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第6章:灼炎の祠と銀狼獣人編
第29話:激闘の後で【☆】
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ん……? 俺……眠ってるのか?
目の前が真っ暗だ……。
どれくらいたったんだろう……。
起きないと……ぐっ……!?
身体中が痛い……まず、目を開けないと……。
眩しい……!!
俺が少しずつ目を開けると、そこには馴染みのある天井があった。
窓から月明かりが漏れてるところから、今は真夜中か。
「ここは……ラックステラ……か?」
「ご主人様!?」
呟いた瞬間、見覚えのある顔が俺を覗き込む。
ロウナだ。
「良かった……生きてた……あたし……あたしのせいで、ご主人様が……死んじゃうかもって……」
ぽろぽろと涙を流すロウナ。
「はは、泣くなって。こうして生きてる。可愛い顔が台無しだぞ」
そう言って、上半身を起こし、頬に手を添えてやる。
「ごしゅじんざまぁぁああ!!」
俺に抱きついて尚も泣きじゃくる。
普段の彼女からは考えられない姿だ。
「よしよし」
俺は、彼女が落ち着くまで背中をさすって宥めてやった。
落ち着いたあとで、ロウナに状況を聴く。
「あれから俺、どうなったんだ?」
「サラマンダーの自爆を受けて、一週間も寝てたんだ。あいつが斃れたあと、地上に続く道ができて、そこから担ぎ上げて急いで帰って来た」
「そうか。他のみんなは?」
「みんな無事だよ。あの爆発でダメージを受けたのはご主人様とあたしくらい。といっても、あたしもご主人様が庇ってくれたから、ほとんど無傷だったよ……どうやらご主人様のあのスキル、触れている味方にも影響があるらしい」
なるほどな。
魔力武装の効果が、運良く庇っていたロウナにもかかったってわけか。
おそらく、直撃を受けた俺の方が、ダメージが大きかったんだろう。
「そうだ……! 素材はどうなったんだ!?」
俺の言葉にロウナはニンマリ笑って、机の上のしわしわの茶色い球を持ってくる。
俺は鑑定を行った。
名前:│小火竜涎香《しょうひりゅうぜんこう》
素材ランク:SS
説明:サラマンダーの肝臓内で作られる貴重な結石。一級品のお香を作る素材にされている。価値は貴族たちが血眼で探すレベルに高い。
「はは、良かった。これでヴィヴィに叱られずに済むな」
「ああ。大部分の素材はダメになっちゃったけど、ご主人様が斬った二本の足は無事だった。そこから、鱗や爪の素材も採取できたよ」
「そうか……よかった……」
ふとロウナを見ると、月明かりに照らされて、神々しいくらいの雰囲気を醸している。
やはり、狼に満月はよく合うな。
「ん? どうした、ご主人様?」
「いや……ロウナがあまりにも綺麗で見とれていた」
「は、はいっ!?」
慌てふためくロウナだったが、すぐに俺に向き直る。
そして、クスっと微笑んだ。
「あんたは本当に、不思議なご主人様だよ……奴隷のために命を懸けるなんて、前代未聞だぞ?」
俺の頬を、指先でツンとつつくロウナ。
「仲間の命がかかってるなら、命くらい懸けるさ」
俺がそう言うと、彼女の整った顔が近づいてくる。
「……仲間じゃイヤだ……」
頬を赤らめて、蠱惑的に囁くロウナ。
「え?」
「……彼女がいい。ご主人様の女になりたい……ダメ……かな?」
眉をハの字に曲げて、首を傾ける彼女。
「奴隷落ちした私に自由をくれて、虐げるわけでもなく仲間として接してくれて、危険なところを、身を挺して守ってくれて……いくらなんでもこれで惚れるなって方が酷だよ」
するりと腕を俺の首に回してくる。
風呂上りらしく、石鹸のいい香りがロウナの肌から香る。
青く澄み切った瞳が俺をしっかりと捉えている。
「ロウナは自分がどれだけ魅力的なのか、解ってないだろ?」
俺は微笑んで冗談めかした言葉を彼女にかける。
「んふふ……なら、教えてよ。ご主人様が……」
俺の言葉遊びに上機嫌で乗ってくるロウナ。
「俺でよかったら喜んで」
「それって、女にしてくれる方? 魅力を教えてくれる方?」
「解ってるだろう? どっちもだ」
「んっ……ちゅっ……」
そうして、どちらからともなく唇を重ねる。
永遠のような一瞬の後、静かにロウナが唇を離す。
「ご主人様が目を覚ましたこと、リズたちに教えてこないと怒られるかな」
「はは、かもな……でも、我慢できるのか?」
「んふふ……無理……♡」
俺の問いかけに妖艶な微笑みを浮かべるロウナ。
そうして、兎にとびかかる狼のように、ロウナは俺に覆いかぶさって来るのだった。
寝間着姿のロウナ
目の前が真っ暗だ……。
どれくらいたったんだろう……。
起きないと……ぐっ……!?
身体中が痛い……まず、目を開けないと……。
眩しい……!!
俺が少しずつ目を開けると、そこには馴染みのある天井があった。
窓から月明かりが漏れてるところから、今は真夜中か。
「ここは……ラックステラ……か?」
「ご主人様!?」
呟いた瞬間、見覚えのある顔が俺を覗き込む。
ロウナだ。
「良かった……生きてた……あたし……あたしのせいで、ご主人様が……死んじゃうかもって……」
ぽろぽろと涙を流すロウナ。
「はは、泣くなって。こうして生きてる。可愛い顔が台無しだぞ」
そう言って、上半身を起こし、頬に手を添えてやる。
「ごしゅじんざまぁぁああ!!」
俺に抱きついて尚も泣きじゃくる。
普段の彼女からは考えられない姿だ。
「よしよし」
俺は、彼女が落ち着くまで背中をさすって宥めてやった。
落ち着いたあとで、ロウナに状況を聴く。
「あれから俺、どうなったんだ?」
「サラマンダーの自爆を受けて、一週間も寝てたんだ。あいつが斃れたあと、地上に続く道ができて、そこから担ぎ上げて急いで帰って来た」
「そうか。他のみんなは?」
「みんな無事だよ。あの爆発でダメージを受けたのはご主人様とあたしくらい。といっても、あたしもご主人様が庇ってくれたから、ほとんど無傷だったよ……どうやらご主人様のあのスキル、触れている味方にも影響があるらしい」
なるほどな。
魔力武装の効果が、運良く庇っていたロウナにもかかったってわけか。
おそらく、直撃を受けた俺の方が、ダメージが大きかったんだろう。
「そうだ……! 素材はどうなったんだ!?」
俺の言葉にロウナはニンマリ笑って、机の上のしわしわの茶色い球を持ってくる。
俺は鑑定を行った。
名前:│小火竜涎香《しょうひりゅうぜんこう》
素材ランク:SS
説明:サラマンダーの肝臓内で作られる貴重な結石。一級品のお香を作る素材にされている。価値は貴族たちが血眼で探すレベルに高い。
「はは、良かった。これでヴィヴィに叱られずに済むな」
「ああ。大部分の素材はダメになっちゃったけど、ご主人様が斬った二本の足は無事だった。そこから、鱗や爪の素材も採取できたよ」
「そうか……よかった……」
ふとロウナを見ると、月明かりに照らされて、神々しいくらいの雰囲気を醸している。
やはり、狼に満月はよく合うな。
「ん? どうした、ご主人様?」
「いや……ロウナがあまりにも綺麗で見とれていた」
「は、はいっ!?」
慌てふためくロウナだったが、すぐに俺に向き直る。
そして、クスっと微笑んだ。
「あんたは本当に、不思議なご主人様だよ……奴隷のために命を懸けるなんて、前代未聞だぞ?」
俺の頬を、指先でツンとつつくロウナ。
「仲間の命がかかってるなら、命くらい懸けるさ」
俺がそう言うと、彼女の整った顔が近づいてくる。
「……仲間じゃイヤだ……」
頬を赤らめて、蠱惑的に囁くロウナ。
「え?」
「……彼女がいい。ご主人様の女になりたい……ダメ……かな?」
眉をハの字に曲げて、首を傾ける彼女。
「奴隷落ちした私に自由をくれて、虐げるわけでもなく仲間として接してくれて、危険なところを、身を挺して守ってくれて……いくらなんでもこれで惚れるなって方が酷だよ」
するりと腕を俺の首に回してくる。
風呂上りらしく、石鹸のいい香りがロウナの肌から香る。
青く澄み切った瞳が俺をしっかりと捉えている。
「ロウナは自分がどれだけ魅力的なのか、解ってないだろ?」
俺は微笑んで冗談めかした言葉を彼女にかける。
「んふふ……なら、教えてよ。ご主人様が……」
俺の言葉遊びに上機嫌で乗ってくるロウナ。
「俺でよかったら喜んで」
「それって、女にしてくれる方? 魅力を教えてくれる方?」
「解ってるだろう? どっちもだ」
「んっ……ちゅっ……」
そうして、どちらからともなく唇を重ねる。
永遠のような一瞬の後、静かにロウナが唇を離す。
「ご主人様が目を覚ましたこと、リズたちに教えてこないと怒られるかな」
「はは、かもな……でも、我慢できるのか?」
「んふふ……無理……♡」
俺の問いかけに妖艶な微笑みを浮かべるロウナ。
そうして、兎にとびかかる狼のように、ロウナは俺に覆いかぶさって来るのだった。
寝間着姿のロウナ
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