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第二章【旅立ち】
第二十八話 離脱
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好きな相手が一緒に寝ようと言ってくれているのだ。断る理由なんかない。
エリオネルの俺より一回り大きな手を取ると、ドキドキしてくるのがわかった。
「エリオネル」
名前を呼ぶと優しく、何?と聞いてくれる。
「何でもない」
ふ、とウィラちゃんのことを思い出した。このまま告白したら、抜けがけになるよな。
明日の朝ウィラちゃんに報告しよう。余計に嫌われるけど、好きになってしまったものはしょうがない。
大きなベッドにエリオネルが寝転ぶ。ローブの胸元が開いて大変色っぽい。
待って、心臓が爆発しそう。これ、寝れないのでは?
そう思っていたが、疲れていたのか気づいたら意識がなかった。
ーーーーーー
「おはよう」
低音のボイスが寝起きの耳から入ってきて、ゾクゾクした。紫色の瞳が優しく俺を見つめている。
これは、俺じゃなくても好きになるだろ。不可抗力だ、こんなもん。
「ちょっと、ウィラちゃんに用事あるんだけど」
「ウィラに?」
エリオネルがウィラちゃんの名前を呼び捨てにしているのを聞いて、チクンと胸が痛む。
「どこの部屋?」
「ラブラドに聞いて、呼ぶから」
ベッド脇にある紐をエリオネルが引くと、カランカランとベルの音がして、すぐにノックが聞こえた。
エリオネルと違って普通着のまま寝ていた俺は、ラブラドさんに案内をお願いしてついていく。
ウィラちゃんの部屋に着くと、ノックをする。はーいと可愛い声が聞こえてきた。
「アンタなの?朝から何?」
呆れるように言うウィラちゃんに、部屋に入ってもいいか尋ねる。
「まあ、いいわよ」
「ありがとう」
「で?何?」
「あの、大変申し上げにくいんですが……」
「エリオネル様のこと好きになった?」
深くため息をついたウィラちゃんは、頭に手を当ててガックリしている。
「え!?何でわかっ!?」
「あのエリオネル様よ?あんなに優しくされて好きにならない方がおかしいわよ」
「本当にごめん!」
「でも、アンタ、エリオネル様に好きって言ったら冷たくされるんじゃないの?」
「え!?そう……なの?」
そういえば、好きにならないから優しくしてるって話をしたような……
「というか、二人見てたら何だか自信無くしてきたから、私はもうついていかないわ。これ以上冷たくされるのも、こんな状況見てるのも嫌」
「え!ウィラちゃん居なくなっちゃうの?」
「アンタに優しくしてるエリオネル様を見るの、本当に辛いの。これで万が一付き合い始めたら目も当てられないし」
ウィラちゃんの顔には疲労の色が見える。付き合ったらって、、まだ好きになって1日目だからか、そんな日が来るとは到底思えないんだけど。
確かにちょっとエリオネル俺のこと好きなのでは?と思わんでもないが、とんでもない自意識過剰の可能性も全然ある。
「確かに、ウィラちゃんとエリオネルが仲良くしてたらと思うと怖いな」
「アンタも見てたら被害者みたいなもんだし、あんまり私のことは気にしないで」
もう顔も見たくないから、さよならと言われて部屋を追い出された。
何だか拍子抜けしてしまった。ウィラちゃんは女の子で貴族なのに、旅についてくるくらいの熱量だと思っていたから、旅の間また微妙になると思っていたのに……
喜んでいいのか悲しんでいいのか複雑だ。
エリオネルの俺より一回り大きな手を取ると、ドキドキしてくるのがわかった。
「エリオネル」
名前を呼ぶと優しく、何?と聞いてくれる。
「何でもない」
ふ、とウィラちゃんのことを思い出した。このまま告白したら、抜けがけになるよな。
明日の朝ウィラちゃんに報告しよう。余計に嫌われるけど、好きになってしまったものはしょうがない。
大きなベッドにエリオネルが寝転ぶ。ローブの胸元が開いて大変色っぽい。
待って、心臓が爆発しそう。これ、寝れないのでは?
そう思っていたが、疲れていたのか気づいたら意識がなかった。
ーーーーーー
「おはよう」
低音のボイスが寝起きの耳から入ってきて、ゾクゾクした。紫色の瞳が優しく俺を見つめている。
これは、俺じゃなくても好きになるだろ。不可抗力だ、こんなもん。
「ちょっと、ウィラちゃんに用事あるんだけど」
「ウィラに?」
エリオネルがウィラちゃんの名前を呼び捨てにしているのを聞いて、チクンと胸が痛む。
「どこの部屋?」
「ラブラドに聞いて、呼ぶから」
ベッド脇にある紐をエリオネルが引くと、カランカランとベルの音がして、すぐにノックが聞こえた。
エリオネルと違って普通着のまま寝ていた俺は、ラブラドさんに案内をお願いしてついていく。
ウィラちゃんの部屋に着くと、ノックをする。はーいと可愛い声が聞こえてきた。
「アンタなの?朝から何?」
呆れるように言うウィラちゃんに、部屋に入ってもいいか尋ねる。
「まあ、いいわよ」
「ありがとう」
「で?何?」
「あの、大変申し上げにくいんですが……」
「エリオネル様のこと好きになった?」
深くため息をついたウィラちゃんは、頭に手を当ててガックリしている。
「え!?何でわかっ!?」
「あのエリオネル様よ?あんなに優しくされて好きにならない方がおかしいわよ」
「本当にごめん!」
「でも、アンタ、エリオネル様に好きって言ったら冷たくされるんじゃないの?」
「え!?そう……なの?」
そういえば、好きにならないから優しくしてるって話をしたような……
「というか、二人見てたら何だか自信無くしてきたから、私はもうついていかないわ。これ以上冷たくされるのも、こんな状況見てるのも嫌」
「え!ウィラちゃん居なくなっちゃうの?」
「アンタに優しくしてるエリオネル様を見るの、本当に辛いの。これで万が一付き合い始めたら目も当てられないし」
ウィラちゃんの顔には疲労の色が見える。付き合ったらって、、まだ好きになって1日目だからか、そんな日が来るとは到底思えないんだけど。
確かにちょっとエリオネル俺のこと好きなのでは?と思わんでもないが、とんでもない自意識過剰の可能性も全然ある。
「確かに、ウィラちゃんとエリオネルが仲良くしてたらと思うと怖いな」
「アンタも見てたら被害者みたいなもんだし、あんまり私のことは気にしないで」
もう顔も見たくないから、さよならと言われて部屋を追い出された。
何だか拍子抜けしてしまった。ウィラちゃんは女の子で貴族なのに、旅についてくるくらいの熱量だと思っていたから、旅の間また微妙になると思っていたのに……
喜んでいいのか悲しんでいいのか複雑だ。
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