【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第6章:灼炎の祠と銀狼獣人編

第24話:突入!灼炎の祠

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 魔獣の森で力量を図ってから三日後、俺たちはエルゼリアの町の東に位置する『灼炎の祠』の前に立っていた。
「……いよいよだな」
 俺の言葉にみんなも顔が引き締まる。
 ここ三日はギルドで四属性ダンジョンの情報収集をしていた。
『水竜の洞窟』『マッサ鉱山』は聞いた感じ、いまの力量と同等。
『風神の谷』は少し上位に位置しており、『灼炎の祠』はイレギュラーな事態がない限り安心だろうという結果に落ち着いた。
 油断や慢心は無い。過信もしないようにする。
 これで、かなり踏破確率を上げられるだろう。
 もう一つ、ヴィヴィの依頼である『小火竜涎香』についてだ。
 いつもの受付嬢さんに聞いた結果、かなり希少なアイテムであると分かった。
 それを目当てに数々の商人が冒険者たちに依頼を出しているものの、実際に達成されるケースはほとんど無いらしい。
 それは、希少性はさることながら、通常の個体鑑定では表示されない隠しレア素材という特殊なアイテムであることが大きいらしい。
 冒険者は敵に遭遇したら、まず『鑑定』を使い、剥ぎ取れる素材を確認、倒して素材を採集、その他の部位は破棄するというのが流れだ。
 ところが『小火竜涎香』の場合は解体しながらそれっぽい部位に鑑定をかけまくって確認しなければいけない。
 それも、ボスモンスターである『サラマンダー』にだ。
『ワープ』の無い一般冒険者は、素材が無ければ一度ダンジョンを出て、もう一度踏破する必要がある。
 それだけで冒険者たちからは敬遠されるのだ。
 冒険者稼業において、自分がいかに有利な立場にいるのか思い知らされるな。

「ご主人様、そろそろ行こうぜ」
 血が騒ぐのだろう。ロウナが我慢できないとばかりに俺を急かしてくる。
「よし、行こう!」
 俺は全員に目配せして、首肯をもらう。
 一流冒険者への登竜門・四属性ダンジョン『灼炎の祠』に今、足を踏み入れた。

「な、何これ……!? あっつい……!?」
「壁中がぼんやり赤く光っているな……うむ、予想通り、熱を持っている」
 リズがダンジョン内の温度に驚き、キアラが赤く点滅する壁に手を当てる。
『灼炎の祠』の中は、人工的な祠というよりは自然にできた洞窟のような作りだった。
 壁が絶えず赤く点滅しており、灯が無くても十分に進める明るさだった。
「それはおそらく『灼炎石』ですね。熱を持った鉱石です。火属性の武具に用いられるようですわ」
「ホント!? いくらか、採取しとかなきゃ!!」
 セーラの言葉にリズが自前のピッケルで壁からいくらか鉱石を取り出す。
 こういうフィールドアイテムもリズは絶えず採取を続けている。
 それらは換金が目的ではなく、あくまで鍛冶やアイテム錬成に使うためだ。
 特に山菜や果物、ハーブなどはジュリアたちに頼んでよく食材として料理に入れてもらっている。
「シレイド……暑いの苦手……」
「あたしも北国出身だから、得意ではないな。耳や尻尾にも熱がこもるし、普段通りの力が出せるかどうか」
 へばるように舌を出すシレイド。
 ケロッとしているものの、不安を口にするロウナ。
 これは、冒険すること自体キツイ。
 なるべく早く、踏破する必要があるな。

 進むこと五分ほど。『灼炎の祠』初遭遇の魔物が出現する。
 真っ赤な皮膚を持った大きな蜥蜴の魔物の群れだ。
 この世界、少々蜥蜴の魔物が多くないだろうか……。
 先日、痛い目を見たポイズンリザードが頭を過ぎり、悪寒がした。
 うーむ、こうやって冒険者はトラウマを抱えていくのだろうか。
 雑念を振り払い、鑑定を行う。

名前:フレイムリザード
危険度:C+
説明:灼熱地帯に棲む蜥蜴の魔物。暑さに負けない分厚い皮膚を持つ。鋭い爪は独特の熱が籠っており、切り裂かれるとひどい火傷を負う。
素材:『炎蜥蜴の厚皮』
レア素材:『炎蜥蜴の熱爪』

「なるほど、あいつが第一階層のモンスターか」
「面白そうな相手じゃねえか……やってやるぜ」
 前衛のキアラとロウナが意気込んでいる。
「リズ、シレイド、セーラ。後ろは頼んだぞ」
「任せてよ」
「ん……」
「はい、サポート致します」
 後衛三人の準備もバッチリのようだ。
「よし、行くぞ!!」
 皆と示し合わせ、戦闘を開始する。
 こちらに気づいた炎蜥蜴がかさかさと素早く近づいてくる。
「接近戦に持ち込む前に、できるだけ数を減らすぞ! エリアルエッジ!!」
 俺が放った風の斬撃が炎蜥蜴を一匹仕留める。
「ブレットパンチ!!」
 ロウナの遠当ての拳が一匹、フレイムリザードを仕留める。
 残り三匹。
 その時、後ろから援護が来た。
 リズの『ヘビーショット』、セーラの『エルシャイン』が一匹に命中して息絶える。
 残り二匹だ。
「『精霊強化(スピリットエンチャント)』!! はあああああ!!」
 キアラが精霊術で強化した肉体で薙ぎ払うと、フレイムリザード二匹が吹っ飛んで動かなくなる。
 戦闘終了だ。

「呆気なかったねぇ……」
「ん……弱い」
 リズがぽかんとした顔で言う。
 シレイドも同じ気持ちらしい。
「ご主人様、こりゃあ楽勝なんじゃ? もっと、高難度のダンジョンを狙ってもよかったんじゃねえか?」
「いや、これくらいでいい。過信せず余裕があるくらいで攻略する方が怪我しなくていいだろう。俺は名声よりもパーティ一人一人の命の方が大事だ」
 ロウナの問いかけに確固たる意志で応える。
「…………それって、奴隷のあたしやシレイドの命も含めてなのか?」
「当たり前だ。仲間の命に優劣はない。立場も身分も付き合いの長さも関係ないさ」
 俺がそう言うと、ロウナは口角を少しだけ上げて言う。
「ホント、あんたは変なご主人様だよ」
 その言葉に、わずかな親愛を感じられたのだった。
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