青い薔薇と金色の牡丹【BL】

水月 花音

文字の大きさ
上 下
63 / 147
第四章【学園都市】

第六十二話 恋人

しおりを挟む
 エリオネルに解してもらうのも気持ち良くて好き。長いエリオネルの指が、良い所を擦る。

「は、アン、あっ、いいっ」

 でも、後ろに入れられると何も考えられなくなる。いつもグズグズになるまで解してくれるエリオネルは、余裕がないのか早々に指を引き抜いた。
 熱い楔が当たる時、トロトロになった蕾とチュ、とキスするみたいに音が鳴ってカッと体が熱る。

「あ……、は……んんっ」

 グプグプと熱い楔を飲み込んでいく。昨日したからか、いつもより苦しくない。

「あ、エリオネルのお腹いっぱい」

「クッ……」

 ほどよい圧迫感でお腹がいっぱいに感じて、エリオネルのが入っているお腹を撫でた。
 それに我慢できないというように、エリオネルが腰を打ちつけ始める。俺の言葉一つでいっぱいいっぱいになるエリオネルが可愛い。

「本当に、本当に!」

「あ、あん、だめっ、アッ」

 気持ちよくなりすぎて、ダメになりそう。もうなってるかも。

「マリヤ、愛してる」

「おかし…くなるっ」

 その上、愛なんて囁かれたら。もうダメ。目の前が白くなり始めた。

「一緒におかしくなろう」

 トロトロに甘やかされて、攻められてどうしようもなく気持ちいい。突き上げてくる楔が良い所に当たって、頭がチカチカしている。

 俺、エリオネル居なくちゃダメかも。




ーーーーーー




 5日目は何事もなく終わり、最終日になった。
 エリオネルはあいも変わらず女の子たちに囲まれている。
 頑張ってかわしてくれているのはわかるのだが、それ以上に生徒が多すぎる。俺の忍耐力もここまでのようだ。

「マリヤくん、怖い顔してるよ」

「ねぇ、もう十分我慢したから言ってもいいかな?」

「エリオネル先生と付き合ってるって?」

 アイオライトくんに平然と言われて面食らう。

「え!?知ってたの?」

「検討ついてたくらいだったんだけど、当たり?」

「うん」

「はー、直接聞くと堪える」

 アイオライトくんが長いため息をついた。そのまましゃがみ込んだアイオライトくんを心配して近づくと、ぐいっと引っ張られる。
 抱き込められて、頬からリップ音がした。

(へ……?)

「僕にしとかない?」

「マリヤに何してる!?」

 また、ぐいっと引っ張られる。エリオネルの匂いがして、彼に抱かれているのだとわかった。

「先生が放っとくからですよ」

「好きで放ってない!どれだけ私がマリヤとの時間を我慢してたか!」

 エリオネルがめっちゃキレてる。こんなエリオネル初めてだ。

「もう我慢しない!マリヤは私の恋人だから、誰も手を出さないで!」

 ちゅ、と今度はエリオネルに唇にキスされた。展開の早さについていけない。
 ぬるっと舌が入ってきて、それで意識がハッキリした。

「ん、んふっ…」

 ぎゅっと抱きしめられていて、離してもらおうにもびくともしない。ダメ、気持ちよくなっちゃう。ぴちゃ、ぴちゃ、と口から卑猥な音が聞こえて死にそうになった。

「あ、エリオネル……」

 とろんとした顔でエリオネルを見ると、膝から力が抜けた。

「聞こえた?誰にも渡さないから」

 横に抱き上げられたけど、抵抗する力がない。さっきからすごい悲鳴が聞こえる。
 エリオネルの腕の中からアイオライトくんを見ると、呆れたような表情をしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜

天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。 彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。 しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。 幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。 運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。

虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する

あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。 領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。 *** 王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。 ・ハピエン ・CP左右固定(リバありません) ・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません) です。 べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。 *** 2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。

【完結】帝国滅亡の『大災厄』、飼い始めました

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
 大陸を制覇し、全盛を極めたアティン帝国を一夜にして滅ぼした『大災厄』―――正体のわからぬ大災害の話は、御伽噺として世に広まっていた。  うっかり『大災厄』の正体を知った魔術師――ルリアージェ――は、大陸9つの国のうち、3つの国から追われることになる。逃亡生活の邪魔にしかならない絶世の美形を連れた彼女は、徐々に覇権争いに巻き込まれていく。  まさか『大災厄』を飼うことになるなんて―――。  真面目なようで、不真面目なファンタジーが今始まる! 【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう ※2022/05/13  第10回ネット小説大賞、一次選考通過 ※2019年春、エブリスタ長編ファンタジー特集に選ばれました(o´-ω-)o)ペコッ

【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。

N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間 ファンタジーしてます。 攻めが出てくるのは中盤から。 結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。 表紙絵 ⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101) 挿絵『0 琥』 ⇨からさね 様 X (@karasane03) 挿絵『34 森』 ⇨くすなし 様 X(@cuth_masi) ◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

炎よ永遠に

朝顔
BL
叔父の頼みを受けて、俺は世界有数の金持ちや、高貴な家柄の子息が集うウェストオーディン国の寄宿学校に途中入学することになる。 一族の名誉のために託された使命は、天国と呼ばれる特別に区切られた場所に入ること。そして、神と呼ばれる選ばれた人間から寵愛を受けることだった。 愛を知らず過去の傷に苦しめられながら生きる俺は、同じく愛を知らない男と出会う。 体を繋げることで、お互いの孤独を埋め合うように求め合うが、二人の行き着く先とは……。 西洋の現代に近いですが、架空設定。 日本以外の設定はゆるいです。 過去はシリアスですが、進行形は主人公が愛に目覚めて再生していくお話を目指しています。 重複投稿。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完結】『ルカ』

瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。 倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。 クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。 そんなある日、クロを知る青年が現れ……? 貴族の青年×記憶喪失の青年です。 ※自サイトでも掲載しています。 2021年6月28日 本編完結

処理中です...