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第40召喚 ギルド名が決定しました

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「エディング装備商会から大金を……」

 そう口にした瞬間、アーサーの脳裏にはバットの顔が浮かび上がった。

(そう言えばバットの奴、あれから全くアカデミーにも来なくなったけど一体何しているんだろうか。まさかまた下らない事をしてる訳じゃないよな?)

 アーサーがバットの現状を知るのはもう少し後のお話。

「いただきます」
「うわ、シェリル! って……な、何だ、その格好はッ!?」
「格好?」

 アーサーがイヴと話していると、いつの間にかお風呂から上がったシェリルが小さな食卓の前に座っていた。しかもエレインから借りた洋服1枚だけを着て。

 つまりギリギリ下着は見えていない。
 だが服の下から伸びる綺麗な白い肌の足がアーサーの理性を攻撃していた。しかも座っているせいで、恐らく位置を動かせばパ〇ツが見える。
 アーサーはそんな妄想と同時に何度見ても綺麗だと思えるシェリルの顔に見惚れつつ、更に彼女の顔よりももう少し下に位置する、服の上からでも分かるその豊満なおっ〇いを見て生唾を呑み込んでいた。

「うわッ、お兄ちゃん今シェリルの事いやらしい目で見てたでしょ! きも。マジ最っ低!」
「な、な、何を馬鹿な事を言い出すんだエレイン……ッ! そんな訳ないだろ!」

 図星だったアーサーは逆ギレ的対応。
 男が気付いていないと思っているだけのそのいやらしい視線は、儚くも女性陣にはちゃんと気付かれてしまっているものだ。そしてアーサーにとって最も最悪だったのは、気付かれた相手がシェリル本人ではなく妹のエレインであった事だ。

「お腹いっぱい、ご馳走さま~! アーサー様。そんなに見たいなら私の見せてあげよっか。2人でイケない事でもしましょうよアーサー様ぁ」

 火に油を注ぐかの如く、悪戯にアーサーの耳元で囁くモルナ。
 その隣で我関せずの表情で黙々とご飯を食べるシェリル。
 向かいで兄の信じられない行動に冷めた視線を送るエレイン。
 そしてそんなアーサーを見て不敵に笑っているイヴ。

 ある意味ダンジョンよりも怖いこのカオスな状況に、アーサーは断末魔の叫びを上げた。

「うわああああああ! と、とりあえずもう皆僕を放っておいてくれぇッ! 頼む!」

 こうして、アーサー達は今日という1日を終える。

**

~ダンジョン・メインフロア~

 あれからなんやかんやで早1週間が経過。
 その後も日課であったフロア周回をしながら日々を過ごしていたアーサー達は、遂に今日大きな決断を下した――。

「リリアさん、ギルド申請お願いします!」

 イヴからギルド設立を言い渡されたこの1週間、アーサーは自分なりにギルド経営の事を調べてみた。すると、確かに手続きなどの細かい申請は面倒であったが、アーサーはこのままソロで活動するよりもギルドを設立した方が得だと判断したのだ。

 ギルド設立のメリットとしてはこれまたイヴの言う通り、ただハンターとして稼ぐよりも自分達のギルドの実績として積み上げた方が後々メリットが大きい。エディング装備商会のような大きな商会と契約が出来ればアーティファクトや仕事を回してもらえ、結果安定して収入を得る事が可能に。

 それに単純に人数がいる事で同時に色々な事もこなせる。
 そうなれば報酬は勿論ギルドメンバーで山分けとなるが、それでも勇者のシェリルや獣人族のモルナがメンバーとなればアーサーにとってはこの上なく心強かった。

 寧ろ一応このギルドのマスターとして、「ギルドの経営は私に任せて!」と快く引き受けてくれたモルナや「ご主人様のご命令とあれば何でも」と自分よりも明らかに知名度も実績もあるシェリル達の分までちゃんと報酬を稼げるのか、アーサーはそっちの方が心配であった。

「あら、遂に決まったのね。ギルド名」
「はい。散々迷った挙句にまだ迷っていますが」
「フフフ。名前なんてそのうち慣れるわよ。大事なのは中身。人もギルドもね」

 リリアは大きな胸を揺らしながらアーサーにそう言うと、彼から受け取った紙に書かれたギルド名を登録し始めた。

「え~と、ギルド『円卓《えんたく》の団《だん》』――っと」
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