【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第6章:灼炎の祠と銀狼獣人編

第19話:取引

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「……すまなかった……い、いや……申し訳ありませんでした……抵抗して」
 ローガンの奴隷商館を出て、しばらく歩いていると新しく俺の奴隷になったロウナが気まずそうに言ってくる。
 奴隷契約自体は終了したので、もう襲ってくる気はないようだ。
「気にするな。奴隷なんてなかなか受け入れられるもんじゃないだろうからな」
「そうよ。あたしも鑑定である程度の事情は分かってたし……気持ちはわかるよ」
「エルフも奴隷落ちする者は多い。その者たちも大抵、抵抗すると聞くしな」
 俺とリズ、キアラがロウナに言葉をかける。
「けど、ご主人様を襲ったのはダメ……奴隷としての禁忌を犯してる……反省すべき」
「……あ、ああ……分かっ……わ、分かりました」
「ま、まあまあ、シレイドちゃん。奴隷というのは複雑なのでしょう? レオ様も責める気は無いようですし、許してあげましょう」
「む……ん。わかった」
 険しい顔のシレイドに、恐縮するロウナ、そしてそれをなだめようとするセーラ。
「それと、無理に敬語を使わなくていいよ。さっき言った通り、俺は奴隷を探してたんじゃなくて一緒に冒険してくれる仲間を探してたんだから」
「い、いいんですか……?」
「ああ、構わない。ははは、そんな調子じゃ、息が詰まるぞ」
「た、助かるよ……ありがとう、ご主人様」
 俺の言葉に目を逸らしながら、恥ずかし気にロウナはわずかに頬を赤らめる。
「さあさあ、じゃあ、まずはロウナちゃんの服とかを揃えなきゃね」
 リズがロウナの服を見て言う。
 ロウナは首輪こそ外れているが、奴隷特有の浅黄色の粗末な服を着ている。
 シレイドの時もそうだが仲間として、まずはそこから変える必要がある。
「ああ。ショッピングタイムだ!」
「ん……シレイドもロウナをおしゃれにする……!」
「みんなでロウナちゃんを変身させちゃいましょう♪」
 他のみんなも乗り気だ。
 女の子はこういうショッピングになったら途端に元気になるな。
 まあ、彼女たちが喜んでいるのを見るのは好きだからいいか。
 俺は、主人としてお金だけ出しておこう。

 そして、エルゼリア第一層にある服屋に行く。
 リズたちがきゃぴきゃぴ言いながら、服を選んでいく。
 ロウナは若干気遅れ気味だったが、色んな服を試着するうちに気持ちも解れてきたのかリズたちとだんだん打ち解け、笑顔も見せてくれるようになった。
 そこから二時間、蚊帳の外になった俺はお金だけリズに渡して、外にあるベンチに座って待っていた。
「ごめんごめーん! レオ、待った!?」
「ま、まあ、そこそこ……」
 充実した顔で駆け寄ってくるリズに応える。
「いやー、新しい服がかなりあってな。ロウナの服を選びがてら、私たちも色々と買ってしまったよ」
「普段着をオシャレにすれば、気持ちも弾みますからね」
 キアラとセーラもほくほく顔だ。
「いいのかな……奴隷のあたしが、こんなにオシャレな服を買ってもらって……聞いていた奴隷の扱いとずいぶん違うんだが」
「ん……気にしないでいい……ご主人様は変わり者。奴隷も一般人も分け隔てなく接してくれる……ロウナはラッキー……」
 黒を基調とした動きやすそうな服を着たロウナ。
 短パンにへそ出しのタンクトップを着て、なんとなく、渋谷のギャルっぽくなっている。
 スタイルがいいので、道行く男たちがチラチラと見ている。
 確かに、この世界的には俺の奴隷への対応は特殊みたいだが……『変わり者』は少し傷つくぞ、シレイド。

 エルゼリアに戻った俺たちは、古本屋の情報を集めるためにギルドに向かった。
 戦闘における、手札となる武技や魔法の数が少なすぎる。
 俺は、このことが最近の苦戦の原因の一つであると考えている。
「古本屋ぁ……ですかぁ~」
「ああ。この街にあると噂を聞いたんだが、何か情報はないか?」
 俺は受付でのほほん受付嬢に尋ねる。
「うぅ~む、ないことはないんですがぁ……」
 少し言いにくそうにした後で受付嬢は言葉を続ける。
「スキルの古本屋さんは基本エルゼリア商会の紹介制なので、なかなか普通の冒険者さんは行けないんですよぉ……一流冒険者さんでも商人さんたちから、かなりの信用がなければ辿り着けないほどでぇ」
 なるほど。まあ、一言でいえば『簡単に強くなる方法』だからな。
 悪人が利用したら、どういう事態になるのか容易に察しがつく。
「エルゼリア商会の会長さんくらいなら、一声で利用を許可することができると思うんですがぁ……」
 受付嬢は困った表情でうんうんと唸る。
 待てよ、エルゼリア商会の会長?
「ね、ねえ……!! レオ、会長さんって……!!」
「あ、ああ! 早速行こう! ありがとう、受付嬢さん!」
「え、ええ? は、はいぃ……」
 戸惑う受付嬢さんを尻目に、俺たちは目的の店に向かった。

「にゃははー、それでここにきたんだねー! ボクがエルゼリア商会の会長だってこと、よく覚えてたねー♪」
 至極愉快な様子で、ヴィヴィが言う。
 そう、俺たちが訪れたのは先日、素材買取で世話になったヴィヴィの店『白兎の福耳』だ。
「ああ。それで、ヴィヴィに古本屋の紹介を頼みたいんだが」
「んー、どうしようかなぁ……君たちは他でもないジュリア姉さんの紹介だし、素材もたくさん融通してくれたから便宜を図ってあげたいんだけど……商会の年寄連中は頭固いからなぁ……冒険者ランクやギルド貢献度がまだ低い冒険者を案内したら、後で、うざい小言を聞かされそうなんだよなぁ……」
「そこを何とか!! お願いします!!」
 俺は深く頭を下げる。
 強くなって、自分の、そして仲間の命を守る手段を増やせるなら、プライドなんていくらでも捨ててやる。
 俺たちは、もっと強くなって、世界に名を轟かせる冒険者になるんだ。
 それを見たリズたちも続くように頭を下げる。
「…………」
 しばらく沈黙が続いた。
 そして——。
「ふふっ、頭上げてよ。分かった、いいよ♪ 紹介してあげる。特別だよぉ?」
 頭を上げるとヴィヴィがウインクしてくる。
「その代わり、タダでとはいかないよ? こっちは商人だからね。正式な取引とさせてもらうよ」
「ああ、構わない。それで、何をすればいい?」
「うーん、そうだね。お兄さんたち、近々四属性ダンジョンの一つ『灼炎の祠』に潜るんでしょう?」
 流石、商会トップだ。こちらの情報はバッチリ掴んでるらしい。
「ああ。そのつもりだ」
「そこのボスモンスターのレア素材取ってきてくれる?」
「そんなのでいいのか?」
 拍子抜けする俺に、ヴィヴィが言う。
「甘いね、お兄さん。灼炎の祠のボスモンスター『サラマンダー』のレア素材『小火竜涎香』は入手しにくくて有名なんだから」
「『小火竜涎香』……?」
「巨大なサラマンダーの体でできる結石だよ。小さい個体じゃ確認すらされない。お兄さんたちには手に入るまで周回してもらうつもりだけど、それでもいい?」
 俺は、リズたちを見る。
 みんな、黙って頷いてくれる。
「分かった。必ず、俺たちがそのレア素材を採ってくる」
「取引成立だね♪ よろしく、お兄さん♪」
 俺はヴィヴィと固く握手をした。
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