【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第7章:海竜の洞窟と美人漁師編

第13話:ビーチにて

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「レオー! 早く来なよぉ!」
 水着姿のリズが、手を振って俺を呼んでいる。
 俺たちは今、全員水着に着替えてポートルートの町の近くの砂浜に来ている。
 リズ、シレイド、ロウナは、すでに海の中に入り水合戦をしているようだ。
 キアラとセーラは砂浜で、のんびりと寝そべって喋っている。
 リズの武器が出来上がる間の一週間、俺たちはポートルートでバカンスをすることになった。
 季節的にはもうすっかり秋だが、ここの気候は温暖で充分海で遊べるくらいだ。
 五人の水着姿は、言わずもがな眩しい。
 だが、俺はここ連日の6Pカーニバルで少し食傷気味である。
 なんとも贅沢な悩みだと分かっているが、色気溢れる彼女たちの水着を見ても、御起立せずに平常心を保てるくらいには冷静になっている。
 とりあえず、俺はリズたちの水合戦に交じることにした。
「ほら! レオ! 隙ありぃ!」
 バシャン!!
 リズが悪戯な笑みで水をかけてくる。
「やったなぁ……。ほれ!!」
「きゃはは! 冷たーい!」
 はしゃぐリズ。
「ご主人様!! 覚悟!!」
「……ざっぱーん!!」
 ロウナとシレイドも参戦してくる。
 なぜか三人とも標的が俺だ。
 まあ、相手にしてもらえないよりは全然良いだろう。
「おらああああ!! 三人ともまとめてかかってこーい!!」
 バシャバシャと水を掛け合ってはしゃぎまくる俺たち。
 こんな風に遊ぶなんて初めてかもしれない。
 元の世界じゃ、病気のせいもあって満足にこういうこともできなかったからな。
 しみじみ思いながら、幸せをかみしめる。

 そのまま三〇分ほど遊んだが、流石に疲れた。
 三対一だから、そりゃあそうか。
「ちょっとタイム。疲れたから休むよ」
「えー、レオ逃げるのー?」
「……ご主人様、負け逃げ」
「へなちょこだなぁ! ご主人様♪」
「すまんが、その手には乗らん。マジで疲れたから休む。海をなめるなよ」
 ビシッと指をさし、三人の挑発を躱して砂浜に上がる。

 と、そこにいたのは褐色肌の元気そうな女の子だった。
「あれ? 迷子かな? お嬢ちゃん、お名前は?」
「ルル!」
「何しにここに来たのかな? お母さんやお父さんはいるかな?」
「パパを探しに来たの! ママはお家にいるよ!」
 ふむ、やはり迷子か。父親と来てはぐれてしまったのかな。
 少し考えていると、砂浜の入り口から女の人が走ってくる。
「ルル!! 見つけた!! もう、こんなところまで来て!!」
 女の子に駆け寄る女性に見覚えがあった。
「あれ? タニスさん……?」
「え? おやまぁ、いつぞやの冒険者様かい?」
「ってことは、この子は……?」
「ん? ああ。あたしの娘だよ」
 俺の疑問に丸くした目をほころばせ、ニッコリと答えるタニスさん。
 なるほど、娘さんだったか……ということは『パパを探しに来たって』……。
「ダメじゃないか、一人でこんなところまで来て」
「だって、パパに会いたかったんだもん……」
「言ったろう? パパはもういないんだ、お星さまになったんだよ」
「うそだもん! 町の人が言ってた! パパはどこにいるか分からないんだって! パパを探そうよ! パパに会いたいよぉ! うえーん!」
 ルルの強い言葉に眉をハの字に曲げて困っているタニスさん。
 そしてバツが悪そうに「参ったね……」と呟いた。
「ルルちゃん。もし良かったら、お兄ちゃんたちと海で遊ばないか?」
「うう……ぐすっ……え……?」
 助け舟を出すように、俺はルルに提案した。
 解決できる問題なら解決すればいいだけだが、この問題はそうはいかない。
 とすれば、別のことで興味を引いて、気を紛らわせてあげるしかないと思ったからだ。
「お兄ちゃんたちと?」
「ああ、あそこで遊んでるお姉ちゃんたちも一緒に」
 先ほどから、キョトンとした顔でこちらを見ているリズたち。
 事情を説明すると、みんな快く首を縦に振ってくれた。
「えっと……その、いいのかい? 助かるけど……」
「ああ、構わないさ。どのみち、今日は遊びに来ていたんだ。ルルもストレスを解消できるだろうし一石二鳥だ」
 タニスさんにニッコリと答えてやる。
 ルルはすでに服のまま海にダイブしており、現在シレイドの大きな胸に抱きついている。
 困惑しながらもまんざらではなさそうなシレイドは、新鮮で面白いな。
 俺は、砂浜に座るタニスさんの隣に座り、その光景を見ていた。
「すまないね……いつもは祖父母に見てもらってるんだけど、今日は二人とも留守で。たまの休みを取ってあたしが見てたんだけど、ちょっと目を離した隙にいなくなっちゃって……母親失格だね」
「子供は難しいものさ。ちゃんとここまで探しに来たんだ、タニスさんは立派な母親だと思うぞ」
「ははは、そうかい……」
 俺の言葉に乾いた笑いを浮かべる。
「タニスでいいよ」
「え?」
「名前。さん付けで呼ばれるの、くすぐったくてさ」
「そうか、ありがとう。タニス」
「ん」
 そう言った後、しばらく無言でリズたちとはしゃぐルルを二人で見ていた。
「まさか、あの子があんなこと言うなんてね」
「あんなこと?」
「父親のことさ。普段何も言わないから、てっきり、あたしと同じように踏ん切りがついてるんだと思ってたけど……」
「子供の心は大人が思う以上に、柔らかくて傷つきやすいからな」
 俺も子供の頃から病気やら死別やら色々経験してきたから解る。
 その負の感情は、成長し、転生した今でも尾を引いて続いている。
 おそらく、これは完全に消えるものではないのだろう。
「あたしより若造が、なに悟ったような顔してんのよ」
 感傷的になっていると、タニスにほっぺを軽くつねられる。
「あんたも、苦労してるんだね」
「まあ、それなりにな」
「傷物同士ってことか」
 そう言って、遠くを見つめるタニス。
「旦那に会いたいか?」
「んー、会いたいといえば会いたいさ。でも、今旦那が現れても、困っちまうと思うんだよね……あたしにとってはやっとの想いで捨てた感情だからさ」
「……そうだな」
「いっそ、あたしも新しい男でも作っちまうかねー」
「ふふ、タニスならすぐに作れるだろうさ。美人だからな」
「ははは、お世辞として受け取っておくよ」
 そう言って、また何も言わずにリズたちを見る。
 大した会話もなく、日が暮れるまで波の音を聴いていた。
 何も話さずとも、お互いの何とも言えない気持ちは理解できたから。
 こうして、俺たちのバカンスは終わったのだった。
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