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第5章~創造とエデンと2つの力
60 歴史は繰り返す②
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古くから語り継がれるこの神話が何処まで真実かは分からぬが、逆を言えば世界を揺るがす力が確実に2つは存在し、それによって世界大魔戦が3度も起きているという真実がある。
それと同時に、この3度の世界大魔戦はアダムスの力とイブリアの力が決まって“対立”しているのだ。長年の歴史からアダムスの力を“バース”と呼び、またイブリアの力を“ロスト”と呼んでいる。初めてアダムスとイブリアの力の実を口にした者達以降、その力は人の命と共にずっと生まれ変わりを続けているそうだ……。
誰が力を手にするのかは全く分からない。だがこの力は不思議な事に、互いを引き寄せ合っているとも言われている。
3度の世界大魔戦の中でも第一次は比較にならない程大規模であり、死者や被害が最大級であった。常に血と狂気に満ちた争いは凄まじく冷酷非道。長い歴史の中で最も最悪な戦争とされている。
当時、第一次世界大魔戦のきっかけとなるバースの力を受け継いだ者が、バースの力とロストの力……そしてそれによって生まれてしまう脅威や争いを2度と生ませない為に、その者は命懸けでこの2つの力をまとめ抑えようとした。
しかし結果は失敗――。
見事ロストの力を持った者に勝ち2つの力を手にした彼は、後に神の魔力と語られる凄まじい魔力を手にした。
それは余りに常人離れした驚異的な力であり神秘的な力であった……。まさに神と語られるに相応しい力であったと言われている。
それこそ神が如く、“何でも出来る”と思える感覚の魔力であったらしい。
そしてその者は直感で感じ取った……。何でも出来るとさえ思えるこの力を以てしても、“この力自体を消滅させる”事は不可能であると――。
だからこそ彼は、バースとロストの力を少しでも弱らせようと2つの力を限りなく封じ込め、また2つに分断させた。それが彼に出来た最善策であったそうだ。
それから約1000年後に第二次、そこから更に500年後に第三次世界大魔戦が起きる事となったが、彼が力を抑制した事により少しだけ争いの規模や被害が小さく済んだ。
第一次とそれ以降で最も違う点はやはりバースとロストの力。彼によって2つの力は“一定条件”の枷を付けられた。
力を受け継いだ者の9割はそもそも己の真実の力に気付かない。気付いたとしても、強大な力を完璧に使いこなす事が極めて困難だ。だが100%安全という事は決してない。その証拠が第二次と第三次である。
せめてもの救いが、第二次でも第三次でも、2つの力が最大限まで覚醒されていなかった事。それこそが第一次を収めた彼の最後の策。
肝心なバースとロストの力を完全に引き出す一定条件と言うのが……受け継いだ者が先ずその力に気付き覚醒させるという事。そして力を1人で発揮出来ない様にする為、受け継いだ者が自分以外の“対象者9人”を覚醒させなければならないという事。
自分を含めた10人が揃って初めて、受け継いだ者に真の力が解放されると言われているのだ――。
第二次と第三次の規模が幾分か小さくなった要因はそこ。第二次でも第三次でも、それぞれバース軍とロスト軍に力を解放すると言われる対象者が全員は揃っていなかったそうだ。
明確な数は明らかとなっていないが、どちらの大魔戦でも両軍とも2~6人程だったらしい。
対象者となる9人の条件こそ一切情報が分からないらしく、年齢、性別、職種、種族、魔力、強さ、冒険者ランクに身長、体重まで、対象者には何の共通点もない全くのランダムだそうだ。
だがたった1つだけ、何の共通点もない対象者達に唯一あった共通点が……“紋章”――。
それだけが分かっている。
その紋章は不思議な光と共に体に浮かび上がり、対象者の力を何倍も増幅させると言われている。
どうだ……?
長くてややこしい、加えて大昔から語り継がれている神話みたいな話だからまるでピンとこないと思うが、それでも“今の自分”に少なからず似た部分があり、思い当たる節が0ではないのでは?……ジルよ――」
言葉が出ない。
話の規模が大きすぎて、まるで理解が追いつかない……。
いや……イェルメスさんの話は、今まで読んだどの書物よりも分かりやすかった。
自分が思っていた以上のスケールの大きさに、僕自身が全然受け入れられていないんだ……。
まさか僕の力がそんなに強大なものだったなんて、とてもじゃないけど信じられません。
「ハッハッハッハッ! 確かに君の力は今の話にとてもよく似ているが、まだ確定した訳じゃない。気負い過ぎるでない」
「ハハハ……。そ、そうですよねぇ。まさか僕の力がそんな凄いものなんてッ……「いや、私の見解では十中八九バースの力だ――」
「なッ……⁉⁉」
終わった。
話の途中から物凄く嫌な感じがしていたけれど、パッと脳裏を過った最悪なシナリオをたった今付き尽きられてしまった。
嫌だ……。嘘であってくれ。頼む、お願いだ。
もうこれ以上僕の人生に波風を立てないでくッ……「起きるぞ。“第四次世界大魔戦”――」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ……!!」
僕の叫びは広い海に響き渡った――。
それと同時に、この3度の世界大魔戦はアダムスの力とイブリアの力が決まって“対立”しているのだ。長年の歴史からアダムスの力を“バース”と呼び、またイブリアの力を“ロスト”と呼んでいる。初めてアダムスとイブリアの力の実を口にした者達以降、その力は人の命と共にずっと生まれ変わりを続けているそうだ……。
誰が力を手にするのかは全く分からない。だがこの力は不思議な事に、互いを引き寄せ合っているとも言われている。
3度の世界大魔戦の中でも第一次は比較にならない程大規模であり、死者や被害が最大級であった。常に血と狂気に満ちた争いは凄まじく冷酷非道。長い歴史の中で最も最悪な戦争とされている。
当時、第一次世界大魔戦のきっかけとなるバースの力を受け継いだ者が、バースの力とロストの力……そしてそれによって生まれてしまう脅威や争いを2度と生ませない為に、その者は命懸けでこの2つの力をまとめ抑えようとした。
しかし結果は失敗――。
見事ロストの力を持った者に勝ち2つの力を手にした彼は、後に神の魔力と語られる凄まじい魔力を手にした。
それは余りに常人離れした驚異的な力であり神秘的な力であった……。まさに神と語られるに相応しい力であったと言われている。
それこそ神が如く、“何でも出来る”と思える感覚の魔力であったらしい。
そしてその者は直感で感じ取った……。何でも出来るとさえ思えるこの力を以てしても、“この力自体を消滅させる”事は不可能であると――。
だからこそ彼は、バースとロストの力を少しでも弱らせようと2つの力を限りなく封じ込め、また2つに分断させた。それが彼に出来た最善策であったそうだ。
それから約1000年後に第二次、そこから更に500年後に第三次世界大魔戦が起きる事となったが、彼が力を抑制した事により少しだけ争いの規模や被害が小さく済んだ。
第一次とそれ以降で最も違う点はやはりバースとロストの力。彼によって2つの力は“一定条件”の枷を付けられた。
力を受け継いだ者の9割はそもそも己の真実の力に気付かない。気付いたとしても、強大な力を完璧に使いこなす事が極めて困難だ。だが100%安全という事は決してない。その証拠が第二次と第三次である。
せめてもの救いが、第二次でも第三次でも、2つの力が最大限まで覚醒されていなかった事。それこそが第一次を収めた彼の最後の策。
肝心なバースとロストの力を完全に引き出す一定条件と言うのが……受け継いだ者が先ずその力に気付き覚醒させるという事。そして力を1人で発揮出来ない様にする為、受け継いだ者が自分以外の“対象者9人”を覚醒させなければならないという事。
自分を含めた10人が揃って初めて、受け継いだ者に真の力が解放されると言われているのだ――。
第二次と第三次の規模が幾分か小さくなった要因はそこ。第二次でも第三次でも、それぞれバース軍とロスト軍に力を解放すると言われる対象者が全員は揃っていなかったそうだ。
明確な数は明らかとなっていないが、どちらの大魔戦でも両軍とも2~6人程だったらしい。
対象者となる9人の条件こそ一切情報が分からないらしく、年齢、性別、職種、種族、魔力、強さ、冒険者ランクに身長、体重まで、対象者には何の共通点もない全くのランダムだそうだ。
だがたった1つだけ、何の共通点もない対象者達に唯一あった共通点が……“紋章”――。
それだけが分かっている。
その紋章は不思議な光と共に体に浮かび上がり、対象者の力を何倍も増幅させると言われている。
どうだ……?
長くてややこしい、加えて大昔から語り継がれている神話みたいな話だからまるでピンとこないと思うが、それでも“今の自分”に少なからず似た部分があり、思い当たる節が0ではないのでは?……ジルよ――」
言葉が出ない。
話の規模が大きすぎて、まるで理解が追いつかない……。
いや……イェルメスさんの話は、今まで読んだどの書物よりも分かりやすかった。
自分が思っていた以上のスケールの大きさに、僕自身が全然受け入れられていないんだ……。
まさか僕の力がそんなに強大なものだったなんて、とてもじゃないけど信じられません。
「ハッハッハッハッ! 確かに君の力は今の話にとてもよく似ているが、まだ確定した訳じゃない。気負い過ぎるでない」
「ハハハ……。そ、そうですよねぇ。まさか僕の力がそんな凄いものなんてッ……「いや、私の見解では十中八九バースの力だ――」
「なッ……⁉⁉」
終わった。
話の途中から物凄く嫌な感じがしていたけれど、パッと脳裏を過った最悪なシナリオをたった今付き尽きられてしまった。
嫌だ……。嘘であってくれ。頼む、お願いだ。
もうこれ以上僕の人生に波風を立てないでくッ……「起きるぞ。“第四次世界大魔戦”――」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ……!!」
僕の叫びは広い海に響き渡った――。
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