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第七章【鬼の国】

第百二十二話 アーティファクト

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「これ、貰ったの?」

 首にかかっていたペンダントをくいっと持ち上げられる。

「うん。ダメだった?」

「これ、アーティファクトだよ」

「アーティファクト?」

 何か聞いたことある。

「すごく昔の魔道具って言ったらいいかな。今とは比べ物にならないくらいの技術で作られた物だよ」

「すごい物なの?」

「うん。小さなお城くらいは買えるかもね」

「へ?お城?」

 とんでもない単位にビックリする。

「嫉妬する」

 その言葉に、ネックレスを外す。布団の外にお盆があったので、そこにカツンと置いた。

「エッチする時は外す」

 まあ、アクセサリー類はお風呂入る前に外して、朝起きたらつけるから、夜はしないんだけど。

「マリヤ、大好き」

 エリオネルは本当に嫉妬していたのか、良い笑顔になっていた。
 上から乗られて、エリオネルの重みに幸せを感じる。

「俺も大好きだよ」

 彼の逞しい上半身に腕を回した。




「ね、ちょっともうムリ」

 4ラウンド目に入ろうとしている。もうお腹はいっぱいだし、疲れてきていた。

「今日は一日中したい」

 正直、船に乗ってたときは休憩入れてたとはいえ、3日もしっぱなしだったので、できないことはないが、いかんせんペースが早すぎる。

「もう、3回もしたでしょ?」

「3回しかしてないよ」

「3回しか!?ウソでしょ?」

 エリオネルの言い方に、本当に毎回セーブしていたのだと気付かされた。

「じゃあ、後1回だけ」

「うん。あと1回なら……」

「やった!」

 あの、無邪気に喜んでるの可愛いんだけど、剛直が刺さったままなんです。

「あんっ」

 エリオネルが動いた時に変な声が出た。ビックリして口を両手で押さえる。

「可愛い声が出たね?」

 あっ、イジワルな顔好きっ。器用に片眉だけを上げて、意地悪な顔をしたエリオネルに、繋がった部分をキュンキュンと締め付けてしまった。

「は、締め付けすぎだよ」

「だって……」

 カッコよかったんだもの。それに、わざとじゃない。

「マリヤの感じてる顔、可愛すぎ」

「あ……」

 エリオネルはたくさん可愛いって言ってくれる。それが嬉しくてたまらない。
 彼の腰がゆるゆると動き始めた。同時に、自分の喉から甘い声が出始める。何度聞いても自分の声じゃないみたいだ。

「あ、はっ、んっ、んん」

 全然声が抑えられない。恥ずかしいし、はしたないと思うのに。

「エリ…オネル」

「ん?」

 エリオネルが腰を止めてこちらを伺う。その顔が優しさで満ちていて、泣きそうになった。

「俺の声、変じゃない?」

「変?どこが?とっても可愛いよ」

「でも、はしたなくない?」

 はしたないと言われても抑えられないんだけど……

「はしたなくなんて無いよ。扇状的だとは思うけど」

 せんじょうてき……

 何だか自分とはかけ離れた言葉に、一瞬別の人の話かなと思ってしまった。

「マリヤ?自分がどれだけ魅力的かまだわかってないの?
いい……とりあえず後でね」

「あ、ああっ!」

 エリオネルが抽挿を再開した。すぐに思考が霧散し、何も考えられなくなる。

「ん、……んっ、あ、あんっ」

「誰にも、見せたくない」

 俺も。欲情してるエリオネル、誰にも見せたくない。
 俺だけに見せる表情も、綺麗な体も、全部俺だけにして。

「エリオネル、だいすき」

「私も大好きだよ、マリヤ」

 エリオネルに穿たれながら、幸せを噛み締める。

 ずっと一緒に居たい。

「エリオネル」

「ずっと愛してるよ」

 気持ちが通じたのだろうか。エリオネルが愛しいという目で俺を見る。

 最近、涙腺が壊れてるみたい。

 泣きながら突かれて、幸せすぎて胸がいっぱいになった。
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