2 / 7
ミーシャ嬢の幸福
しおりを挟む
貴族が通う学園の卒業式。
式の後に夜会が行われるのだが、その公の場ではなく控え室で、私は婚約者から婚約破棄を告げられた。
「ミーシャ、残念だよ。君とは婚約破棄させてもらう」
私はこの世界の摂理を知っている。
前世で遊んだ乙女ゲームの世界とよく似たこの世界は、私には優しくできていない。
なぜなら私は悪役令嬢としてヒロインを虐め、婚約破棄をされてしまうシナリオのままに生きてきたから。
私はこのゲームがとても大好きで、ヒロインもとても大好きだった。
だからヒロインが私の婚約者であるアルフ王太子殿下ルートに入ってしまったなら、シナリオ通りにヒロインを虐め、婚約破棄を受け入れようと心に決めていたのだ。
「でも、もし君が「分かりましたわ、アルフ様」………え?」
アルフ様は攻略者に相応しくとても優しい方なので、私に情けをかけるかもしれない。
本来なら多くの貴族達が集まる夜会の場で、婚約破棄を言い渡されるシナリオだった。
ゲームのシナリオ通りにならなかったのはひとえに彼には常識があり、公の場で婚約者を断罪するような人ではなかったからだ。
攻略者として合格ラインだ。
けれどいいの。
大好きなヒロインと大好きな貴方が幸せになってくれるなら、私は潔く身を引いて修道女にでもなりましょう。
「いや、あの、」
「どうぞリリア様とお幸せになってくださいませ」
こうして私はにこやかに学園を去った。
たしか断罪イベントなどは存在しなかったはずだ。
ラノベなどで婚約破棄される悪役令嬢に生まれ変わる女の子の話がよく取り扱われるが、現実的に婚約者を奪われた挙句に断罪までされるなんて酷すぎる展開は本物の乙女ゲームでは有り得ないと思う。
寧ろ乙女ゲームの攻略者は魅力的でなければならないはずなのに、元であろうが婚約者を断罪するなんて攻略者にあるまじき行為ではなかろうか?
婚約破棄は仕方ないが、断罪は納得できない。
婚約自体は親同士の決めたものなので、アルフ様がヒロインに惹かれてしまうのは個人の好みがあるわけだから仕方ないことだと思うのだ。
大丈夫、私はアルフ様が浮気者だなんて思ったりしないわ。
「ミーシャ様、お話があるのです。少しだけお時間をくださいませんか?」
「まぁ、リリア様。私に何かご用でしょうか?」
あぁ、やっぱりヒロインは可愛いわ。
ラノベなどでよく見る「この世界は私のためにあるのよ!」的な痛い転生ヒロインとは訳が違う。
そんなヒロインなら私ももっと抵抗したのだが、彼女はとてもヒロインに相応しい可愛く優しい少女だった。
是非アルフ様と幸せになっていただきたい。
「私、アルフ様に頼まれたことがあってお話ししていただけなんです!今からならまだ婚約破棄もなかったことに出来ます!」
ほら、自分が虐められていたことなど全然気にしてないのよ?
そればかりか私の心配までして、婚約破棄を無効にしようとしてくれてる。
ヒロインの鏡ね!
「いいのよ?もう過ぎたことですもの。貴女はどうかアルフ様と幸せになってね」
「え、ちょっ!」
これ以上は迷惑をかけたくない。
優しい彼女を追い詰めたくなくて、私はそそくさと退散する。
もう学園ともお別れだから、会うこともないのでしょうね。
せめてトゥルーエンドのスチルくらいは見たかったが、私は悪役令嬢なので見ることは叶わないだろう。
潔くログアウトしましょうか。
と、思っていたのだけど、どういう訳か現在アルフ様が必死に頭を下げている。
つむじしか見えない……。
何が起きたのかしら?
「……俺が悪かった」
「?どういうことですの?」
「その…………………最初は出来心だったんだ………」
ん?それは浮気だったという申告なの?
「ミーシャがあまりにも物分かりがいいから、婚約も親に言われて仕方なくしただけで、別に俺のこと好きではなかったのかと………」
親に言われたというより、シナリオだからと何の疑問も持たなかったなぁ……。
「たまたま用があってリリアと話をしていたら、その後ミーシャがリリアを虐めたと聞いて……その、嬉しかったんだ」
「???どういう意味ですの?」
「その………嫉妬してくれたのだと………」
そんな意図はなかった。
だってシナリオだもの。
私の認識では「あぁ、ヒロインはアルフ様ルートに入ったのね」で、「ならばヒロインを虐めなければ」だった。
「嫉妬しているということは、俺が好きな証拠だろ?ついつい嬉しくてリリアに協力してもらって浮気しているように見せていたんだ」
……じゃあリリア様は協力させられた上に私に虐められて、貧乏クジを引いただけじゃない。
「婚約破棄を言い出したのも、君が俺に泣いて縋るさまを見たかっただけなんだ」
中途半端にエスッ気出して受け入れられたものだから、焦って謝りに来た……という訳ね?
「君を傷つけるつもりなんてなかったんだ。俺が悪かった!」
そうか、攻略者として合格ラインの彼なら、まず好きでもない女と婚約などするはずないか。
彼は王族だ。
政略結婚などせずとも選びたい放題だ。
「………アルフ様は私が好きなんですの?」
「あ、当たり前だ!」
…………嬉しいけど、悪役令嬢と攻略者のトゥルーエンドスチルなんて需要あるの?
そんなふうに思っていると、それをどう取ったのかアルフ様が急に詰め寄ってきた。
「……君が俺を許してくれないなら、強硬手段を取らせてもらう」
「え?」
「既成事実ができてしまえば、君も俺と結婚する以外の道がなくなる」
「ええ???」
いきなり抱きしめられたと思ったら、そのままソファに押し倒されてしまった。
アルフ様はフェロモンを出しまくって妙に艶っぽい表情をしていた。
こんなアルフ様のスチル見たことない!
そうウッカリ見入ってたのがいけなかった。
気がついたらあっちこっち弄られており、乙女の口から語るには憚られる、めくるめく大人の世界が展開された。
このゲームは全年齢対応で、決して18禁ではなかったはず………。
なにがどうしてこうなった?
「ミーシャ、必ず君を幸せにすると誓うよ」
そして私はアルフ様の妃となった。
アルフ様は乙女ゲームの攻略者に相応しく、毎日甘く蕩けるような台詞を沢山言ってくれる。
お相手が悪役令嬢になってしまったのはイレギュラーだったが、スチルにはヒロインの顔は映らない仕様なので、私さえ気にしなければ普通にリアル乙女ゲームを楽しむことができる。
これがゲームだったらバットエンドなのだろうけど、ここは現実だ。
悪役令嬢がハッピーエンドを迎える世界もなかなか素晴らしいと思うのだった。
式の後に夜会が行われるのだが、その公の場ではなく控え室で、私は婚約者から婚約破棄を告げられた。
「ミーシャ、残念だよ。君とは婚約破棄させてもらう」
私はこの世界の摂理を知っている。
前世で遊んだ乙女ゲームの世界とよく似たこの世界は、私には優しくできていない。
なぜなら私は悪役令嬢としてヒロインを虐め、婚約破棄をされてしまうシナリオのままに生きてきたから。
私はこのゲームがとても大好きで、ヒロインもとても大好きだった。
だからヒロインが私の婚約者であるアルフ王太子殿下ルートに入ってしまったなら、シナリオ通りにヒロインを虐め、婚約破棄を受け入れようと心に決めていたのだ。
「でも、もし君が「分かりましたわ、アルフ様」………え?」
アルフ様は攻略者に相応しくとても優しい方なので、私に情けをかけるかもしれない。
本来なら多くの貴族達が集まる夜会の場で、婚約破棄を言い渡されるシナリオだった。
ゲームのシナリオ通りにならなかったのはひとえに彼には常識があり、公の場で婚約者を断罪するような人ではなかったからだ。
攻略者として合格ラインだ。
けれどいいの。
大好きなヒロインと大好きな貴方が幸せになってくれるなら、私は潔く身を引いて修道女にでもなりましょう。
「いや、あの、」
「どうぞリリア様とお幸せになってくださいませ」
こうして私はにこやかに学園を去った。
たしか断罪イベントなどは存在しなかったはずだ。
ラノベなどで婚約破棄される悪役令嬢に生まれ変わる女の子の話がよく取り扱われるが、現実的に婚約者を奪われた挙句に断罪までされるなんて酷すぎる展開は本物の乙女ゲームでは有り得ないと思う。
寧ろ乙女ゲームの攻略者は魅力的でなければならないはずなのに、元であろうが婚約者を断罪するなんて攻略者にあるまじき行為ではなかろうか?
婚約破棄は仕方ないが、断罪は納得できない。
婚約自体は親同士の決めたものなので、アルフ様がヒロインに惹かれてしまうのは個人の好みがあるわけだから仕方ないことだと思うのだ。
大丈夫、私はアルフ様が浮気者だなんて思ったりしないわ。
「ミーシャ様、お話があるのです。少しだけお時間をくださいませんか?」
「まぁ、リリア様。私に何かご用でしょうか?」
あぁ、やっぱりヒロインは可愛いわ。
ラノベなどでよく見る「この世界は私のためにあるのよ!」的な痛い転生ヒロインとは訳が違う。
そんなヒロインなら私ももっと抵抗したのだが、彼女はとてもヒロインに相応しい可愛く優しい少女だった。
是非アルフ様と幸せになっていただきたい。
「私、アルフ様に頼まれたことがあってお話ししていただけなんです!今からならまだ婚約破棄もなかったことに出来ます!」
ほら、自分が虐められていたことなど全然気にしてないのよ?
そればかりか私の心配までして、婚約破棄を無効にしようとしてくれてる。
ヒロインの鏡ね!
「いいのよ?もう過ぎたことですもの。貴女はどうかアルフ様と幸せになってね」
「え、ちょっ!」
これ以上は迷惑をかけたくない。
優しい彼女を追い詰めたくなくて、私はそそくさと退散する。
もう学園ともお別れだから、会うこともないのでしょうね。
せめてトゥルーエンドのスチルくらいは見たかったが、私は悪役令嬢なので見ることは叶わないだろう。
潔くログアウトしましょうか。
と、思っていたのだけど、どういう訳か現在アルフ様が必死に頭を下げている。
つむじしか見えない……。
何が起きたのかしら?
「……俺が悪かった」
「?どういうことですの?」
「その…………………最初は出来心だったんだ………」
ん?それは浮気だったという申告なの?
「ミーシャがあまりにも物分かりがいいから、婚約も親に言われて仕方なくしただけで、別に俺のこと好きではなかったのかと………」
親に言われたというより、シナリオだからと何の疑問も持たなかったなぁ……。
「たまたま用があってリリアと話をしていたら、その後ミーシャがリリアを虐めたと聞いて……その、嬉しかったんだ」
「???どういう意味ですの?」
「その………嫉妬してくれたのだと………」
そんな意図はなかった。
だってシナリオだもの。
私の認識では「あぁ、ヒロインはアルフ様ルートに入ったのね」で、「ならばヒロインを虐めなければ」だった。
「嫉妬しているということは、俺が好きな証拠だろ?ついつい嬉しくてリリアに協力してもらって浮気しているように見せていたんだ」
……じゃあリリア様は協力させられた上に私に虐められて、貧乏クジを引いただけじゃない。
「婚約破棄を言い出したのも、君が俺に泣いて縋るさまを見たかっただけなんだ」
中途半端にエスッ気出して受け入れられたものだから、焦って謝りに来た……という訳ね?
「君を傷つけるつもりなんてなかったんだ。俺が悪かった!」
そうか、攻略者として合格ラインの彼なら、まず好きでもない女と婚約などするはずないか。
彼は王族だ。
政略結婚などせずとも選びたい放題だ。
「………アルフ様は私が好きなんですの?」
「あ、当たり前だ!」
…………嬉しいけど、悪役令嬢と攻略者のトゥルーエンドスチルなんて需要あるの?
そんなふうに思っていると、それをどう取ったのかアルフ様が急に詰め寄ってきた。
「……君が俺を許してくれないなら、強硬手段を取らせてもらう」
「え?」
「既成事実ができてしまえば、君も俺と結婚する以外の道がなくなる」
「ええ???」
いきなり抱きしめられたと思ったら、そのままソファに押し倒されてしまった。
アルフ様はフェロモンを出しまくって妙に艶っぽい表情をしていた。
こんなアルフ様のスチル見たことない!
そうウッカリ見入ってたのがいけなかった。
気がついたらあっちこっち弄られており、乙女の口から語るには憚られる、めくるめく大人の世界が展開された。
このゲームは全年齢対応で、決して18禁ではなかったはず………。
なにがどうしてこうなった?
「ミーシャ、必ず君を幸せにすると誓うよ」
そして私はアルフ様の妃となった。
アルフ様は乙女ゲームの攻略者に相応しく、毎日甘く蕩けるような台詞を沢山言ってくれる。
お相手が悪役令嬢になってしまったのはイレギュラーだったが、スチルにはヒロインの顔は映らない仕様なので、私さえ気にしなければ普通にリアル乙女ゲームを楽しむことができる。
これがゲームだったらバットエンドなのだろうけど、ここは現実だ。
悪役令嬢がハッピーエンドを迎える世界もなかなか素晴らしいと思うのだった。
3
お気に入りに追加
541
あなたにおすすめの小説
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
デネブが死んだ
毛蟹葵葉
恋愛
弟との思い出の土地で、ゆっくりと死を迎えるつもりのアデラインの隣の屋敷に、美しい夫婦がやってきた。
夫のアルビレオに強く惹かれるアデライン。
嫉妬心を抑えながら、妻のデネブと親友として接する。
アデラインは病弱のデネブを元気付けた。
原因となる病も完治した。それなのに。
ある日、デネブが死んだ。
ふわっとしてます
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
もうすぐ、お別れの時間です
夕立悠理
恋愛
──期限つきの恋だった。そんなの、わかってた、はずだったのに。
親友の代わりに、王太子の婚約者となった、レオーネ。けれど、親友の病は治り、婚約は解消される。その翌日、なぜか目覚めると、王太子が親友を見初めるパーティーの日まで、時間が巻き戻っていた。けれど、そのパーティーで、親友ではなくレオーネが見初められ──。王太子のことを信じたいけれど、信じられない。そんな想いにゆれるレオーネにずっと幼なじみだと思っていたアルロが告白し──!?
結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。
絶対に離婚届に判なんて押さないからな」
既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。
まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。
紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転!
純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。
離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。
それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。
このままでは紘希の弱点になる。
わかっているけれど……。
瑞木純華
みずきすみか
28
イベントデザイン部係長
姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点
おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち
後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない
恋に関しては夢見がち
×
矢崎紘希
やざきひろき
28
営業部課長
一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長
サバサバした爽やかくん
実体は押しが強くて粘着質
秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?
頑張らない政略結婚
ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」
結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。
好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。
ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ!
五話完結、毎日更新
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる