bathroom【BL】

水月 花音

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 今日も、なんてカッコイイんだろう!



 いや、僕じゃなくてね。





「右京さん!」



 右京さんは、同じ町内に住んでるスッゴーいイケメンさん。
 180ある身長に、染めてない黒い髪。

 二重のたれ目がうっとりするほどカッコよくて、お母さんたちのアイドル的存在だ。ん?どちらかと言うと、俳優タイプ?
 高校生なのに、良い男って感じ。


 対する僕は、ちょー女顔。

 小学生だから、まだまだガキっぽいし……

 ま、性格がサバサバしてるから虐められたりとかはしてないし、どちらかと言えば美しい顔に不満はない。
 成長したら変わるでしょ。

「右京さん、今日もカッコイイ~」

 うっとりと眺めながら、右京さんの左手にまとわりつく。
 この筋肉質なところ、たまんない!

「そんなにすぐくっつくものじゃないよ」

 冷たく言われるが、僕の腕を振りほどいたことなんか一度もない。

「右京さんにしかしないから大丈夫」

 にっこり笑うと、それ以上何も言わなくなる。

「ね、右京さん!お家…また行ってもいい?」

 右京さんちは、冷暖房完備。
 お菓子もジュースも出てきて、勉強も教えてくれる。

 まさに天国!

 漫画もいっぱいあるし~♪
 右京さん、実はエッチなの持ってるの知ってるんだよね~。いつか見てやろうと目論んでる!

「綾兎さあ……」

 嫌そうな顔で右京さんが僕を見た。
 調子、乗っちゃったかな……?

「好きな人に嫌われるよ?」

 え、なに。
 それ、すっごく困るんですけど。

「右京さん…僕のこと、嫌い?」

「いや……俺は、嫌いじゃないけど」

「じゃあ、問題なーし」

「は?よく意味が分かんないんだけど」

 わかんなくていいよ。
 右京さんが、僕みたいなガキ対象じゃないのわかってるし。
 でも、好きになっちゃったのはしょうがないと思うんだ。

「ね、ね!今日英語教えて~」

「綾兎は勉強好きだな。そういう所は良いと思うよ」

 優しく微笑む右京さん。
 絶対に好きって言わないのは、勘違いさせないため?
 右京さんにとって、僕はその他大勢にしかすぎない。

 男の子だから、もしかしたらその中にも入れないかも……
 褒められて嬉しいはずなのに、なんだか胸がズキズキして悲しくなった。
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