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第二章【旅立ち】
第三十一話 お兄さん
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魔法は全部試せていないけど、結構使えることがわかったし、疲れてもいないので、魔力量も結構あるのではないかということだった。
魔法は旅の途中で色々試していくことになった。
「エリオネル、ウィラちゃん居なくなっちゃうの?」
「そうだね」
エリオネルはあまり言葉を発さず、困ったように笑った。俺もそれ以上のことが言えずに黙る。
夕飯は外へ食べに行くことになったので、渡された綺麗な服を着ることになった。上等の服に気後れする。
何とか着て、エリオネルの部屋に行くと、エリオネルもいつもよりカチッとした服に着替えていた。
その姿にぽーっとなる。
「エリオネル、カッコいい、、」
思っていたことが口から出て、顔に熱が集まった。
そんな俺の方を向いて、嬉しそうにエリオネルが微笑むから、心臓が口から出るかと思った。
「マリヤも似合っているよ」
近づいてきたエリオネルは、俺の髪をサラッと撫でて、照れもなくそんなことを言う。わかった、天然タラシってこういうことをいうんだ。
俺は真っ赤になった顔を隠すように、エリオネルを夕飯に急かす。
「いいから、早く行こう!」
そんな俺にクスクス楽しそうにエリオネルが笑った。くそー、そんな姿もカッコいい。
外へ食べに行くのは二人だそうで、エリオネルの夕飯にただ俺がついて行くって感じなのかな、と思った。
着いたのは大きめのレストランで、3階まで階段で上がって行く。
初めての高級そうなお店にドキドキし始めた。
「そんなに硬くならなくても、マリヤのマナーなら大丈夫だよ」
そんな風に言われて肩をポンポンされる。すると、心臓が少し落ち着いたのがわかった。
エリオネルが普段通りに話しかけてくれたからか、あまり緊張せずに夕飯は食べられた。二人でこうやって外で食事するとデートみたいで嬉しい。
ご飯を食べ終わると、レストラン内がザワザワし始めた。
「マリヤ、出ようか」
何だか神妙な面持ちになったエリオネルが、急かすように立ち上がる。ザワザワし始めたのと何か関係があるのだろう。
入って来た方と逆の階段から降りて行くと、入って来た方の階段から上がって行こうとしている人と目が合った。
「チッ」
近くから舌打ちが聞こえた気がしてビックリする。エリオネル舌打ちした!?今!?
煌びやかな洋服を着た、片目を金髪で隠した人がすごいスピードでこちらに来る。
「エリオネル、奇遇だな」
その間にエリオネルは、俺を自身の背後に隠した。
「お久しぶりです、兄さん」
(え!?エリオネルのお兄さん見たい!!)
俺はエリオネルのお兄さん見たさに、一瞬背後から顔を出してしまった。
お兄さんもエリオネルほどでないにしろ、イケメンだった。
お兄さんは俺を見ると、獲物を見つけたような表情をしてゾッとする。俺は咄嗟にエリオネルの後ろに隠れたが、やってしまったらしかった。
「誰かな?紹介してくれる?」
「貴方には紹介しません」
エリオネルは俺をお兄さんから隠しながら店を出ようとする。
その時、グイッと腕を引っ張られた。
「!!」
お兄さんに引っ張られて、前に出てしまう。そんな俺を見てお兄さんは、驚いた顔をした。
そして、バッと跪いて、俺の手を取った。
「美しい人、どうか、俺と結婚してください」
お兄さんがなぜが俺に求婚し始めた。冗談だと思って、ムリですーと言うと、なぜなのか、顔が良く家柄もこれ以上ないとかナルシストな発言が次から次へと出てくる。
エリオネルは、お兄さんの腕を思いっきり叩き落とすと、俺を押して足早に馬車に乗り込んだ。
魔法は旅の途中で色々試していくことになった。
「エリオネル、ウィラちゃん居なくなっちゃうの?」
「そうだね」
エリオネルはあまり言葉を発さず、困ったように笑った。俺もそれ以上のことが言えずに黙る。
夕飯は外へ食べに行くことになったので、渡された綺麗な服を着ることになった。上等の服に気後れする。
何とか着て、エリオネルの部屋に行くと、エリオネルもいつもよりカチッとした服に着替えていた。
その姿にぽーっとなる。
「エリオネル、カッコいい、、」
思っていたことが口から出て、顔に熱が集まった。
そんな俺の方を向いて、嬉しそうにエリオネルが微笑むから、心臓が口から出るかと思った。
「マリヤも似合っているよ」
近づいてきたエリオネルは、俺の髪をサラッと撫でて、照れもなくそんなことを言う。わかった、天然タラシってこういうことをいうんだ。
俺は真っ赤になった顔を隠すように、エリオネルを夕飯に急かす。
「いいから、早く行こう!」
そんな俺にクスクス楽しそうにエリオネルが笑った。くそー、そんな姿もカッコいい。
外へ食べに行くのは二人だそうで、エリオネルの夕飯にただ俺がついて行くって感じなのかな、と思った。
着いたのは大きめのレストランで、3階まで階段で上がって行く。
初めての高級そうなお店にドキドキし始めた。
「そんなに硬くならなくても、マリヤのマナーなら大丈夫だよ」
そんな風に言われて肩をポンポンされる。すると、心臓が少し落ち着いたのがわかった。
エリオネルが普段通りに話しかけてくれたからか、あまり緊張せずに夕飯は食べられた。二人でこうやって外で食事するとデートみたいで嬉しい。
ご飯を食べ終わると、レストラン内がザワザワし始めた。
「マリヤ、出ようか」
何だか神妙な面持ちになったエリオネルが、急かすように立ち上がる。ザワザワし始めたのと何か関係があるのだろう。
入って来た方と逆の階段から降りて行くと、入って来た方の階段から上がって行こうとしている人と目が合った。
「チッ」
近くから舌打ちが聞こえた気がしてビックリする。エリオネル舌打ちした!?今!?
煌びやかな洋服を着た、片目を金髪で隠した人がすごいスピードでこちらに来る。
「エリオネル、奇遇だな」
その間にエリオネルは、俺を自身の背後に隠した。
「お久しぶりです、兄さん」
(え!?エリオネルのお兄さん見たい!!)
俺はエリオネルのお兄さん見たさに、一瞬背後から顔を出してしまった。
お兄さんもエリオネルほどでないにしろ、イケメンだった。
お兄さんは俺を見ると、獲物を見つけたような表情をしてゾッとする。俺は咄嗟にエリオネルの後ろに隠れたが、やってしまったらしかった。
「誰かな?紹介してくれる?」
「貴方には紹介しません」
エリオネルは俺をお兄さんから隠しながら店を出ようとする。
その時、グイッと腕を引っ張られた。
「!!」
お兄さんに引っ張られて、前に出てしまう。そんな俺を見てお兄さんは、驚いた顔をした。
そして、バッと跪いて、俺の手を取った。
「美しい人、どうか、俺と結婚してください」
お兄さんがなぜが俺に求婚し始めた。冗談だと思って、ムリですーと言うと、なぜなのか、顔が良く家柄もこれ以上ないとかナルシストな発言が次から次へと出てくる。
エリオネルは、お兄さんの腕を思いっきり叩き落とすと、俺を押して足早に馬車に乗り込んだ。
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