66 / 147
第四章【学園都市】
第六十五話 花の祭り
しおりを挟む
別れを終えて、俺たちは次の目的地シリアネイズに旅立った。
「はい、マリヤ」
「ん?何これ?」
四角い箱を渡される。パカっと開けると、俺の情報カードが入っていた。
「エリオネル!ありがと」
エリオネルに抱きつくと、彼はため息をついた。
「どうしたの?」
「本当は連絡取ってほしくないけど、マリヤのこと尊重したいから」
「エリオネル……」
本当に良くできた恋人すぎる。好き!
エリオネルに優しくキスすると、エリオネルが微笑んでくれたのがわかった。
「好き」
「私も大好きだよ」
グリグリと胸元に顔を埋める。エリオネルの胸筋が実は好きだ。弾力があって気持ちいい。
「マリヤ、この先で花の祭りがあるんだけど、一緒に行かない?」
「行きたい」
まだ、出発したばかりで、アンドラに近い所なので大きな町があるらしい。
そこでは、花の祭りと呼ばれる大きなお祭りがあるみたいだ。
エリオネルと出会ったのも、豊穣のお祭りだった。その時は、まさか恋人同士になるなんて思ってもみなかった。
ちょっと感慨深い。
花のお祭りも楽しいといいな。
ーーーーーー
町に着くと、準備で大忙しなのか、町の人は皆バタバタしていた。エリアシスでのお祭りを思い出す。
宿屋も満室だったが、どうやって取ったのか俺とエリオネルは部屋に入れた。
「マリヤ、この服に着替えて」
白い服を渡される。レースがついているが、白いためかあまり目立たない。
「綺麗だよ、マリヤ」
「エリオネルもカッコいい」
エリオネルは、俺とは反対に黒い服だった。こちらも珍しくレースがついている。いや、しかし似合うな。
ん?と言われて、鼻血が出そうになった。どんな服もカッコいいんだけど、あまりカッコいいと困る。
お祭りに行こうと言われて外に出ると、チラホラ白黒の服を着てるカップルを見かけた。お祭りでのイベントなのかもしれない。
白い服なので、あまり落ちないような食べ物を選んで食べ歩く。
「楽しいね、エリオネル」
横を向くと、蕩けるような笑顔のエリオネルが居た。周りの女性が何人か倒れる。
「もう、俺のなのに」
「マリヤも私のだよね」
ちゅ、と頬にキスされて、優越感に浸る。む、と口を出すと、口にも優しくキスしてくれた。
幸せすぎる。
「マリヤ、こっちについてきてくれる?」
そう言われて、小高い丘の上まで登ってきた。道中も花が咲き乱れていてすごかったが、丘の上は圧巻だった。
丘の上にはガゼボがあり、そこに入るとエリオネルが跪く。
「マリヤ・カンザキ」
「へ?……はい」
真剣そうなエリオネルに、いきなりフルネームで呼ばれて畏まる。
「私との結婚を真剣に考えてくれないだろうか?」
エリオネルは、懐から箱を出すと、箱を開いてこちらに差し出した。中には指輪が入っている。
(プロポーズじゃん!)
事態を理解して、体が熱ってきた。頭とか心臓とか、体全体がドクドクしている。
「マリヤが地球に戻りたいのもわかってる。だから、マリヤがどうしても地球に戻りたいなら、私がついて行くから……
私とこれから一生一緒に居ることを考えてくれないか?」
「それは、結婚するって返事じゃなくてもいいってこと?」
エリオネルは結婚しよう、ではなく、結婚を考えてほしいと言っている。それは、どういう意味なんだろうか?
「そうだよ。今すぐ婚約したいってことではなくて、マリヤにも私との未来を考えてほしい」
にもってことは、エリオネルはずっと考えてたってこと?
俺の中には、戸惑いも少しあったけど、嬉しいが勝っていた。
「はい、マリヤ」
「ん?何これ?」
四角い箱を渡される。パカっと開けると、俺の情報カードが入っていた。
「エリオネル!ありがと」
エリオネルに抱きつくと、彼はため息をついた。
「どうしたの?」
「本当は連絡取ってほしくないけど、マリヤのこと尊重したいから」
「エリオネル……」
本当に良くできた恋人すぎる。好き!
エリオネルに優しくキスすると、エリオネルが微笑んでくれたのがわかった。
「好き」
「私も大好きだよ」
グリグリと胸元に顔を埋める。エリオネルの胸筋が実は好きだ。弾力があって気持ちいい。
「マリヤ、この先で花の祭りがあるんだけど、一緒に行かない?」
「行きたい」
まだ、出発したばかりで、アンドラに近い所なので大きな町があるらしい。
そこでは、花の祭りと呼ばれる大きなお祭りがあるみたいだ。
エリオネルと出会ったのも、豊穣のお祭りだった。その時は、まさか恋人同士になるなんて思ってもみなかった。
ちょっと感慨深い。
花のお祭りも楽しいといいな。
ーーーーーー
町に着くと、準備で大忙しなのか、町の人は皆バタバタしていた。エリアシスでのお祭りを思い出す。
宿屋も満室だったが、どうやって取ったのか俺とエリオネルは部屋に入れた。
「マリヤ、この服に着替えて」
白い服を渡される。レースがついているが、白いためかあまり目立たない。
「綺麗だよ、マリヤ」
「エリオネルもカッコいい」
エリオネルは、俺とは反対に黒い服だった。こちらも珍しくレースがついている。いや、しかし似合うな。
ん?と言われて、鼻血が出そうになった。どんな服もカッコいいんだけど、あまりカッコいいと困る。
お祭りに行こうと言われて外に出ると、チラホラ白黒の服を着てるカップルを見かけた。お祭りでのイベントなのかもしれない。
白い服なので、あまり落ちないような食べ物を選んで食べ歩く。
「楽しいね、エリオネル」
横を向くと、蕩けるような笑顔のエリオネルが居た。周りの女性が何人か倒れる。
「もう、俺のなのに」
「マリヤも私のだよね」
ちゅ、と頬にキスされて、優越感に浸る。む、と口を出すと、口にも優しくキスしてくれた。
幸せすぎる。
「マリヤ、こっちについてきてくれる?」
そう言われて、小高い丘の上まで登ってきた。道中も花が咲き乱れていてすごかったが、丘の上は圧巻だった。
丘の上にはガゼボがあり、そこに入るとエリオネルが跪く。
「マリヤ・カンザキ」
「へ?……はい」
真剣そうなエリオネルに、いきなりフルネームで呼ばれて畏まる。
「私との結婚を真剣に考えてくれないだろうか?」
エリオネルは、懐から箱を出すと、箱を開いてこちらに差し出した。中には指輪が入っている。
(プロポーズじゃん!)
事態を理解して、体が熱ってきた。頭とか心臓とか、体全体がドクドクしている。
「マリヤが地球に戻りたいのもわかってる。だから、マリヤがどうしても地球に戻りたいなら、私がついて行くから……
私とこれから一生一緒に居ることを考えてくれないか?」
「それは、結婚するって返事じゃなくてもいいってこと?」
エリオネルは結婚しよう、ではなく、結婚を考えてほしいと言っている。それは、どういう意味なんだろうか?
「そうだよ。今すぐ婚約したいってことではなくて、マリヤにも私との未来を考えてほしい」
にもってことは、エリオネルはずっと考えてたってこと?
俺の中には、戸惑いも少しあったけど、嬉しいが勝っていた。
0
お気に入りに追加
180
あなたにおすすめの小説
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
チート魔王はつまらない。
碧月 晶
BL
お人好し真面目勇者×やる気皆無のチート魔王
───────────
~あらすじ~
優秀過ぎて毎日をつまらなく生きてきた雨(アメ)は卒業を目前に控えた高校三年の冬、突然異世界に召喚された。
その世界は勇者、魔王、魔法、魔族に魔物やモンスターが普通に存在する異世界ファンタジーRPGっぽい要素が盛り沢山な世界だった。
そんな世界にやって来たアメは、実は自分は数十年前勇者に敗れた先代魔王の息子だと聞かされる。
しかし取りあえず魔王になってみたものの、アメのつまらない日常は変わらなかった。
そんな日々を送っていたある日、やって来た勇者がアメに言った言葉とは──?
───────────
何だかんだで様々な事件(クエスト)をチートな魔王の力で(ちょいちょい腹黒もはさみながら)勇者と攻略していくお話(*´▽`*)
最終的にいちゃいちゃゴールデンコンビ?いやカップルにしたいなと思ってます( ´艸`)
※BLove様でも掲載中の作品です。
※感想、質問大歓迎です!!
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。
ようこそ異世界縁結び結婚相談所~神様が導く運命の出会い~
てんつぶ
BL
「異世界……縁結び結婚相談所?」
仕事帰りに力なく見上げたそこには、そんなおかしな看板が出ていた。
フラフラと中に入ると、そこにいた自称「神様」が俺を運命の相手がいるという異世界へと飛ばしたのだ。
銀髪のテイルと赤毛のシヴァン。
愛を司るという神様は、世界を超えた先にある運命の相手と出会わせる。
それにより神の力が高まるのだという。そして彼らの目的の先にあるものは――。
オムニバス形式で進む物語。六組のカップルと神様たちのお話です。
イラスト:imooo様
【二日に一回0時更新】
手元のデータは完結済みです。
・・・・・・・・・・・・・・
※以下、各CPのネタバレあらすじです
①竜人✕社畜
異世界へと飛ばされた先では奴隷商人に捕まって――?
②魔人✕学生
日本のようで日本と違う、魔物と魔人が現われるようになった世界で、平凡な「僕」がアイドルにならないと死ぬ!?
③王子・魔王✕平凡学生
召喚された先では王子サマに愛される。魔王を倒すべく王子と旅をするけれど、愛されている喜びと一緒にどこか心に穴が開いているのは何故――? 総愛されの3P。
④獣人✕社会人 案内された世界にいたのは、ぐうたら亭主の見本のようなライオン獣人のレイ。顔が獣だけど身体は人間と同じ。気の良い町の人たちと、和風ファンタジーな世界を謳歌していると――?
⑤神様✕○○ テイルとシヴァン。この話のナビゲーターであり中心人物。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
孤独な蝶は仮面を被る
緋影 ナヅキ
BL
とある街の山の中に建っている、小中高一貫である全寮制男子校、華織学園(かしきのがくえん)─通称:“王道学園”。
全学園生徒の憧れの的である生徒会役員は、全員容姿や頭脳が飛び抜けて良く、運動力や芸術力等の他の能力にも優れていた。また、とても個性豊かであったが、役員仲は比較的良好だった。
さて、そんな生徒会役員のうちの1人である、会計の水無月真琴。
彼は己の本質を隠しながらも、他のメンバーと各々仕事をこなし、極々平穏に、楽しく日々を過ごしていた。
あの日、例の不思議な転入生が来るまでは…
ーーーーーーーーー
作者は執筆初心者なので、おかしくなったりするかもしれませんが、温かく見守って(?)くれると嬉しいです。
学生のため、ストック残量状況によっては土曜更新が出来ないことがあるかもしれません。ご了承下さい。
所々シリアス&コメディ(?)風味有り
*表紙は、我が妹である あくす(Twitter名) に描いてもらった真琴です。かわいい
*多少内容を修正しました。2023/07/05
*お気に入り数200突破!!有難う御座います!2023/08/25
*エブリスタでも投稿し始めました。アルファポリス先行です。2023/03/20
【完結】魔力至上主義の異世界に転生した魔力なしの俺は、依存系最強魔法使いに溺愛される
秘喰鳥(性癖:両片思い&すれ違いBL)
BL
【概要】
哀れな魔力なし転生少年が可愛くて手中に収めたい、魔法階級社会の頂点に君臨する霊体最強魔法使い(ズレてるが良識持ち) VS 加虐本能を持つ魔法使いに飼われるのが怖いので、さっさと自立したい人間不信魔力なし転生少年
\ファイ!/
■作品傾向:両片思い&ハピエン確約のすれ違い(たまにイチャイチャ)
■性癖:異世界ファンタジー×身分差×魔法契約
力の差に怯えながらも、不器用ながらも優しい攻めに受けが絆されていく異世界BLです。
【詳しいあらすじ】
魔法至上主義の世界で、魔法が使えない転生少年オルディールに価値はない。
優秀な魔法使いである弟に売られかけたオルディールは逃げ出すも、そこは魔法の為に人の姿を捨てた者が徘徊する王国だった。
オルディールは偶然出会った最強魔法使いスヴィーレネスに救われるが、今度は彼に攫われた上に監禁されてしまう。
しかし彼は諦めておらず、スヴィーレネスの元で魔法を覚えて逃走することを決意していた。
【オメガバース】海芋の苞になりたい〜新婚旅行編〜
久乃り
BL
前作の続きになります。
新婚旅行編です。
アルファの一之瀬匡と後天性オメガの菊地和真の楽しい?新婚旅行の話です。
もちろん護衛でベータの島野も一緒に行きます。トラブルが起きないわけがなく、色々起きます。島野が「勘弁してくれ」と叫んだか、叫ばなかったか。
地味に前作の伏線回収などしております。
全ては、可愛い可愛い番の夢を叶えるために、一之瀬が用意した#新婚旅行#番届をSNSにアップするための行為です。
オメガバにありがちの当て馬とかがいるとかいないとか。そんなふわふわっとした設定です。
作品内で『○○』で表記されたセリフは、日本語では無い言葉の表記になります。ただし、何語かは不明。
他サイトにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる