13 / 52
第13話 決意の一歩
しおりを挟む
アッシュがラシェッド軍に加わってから一ヶ月程経った。まだまだ慣れないことばかりで不安もあるが、廊下で挨拶する程度の相手は何人か出来た。そんな時期である。
ラシェッドの呼び出しに応じて私室へ赴くと、同志としての柔和な笑顔ではなく、厳しい城主としての顔で出迎えられた。
ついに来たか、とアッシュは緊張して城主の言葉を待った。
「アッシュ、村を一つ潰してこい――」
「畏まりました」
あまりにもあっさりと承諾したせいか、ラシェッドの方が肩透かしを食らった気分であった。こいつは本当に理解しているのか、と不安になったくらいである。
「命じておいてなんだが、同胞を殺す事に抵抗は無いのか?」
「国を荒らす盗賊や、人身売買を行う輩、質の悪い邪教者など、人間と敵対し殺した事も何度かありますので」
「敵対者ならば殺せる、か。ならば敵でなければ?」
普通の民間人を殺せるのか、それで何とも思わないのか。アッシュは暫し言葉に詰まったが、感情を切り替えた。
「ご命令とあらば」
明らかに無理をしている様子に、ラシェッドは一息ついて、背を椅子に預けた体勢を取った。
「成程、城主として君の覚悟は確かに受け取った。だがこれは友人として聞こう。本当に大丈夫か?」
「国王の首を取る時だけ呼んでください、とは当然いきません。僕もラシェッド軍の一員として、成すべき事をしたいと考えています」
「ふむ、それは結構な事だ」
「……ただ、都合の良い本心を申しますと、子供は殺したくありません」
その言葉が何を意味するのか、ラシェッドは素早く過去の記憶を辿った。
アッシュは内通を疑われ、彼の家族は国王に処刑された。その中には十歳にもならない妹が含まれていた。子供を殺したくないというのは、そうした事情も絡んでいるのだろう。
ここで子供殺しを強要すれば、アッシュが国王を見限った様に、ラシェッドにも失望するかもしれない。
(馬鹿が反面教師になってくれたのだ、同じ轍を踏む事はあるまい……)
ラシェッドが何と声をかけてやろうかと思案していると、先にアッシュが口を開いた。
「村を潰せとの命でしたが、村の者共を支配すべきか、一人残らず殲滅するべきか、いかが致しましょう?」
「ふむ……」
支配するという発想そのものが無かった。多くの魔物にとって、人間の肉は美味なる好物である。襲って良しと許可する事自体が褒美となる。人間の村を支配下に置こうというアッシュの意見には、些か興味を引かれた。
「人間を飼って、どんなメリットがあるか聞かせてもらおうか。ああ、人間養殖所というのは無しだぞ。考えた事はあるが、産むにも育つにも効率が悪い。取れる肉量も少ないしな」
世間話の様に語られ、少し引き気味のアッシュであったが、よくよく考えれば魔族にとって別種族をそう扱うのは、何ら不思議ではない。人間が牛や豚を飼うのと変わりないのだから。
悪趣味だの残酷だのと非難する権利はない。アッシュは既に“こちら側”だ。それも自ら望んでの。
「“税”を取ります」
「人間の金貨になど興味は無いぞ」
貨幣とは、国の信用があって初めて成立するものだ。それがなければただの貴金属に過ぎない。人間を買収してスパイに仕立て上げるのには使えるだろうが、用途はそのくらいである。
分かっています、とアッシュは深く頷いた。
「農作物や食料を税として納めさせます。魔族の方々は畑を耕したりは……していませんよね?」
「していない訳ではないが、ごく一部だけだな。戦う為に生まれた種族は、食料を働いて集める事を軟弱と見る風潮がある」
「なればこそ、魔族は軟弱である人間を滅ぼしきれぬのです」
新参者が魔族の方針に口出しをしてきた。余計なお世話であり、場合によっては罪である。アッシュも口が滑ったと自覚し、気まずそうな顔で黙ってしまった。ラシェッドも聞いた刹那は不快であったが、このまま流してしまうのも虫の居所が悪い。
嫌な話だから聞きたくない、というのは城主として許されぬ行為であり、愚劣な男と陰口を叩かれるのは、知性派の魔族というプライドを持つラシェッドには耐え難い事であった。
「……いいさ、続けてくれたまえ」
「食糧が少ないから大規模な計画が立てづらく、籠城されるとすぐに撤退を余儀なくされます。また、食糧がなくなれば同族で奪い合い、食い合います。敵を人間だけに絞りきれていないのです」
お前ら内輪揉めばかりやっているから人間に勝てないんだよ、そう言われたも同然であった。悲しい事に、ラシェッドにも思い当たる事は多々ある。彼自身、多くの同胞を食って今の地位にあるのだ。
魔族は当たり前に戦って奪う事を名誉としており、負けて命を落とすのであればそれはそれで仕方がない、という価値観を持っている。畑を耕していれば、戦いから逃げた臆病者というレッテルを張られるまで。
ラシェッド城では厨房に関わる者が農耕をやっている程度で、幹部らの食事は賄えるが、下級兵達は普段から森に入って狩りをしたり木の実を食べていたりと、自給自足で生きるのが現状だ。
ラシェッドもこのままではまずいと理解はしている。しかし、部下達に畑を耕せなどと命令すれば、一斉に離反しかねないのだ。まずは人間達に農耕をやらせて税を取り、食糧の安定供給の有用性を周知させてから、ゴブリンの様なそれなりの知能とそれなりの社会性を持つ種族に任せてもいいかもしれない。
「いいだろう。村をひとつ君に預けようじゃないか」
「ありがとうございます」
「ただし、駐屯している兵は皆殺しにしろ」
「……はい」
アッシュは緊張した顔で頷いた。当然だろう、と納得とまではいかないが、理解はしていた。これはアッシュが戦力として使えるかどうかのテストであり、人間の敵にする事で、逃げ道を失くす為の処置だ。敵戦力の戦える者を残しておく意味もない。
出発はいつか、どれだけ兵を付けるかを話し合い、アッシュが退室しようとすると、
「待て」
と、ラシェッドは何かを思い出した様に呼び止めた。を鳴らすと、隣室で控えていたのか、ヴェロニカが音もたてずに入室した。
どうぞ、と差し出されたのは漆黒のマントと、顔を覆い目だけが開いた、雪の如く真っ白な仮面であった。
「これは?」
「いきなり人間と殺し合うのも、思うところが色々とあるだろう。素性を隠していた方が何かとやりやすいのでは、と考えてね」
ラシェッドの気遣いに、アッシュは胸の奥に熱さと痛みを覚えた。勇者パーティとして旅立つ日に、国王から渡された物は何だっただろうか。
(小銭と、ひのきの杖……だったか)
思い出すと惨めになってきた。
甘やかすと本人の為にならない、成長を促す為に敢えて心を鬼にしている、などともっともらしいことを言っていたが、警護の兵士よりもずっと劣る装備はどうなのだろう。装備が貧弱なせいで、命を落としたりした身としてはたまったものではない。
国王は魔王討伐を任せたのではなく、責任を押し付けたのだ。自分達は華々しく送り出されたのではない、乞食のように追い払われたのだ。
ラシェッドの優しさと、今までの惨めさに泣けてきそうで、涙を堪こらえるのが精一杯であった。
「因みに、そのマントはヴェロニカが縫ったのだよ」
「そうでしたか。ありがとうヴェロニカ、大事に使わせてもらうよ」
マントと仮面を両手で持ったまま、ヴェロニカに頭を下げた。
「ご武運をお祈りしております」
ヴェロニカも優雅に礼を返す。
アッシュは踵を返し、背筋を伸ばして退室した。
人と人とが殺し合う凄惨な戦いになるだろう。
それでも、自ら望んだ戦いだ――。
ラシェッドの呼び出しに応じて私室へ赴くと、同志としての柔和な笑顔ではなく、厳しい城主としての顔で出迎えられた。
ついに来たか、とアッシュは緊張して城主の言葉を待った。
「アッシュ、村を一つ潰してこい――」
「畏まりました」
あまりにもあっさりと承諾したせいか、ラシェッドの方が肩透かしを食らった気分であった。こいつは本当に理解しているのか、と不安になったくらいである。
「命じておいてなんだが、同胞を殺す事に抵抗は無いのか?」
「国を荒らす盗賊や、人身売買を行う輩、質の悪い邪教者など、人間と敵対し殺した事も何度かありますので」
「敵対者ならば殺せる、か。ならば敵でなければ?」
普通の民間人を殺せるのか、それで何とも思わないのか。アッシュは暫し言葉に詰まったが、感情を切り替えた。
「ご命令とあらば」
明らかに無理をしている様子に、ラシェッドは一息ついて、背を椅子に預けた体勢を取った。
「成程、城主として君の覚悟は確かに受け取った。だがこれは友人として聞こう。本当に大丈夫か?」
「国王の首を取る時だけ呼んでください、とは当然いきません。僕もラシェッド軍の一員として、成すべき事をしたいと考えています」
「ふむ、それは結構な事だ」
「……ただ、都合の良い本心を申しますと、子供は殺したくありません」
その言葉が何を意味するのか、ラシェッドは素早く過去の記憶を辿った。
アッシュは内通を疑われ、彼の家族は国王に処刑された。その中には十歳にもならない妹が含まれていた。子供を殺したくないというのは、そうした事情も絡んでいるのだろう。
ここで子供殺しを強要すれば、アッシュが国王を見限った様に、ラシェッドにも失望するかもしれない。
(馬鹿が反面教師になってくれたのだ、同じ轍を踏む事はあるまい……)
ラシェッドが何と声をかけてやろうかと思案していると、先にアッシュが口を開いた。
「村を潰せとの命でしたが、村の者共を支配すべきか、一人残らず殲滅するべきか、いかが致しましょう?」
「ふむ……」
支配するという発想そのものが無かった。多くの魔物にとって、人間の肉は美味なる好物である。襲って良しと許可する事自体が褒美となる。人間の村を支配下に置こうというアッシュの意見には、些か興味を引かれた。
「人間を飼って、どんなメリットがあるか聞かせてもらおうか。ああ、人間養殖所というのは無しだぞ。考えた事はあるが、産むにも育つにも効率が悪い。取れる肉量も少ないしな」
世間話の様に語られ、少し引き気味のアッシュであったが、よくよく考えれば魔族にとって別種族をそう扱うのは、何ら不思議ではない。人間が牛や豚を飼うのと変わりないのだから。
悪趣味だの残酷だのと非難する権利はない。アッシュは既に“こちら側”だ。それも自ら望んでの。
「“税”を取ります」
「人間の金貨になど興味は無いぞ」
貨幣とは、国の信用があって初めて成立するものだ。それがなければただの貴金属に過ぎない。人間を買収してスパイに仕立て上げるのには使えるだろうが、用途はそのくらいである。
分かっています、とアッシュは深く頷いた。
「農作物や食料を税として納めさせます。魔族の方々は畑を耕したりは……していませんよね?」
「していない訳ではないが、ごく一部だけだな。戦う為に生まれた種族は、食料を働いて集める事を軟弱と見る風潮がある」
「なればこそ、魔族は軟弱である人間を滅ぼしきれぬのです」
新参者が魔族の方針に口出しをしてきた。余計なお世話であり、場合によっては罪である。アッシュも口が滑ったと自覚し、気まずそうな顔で黙ってしまった。ラシェッドも聞いた刹那は不快であったが、このまま流してしまうのも虫の居所が悪い。
嫌な話だから聞きたくない、というのは城主として許されぬ行為であり、愚劣な男と陰口を叩かれるのは、知性派の魔族というプライドを持つラシェッドには耐え難い事であった。
「……いいさ、続けてくれたまえ」
「食糧が少ないから大規模な計画が立てづらく、籠城されるとすぐに撤退を余儀なくされます。また、食糧がなくなれば同族で奪い合い、食い合います。敵を人間だけに絞りきれていないのです」
お前ら内輪揉めばかりやっているから人間に勝てないんだよ、そう言われたも同然であった。悲しい事に、ラシェッドにも思い当たる事は多々ある。彼自身、多くの同胞を食って今の地位にあるのだ。
魔族は当たり前に戦って奪う事を名誉としており、負けて命を落とすのであればそれはそれで仕方がない、という価値観を持っている。畑を耕していれば、戦いから逃げた臆病者というレッテルを張られるまで。
ラシェッド城では厨房に関わる者が農耕をやっている程度で、幹部らの食事は賄えるが、下級兵達は普段から森に入って狩りをしたり木の実を食べていたりと、自給自足で生きるのが現状だ。
ラシェッドもこのままではまずいと理解はしている。しかし、部下達に畑を耕せなどと命令すれば、一斉に離反しかねないのだ。まずは人間達に農耕をやらせて税を取り、食糧の安定供給の有用性を周知させてから、ゴブリンの様なそれなりの知能とそれなりの社会性を持つ種族に任せてもいいかもしれない。
「いいだろう。村をひとつ君に預けようじゃないか」
「ありがとうございます」
「ただし、駐屯している兵は皆殺しにしろ」
「……はい」
アッシュは緊張した顔で頷いた。当然だろう、と納得とまではいかないが、理解はしていた。これはアッシュが戦力として使えるかどうかのテストであり、人間の敵にする事で、逃げ道を失くす為の処置だ。敵戦力の戦える者を残しておく意味もない。
出発はいつか、どれだけ兵を付けるかを話し合い、アッシュが退室しようとすると、
「待て」
と、ラシェッドは何かを思い出した様に呼び止めた。を鳴らすと、隣室で控えていたのか、ヴェロニカが音もたてずに入室した。
どうぞ、と差し出されたのは漆黒のマントと、顔を覆い目だけが開いた、雪の如く真っ白な仮面であった。
「これは?」
「いきなり人間と殺し合うのも、思うところが色々とあるだろう。素性を隠していた方が何かとやりやすいのでは、と考えてね」
ラシェッドの気遣いに、アッシュは胸の奥に熱さと痛みを覚えた。勇者パーティとして旅立つ日に、国王から渡された物は何だっただろうか。
(小銭と、ひのきの杖……だったか)
思い出すと惨めになってきた。
甘やかすと本人の為にならない、成長を促す為に敢えて心を鬼にしている、などともっともらしいことを言っていたが、警護の兵士よりもずっと劣る装備はどうなのだろう。装備が貧弱なせいで、命を落としたりした身としてはたまったものではない。
国王は魔王討伐を任せたのではなく、責任を押し付けたのだ。自分達は華々しく送り出されたのではない、乞食のように追い払われたのだ。
ラシェッドの優しさと、今までの惨めさに泣けてきそうで、涙を堪こらえるのが精一杯であった。
「因みに、そのマントはヴェロニカが縫ったのだよ」
「そうでしたか。ありがとうヴェロニカ、大事に使わせてもらうよ」
マントと仮面を両手で持ったまま、ヴェロニカに頭を下げた。
「ご武運をお祈りしております」
ヴェロニカも優雅に礼を返す。
アッシュは踵を返し、背筋を伸ばして退室した。
人と人とが殺し合う凄惨な戦いになるだろう。
それでも、自ら望んだ戦いだ――。
172
お気に入りに追加
848
あなたにおすすめの小説

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる