【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

文字の大きさ
上 下
157 / 285
第6章:灼炎の祠と銀狼獣人編

第4話:オルガの依頼書

しおりを挟む
 ジョブチェンジを終え、ギルドに併設されている酒場で昼食を取る。
 これから、どのダンジョンを目指すのかを具体的に話すためだ。
「思えば、私とシレイドが新しいスキルを覚えた時点でジョブレベルはMAXになっていたのかもしれないなぁ」
 野菜炒めをパンで挟んでかぶりつきながら、そんなことを言うキアラ。
「ん……きっとそう。普段はいちいちレベルなんか気にしないから……どうしても気づくのが遅くなる」
「鑑定を人に対して行うのは、基本的に失礼とされてますからね。仕方ないですよ」
 シレイドの言葉に、セーラが応える。
 確か、キブラの屋敷突入前に二人はスキルを覚えたんだったな。
 あの時点でジョブチェンジが可能なのを知れれば、あの戦いも楽になったのかもしれないが……ある程度、経験値があぶれるのは仕方のないことだとも思う。
 ゲームのようにレベルが上がるごとにファンファーレが鳴って知らせてくれるとかもしないしな。
 それに、セーラが言うように人に対しての鑑定が推奨されないのがこの世界の常識だ。
 パーティのプロフィールなどの確認はギルドで手続きする時くらいしかしないだろう。
 前に俺とリズがジョブチェンジした際は、たまたまシレイドが気づいたのだったか。
 リーダーとして、時々は鑑定でプロフィール確認をした方がいいのだろうか。
「それで、次はどのダンジョンを目指すの? 四属性ダンジョンに挑むのは決定事項としても、まずは適当なダンジョンで新しいジョブの戦い心地もみておきたいんだけど」
「ああ、それについては一つ考えていることがある」
 うずうずしているように話を振ってくるリズ。
 俺は組み立てた予定をみんなに話す。
「四属性ダンジョンについては、まず一番難易度が低いとされる『灼炎の祠』を攻略することにする。だが、その前にこの依頼を受けようと思う」
 俺が取り出した一枚の依頼書に視線が注がれる。

『魔獣の森の皮素材』
依頼主:オルガ工房店主オルガ
依頼内容:魔獣の森のボスモンスターであるヘルズホーンの皮を三枚納品
メッセージ:あるお客さんから『地獄犀の皮』が欲しいと言われてね。提供したいんだが材料がないんだよ。報酬は払うから採ってきてくれないかい。
報酬:3万5000G

「オルガの依頼!?」
「ああ。パーティとしても世話になってるからな。助けてあげたい」
 声を上げるリズに答える。
「受付嬢に尋ねてみたところ、難易度については霧の森の一つ上くらいらしい。出現モンスターは、名の通りすべて獣系の魔物だ。洞窟みたいに瘴気が濃くないし、俺のワープですぐに町に帰って来られるだろう」
「うん! 助けてあげないと! それに、新しい仲間を迎えるためにパーティに足りない部分も戦って理解しないといけないしね!」
「うむ、私も構わないぞ。獣相手ならマッドドールやリトルゴーレムのように物理攻撃が効かないことも無いだろう」
「私も構いませんよ。日頃からお世話になっている方なら助けて差し上げないと」
 俺の説明を聞いて、リズとキアラ、セーラが賛成する。
「……なんか……おかしい……」
 シレイドは何か納得いってないようだ。
 そして、しきりに依頼書の匂いを嗅いでいる。
「シレイド、どうかしたか?」
「んー……分からない……でも、シレイドも賛成……魔獣の森で戦う……」
 しばらく考えていたシレイドだが、魔獣の森攻略には賛成のようだ。
「よし、決まりだな。早速、明日から攻略に移るか」
 俺の言葉にみんな、「おー!」と声を上げた。

 その日の夜、『バー・ラックステラ』で俺はジュリアたちに次の目標が決まったことを報告していた。
「ふーん、じゃあ……次の目標は『魔獣の森』なんだぁ」
「ああ。中級職にジョブチェンジもしたし、身体をジョブに馴染ませておかないとって感じだな」
 相変わらず、腕に絡みついてくるボニーに答える。
「『魔獣の森』には毒の爪を持った魔物もいるからね。毒消し対策はしておくんだよ?」
「ああ。ほとんど使っていないポーション詰め合わせがあるから、そこは大丈夫だと思う」
 以前、依頼で貰ったポーションの詰め合わせだが、差し迫った危機があまりなかったのでそのまま持っている。
 いざないの洞窟、ささやきの洞窟は余裕だったし、霧の森も歯ごたえはあったが、ワープですぐに戻って来れたしな。
 それに今となっては、回復魔法の使えるセーラが仲間になったのだ。
 普段使いはせずに、MPが枯渇したり、回復が間に合わない状況でポーションを使うのが妥当だろう。
「そうだ、ジュリアさん。ヴィヴィを紹介してくれて、ありがとう。おかげでいい値段で素材を取引できたよ」
「そうかい。それは良かった。面白い子だったろう? 腕も愛嬌もピカイチで、商売におけるおもてなしもキチンと理解している」
「ああ。少なくとも、やり手っていうのは分かったよ。鑑定も早いし、終始、いい気分でやり取りできた。最初店を見た時は、なんかギラギラで気後れしたけど……」
「あっはっは。あれはあの娘の趣味だからねぇ。品揃えとかのセンスはいいのに、美的センスだけはなんだか壊滅的でねぇ」
 俺の言葉に愉快そうに笑うジュリア。
「え、えっとー、お兄さん? ……それでぇ、四属性ダンジョンにはいつ行くつもりなのかなぁ……?」
 自分の気持ちが漏れないように、できるだけフラットに訊いてくるボニー。
 もちろん、隠せてないが。
「『魔獣の森』を攻略して、奴隷商館で仲間を見つけた後『灼炎の祠』に挑戦する予定だ。しっかり攻略して、ボニーを彼女にしたいからな」
「あはっ♪ そっか、そっかぁ♪ うんうん、頑張ってねぇ、ルーキーくん♪」
 俺の言葉に上機嫌で頬をツンツンしてくるボニー。
 自分で条件を提示したくせに、そんなに喜んでいたら俺への好意がまるわかりな気もするんだが……。
 まあ、一流になるためにも、いずれは踏破しなければいけないダンジョンだ。
 腹をくくって、頑張るとするか。
 そんな俺とボニーの様子を見て、ジュリアは苦笑しながら息を吐いていた。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

処理中です...