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第四章【学園都市】
第七十一話 聖者
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「エリオネル、泣いてる?」
笑ってたエリオネルが静かになって、肩が震えてるような気がした。腕が顔を覆っていて顔は見えない。
「泣いてないよ」
ぐい、と腕を下げると泣きそうな顔をしたエリオネルが居た。
「でも、泣きそうな顔してる」
「マリヤ、私から離れて行かないで」
エリオネルがぎゅっと俺を抱きしめる。
「何?どこも行かないし、行くなら一緒なんでしょ?」
「うん、うん」
「俺、エリオネルが思ってる以上にちゃんと好きだよ。一生一緒にいるんじゃないの?」
「うん。マリヤが私から離れていかないように頑張る」
「それは、俺も頑張る」
いつかエリオネルと離れるかもしれないと考えたら、胸がザワザワした。怖くなってエリオネルに抱きつく。
「エリオネルこそ、離れていかないで」
「離れないよ」
抱きしめられて、安堵する。この温もりが無くなるなんて考えたくなかった。
未来のことはわからない。だから、今を精一杯生きようと思った。
エリオネル、今はまだ言えないから、もうちょっとだけ待ってて。
ーーーーーー
宿屋を出て、皆と合流するとアリアムさんに泣かれた。何でも、結婚するって言い始めた相手が金髪でなくて、すごく心配していたらしい。
「アリアム、私は地球に行こうと思っている」
「え"っ……!!」
アリアムさんから変な声が出た。
「マリヤのこと、本気なんだ」
「こちらに残るという選択肢は……」
今のところ無いと言おうとしたエリオネルの口を塞いで止める。
「あの、俺が地球を諦められたら、あります」
「マリヤ様、ぜひこちらにお残りいただけるよう、全力を尽くします」
アリアムさんが膝をついて、お辞儀をした。カッコいっ。
「マリヤ!そんなこと言ったら……」
「いいの、俺もこっちに残る努力するから」
「マリヤ……」
ねぇ、皆の前でそんなに熱く見られたら恥ずかしい。
「はい、この話は終わり!」
エリオネルの顔をぐいーっと押してそらせた。
「そういえば、マリヤ様瞳の色変わっておられませんか?」
「あー、そうなんです。なんか、聖者ってのになったみたいで」
「聖者!!エリオネル様!!勝ちましたね!!!」
アリアムさんがバチボコ興奮している。うおーっと拳を上げ叫ぶ姿に若干引いた。
アリアムさん、こんなキャラだったっけ?
「アリアム、まだ残るかわからないから」
「失礼いたしました」
恥ずかしかったのか、咳払いをしたアリアムさんは元に戻った。
勝ったって王位継承権のことだろうか?聖者ってそんなにすごい存在なのかな。
「王位に何か関係あるんですか?」
「ありますとも!聖者様といえば、神殿でも最高位の存在、王家と神殿の二極化した勢力図が容易に変えられるのです。どの国も喉から手が出るほど欲しがるはずです。ですので、今以上に御身を大切にしてください」
「あー、了解です」
「ふふ、アリアム饒舌すぎ」
「エリオネル様!」
エリオネルに笑われたアリアムさんは、少し顔を赤くして、それが何だかおかしくて、幸せで、皆で笑い合った。
笑ってたエリオネルが静かになって、肩が震えてるような気がした。腕が顔を覆っていて顔は見えない。
「泣いてないよ」
ぐい、と腕を下げると泣きそうな顔をしたエリオネルが居た。
「でも、泣きそうな顔してる」
「マリヤ、私から離れて行かないで」
エリオネルがぎゅっと俺を抱きしめる。
「何?どこも行かないし、行くなら一緒なんでしょ?」
「うん、うん」
「俺、エリオネルが思ってる以上にちゃんと好きだよ。一生一緒にいるんじゃないの?」
「うん。マリヤが私から離れていかないように頑張る」
「それは、俺も頑張る」
いつかエリオネルと離れるかもしれないと考えたら、胸がザワザワした。怖くなってエリオネルに抱きつく。
「エリオネルこそ、離れていかないで」
「離れないよ」
抱きしめられて、安堵する。この温もりが無くなるなんて考えたくなかった。
未来のことはわからない。だから、今を精一杯生きようと思った。
エリオネル、今はまだ言えないから、もうちょっとだけ待ってて。
ーーーーーー
宿屋を出て、皆と合流するとアリアムさんに泣かれた。何でも、結婚するって言い始めた相手が金髪でなくて、すごく心配していたらしい。
「アリアム、私は地球に行こうと思っている」
「え"っ……!!」
アリアムさんから変な声が出た。
「マリヤのこと、本気なんだ」
「こちらに残るという選択肢は……」
今のところ無いと言おうとしたエリオネルの口を塞いで止める。
「あの、俺が地球を諦められたら、あります」
「マリヤ様、ぜひこちらにお残りいただけるよう、全力を尽くします」
アリアムさんが膝をついて、お辞儀をした。カッコいっ。
「マリヤ!そんなこと言ったら……」
「いいの、俺もこっちに残る努力するから」
「マリヤ……」
ねぇ、皆の前でそんなに熱く見られたら恥ずかしい。
「はい、この話は終わり!」
エリオネルの顔をぐいーっと押してそらせた。
「そういえば、マリヤ様瞳の色変わっておられませんか?」
「あー、そうなんです。なんか、聖者ってのになったみたいで」
「聖者!!エリオネル様!!勝ちましたね!!!」
アリアムさんがバチボコ興奮している。うおーっと拳を上げ叫ぶ姿に若干引いた。
アリアムさん、こんなキャラだったっけ?
「アリアム、まだ残るかわからないから」
「失礼いたしました」
恥ずかしかったのか、咳払いをしたアリアムさんは元に戻った。
勝ったって王位継承権のことだろうか?聖者ってそんなにすごい存在なのかな。
「王位に何か関係あるんですか?」
「ありますとも!聖者様といえば、神殿でも最高位の存在、王家と神殿の二極化した勢力図が容易に変えられるのです。どの国も喉から手が出るほど欲しがるはずです。ですので、今以上に御身を大切にしてください」
「あー、了解です」
「ふふ、アリアム饒舌すぎ」
「エリオネル様!」
エリオネルに笑われたアリアムさんは、少し顔を赤くして、それが何だかおかしくて、幸せで、皆で笑い合った。
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