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第5章~創造とエデンと2つの力
65 歴史は繰り返す(オチ)
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♢♦♢
~海上ギルド~
昨夜は大いに盛り上がった。
海上ギルドが完成した事は勿論、ずっと知りたかったこの力の事も知れたし、何よりロセリーヌさんやイェルメスさんまでもが覚醒するとは誰も思わなかったからね。
昨日の今日でまだギルド自体をしっかり見ていないけど、一般的なギルドの何十倍と言う広さだ。3階建てで高さもあるが、ここからでもスコッチ村や海を一望できる様に更に高い見張り台まである。
朝焼けに照らされ海面がキラキラと反射し、心地よい潮風と静かな波の音が聞こえる。
「ぐがぁー……ごがぁー……!」
「……もう飲めないって!……むにゃむにゃ」
それと、あちこちで寝ている皆の寝言やいびきもね。
色々と興奮してアドレナリンが出ていたのか、朝早く目覚めた僕は皆を起こさない様静かにギルドを見て回っているところ。
ギルドに見張り台、それから横には船などを置いておく大きな小屋も完備されている。そしてその全てを繋ぐ足場。海面から1m程の高さに設置された木の通路を歩いていると、まるで海の上を散歩しているかの様な気分になる。
トビオさん達には本当に素晴らしいギルドを造ってもらった。
「――あ、おはようイェルメスさん。起きていたんですね?」
「ああ、おはよう。歳よりは目覚めが早くてな」
「全然歳には見えないんですけどね……怖いぐらいに」
「ハハハ。見た目以上に体は正直だからな。君も後30年もすれば分かるだろう」
僕は何気なく、昨夜の話の続きをした。
「それにしても……昨夜は驚きましたねイェルメスさん」
「全くだ。出来れば返したいぐらいだよ。この力をね」
「アハハハ……何かすいません本当に……」
「君が謝る事じゃない。人生と言うのはなるべくしてなるもの。全てが自然と言うなの運命に導かれているものさ」
「僕は何十年経ったらそんな事が言える様になるんだろう……」
「まぁこれは私の“元仲間”の受け売りだがね」
「それってひょっとしてシスターですか?」
「ハハハ。想像に任せるよ」
昨夜のバタバタが嘘みたいに、時間の流れがゆっくりに感じるなぁ。僕もこの余裕さを身に着けたいよ。いつも自分の感情に疲れちゃう。
「ところでイェルメスさん。朝からこんな話で申し訳ないんですが、昨夜のバースとロストの話……あれで1つ気になったことがあって」
「構わんよ。何だい?」
「あの、確か第一次を治めた人がバースとロストの力を合わせた……つまり、エデンの力によって封じ込めたんですよね?今の形に。
それって結局は、バースとロストの2つの力は、エデンの力や他の方法でも消滅させれないって事なんですか?」
「んー……その答えは難しい。何度も言うが、幾ら私でも全てを知る訳ではないからね。でも、彼がエデンの力を以てしても、2つの力を消滅させられないと感じたからこそ今の形に封じ込めた。
だがやはり2つの力を封じ込めるだけでは、根本的な解決にはなっていない。何百年単位とはいえ、大魔戦が起きているのは事実だからな」
やっぱり“そこ”だよね問題は。
昨日話を聞いた後に1度ゆっくり自分でも考えてみたんだけど、エデンの力で無理ならどうすればいいんだろう?
このままだと遅かれ早かれ、何時かの時代で必ず起こってしまうんだ。これから先の未来でも。
「これはあくまで私の推測でしかないが……バースとロストは元々、アダムスとイブリアが口にした不老不死の実が
始まり。
もしかすると、2つの力を完全に消滅させる事は不可能でも、その2つの力を再び1つにし、エデンの力でまた不老不死の実として元に戻す事は出来るのかも知れない――」
「本当ですか……⁉」
「勿論何の根拠もない。奇跡的な可能性の話さ」
イェルメスさんの推測は一理ある……。完全に無くす事が出来ないなら、その不老不死の実とかいう最初の形に力を戻せるんじゃないだろうか?
全ての始まりはアダムスとイブリアが実を口にしてしまった事。話を聞いた限り、それまでは争いなんて起きていなかったんだから。
「その実を口にするまでは争いなんてなかった。ダメ元で試してみる価値は十分あると思います僕は」
「そうか。でもまぁ他にも方法があるかもしれない。私もダメ元で調べてみるつもりさ」
イェルメスさんがダメ元でって事は、それだけ情報や手掛かりがない未知の領域なんだねやっぱ。
もうなるようにしかならない感じだけど、せめてロストの力を持った人が滅茶苦茶良い人であります様に。最早そう祈るしかない。後でロセリーヌさんに祈りの基本を教えてもらおう……。
「でも、何故そのアダムスとイブリアは実を口にしたのかな?」
「ハハハ。それも確かな事は言えん。軽い気持ちで口にしたのか、興味や好奇心か。はたまた神へのちょっとした出来心なのか。それは分からぬ。人の気持ちなど本人にしか分からぬからな結局は」
「まぁそうですよね」
「ただ語り継がれている神話では……不老不死の実を口にする様、“そそのかした者”がいたとも言われている――」
「そそのかした……? 一体誰が?」
「“ルルサタン”と呼ばれる聖霊だ。神カオスは人間以外にも多くの種族を創造したが、聖霊もその1つ。聖霊達は異世界ファーストを見守る神カオスの代わりの存在として生み出されたとされている。
しかし、ある日その聖霊のうちの1体であるルルサタンが、聖霊族の住む天界から出て行った。自らの意志なのか追放されたのかも定かではないが、天界から出たルルサタンは地上へと降り、アダムスとイブリアに接触した。
ルルサタンは不老不死の実の事を当然知っていただろう。
その上で、ルルサタンはアダムスとイブリアをそそのかし、実を口にさせたと言われている。疑う事などしない、純粋なアダムスとイブリアを欺いた始まりとも言える事かもな」
そんな事があったのか……。
とても想像出来ない遠い昔の話の筈なのに、何故だかアダムスやイブリアやルルサタンの存在に親近感みたいなものを抱く。きっとそれは、今の僕達の時代でも根本が同じだからかな。
「何か切ない話ですよね……。アダムスとイブリアは、争いなど想像もしていなかっただろうし」
「そうだな。ルルサタンは2人を欺く為、人の姿ではなく“蛇”に変化したとも言われている。これは余談だがな」
「何故蛇に……?」
「ハハハ。そこに大した理由はないだろう。アダムスとイブリアは動物ととても仲が良かったとされているからな。恐らくそれを利用したのかもしれない」
「悪い奴ですねルルサタンは。だから聖霊達に追い出されたんですよきっと」
「分からんぞ。逆にルルサタンも聖霊達に裏切られたりした可能性もある。憎しみは憎しみしか生まぬからな」
「まぁその可能性もありますね……」
「ルルサタンはその後も人間の対立に加担したと言われているからな。それに人間以外にも獣人族や妖精族や様々なモンスター達の間でも、争いの火種を生んだらしい。結果それが現代の姿だな」
「歴史は繰り返されるって事ですね……結局」
「ネガティブに捉えるな。平和を築けばそれもまた繰り返され、当たり前となっていく。それが1番大事だ」
「そうですね」
その通りだな。後ろばかり見ず、先ずは前にある道を着実に進んで行こう。平和な世界の為に――。
イェルメスさんと話して、何か気持ちが軽くなったな。
「ああ、そう言えば蛇で思い出した。これは話に関係ないかなりの余談だが……ルルサタンが蛇に姿を変えた後、奴の存在もまた何千万年と生まれ変わり、それが現代では“リヴァイアサン”とされているという説もあるらしい」
なッ……⁉⁉
「冒険者なら勿論知っているだろう? この異世海に存在する筈だから、何時か出くわすかもな。ハハハハ」
「な、何だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
まさかのオチ。
何の因果か、驚き過ぎて物凄い声を出してしまった。
この僕の叫びにより、寝ていた皆が起きたのは言うまでもない――。
~海上ギルド~
昨夜は大いに盛り上がった。
海上ギルドが完成した事は勿論、ずっと知りたかったこの力の事も知れたし、何よりロセリーヌさんやイェルメスさんまでもが覚醒するとは誰も思わなかったからね。
昨日の今日でまだギルド自体をしっかり見ていないけど、一般的なギルドの何十倍と言う広さだ。3階建てで高さもあるが、ここからでもスコッチ村や海を一望できる様に更に高い見張り台まである。
朝焼けに照らされ海面がキラキラと反射し、心地よい潮風と静かな波の音が聞こえる。
「ぐがぁー……ごがぁー……!」
「……もう飲めないって!……むにゃむにゃ」
それと、あちこちで寝ている皆の寝言やいびきもね。
色々と興奮してアドレナリンが出ていたのか、朝早く目覚めた僕は皆を起こさない様静かにギルドを見て回っているところ。
ギルドに見張り台、それから横には船などを置いておく大きな小屋も完備されている。そしてその全てを繋ぐ足場。海面から1m程の高さに設置された木の通路を歩いていると、まるで海の上を散歩しているかの様な気分になる。
トビオさん達には本当に素晴らしいギルドを造ってもらった。
「――あ、おはようイェルメスさん。起きていたんですね?」
「ああ、おはよう。歳よりは目覚めが早くてな」
「全然歳には見えないんですけどね……怖いぐらいに」
「ハハハ。見た目以上に体は正直だからな。君も後30年もすれば分かるだろう」
僕は何気なく、昨夜の話の続きをした。
「それにしても……昨夜は驚きましたねイェルメスさん」
「全くだ。出来れば返したいぐらいだよ。この力をね」
「アハハハ……何かすいません本当に……」
「君が謝る事じゃない。人生と言うのはなるべくしてなるもの。全てが自然と言うなの運命に導かれているものさ」
「僕は何十年経ったらそんな事が言える様になるんだろう……」
「まぁこれは私の“元仲間”の受け売りだがね」
「それってひょっとしてシスターですか?」
「ハハハ。想像に任せるよ」
昨夜のバタバタが嘘みたいに、時間の流れがゆっくりに感じるなぁ。僕もこの余裕さを身に着けたいよ。いつも自分の感情に疲れちゃう。
「ところでイェルメスさん。朝からこんな話で申し訳ないんですが、昨夜のバースとロストの話……あれで1つ気になったことがあって」
「構わんよ。何だい?」
「あの、確か第一次を治めた人がバースとロストの力を合わせた……つまり、エデンの力によって封じ込めたんですよね?今の形に。
それって結局は、バースとロストの2つの力は、エデンの力や他の方法でも消滅させれないって事なんですか?」
「んー……その答えは難しい。何度も言うが、幾ら私でも全てを知る訳ではないからね。でも、彼がエデンの力を以てしても、2つの力を消滅させられないと感じたからこそ今の形に封じ込めた。
だがやはり2つの力を封じ込めるだけでは、根本的な解決にはなっていない。何百年単位とはいえ、大魔戦が起きているのは事実だからな」
やっぱり“そこ”だよね問題は。
昨日話を聞いた後に1度ゆっくり自分でも考えてみたんだけど、エデンの力で無理ならどうすればいいんだろう?
このままだと遅かれ早かれ、何時かの時代で必ず起こってしまうんだ。これから先の未来でも。
「これはあくまで私の推測でしかないが……バースとロストは元々、アダムスとイブリアが口にした不老不死の実が
始まり。
もしかすると、2つの力を完全に消滅させる事は不可能でも、その2つの力を再び1つにし、エデンの力でまた不老不死の実として元に戻す事は出来るのかも知れない――」
「本当ですか……⁉」
「勿論何の根拠もない。奇跡的な可能性の話さ」
イェルメスさんの推測は一理ある……。完全に無くす事が出来ないなら、その不老不死の実とかいう最初の形に力を戻せるんじゃないだろうか?
全ての始まりはアダムスとイブリアが実を口にしてしまった事。話を聞いた限り、それまでは争いなんて起きていなかったんだから。
「その実を口にするまでは争いなんてなかった。ダメ元で試してみる価値は十分あると思います僕は」
「そうか。でもまぁ他にも方法があるかもしれない。私もダメ元で調べてみるつもりさ」
イェルメスさんがダメ元でって事は、それだけ情報や手掛かりがない未知の領域なんだねやっぱ。
もうなるようにしかならない感じだけど、せめてロストの力を持った人が滅茶苦茶良い人であります様に。最早そう祈るしかない。後でロセリーヌさんに祈りの基本を教えてもらおう……。
「でも、何故そのアダムスとイブリアは実を口にしたのかな?」
「ハハハ。それも確かな事は言えん。軽い気持ちで口にしたのか、興味や好奇心か。はたまた神へのちょっとした出来心なのか。それは分からぬ。人の気持ちなど本人にしか分からぬからな結局は」
「まぁそうですよね」
「ただ語り継がれている神話では……不老不死の実を口にする様、“そそのかした者”がいたとも言われている――」
「そそのかした……? 一体誰が?」
「“ルルサタン”と呼ばれる聖霊だ。神カオスは人間以外にも多くの種族を創造したが、聖霊もその1つ。聖霊達は異世界ファーストを見守る神カオスの代わりの存在として生み出されたとされている。
しかし、ある日その聖霊のうちの1体であるルルサタンが、聖霊族の住む天界から出て行った。自らの意志なのか追放されたのかも定かではないが、天界から出たルルサタンは地上へと降り、アダムスとイブリアに接触した。
ルルサタンは不老不死の実の事を当然知っていただろう。
その上で、ルルサタンはアダムスとイブリアをそそのかし、実を口にさせたと言われている。疑う事などしない、純粋なアダムスとイブリアを欺いた始まりとも言える事かもな」
そんな事があったのか……。
とても想像出来ない遠い昔の話の筈なのに、何故だかアダムスやイブリアやルルサタンの存在に親近感みたいなものを抱く。きっとそれは、今の僕達の時代でも根本が同じだからかな。
「何か切ない話ですよね……。アダムスとイブリアは、争いなど想像もしていなかっただろうし」
「そうだな。ルルサタンは2人を欺く為、人の姿ではなく“蛇”に変化したとも言われている。これは余談だがな」
「何故蛇に……?」
「ハハハ。そこに大した理由はないだろう。アダムスとイブリアは動物ととても仲が良かったとされているからな。恐らくそれを利用したのかもしれない」
「悪い奴ですねルルサタンは。だから聖霊達に追い出されたんですよきっと」
「分からんぞ。逆にルルサタンも聖霊達に裏切られたりした可能性もある。憎しみは憎しみしか生まぬからな」
「まぁその可能性もありますね……」
「ルルサタンはその後も人間の対立に加担したと言われているからな。それに人間以外にも獣人族や妖精族や様々なモンスター達の間でも、争いの火種を生んだらしい。結果それが現代の姿だな」
「歴史は繰り返されるって事ですね……結局」
「ネガティブに捉えるな。平和を築けばそれもまた繰り返され、当たり前となっていく。それが1番大事だ」
「そうですね」
その通りだな。後ろばかり見ず、先ずは前にある道を着実に進んで行こう。平和な世界の為に――。
イェルメスさんと話して、何か気持ちが軽くなったな。
「ああ、そう言えば蛇で思い出した。これは話に関係ないかなりの余談だが……ルルサタンが蛇に姿を変えた後、奴の存在もまた何千万年と生まれ変わり、それが現代では“リヴァイアサン”とされているという説もあるらしい」
なッ……⁉⁉
「冒険者なら勿論知っているだろう? この異世海に存在する筈だから、何時か出くわすかもな。ハハハハ」
「な、何だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
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