が珍しいから静か過ぎて逆に聞いちゃう。クエストで来た冒険者パーティだろうな。
「お前のせいで魔法が使えないぞ!」
「勘弁してよね全く!」
「ごめ……んなさい……」
「もうダメだ!こんな奴置いて行こう!こっちが危険だ!」
「そうだな、お前はもう要らねぇ!このパーティから出ていけ!」
やっぱり聞くんじゃなかった。嫌な記憶がフラッシュバックしてきたよ。どうしよう? 今追放されたのは女の子っぽいな……。鳴き声が聞こえるし本当に他の奴らは去っちまった。
「どうするジーク」
<知らぬ。人間の事を我に聞くな>
そう言うと思った……。困ったなぁ。泣いてる女の子なんてどう接したらいいんだろう……。
散々悩んだが、ここはモンスターがそこら辺にいる地帯。後で変に負い目を感じるのも嫌だから仕方ない。取り敢えず安全な場所まで連れて行ってやるか。
♢♦♢
「――いた」
俺は泣いている1人の女の子を見つけた。
「あ、あの~、大丈夫……?」
「――⁉」
泣いている女の子に声を掛けると、その子は涙を流しながら驚いた表情で俺の方へ振り返った。突然声を掛けられた事とこんな所に何故人がいるのだろうと色々困惑しているようにも伺える。
俺の顔を見た彼女は慌てた様子で涙を拭い、平静を装いながら笑顔で返事を返してきた。
「え、いや、何かごめんなさい……! 私は全然大丈夫です」
必死で笑顔を取り繕っているのはバレバレ。他人の俺に気を遣わせない様にしているんだろうな。
「そう……? もし良ければ安全なところまで送るけど」
そこまで口にしたと同時に気が付いてしまった。彼女のタグが金色である事に。アレはAランクの色だ。
「え、本当ですか⁉ 実は地図を持っていなくて道が分からないんです……。なので道だけ教えて頂いて宜しいでしょうか? 余計なご迷惑はお掛けしたくないので、道だけ分かれば後は何とか1人で帰れるかと……」
彼女は申し訳なさそうにそう言った。
まぁ確かにAランクの冒険者ならモンスターの心配は大丈夫か……。でも道を教えるって言っても、到底口で説明出来ないほど複雑なんだよなここら。
「教えたいんだけど、ここら辺凄い入り組んでて俺もクエスト途中なんだ。だから速攻でモンスター討伐するから少しだけ同行してもらってもいいかな? そうすればその後直ぐに送り届けるからさ」
Aランクなら側にいるぐらい大丈夫だろう。俺も一瞬で片付けるつもりだし。
と、思っていたのだが、彼女の返事は余りに予想外だった。
「ご、ごめんなさいッ! 貴方に“同行”するのは絶対に無理です!」
ええーー⁉ 嘘、何で?
もしかして下心ある変態野郎だとでも思われたか俺……⁉
「え、いッ、いや……あのさ、別に俺変な下心がある不審者とかじゃなくて……!その、此処からだとさ、安全な場所まで行って戻るのに俺も時間掛かっちゃうしッ、だからその……直ぐに討伐終わらせて帰った方が都合がいいかな~と思ったんだけどッ……! 変な下心とかじゃなくて!ホントに! 全然離れて同行してもらって構わないしさ……!」
何してるんだよ俺。これじゃあ余計に怪しまれるぞ。逆に下心ありますと言ってるようなものだ。
「え? あの~違うんですッ……! そうじゃなくて……」
「ん、違うの?」
「勿論です。全然そんな風には思ってません……。ただ、同行したら絶対に貴方に迷惑を掛けてしまうので」
「ああ、それなら俺は大丈夫だよ。気にしないで」
「い、いえッ!“そう”ではなくて……あの、実は私……近くの人の魔力を吸ってしまう“特異体質”持ちで……」
魔力を吸う特異体質……?
何だそれ、初めて聞いたな。
「魔力を吸うって、何もしなくても近くにいるだけで……?」
「はい、そうなんです……。昔から自分でもコントロール出来なくて……。だから私が同行したら 絶対貴方にッ「――別にそんな感じ全くしないけどな」
俺の体に特別変わった様子もなければ彼女の言うように魔力を吸われて感じも全くない。俺は自分の体を確かめながら何気なく呟いただけだが、彼女は何故かとても驚いていた。
「え……⁉ 本当ですか? いや、でもそんな事有り得ない……」
「そうなのか? でも実際俺は大丈夫だぞ。ほら、何ともない」
「嘘……」
彼女は俺をまじまじと見ている。彼女にとっては余程信じられない光景なのだろうか。
「コレが理由って事なら、一先ず同行してもらうのはOK?」
よく分からんが同行自体が嫌でなければ俺も助かる。直ぐに討伐して帰ればいいだけだからな。
「も、勿論です!」
お、急に元気になった。取り敢えず良かった良かった。
「あの!貴方のお名前は⁉」
「ん、そう言えばまだ名乗ってなかったな。俺はルカ・リルガーデン。宜しく」
「私はレベッカと言います!レベッカ・ストラウスです」
お互いに自己紹介し、じゃあ行こうかと俺が言おうと思ったまさに次の瞬間、彼女の口から今日1番の驚きの言葉が発せられた――。
「あ、あの……ルカさん! 突然で失礼ですが、是非私と“パーティを組んで”下さい! お願いします!」
「――丁寧にお断りします」
心の底から出た混じりけの無い一言だった。
「え、そんな即答⁉ お……お願いします! 確かに突然で失礼ですが、私この体質のせいで、もう何十回もパーティから外されてしまってるんですッ……!
私の近くにいて魔力が吸われない人はルカさんが初めてでッ……!今までにこんな事なかったから……。
折角冒険者になったのにまだ1度もクエストを達成出来た事がないんです。だから無理を承知で……失礼を承知で言ってます。どうかお願いします!私とパーティを組んで頂けませんか⁉」
彼女の言葉もまた、混じりけの無い本心だった――。
涙ぐみながら頭を下げる彼女を見て、俺はそんな彼女と何時かの自分が重なって見えたんだ……。
彼女も俺と同じ。
信じていた仲間に捨てられ追放された。しかも単純に彼女は俺よりその回数が多いだろう。同じ俺にはよく分かる。
「――そこまで言うならいいよ。パーティ組もうか」
無意識の内に、俺はそう言っていた――。
~ペトラ遺跡~
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ジャックさん達に褒められたのは本当に嬉しい。自信にもなったからな。でもマスターと出会ってからというもの展開が早過ぎる。しかもこっちの気持ちの準備はまるで出来ていないのに。
今回のこのベヒーモス討伐のクエストもそうだ。
俺は折角ジークの力をしっかり自分のものにしていると、約束通りグリフォンを討伐したのにも関わらず、まさか最終テストと名目され総攻撃を仕掛けられた。でも無事に認めてもらって黒色のタグを貰えた。
だから俺はソロ冒険者として自由気ままにクエストを受けようと思ったのに……。何故俺の意志も選択肢もないままベヒーモスの討伐に来ているんだ俺は――。
「まぁいいけどね。どうせ最終的な目標は全モンスターを駆逐する事だから」
<何を1人でブツブツ言っている>
「それでも何でSランクのベヒーモス何かがペトラ遺跡で目撃されてるんだろう?」
<そんな事は知らぬ。早くあのデブを始末しろ>
ジークはかなり博識だ。これまでもかなり助けられた。
だがジークはモンスターの事となると最小限の事しか教えてくれない。コイツも俺と同じで相当モンスターが憎いんだろうな。裏切られる気持ちもよく分かる……。だから俺はそれ以上ジークに詮索するつもりはない。
「ベヒーモスってやっぱ肥えてるのか」
<たるんだ肉の塊だあんなものは>
ペトラ遺跡周辺に生息しているモンスターの平均指定ランクはB。本来ならSランクのベヒーモスがいるのは有り得ないから、今回は何らかの原因で迷い込んだか突然変異個体のどっちかじゃないかな。
「ん――?」
遺跡に向かっていたその時、数キロ先から人の叫び声が聞こえた。全く関係ないが何やら揉めているようだ。
「……いい加減にしろッ!」
「ごめんなさい……本当にごめんなさい」
聞き耳を立てる訳じゃないが、こんな場所だと人がいる方が珍しいから静か過ぎて逆に聞いちゃう。クエストで来た冒険者パーティだろうな。
「お前のせいで魔法が使えないぞ!」
「勘弁してよね全く!」
「ごめ……んなさい……」
「もうダメだ!こんな奴置いて行こう!こっちが危険だ!」
「そうだな、お前はもう要らねぇ!このパーティから出ていけ!」
やっぱり聞くんじゃなかった。嫌な記憶がフラッシュバックしてきたよ。どうしよう? 今追放されたのは女の子っぽいな……。鳴き声が聞こえるし本当に他の奴らは去っちまった。
「どうするジーク」
<知らぬ。人間の事を我に聞くな>
そう言うと思った……。困ったなぁ。泣いてる女の子なんてどう接したらいいんだろう……。
散々悩んだが、ここはモンスターがそこら辺にいる地帯。後で変に負い目を感じるのも嫌だから仕方ない。取り敢えず安全な場所まで連れて行ってやるか。
♢♦♢
「――いた」
俺は泣いている1人の女の子を見つけた。
「あ、あの~、大丈夫……?」
「――⁉」
泣いている女の子に声を掛けると、その子は涙を流しながら驚いた表情で俺の方へ振り返った。突然声を掛けられた事とこんな所に何故人がいるのだろうと色々困惑しているようにも伺える。
俺の顔を見た彼女は慌てた様子で涙を拭い、平静を装いながら笑顔で返事を返してきた。
「え、いや、何かごめんなさい……! 私は全然大丈夫です」
必死で笑顔を取り繕っているのはバレバレ。他人の俺に気を遣わせない様にしているんだろうな。
「そう……? もし良ければ安全なところまで送るけど」
そこまで口にしたと同時に気が付いてしまった。彼女のタグが金色である事に。アレはAランクの色だ。
「え、本当ですか⁉ 実は地図を持っていなくて道が分からないんです……。なので道だけ教えて頂いて宜しいでしょうか? 余計なご迷惑はお掛けしたくないので、道だけ分かれば後は何とか1人で帰れるかと……」
彼女は申し訳なさそうにそう言った。
まぁ確かにAランクの冒険者ならモンスターの心配は大丈夫か……。でも道を教えるって言っても、到底口で説明出来ないほど複雑なんだよなここら。
「教えたいんだけど、ここら辺凄い入り組んでて俺もクエスト途中なんだ。だから速攻でモンスター討伐するから少しだけ同行してもらってもいいかな? そうすればその後直ぐに送り届けるからさ」
Aランクなら側にいるぐらい大丈夫だろう。俺も一瞬で片付けるつもりだし。
と、思っていたのだが、彼女の返事は余りに予想外だった。
「ご、ごめんなさいッ! 貴方に“同行”するのは絶対に無理です!」
ええーー⁉ 嘘、何で?
もしかして下心ある変態野郎だとでも思われたか俺……⁉
「え、いッ、いや……あのさ、別に俺変な下心がある不審者とかじゃなくて……!その、此処からだとさ、安全な場所まで行って戻るのに俺も時間掛かっちゃうしッ、だからその……直ぐに討伐終わらせて帰った方が都合がいいかな~と思ったんだけどッ……! 変な下心とかじゃなくて!ホントに! 全然離れて同行してもらって構わないしさ……!」
何してるんだよ俺。これじゃあ余計に怪しまれるぞ。逆に下心ありますと言ってるようなものだ。
「え? あの~違うんですッ……! そうじゃなくて……」
「ん、違うの?」
「勿論です。全然そんな風には思ってません……。ただ、同行したら絶対に貴方に迷惑を掛けてしまうので」
「ああ、それなら俺は大丈夫だよ。気にしないで」
「い、いえッ!“そう”ではなくて……あの、実は私……近くの人の魔力を吸ってしまう“特異体質”持ちで……」
魔力を吸う特異体質……?
何だそれ、初めて聞いたな。
「魔力を吸うって、何もしなくても近くにいるだけで……?」
「はい、そうなんです……。昔から自分でもコントロール出来なくて……。だから私が同行したら 絶対貴方にッ「――別にそんな感じ全くしないけどな」
俺の体に特別変わった様子もなければ彼女の言うように魔力を吸われて感じも全くない。俺は自分の体を確かめながら何気なく呟いただけだが、彼女は何故かとても驚いていた。
「え……⁉ 本当ですか? いや、でもそんな事有り得ない……」
「そうなのか? でも実際俺は大丈夫だぞ。ほら、何ともない」
「嘘……」
彼女は俺をまじまじと見ている。彼女にとっては余程信じられない光景なのだろうか。
「コレが理由って事なら、一先ず同行してもらうのはOK?」
よく分からんが同行自体が嫌でなければ俺も助かる。直ぐに討伐して帰ればいいだけだからな。
「も、勿論です!」
お、急に元気になった。取り敢えず良かった良かった。
「あの!貴方のお名前は⁉」
「ん、そう言えばまだ名乗ってなかったな。俺はルカ・リルガーデン。宜しく」
「私はレベッカと言います!レベッカ・ストラウスです」
お互いに自己紹介し、じゃあ行こうかと俺が言おうと思ったまさに次の瞬間、彼女の口から今日1番の驚きの言葉が発せられた――。
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「――丁寧にお断りします」
心の底から出た混じりけの無い一言だった。
「え、そんな即答⁉ お……お願いします! 確かに突然で失礼ですが、私この体質のせいで、もう何十回もパーティから外されてしまってるんですッ……!
私の近くにいて魔力が吸われない人はルカさんが初めてでッ……!今までにこんな事なかったから……。
折角冒険者になったのにまだ1度もクエストを達成出来た事がないんです。だから無理を承知で……失礼を承知で言ってます。どうかお願いします!私とパーティを組んで頂けませんか⁉」
彼女の言葉もまた、混じりけの無い本心だった――。
涙ぐみながら頭を下げる彼女を見て、俺はそんな彼女と何時かの自分が重なって見えたんだ……。
彼女も俺と同じ。
信じていた仲間に捨てられ追放された。しかも単純に彼女は俺よりその回数が多いだろう。同じ俺にはよく分かる。
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