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第八章 伝説の彼方に
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「リーン。君は認めたくないだろうけど聞いた通りなんだ。諦めてくれないかい?
亜樹のためにも、彼には私たちの部落にきてもらうよ。そうしてそこで力のコントロールを覚えて
もらう。わかるね?」
問われてもリーンは暫くの間答えなかった。
認めればエルシアたちはすぐにでも亜樹を連れて戻るだろう。
そうしたら簡単には逢えなくなる。
エルダ山の頂上付近に彼らの屋敷はあって、リーンには訪ねる方法がないからだ。
力のコントロールの訓練が避けられないなら、せめて頻繁に逢えるようにはしたい。
リーンにとって亜樹は時別だから、その意味を知りたい。
どうして特別なのか。
なぜこんなにも胸が騒ぐのか。
その意味を知りたいから。
「一週間交代で亜樹を宮殿に連れてくるなら認める」
淡々と口にされたわがままに、エルシアたちが呆れた顔になる。
これには一樹も姉のイヴも呆れていた。
ここまで我を通すとはある意味すごいことである。
「リーン。あまり無茶を言ってエルシアさまたちを困らせないであげて」
「姉上。これがわたし個人のわがままだということは百も承知しています。でも、初めてを興味を持てた相手なんです。もっと知り合いたいと思っていたのに、エルスたちに引き渡したら、簡単には逢えなくなってしまいます。わたしはそんな事態にしたくないだけなんです」
厳密に言えばリーンになら逢いに行くことは可能だ。
それを厭っているリーンが、実行に移すとは思えないが。
進退極まったリーンの、これが最後の抵抗なのだろう。
自分を納得させるために出した妥協案。
暫く呆れていたエルシアだが、可愛いリーンのわがままとあっては、無視するのも躊躇われた。
「仕方がないね。一週間ごとに彼の身柄を移動させるということで妥協しよう」
その言葉に思わずほっとしたリーンだったが、続いた言葉に恨めしそうな顔になってしまった。
「その代わり彼が滞在している間は、私たちも滞在するからね?」
念を押されてブスっとしてしまうリーンだった。
勿論わがままを認めてもらった後だけに文句も言えないのだが。
亜樹は自分がどうなるのか全く想像していない。
彼に内密に話し合いを進めたのは悪かったかな? と、リーンにしては珍しく他者の気持ちを考えるようなことを考えていた。
亜樹のためにも、彼には私たちの部落にきてもらうよ。そうしてそこで力のコントロールを覚えて
もらう。わかるね?」
問われてもリーンは暫くの間答えなかった。
認めればエルシアたちはすぐにでも亜樹を連れて戻るだろう。
そうしたら簡単には逢えなくなる。
エルダ山の頂上付近に彼らの屋敷はあって、リーンには訪ねる方法がないからだ。
力のコントロールの訓練が避けられないなら、せめて頻繁に逢えるようにはしたい。
リーンにとって亜樹は時別だから、その意味を知りたい。
どうして特別なのか。
なぜこんなにも胸が騒ぐのか。
その意味を知りたいから。
「一週間交代で亜樹を宮殿に連れてくるなら認める」
淡々と口にされたわがままに、エルシアたちが呆れた顔になる。
これには一樹も姉のイヴも呆れていた。
ここまで我を通すとはある意味すごいことである。
「リーン。あまり無茶を言ってエルシアさまたちを困らせないであげて」
「姉上。これがわたし個人のわがままだということは百も承知しています。でも、初めてを興味を持てた相手なんです。もっと知り合いたいと思っていたのに、エルスたちに引き渡したら、簡単には逢えなくなってしまいます。わたしはそんな事態にしたくないだけなんです」
厳密に言えばリーンになら逢いに行くことは可能だ。
それを厭っているリーンが、実行に移すとは思えないが。
進退極まったリーンの、これが最後の抵抗なのだろう。
自分を納得させるために出した妥協案。
暫く呆れていたエルシアだが、可愛いリーンのわがままとあっては、無視するのも躊躇われた。
「仕方がないね。一週間ごとに彼の身柄を移動させるということで妥協しよう」
その言葉に思わずほっとしたリーンだったが、続いた言葉に恨めしそうな顔になってしまった。
「その代わり彼が滞在している間は、私たちも滞在するからね?」
念を押されてブスっとしてしまうリーンだった。
勿論わがままを認めてもらった後だけに文句も言えないのだが。
亜樹は自分がどうなるのか全く想像していない。
彼に内密に話し合いを進めたのは悪かったかな? と、リーンにしては珍しく他者の気持ちを考えるようなことを考えていた。
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