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第7章:海竜の洞窟と美人漁師編
第16話:ブルータートル
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エルゼリアでのリズとの甘いひと時を終え、ポートルートに戻ってくる。
銃が完成した後、丸一日愛し合っていたので、戻ったころにはすっかり辺りは暗くなってしまっていた。
リズは新たな武器「クロムメタルガン」をみんなに見せびらかせて得意げな顔をしていた。
そんな彼女をセーラやキアラは微笑ましく見守り、ロウナとシレイドはその新しい武器に興味津々だった。
そして、翌日——。
「よし、リズの武器も新調できたし『海竜の洞窟』踏破するぞ!」
「「「「「おー!」」」」」
号令に元気よく返事をする五人。
海竜の洞窟は瘴気が薄いためワープができる。
ということで、早速ワープを行い、前回マーマンと戦った水場からの出発となった。
「リズ。今で大体どのくらい進んだか分かるか? それとも、反響が強くて分からないか?」
「うーん、大体三分の一くらいかなぁ……やっぱり魔力の反響が強くて、正確には分からないよ。マッピングはちゃんと使えるから、攻略に支障はないとは思うけど……」
俺の言葉にリズが答える。
「魔力の反響か……前回の時も気になったが、これしきのダンジョンでそのような現象が起こると思うか?」
「うーん、何とも言えませんね……この洞窟の壁自体が反響しやすい材質なのか……そうでなければ——」
「…………『強い魔力の干渉がある』」
キアラの問いかけに答えるセーラ。
その彼女の言葉に続けるようにシレイドが言う。
「『魔力の干渉』?」
「ええ。高度な魔法使いが敵を錯乱させるために使う技です。自分の魔力を空気中に混ぜて、濁らせる。そうすることで他者の探知魔法を阻害することができるのです」
俺の言葉に、セーラが答える。
「ただ、そんな高度なことができる魔物がいるなんてエルゼリア近辺では聞いたことがありません」
「王都の危険度Sクラスの魔物なら、しでかす可能性はあるんだがな……」
セーラの言葉にロウナも続く。
「もし、そんな大物がいるなら、前回の捜査の時に発見されてるはずだし、何より、ここまで瘴気が薄いわけがない。Sクラスの魔物なんていたら瘴気で空気はドロドロだ」
「なるほどな」
ロウナの言葉に俺は考えこむ。
瘴気が薄い……ということはS級以上の魔物ではない。
ただ、探知魔法が使えないということは、魔力の干渉の可能性がある。
うーむ、まだ分からんが、何か不可解なモノが潜んでいる可能性は十分にあるというわけか。
よく分からない不気味さを感じながら、洞窟を進む。
サハギンやマーマン、ウォーターエレメントとの戦闘は何度かあったが、リズの武器の新調のお陰もあってか、苦戦することなく進んでいる。
そのまま何事もなく、洞窟を三分の二くらい進んだところに差し掛かった。(リズの予測だが)
「みんな、前方に新たな敵だ……油断するな」
全員が戦闘態勢を取る。
前方に見えるのは、水に浮かぶ青い甲羅数個。
そう、全身真っ青な亀だ。
鑑定を行う。
名前:ブルータートル
危険度:B
説明:水辺に棲む亀の魔物。固い甲羅は武具だけでなく、生活用品にも活用されている。
素材:『青亀の甲羅』
そうこうしていると、あちら側が俺たちに気づいた。
そして、高速でスピンしながら突っ込んでくる。
「マズい! 避けろ!」
俺の声に反応し、皆が体当たりしてくるブルータートルを間一髪で避ける。
ドゴーン!!
岩場に突っ込んだ亀たちは、ニュイっと顔を出してこちらを睨みつける。
「なんて威力だ」
粉々になった岩場を見てロウナが呟く。
青亀は、再び回転しながらこちらに向かってくる。
その時——。
「任せて!!」
リズが前に出て、銃を構える。
「ヘビーショット!!」
ドウン!! ドウン!! ドウン!!
少量の魔力を帯びた弾丸は固い甲羅を易々と貫通していく。
弾丸を受けた亀は速度を失くして動かなくなる。
「あと二匹!! ヘビーショット!!」
リズが銃を撃った直後、ブルータートル二匹はホッピングし、弾を避けて向かってくる!
「あんなこともできるのか!?」
キアラが驚愕の声を上げている。
だが、ここまで数を減らせれば問題はない。
俺とロウナはリズの前に出て、構える。
「ルーンブレード!」
「そうら……よっ!!」
俺はルーンブレードで宙に浮かぶ亀を一刀両断。
ロウナは直撃に合わせて拳を振り、甲羅を砕いた。
「反応消滅! 倒せたよ!」
リズの声と共に、戦闘が終了する。
「少し驚いたが、何とかなったな」
「はい。もしものために光魔法も準備していましたが、必要なかったみたいですしね」
俺の言葉に微笑んで頷くセーラ。
どうやら、不意打ちや突飛のない攻撃さえくらわなければ、この辺りの通常の魔物は敵ではないようだ。
「……甲羅、剥ぎ取った」
シレイドが素材を持ってきてくれる。
「ありがとうな」
「むふー……♪」
頭を撫でてやると、満足げな笑みを漏らす。
こうして、俺たちは難なく洞窟の奥へ進んでいく。
銃が完成した後、丸一日愛し合っていたので、戻ったころにはすっかり辺りは暗くなってしまっていた。
リズは新たな武器「クロムメタルガン」をみんなに見せびらかせて得意げな顔をしていた。
そんな彼女をセーラやキアラは微笑ましく見守り、ロウナとシレイドはその新しい武器に興味津々だった。
そして、翌日——。
「よし、リズの武器も新調できたし『海竜の洞窟』踏破するぞ!」
「「「「「おー!」」」」」
号令に元気よく返事をする五人。
海竜の洞窟は瘴気が薄いためワープができる。
ということで、早速ワープを行い、前回マーマンと戦った水場からの出発となった。
「リズ。今で大体どのくらい進んだか分かるか? それとも、反響が強くて分からないか?」
「うーん、大体三分の一くらいかなぁ……やっぱり魔力の反響が強くて、正確には分からないよ。マッピングはちゃんと使えるから、攻略に支障はないとは思うけど……」
俺の言葉にリズが答える。
「魔力の反響か……前回の時も気になったが、これしきのダンジョンでそのような現象が起こると思うか?」
「うーん、何とも言えませんね……この洞窟の壁自体が反響しやすい材質なのか……そうでなければ——」
「…………『強い魔力の干渉がある』」
キアラの問いかけに答えるセーラ。
その彼女の言葉に続けるようにシレイドが言う。
「『魔力の干渉』?」
「ええ。高度な魔法使いが敵を錯乱させるために使う技です。自分の魔力を空気中に混ぜて、濁らせる。そうすることで他者の探知魔法を阻害することができるのです」
俺の言葉に、セーラが答える。
「ただ、そんな高度なことができる魔物がいるなんてエルゼリア近辺では聞いたことがありません」
「王都の危険度Sクラスの魔物なら、しでかす可能性はあるんだがな……」
セーラの言葉にロウナも続く。
「もし、そんな大物がいるなら、前回の捜査の時に発見されてるはずだし、何より、ここまで瘴気が薄いわけがない。Sクラスの魔物なんていたら瘴気で空気はドロドロだ」
「なるほどな」
ロウナの言葉に俺は考えこむ。
瘴気が薄い……ということはS級以上の魔物ではない。
ただ、探知魔法が使えないということは、魔力の干渉の可能性がある。
うーむ、まだ分からんが、何か不可解なモノが潜んでいる可能性は十分にあるというわけか。
よく分からない不気味さを感じながら、洞窟を進む。
サハギンやマーマン、ウォーターエレメントとの戦闘は何度かあったが、リズの武器の新調のお陰もあってか、苦戦することなく進んでいる。
そのまま何事もなく、洞窟を三分の二くらい進んだところに差し掛かった。(リズの予測だが)
「みんな、前方に新たな敵だ……油断するな」
全員が戦闘態勢を取る。
前方に見えるのは、水に浮かぶ青い甲羅数個。
そう、全身真っ青な亀だ。
鑑定を行う。
名前:ブルータートル
危険度:B
説明:水辺に棲む亀の魔物。固い甲羅は武具だけでなく、生活用品にも活用されている。
素材:『青亀の甲羅』
そうこうしていると、あちら側が俺たちに気づいた。
そして、高速でスピンしながら突っ込んでくる。
「マズい! 避けろ!」
俺の声に反応し、皆が体当たりしてくるブルータートルを間一髪で避ける。
ドゴーン!!
岩場に突っ込んだ亀たちは、ニュイっと顔を出してこちらを睨みつける。
「なんて威力だ」
粉々になった岩場を見てロウナが呟く。
青亀は、再び回転しながらこちらに向かってくる。
その時——。
「任せて!!」
リズが前に出て、銃を構える。
「ヘビーショット!!」
ドウン!! ドウン!! ドウン!!
少量の魔力を帯びた弾丸は固い甲羅を易々と貫通していく。
弾丸を受けた亀は速度を失くして動かなくなる。
「あと二匹!! ヘビーショット!!」
リズが銃を撃った直後、ブルータートル二匹はホッピングし、弾を避けて向かってくる!
「あんなこともできるのか!?」
キアラが驚愕の声を上げている。
だが、ここまで数を減らせれば問題はない。
俺とロウナはリズの前に出て、構える。
「ルーンブレード!」
「そうら……よっ!!」
俺はルーンブレードで宙に浮かぶ亀を一刀両断。
ロウナは直撃に合わせて拳を振り、甲羅を砕いた。
「反応消滅! 倒せたよ!」
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「少し驚いたが、何とかなったな」
「はい。もしものために光魔法も準備していましたが、必要なかったみたいですしね」
俺の言葉に微笑んで頷くセーラ。
どうやら、不意打ちや突飛のない攻撃さえくらわなければ、この辺りの通常の魔物は敵ではないようだ。
「……甲羅、剥ぎ取った」
シレイドが素材を持ってきてくれる。
「ありがとうな」
「むふー……♪」
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