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第七章【鬼の国】

第百十七話 一生、私のもの

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「も、エリオネル」

「なに?」

 絶対わかって聞いている。

 ずる、と指が抜けていって、すぐに大きい質量のモノが充てがわれた。引き込むように入り口がぱくぱくと動く。

「マリヤ、ちゃんとおねだりして?」

 ………おねだり?

 いやだけど、言わないとしてもらえない。閉じている目をぎゅっとして覚悟を決めた。


「エリオネルの、おちんちん、いれてっ」


 ぐぐっとエリオネルが挿入ってくる。

 大きな質量にじっと我慢していると、ズパンッといきなり奥まで挿れられて、チカチカっと星が舞った。

「よくできました」

「あ、あぁ……」

 いきなりの刺激に、全身が震える。ガクガクと体が揺れて、射精してしまった。

「挿れただけでイくの、エロすぎる」

 さわっとお腹を撫でられて、快感が増す。イッたばかりだからか、どこを触られても敏感になりすぎて泣いてしまいそうだ。

「触っちゃだめぇっ」

「可愛い」

 チクッと左肩に近い所にキスマークをつけられる。しばらくキスマークをつけていたエリオネルは、唐突に腰を動かし始めた。

「あ!あ、はっ、おっきぃ」

「くっ、どろどろに溶けそう」

 気持ちいいってことだろうか?咥えさせられている所と中が熱くて、本当に溶けてしまうんじゃないかと思わされる。

 ずちゅ、ずちゅ、と秘部からいやらしい水音がしていた。

「あっ、あ、はんっ、ん」

「はー、エロすぎる」

 その言葉と、繋がっている部分を指で広げられて、そこを見られてるのがわかる。

「やっ、みちゃ、やぁ」

「マリヤは、私だけを感じてて」

 そんなの、ずっと感じてる!感じすぎてもうムリ!

「エリオネル、目隠し外して」

 すぐに手拭いが外されて、目が慣れるのに少しかかる。外された場所が涼しい。

「目、見ながらしたい」

 ゆっくりエリオネルが体勢を変えてくれた。抜くのが嫌だというのを覚えててくれて、少しのことだけど嬉しくなる。
 向き合わさって、エリオネルの顔が見えた。優しい眼差しで俺を見るエリオネルに胸の鼓動が早くなっていく。

「だいすき」

「マリヤ、愛してる」

 前は、エリオネルの愛してるに応えられなかった。

「俺も、愛してる」

 愛してるって言えることが嬉しい。泣きたいくらい嬉しくて、涙目になってきた。

 優しい瞳も、甘い唇も、逞しい体も。全部が大好きで、愛してる。

「愛してるよ、エリオネル」

 ぐちゅんと最奥を突かれて、声にならない悲鳴を上げた。そのまま、パンパンと腰を打ちつけられ、たまらない気持ちになる。
 エリオネルの形を覚え込まされた腸壁が、気持ちいいというように彼の剛直に絡みついた。

 目を見て愛を囁かれたら、何もかもがどうでもよくなる。投げやりな気持ちではなくて、暖かくて多幸感に溢れていた。

「一生、私のものだ、マリヤ」

 独占欲の塊のようなセリフに幸せを感じる。
 離さないでいてほしい。エリオネルだけのもので居させてほしい。
 そう願いながら、彼に抱かれた。



ーーーーーー



「大巫女さま?」

 次の日、大巫女という人が俺とエリオネルを呼んでいると嘉伯くんが伝えに来た。

「天に通じていて、神通力が使えるんだ」

 神通力は全くわからないけど、ともかくすごい人らしい。
 何故呼んでいるのかはわからないが、来て欲しいということだった。

 お城を出て、馬車に乗る。しばらく走っていると、階段が現れた。ちょっと待って、めっちゃ階段長いんだけど?
 その階段は、上が見えないくらいに長くて気が滅入る。馬車から降りると、後ろから来た馬車からリチアさんとアキトが降りて来た。

「マリヤさま!」

「アキト!元気だった?」

 アキトのさま呼びはいつまで経っても慣れない。こんな小さな子にさせなくても、と言ったが、周りが絶対ダメだといって聞かなかったのだ。

「元気だったよ」

「アキト、元気でした、でしょう。きちんとマリヤ様には敬語使って」

「元気でした、マリヤさま!」

 リチアさんもごっそり削げていた頬は、もうふっくらしていて、俺に物怖じすることもなくなって嬉しい。

「リチアさんも元気だった?」

「はい、お陰様で。本当に幸せです」

 にこっと笑っているリチアさんを見て、胸が熱くなる。最初に会った時のことは、俺の心に暗い影を落としていた。だから、リチアさんが幸せそうで、己のことのように嬉しい。
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