【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第4章:エルゼリアと無骨なエルフ騎士編

第27話:いざないの洞窟で野営

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 俺は不気味に動く土人形に鑑定をかける。

名前:マッドドール
説明:土の塊に魔力が憑りつき魔物化したもの。対象を見かけたら、問答無用で攻撃してくる。身体は硬く、ある程度、威力のある攻撃でないと破壊できない。
素材:『土人形の塊』
レア素材:『マッドアンバー』

 なるほど、接近戦は不利かもしれないな。
「魔法で攻撃して、様子をみよう。いつでも戦えるように構えていてくれ」
 俺の言葉に首肯する三人。
 RPGでは割と一般知識。土の弱点と言えば……水だ。
「エルウォーター!!」
 俺は手をかざし、水の弾丸を発射する。
 バァァァァン!!
 マッドドールに当たった水球は凄まじい勢いで破裂して、頭部を破壊する。
 土人形はボロボロと崩れさり、ただの土くれになった。
「うん。『エネミーカウント』でも反応が消えた。倒せてるよ♪」
 リズが、満面の笑みでサムズアップする。
「にしても、レオの魔法はやはりすごい威力だな」
「ん……ご主人様の魔法適性は……無敵……」
 キアラとシレイドも感嘆している。
「今のは中級魔法だからな。平原で試したように、初級や下級では一撃とはいかないと思う」
 つくづく、魔導書を譲ってくれたシャロンに感謝だ。
 今頃、熊の手料理を美味しく食べてくれていることだろう。
 百個単位であげたしな。
「試しに、魔法を使わずにマッドドールを倒してみよう。どのくらい苦戦するか、見ておきたい」

 俺たちは、二階層を進んでいく。
 すると、マッドドールが三体目の前に現れる。
 武器を構えて、皆にアイコンタクトをする。
 マッドドールの視線が、俺たちの方から逸れた瞬間を狙う――!!
「今だ! 行くぞ!!」
 俺とキアラが、隙を見せたマッドドールに飛びかかる。
「はぁっ!!」
 風霊の剣で斬ると、ググッと固くめり込む感じを残しつつ、土人形の腕が断ち切れる。
 キアラの放った薙ぎ払いは、大して効いていないようだ。
「斬るのが駄目なら突きだぁ!!」
 キアラが勢いをつけて槍で突きを放つ。
「ズン!」という音と共に土人形に穴が開く。
 なるほど。キアラの槍は突きなら通るようだ。
「ふっ!!」
 シレイドが、土人形の頭上にダガーを突き立てる。
「硬い……うぬぬぅ……!!」
 力を込めると、メリメリとダガーが食い込んでいく。
 だが――。
 ギュルルルル!!
 マッドドールは素早くスピンしてシレイドを弾き飛ばす。
 くるりと着地するシレイド。
「ご主人様……シレイドのダガーでは……倒せない……」
 ショックを受けているようだ。
「大丈夫よ。シレイドちゃん。あたしの矢も弾かれたし、気にしないで!」
 リズがシレイドに駆け寄って慰める。
 リズのクロスボウの矢がマッドドールの周りに散乱している。
 クロスボウは完全に弾かれたらしい。
 所々破損しつつも、三体のマッドドールは体勢を立て直し、こちらに向き直る。
 これ以上、戦闘を長引かせるのは悪手だな。
「よし。大体、力量は測れた! 魔法で一掃する!」
 俺が言うと、三人はすぐさま俺の後ろに後退する。
「エルウェーブ!!」
 水属性の中級全体魔法を放つ。
 水の波動が勢いよく土人形たちに飛んでいき、一気に破壊する。
 一気に崩れ去ったマッドドールたち。
 リズが敵の反応消滅を確認して、頷く。
 ぐぅぅぅ……。
 その直後、静まった洞窟内に気の抜けた音が鳴る。
「……シレイド、お腹すいた……」
「ははは、シレイドのお腹の音か」
「ふふ、緊張が解けてしまったな」
「ぷっ……ははは、そうだな。今日はここまでにしようか」
 顔を赤く染めるシレイドの言葉で、本日の活動を終えるのだった。

 テントを張り、たき火の周りを囲むようにして座る俺たち。
 リズがテキパキと料理を作ってくれる。
 今日の料理は町で買った『岩鳥の肉』の手羽先を使った手羽煮込みと、『岩鳥の骨』で採った出汁に『コカトリスの肉』とキャベツならぬキャベジーを入れて炒めた、鶏がら炒めだ。
 俺たちは、今日の感想を述べていく。
「『いざないの洞窟』思ったよりもスムーズに探索できてよかったな。まあ、リズのお陰が大きいが」
「ああ。迷いやすいダンジョンで次に進むべき道が分かるのは大きい。敵も、問題なく倒せているしな」
「えへへー、役に立ててよかったよ」
 俺の言葉に、キアラも続く。
 それを聴いたリズが照れ笑いする。
「でも、あのマッドドール相手に接近戦はできないねー。あたしの矢が全然効かなかったもん」
「ん……シレイドの新しいダガーでも硬かった……ご主人様の剣でもキツそうだったし……あいつ強敵」
 確かに、魔法が使えなければ倒すのに苦労するだろうな、あの土人形は。
 最悪、倒せなくて詰むだろう……うん。
「魔法の比重が俺に全部かかっている状態だと、俺が戦えなくなったら戦力が大きくダウンするなぁ。魔法が使える仲間が、あと一人は欲しいところだ」
「確かにそうだねー。でも、そうなると後衛が、あたしとシレイドとその魔法使いの三人になるんだよねぇ……前衛がレオとキアラだけっていうのはキツくない?」
「そうだな。私とレオだけでは後衛三人を守るのには不足か……となれば、接近戦ができる前衛がもう一人要るな」
「ん……仲間が増えれば、報酬の取り分も減る……全員シレイドみたいな奴隷で補ったとしても生活費は確実に増える……ルクシアの時みたいに、高額で素材を買い取ってくれる店を探す……?」
「うーん。店を探すより、アイテム売買に精通した仲介人を味方につけた方がいいんじゃない?」
「それは、俺も前から考えていた。いちいち色んな店を歩き回って売るんじゃなくて、そういうのを一手に引き受けてくれる人が居ればなって」
「なるほど。うむ、全面的に私も賛成だ」
 皆で意見を出し合い、現在のパーティの改善点をあぶり出していく。
 俺はリーダーだが、ワンマンで回すことはしない。
 メンバー全員が、かけがえのない大切な仲間だからな。
「さあさあ、ご飯できたよー!」
 あれこれ話し合っていると、リズが鍋に入った料理を持ってきてくれる。
「おお! 相変わらず、リズの料理は美味そうだな!」
「ん……ごちそう……♪」
「リズ、今度、私にも教えてくれ」
 俺たちはダンジョン内とは思えないほど、ガヤガヤと賑やかに過ごした。
 岩鳥と言うくらいだから「肉が硬いのでは?」と心配していたが、そんな不安はなんのその、ほどよい弾力があり美味かった。
 言わずもがな、料理はどれも絶品だった。
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