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決着
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ウィル様が宰相様に登城命令を出し、決着をつけることになった。
宰相様は遂に妃を決めたと伝えたら、案の定いそいそとやってきた。
今は応接室でウィル様と私、ユーリウス様が宰相様と対峙している。
隣の控え室ではイザベラ様が決戦に備えてる。
ちょっとドキドキする展開だ。
「どういうことですか!?
イザベラは15年も女官として王宮使えしたのですぞ!!
ポッと出の辺境伯の娘を妃に据えるなど、酷い裏切りでございますぞ!!」
宰相様が喚き散らすのは想像の範囲内だ。
ウィル様も30歳を過ぎ、いよいよ年貢を納めるだろうと虎視眈々としていた矢先に、予想外のトンビが現れたのだ。
そりゃ荒れたくもなるだろう。
「裏切りとは人聞きの悪い。
辺境伯の令嬢なら家格も申し分ないし、何より漸く世継ぎを残す勤めを果たす娘を選んだのだ。
女官からどの娘を選んでも文句は言わない約束だったと思うが?」
油揚げならぬウィル様は私を膝の上に乗せ、実に楽しそうに宰相様を黙らせた。
演技にしては楽しそうだ………。
宰相様と話しながらもずっと私をナデナデしている。
「ほらレベッカ、菓子でも食べるかい?」
そう言って私に菓子を食べさせようとする。
アーーンで。
最初は私とウィル様がイチャイチャして宰相様を煽る作戦なのだが、ウィル様が想像以上にノリノリで心臓に悪い。
ほっぺにチューまでしてくる有様だ。
演技……演技ですよね?
宰相様には勝算があったのだろうが、そうは問屋がおろさない。
宰相様はグヌヌヌ………と奇妙な呻き声をあげて、私を睨みつけている。
私は予定通り宰相様に微笑んでみせる。
ニヤリ…………。
すると宰相様は火がついたように反論を始めた。
「この娘、王宮を乗っ取るつもりですぞ!
かつてリュシエンヌ様がそうしたように、令嬢達を裏から操るやも知れません。
目を覚ましてくだされ!!」
なんとなく想像はついていたのだが、宰相様の中で私は裏番長的存在だったのか……。
「嫌ですわ、宰相様。
それこそ言いがかりです。」
更に宰相様に微笑みかける。
ニヤニヤ…………。
私は知っている。
私が微笑む努力をすればするほど悪役顔は威力を増すのだ。
側から見たら誰がどう見ても悪役令嬢が王太子を誑かし、それを正義の宰相様が諌めている絵面だろう。
我ながら泣ける………。
「宰相、リュシエンヌは足を悪くしていたため、王宮に出入りはしてなかった。
令嬢達を裏から操る術などなかったと思うが?」
「何をおっしゃるのです。
当時年頃の令嬢達は皆リュシエンヌ様に怯えておりました。
あの娘、ウィルヘルム様の婚約者という立場を利用して、やりたい放題だったと皆噂しておりましたぞ。」
誰だ、その噂流したヤツは……。
だがしかし、それを言い訳に私を排除しようとしたのなら、噂を間に受けた者は宰相様を正義の味方と賞賛するだろう。
貴族間の噂が一人歩きをするのはよくある話だ。
まして私は悪役顔な上に王宮はおろかご令嬢達の茶会にも出没しないレアキャラだった。
どんな悪どい噂が流れていても、なんら不思議ではない。
多分宰相様はなんらかの良からぬ噂を聞き、聖女に毒を仕込むよう私が手下のご令嬢を動かすと踏んだのだと思う。
失礼極まりない話だ。
「あらやだ、私もその方と同じだと仰りたいの?
辺境のど田舎で過ごした私にそんな力などございませんわ。」
ニタァ………。
ビクリと宰相様が怯んだ。
「だ、騙されてはいけませんぞ!
あの娘と一緒で毒を持っているやもしれません!」
「毒?」
「そうですぞ!
リュシエンヌ様は毒を………。」
言ってピタリと止まる。
さすがに失言だと気づいたようだ。
「語るに落ちたな、宰相閣下。
15年前にリュシエンヌ様が亡くなられたのは、公には病死とされている。
リュシエンヌ様が毒薬を持っていた事実は知られていないのさ。」
そう、私が亡くなった原因が毒とは公表されなかったらしい。
前世での公爵家の家族、ウィル様、側近のユーリウス様、マリア様以外の当事者、つまりはイザベラ様と犯人しか知り得ない情報だったわけだ。
毒薬などそう簡単に手に入るものではない。
医療の従事者で薬品を取り扱う者との人脈もなければ、交易の裏ルートで入手することもできない小娘では到底手に入らない一品なのだ。
いくら本当に裏番長をやっていたとしても、命令して入手したとイチャモンつけるにはかなり無理があるだろう。
「お父様、チェックメイトですわ。」
「な!イザベラ、何故お前がここに!!?」
「お父様が15年前に企てた罪は裁かれなければなりません。
私はお父様に命令され、リュシエンヌ様に毒を渡したことはもう知られてしまったのです。
罪を犯したまま私が王太子妃になるなど、それこそ王家に対する反逆です!」
「し、知らん!!
そうだ!証拠などないだろう!!」
おおぅ!なんかミステリー小説とか火サスを見ているような気分だ!
タイトルは「悪役令嬢殺人事件」とかどうだろう?
や、悪役令嬢ではないけれど。
事前に私達は打ち合わせをしていた。
私の死は自殺だ。
他殺でなければ宰相様を追い詰め、罪人として裁くことは酷く困難だ。
なので結論として毒薬を入手し、王族の婚約者を害したことで罪に問う方法をとることになった。
過去の事件を解決することは凄く難しい。
だが、犯人の共謀者が味方に付いたのだ。
畳み掛けるなら今だろう。
「証拠の品ならございます。」
「な、なに!!?」
そう言ってイザベラ様は小瓶を取り出した。
イザベラ様は罪の意識から、ずっとあの小瓶を捨てられずにいたのだそうだ。
「な、中身は解毒剤だ!
毒じゃない!!」
うわぁ、悪役らしい最後の足掻きだぁ……。
「では、宰相閣下。
飲んでみていただけますね?」
ユーリウス様が悪魔の微笑みで宰相様に詰め寄る。
すっごい楽しそうだ。
そういえばユーリウス様は腹黒キャラだっけ。
攻略してないから忘れてた。
「う、ううぅ………。」
予想通りもう一つの小瓶も毒薬入りだったのだろう。
解毒剤など初めから用意されていなかったのだ。
当然飲めるわけがない。
宰相様は膝をつき、ガクリと項垂れてしまった。
私は人を追い詰めて楽しむ趣味などないが、宰相様の策略で沢山苦しんだのだ。
orzの宰相様を見て胸がスッとするくらい許されるだろう。
許されないのはその宰相様をここぞとばかりに踏みつけてるユーリウス様だと思う………。
性格わっるーー。
※※※
次回最終回です。
カテゴリーとしては恋愛小説なので、いろいろ設定や流れなどに無理矢理感がありますが、お許しいただけると助かります。
宰相様は遂に妃を決めたと伝えたら、案の定いそいそとやってきた。
今は応接室でウィル様と私、ユーリウス様が宰相様と対峙している。
隣の控え室ではイザベラ様が決戦に備えてる。
ちょっとドキドキする展開だ。
「どういうことですか!?
イザベラは15年も女官として王宮使えしたのですぞ!!
ポッと出の辺境伯の娘を妃に据えるなど、酷い裏切りでございますぞ!!」
宰相様が喚き散らすのは想像の範囲内だ。
ウィル様も30歳を過ぎ、いよいよ年貢を納めるだろうと虎視眈々としていた矢先に、予想外のトンビが現れたのだ。
そりゃ荒れたくもなるだろう。
「裏切りとは人聞きの悪い。
辺境伯の令嬢なら家格も申し分ないし、何より漸く世継ぎを残す勤めを果たす娘を選んだのだ。
女官からどの娘を選んでも文句は言わない約束だったと思うが?」
油揚げならぬウィル様は私を膝の上に乗せ、実に楽しそうに宰相様を黙らせた。
演技にしては楽しそうだ………。
宰相様と話しながらもずっと私をナデナデしている。
「ほらレベッカ、菓子でも食べるかい?」
そう言って私に菓子を食べさせようとする。
アーーンで。
最初は私とウィル様がイチャイチャして宰相様を煽る作戦なのだが、ウィル様が想像以上にノリノリで心臓に悪い。
ほっぺにチューまでしてくる有様だ。
演技……演技ですよね?
宰相様には勝算があったのだろうが、そうは問屋がおろさない。
宰相様はグヌヌヌ………と奇妙な呻き声をあげて、私を睨みつけている。
私は予定通り宰相様に微笑んでみせる。
ニヤリ…………。
すると宰相様は火がついたように反論を始めた。
「この娘、王宮を乗っ取るつもりですぞ!
かつてリュシエンヌ様がそうしたように、令嬢達を裏から操るやも知れません。
目を覚ましてくだされ!!」
なんとなく想像はついていたのだが、宰相様の中で私は裏番長的存在だったのか……。
「嫌ですわ、宰相様。
それこそ言いがかりです。」
更に宰相様に微笑みかける。
ニヤニヤ…………。
私は知っている。
私が微笑む努力をすればするほど悪役顔は威力を増すのだ。
側から見たら誰がどう見ても悪役令嬢が王太子を誑かし、それを正義の宰相様が諌めている絵面だろう。
我ながら泣ける………。
「宰相、リュシエンヌは足を悪くしていたため、王宮に出入りはしてなかった。
令嬢達を裏から操る術などなかったと思うが?」
「何をおっしゃるのです。
当時年頃の令嬢達は皆リュシエンヌ様に怯えておりました。
あの娘、ウィルヘルム様の婚約者という立場を利用して、やりたい放題だったと皆噂しておりましたぞ。」
誰だ、その噂流したヤツは……。
だがしかし、それを言い訳に私を排除しようとしたのなら、噂を間に受けた者は宰相様を正義の味方と賞賛するだろう。
貴族間の噂が一人歩きをするのはよくある話だ。
まして私は悪役顔な上に王宮はおろかご令嬢達の茶会にも出没しないレアキャラだった。
どんな悪どい噂が流れていても、なんら不思議ではない。
多分宰相様はなんらかの良からぬ噂を聞き、聖女に毒を仕込むよう私が手下のご令嬢を動かすと踏んだのだと思う。
失礼極まりない話だ。
「あらやだ、私もその方と同じだと仰りたいの?
辺境のど田舎で過ごした私にそんな力などございませんわ。」
ニタァ………。
ビクリと宰相様が怯んだ。
「だ、騙されてはいけませんぞ!
あの娘と一緒で毒を持っているやもしれません!」
「毒?」
「そうですぞ!
リュシエンヌ様は毒を………。」
言ってピタリと止まる。
さすがに失言だと気づいたようだ。
「語るに落ちたな、宰相閣下。
15年前にリュシエンヌ様が亡くなられたのは、公には病死とされている。
リュシエンヌ様が毒薬を持っていた事実は知られていないのさ。」
そう、私が亡くなった原因が毒とは公表されなかったらしい。
前世での公爵家の家族、ウィル様、側近のユーリウス様、マリア様以外の当事者、つまりはイザベラ様と犯人しか知り得ない情報だったわけだ。
毒薬などそう簡単に手に入るものではない。
医療の従事者で薬品を取り扱う者との人脈もなければ、交易の裏ルートで入手することもできない小娘では到底手に入らない一品なのだ。
いくら本当に裏番長をやっていたとしても、命令して入手したとイチャモンつけるにはかなり無理があるだろう。
「お父様、チェックメイトですわ。」
「な!イザベラ、何故お前がここに!!?」
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私はお父様に命令され、リュシエンヌ様に毒を渡したことはもう知られてしまったのです。
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「し、知らん!!
そうだ!証拠などないだろう!!」
おおぅ!なんかミステリー小説とか火サスを見ているような気分だ!
タイトルは「悪役令嬢殺人事件」とかどうだろう?
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事前に私達は打ち合わせをしていた。
私の死は自殺だ。
他殺でなければ宰相様を追い詰め、罪人として裁くことは酷く困難だ。
なので結論として毒薬を入手し、王族の婚約者を害したことで罪に問う方法をとることになった。
過去の事件を解決することは凄く難しい。
だが、犯人の共謀者が味方に付いたのだ。
畳み掛けるなら今だろう。
「証拠の品ならございます。」
「な、なに!!?」
そう言ってイザベラ様は小瓶を取り出した。
イザベラ様は罪の意識から、ずっとあの小瓶を捨てられずにいたのだそうだ。
「な、中身は解毒剤だ!
毒じゃない!!」
うわぁ、悪役らしい最後の足掻きだぁ……。
「では、宰相閣下。
飲んでみていただけますね?」
ユーリウス様が悪魔の微笑みで宰相様に詰め寄る。
すっごい楽しそうだ。
そういえばユーリウス様は腹黒キャラだっけ。
攻略してないから忘れてた。
「う、ううぅ………。」
予想通りもう一つの小瓶も毒薬入りだったのだろう。
解毒剤など初めから用意されていなかったのだ。
当然飲めるわけがない。
宰相様は膝をつき、ガクリと項垂れてしまった。
私は人を追い詰めて楽しむ趣味などないが、宰相様の策略で沢山苦しんだのだ。
orzの宰相様を見て胸がスッとするくらい許されるだろう。
許されないのはその宰相様をここぞとばかりに踏みつけてるユーリウス様だと思う………。
性格わっるーー。
※※※
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