258 / 285
9章
9話 足りないなら長くすればいいじゃない!
しおりを挟む
結婚式から三日後。
僕と縁は並んで正座している。
正面にはイルムヒルデ。
左隣の縁の正面にはお母さん。
「で? どうして報告しなかったんですか?」
抑揚のないイルムヒルデの声に、二人揃って姿勢を正す。
「兄さん……」
助けを求めるような縁の視線は無視。
たしかに、神聖樹の欠片の件はイルムヒルデに伝えておく、と言ったけど、そもそもの報告を怠ったのは縁だ。そこはお叱りを受けるべきだよ。僕も忘れたのはだけど。
「えっと……兄さんの性感強化対策に使えるかなぁ、と……」
「報告しなかった理由を聞いているのですが?」
ああ、怒ってるなぁ。やっぱ、助け船を出さないとダメか。
「イルムヒルデ。報告を怠った罰は受けるべきだろうけど、それでラルスは助かっているんだ。なんとか穏便に済ませてもらえないか?」
これが僕にできる精一杯の助け船だ。
「ユカリちゃんから聞きましたけど、わたくしに話を通しておく、と言ったそうですね? 聞いてませんが?」
矛先が僕に向かう。
相変わらず、僕の助け船はタイタニックだ。
「なぜ話を通さなかったのですか?」
「それは……その……」
言えない。
イルムヒルデを探していると、真弘たちがリベンジしに来たので全力で迎え撃っていた、なんて、火に油を注ぐようなことは言えない。
「孫一は、真弘ちゃんたちに夢中で忘れてたのかしら?」
母からのナパーム弾。
「いや、違うんだよ。忘れてたんじゃなくて、優先順位が低かっただけで、その……ね?」
振られた縁は高速赤ベコのように頷く。
「そうです。兄さんが性欲に負けて報告を忘れるなんてあり得ません!」
義妹の期待が重い。
あり得るんだよ。性欲に負けっぱなしだよ。
「縁、お母さんには、惨敗しているように見えたけど?」
「見てたの?」
「ええ。一部始終」
「ごっふっ!」
母に情事を見られるというストレスが、マッハで胃に穴を空けた。
前のめりに倒れた僕の背中に縁の手が触れ、魔力が流れ込む。〈治癒魔法〉か。今はこのまま意識を失いたかった。
顔を上げると、イルムヒルデが困り顔で僕を見下ろし、深ーいため息をついた。
「はぁ……マゴイチ様が性欲に流されるのは、今に始まったことではありません」
出会った頃から既に流されっぱなしだったよね。下流に向かって泳ぐ河童のように流されてたよ。
「なんか、すいません」
女性のため息に対して誠意のない謝罪は言ってはいけない言葉だけど、イルムヒルデは「仕方ありませんね」と呆れ顔で許してくれる。
こういうのは積み重なると爆発しそうだから、どこかで清算しないとな。
*
今後は、報告、連絡、相談のホウレンソウを縁に徹底させて解散となった。
僕? なにも言われなかったよ。
……あれ? 見棄てられた?
「マゴイチ様、少し宜しいですか?」
正座したままの僕の前に、互いの膝が当たる近さでイルムヒルデが正座する。
「「……」」
話題の提供をしろと?
なにかあったかな……。
「……イルムヒルデは、どうして神様になったの? あ、違う。言い方が悪いね。責めてるんじゃないよ」
前から思ってた疑問を口にしたら、責めてるような言い方になってしまった。
「わたくしは、マゴイチ様と添い遂げたいのです」
「うん? それだと、定命の俺が先に死ぬから、イルムヒルデを残してしまうよ」
共に生きて、共に老いて、共に死にたい。と言っていたはず。
「それは……後数年で意味がわかると思います」
「数年? なんで?」
「えっと……」
人差し指を唇に当て、上目遣いで僕を見る。
「秘密です」
可愛い。
「なんか……今日のイルムヒルデは、テンション高いね」
普段より距離が近いし。
というか、隣に座ることはあるけど、正面に座ることはあまりなかったと思う。
こうして正面から彼女の顔を見るのは久し振りだ。
「「……」」
なんか照れる。
お互いモジモジしてるだけで話が進まない。
「御主人。お茶を淹れました。こちらへ」
さすが、できるメイド。我らがマーヤ様がテーブルと椅子を用意して、その上にお茶とお茶菓子まで揃えてくれた。
イルムヒルデとテーブルに着いてお茶を一口飲む。
うん。今の気分を落ち着かせるのに丁度いい、香り立つ紅茶だ。
マーヤにお礼を言おうとしたら、既に姿を消していた。どうせ近くにいるだろうから、小さく礼を言っておく。
「それで? なにか話があるんだよね?」
貴族や王族が相手の場合、まずは時候の挨拶と世間話で場を和ませてから本題に入るのが常識らしい。
まあ、うちでは、貴族だろうと王族だろうと皇族だろうと神様だろうと、関係なく本題から入るけど。
「その、このようなことを言うと、誘っているようで、慎みがないと思われるかもしれませんが……」
はて? 慎みとは?
普段から野外プレイに積極的な人が、今更、慎みがない、と思われたくないの?
「……こ、子作りしましょう!」
真っ赤な顔でなに言ってんの?
「スキルでの避妊をやめるってこと?」
「ウミカちゃんも早く欲しいと言っていたので、わたくしも一緒に……」
「海歌からは聞いてないけど……」
というか、海歌にそんな余裕はなかったと思う。
「そういえば、狼部隊が順番に妊娠する予定、ってユリアーナが言ってたな」
獣人種は異種族でも妊娠しやすいようで、スキルでの避妊をやめたら、すぐに妊娠するらしい。
「ええ。先日の会議で、大森林のダンジョン討伐はあと一年くらいかかるだろうと予想されましたので、わたくしも含めて皆、この機に子供を産もうと考えたのでしょう」
その会議、僕は呼ばれてない。
「まあ、半周するだけで二ヶ月だもんな。あと二周くらいはしないとだから、最低でも八ヶ月くらい。交渉の時間を考えると……一年くらいかかるか」
渦を巻くように中心に向かっているので、内側に行くほど移動距離は短くなるのだけれども、内側の士族はそれなりの武力と権力があり、それらに比例するようにプライドも高い。だから、交渉にならないだろう。
しかし、森の奥に閉じ籠っている連中だ。自分たちの世界しか知らないし、情報戦なんて言葉はないだろう。
会ってさえもらえれば、唆すのは簡単だと思う。
それでも、神々が一年くらいかかると予想したのなら、僕が予想していないイレギュラーが起こるのだろう。
「なるほど。それで、駄馬どもが発情期みたいになってるのか」
「人馬族で懐妊した方はいませんからね」
人馬族は人族と同じ人種に分類されている。
女神教は人族以外の人種を亜人と呼んでいるものの、生物学的には、人馬族も、人蜘蛛族も、鬼人族も、人族の親戚で人種だ。
余談ではあるが、竜人族と龍人族も人種。人魚族は人種だが、魚人族は魚人種だ。
「人種同士では妊娠しにくいってわけじゃなさそうなんだよね」
人蜘蛛族のミアと鬼人族のシュェは妊婦だ。
両種族が僕の子供を妊娠したのに、同じ人種の人馬族には妊娠した人がいない。
おまけに、同族でも妊娠しにくい妖精種も妊娠している。
だから、彼女たちは焦っている。発情しているように見えるけど、焦っているんだ。たぶん。
「回数をこなす、ってのもわからないではない。当たれば、だけど」
人馬族が妊娠しないのは、単純に僕のナニが短いからではないだろうか。短いから、精子が子宮にまで辿り着いていないのでは?
これ、イルムヒルデも気づいてるよね。
まあ、指摘できないだろうけど。
狂信者メイドが見てるし、ストーカーもドローンを使って見ているだろう。指摘しちゃうとなにをされるかわからない。だから、口を噤んでいるのだろう。
「それに関しては、解決策をロクサーヌと一緒に考えた」
「思考がエロスに偏りがちなロクサーヌさんと、ですか。一応、聞きましょう」
「足りないなら長くすればいいじゃない!」
イルムヒルデは、僕のキメ顔に首を傾げて続きを促す。
「プラーナの物質化ってあるじゃん?」
イルムヒルデが頷く。
魔法銃にも使われている技術で、うちではメジャーな技術だ。
高濃度のプラーナは物質化する。
魔法銃では、術式で意図的にプラーナ密度を上げることでプラーナの塊を銃弾の代わりにしている。
実はこれ、プラーナ操作技術を極めれば、術式がなくても物理干渉を引き起こせるんだ。
だから。
「プラーナで棹を伸ばせばいい」
キメ顔の僕に、「うわぁ」という顔を向けるイルムヒルデ。
「……寝室での死亡は、戦死として数えるべきなんでしょうか?」
旗揚げからもうじき一年。『他力本願』の戦死者数は未だゼロのままだ。
でも、ベッドの上で死亡した人は一人いる。
一部の妻たちは、僕との夜の戦闘を魔王戦なんて呼んでいるから、戦死も間違いではない。
「でも、この方法なら、精子を子宮に押し込める」
伸ばした竿の内壁をプラーナ操作で精子を押し出すようにしているので、射精の勢いも凄いことになった。
僕の説明を聞いて、イルムヒルデがゴクリと生唾を飲む。
「それは、試したんですか?」
「いや、まだ。さすがに、妊婦のロクサーヌには使わないよ」
僕にもその程度の良識はある。手と御胸でしか試していない。
「どこかで試さないといけませんね」
「そうだねぇ」
イルムヒルデの碧眼が、狩人の目になる。
「……マゴイチ様、散歩に行きませんか?」
「……いいねぇ」
狩人の目と獲物の目は、互いに情欲で濁っていた。
僕と縁は並んで正座している。
正面にはイルムヒルデ。
左隣の縁の正面にはお母さん。
「で? どうして報告しなかったんですか?」
抑揚のないイルムヒルデの声に、二人揃って姿勢を正す。
「兄さん……」
助けを求めるような縁の視線は無視。
たしかに、神聖樹の欠片の件はイルムヒルデに伝えておく、と言ったけど、そもそもの報告を怠ったのは縁だ。そこはお叱りを受けるべきだよ。僕も忘れたのはだけど。
「えっと……兄さんの性感強化対策に使えるかなぁ、と……」
「報告しなかった理由を聞いているのですが?」
ああ、怒ってるなぁ。やっぱ、助け船を出さないとダメか。
「イルムヒルデ。報告を怠った罰は受けるべきだろうけど、それでラルスは助かっているんだ。なんとか穏便に済ませてもらえないか?」
これが僕にできる精一杯の助け船だ。
「ユカリちゃんから聞きましたけど、わたくしに話を通しておく、と言ったそうですね? 聞いてませんが?」
矛先が僕に向かう。
相変わらず、僕の助け船はタイタニックだ。
「なぜ話を通さなかったのですか?」
「それは……その……」
言えない。
イルムヒルデを探していると、真弘たちがリベンジしに来たので全力で迎え撃っていた、なんて、火に油を注ぐようなことは言えない。
「孫一は、真弘ちゃんたちに夢中で忘れてたのかしら?」
母からのナパーム弾。
「いや、違うんだよ。忘れてたんじゃなくて、優先順位が低かっただけで、その……ね?」
振られた縁は高速赤ベコのように頷く。
「そうです。兄さんが性欲に負けて報告を忘れるなんてあり得ません!」
義妹の期待が重い。
あり得るんだよ。性欲に負けっぱなしだよ。
「縁、お母さんには、惨敗しているように見えたけど?」
「見てたの?」
「ええ。一部始終」
「ごっふっ!」
母に情事を見られるというストレスが、マッハで胃に穴を空けた。
前のめりに倒れた僕の背中に縁の手が触れ、魔力が流れ込む。〈治癒魔法〉か。今はこのまま意識を失いたかった。
顔を上げると、イルムヒルデが困り顔で僕を見下ろし、深ーいため息をついた。
「はぁ……マゴイチ様が性欲に流されるのは、今に始まったことではありません」
出会った頃から既に流されっぱなしだったよね。下流に向かって泳ぐ河童のように流されてたよ。
「なんか、すいません」
女性のため息に対して誠意のない謝罪は言ってはいけない言葉だけど、イルムヒルデは「仕方ありませんね」と呆れ顔で許してくれる。
こういうのは積み重なると爆発しそうだから、どこかで清算しないとな。
*
今後は、報告、連絡、相談のホウレンソウを縁に徹底させて解散となった。
僕? なにも言われなかったよ。
……あれ? 見棄てられた?
「マゴイチ様、少し宜しいですか?」
正座したままの僕の前に、互いの膝が当たる近さでイルムヒルデが正座する。
「「……」」
話題の提供をしろと?
なにかあったかな……。
「……イルムヒルデは、どうして神様になったの? あ、違う。言い方が悪いね。責めてるんじゃないよ」
前から思ってた疑問を口にしたら、責めてるような言い方になってしまった。
「わたくしは、マゴイチ様と添い遂げたいのです」
「うん? それだと、定命の俺が先に死ぬから、イルムヒルデを残してしまうよ」
共に生きて、共に老いて、共に死にたい。と言っていたはず。
「それは……後数年で意味がわかると思います」
「数年? なんで?」
「えっと……」
人差し指を唇に当て、上目遣いで僕を見る。
「秘密です」
可愛い。
「なんか……今日のイルムヒルデは、テンション高いね」
普段より距離が近いし。
というか、隣に座ることはあるけど、正面に座ることはあまりなかったと思う。
こうして正面から彼女の顔を見るのは久し振りだ。
「「……」」
なんか照れる。
お互いモジモジしてるだけで話が進まない。
「御主人。お茶を淹れました。こちらへ」
さすが、できるメイド。我らがマーヤ様がテーブルと椅子を用意して、その上にお茶とお茶菓子まで揃えてくれた。
イルムヒルデとテーブルに着いてお茶を一口飲む。
うん。今の気分を落ち着かせるのに丁度いい、香り立つ紅茶だ。
マーヤにお礼を言おうとしたら、既に姿を消していた。どうせ近くにいるだろうから、小さく礼を言っておく。
「それで? なにか話があるんだよね?」
貴族や王族が相手の場合、まずは時候の挨拶と世間話で場を和ませてから本題に入るのが常識らしい。
まあ、うちでは、貴族だろうと王族だろうと皇族だろうと神様だろうと、関係なく本題から入るけど。
「その、このようなことを言うと、誘っているようで、慎みがないと思われるかもしれませんが……」
はて? 慎みとは?
普段から野外プレイに積極的な人が、今更、慎みがない、と思われたくないの?
「……こ、子作りしましょう!」
真っ赤な顔でなに言ってんの?
「スキルでの避妊をやめるってこと?」
「ウミカちゃんも早く欲しいと言っていたので、わたくしも一緒に……」
「海歌からは聞いてないけど……」
というか、海歌にそんな余裕はなかったと思う。
「そういえば、狼部隊が順番に妊娠する予定、ってユリアーナが言ってたな」
獣人種は異種族でも妊娠しやすいようで、スキルでの避妊をやめたら、すぐに妊娠するらしい。
「ええ。先日の会議で、大森林のダンジョン討伐はあと一年くらいかかるだろうと予想されましたので、わたくしも含めて皆、この機に子供を産もうと考えたのでしょう」
その会議、僕は呼ばれてない。
「まあ、半周するだけで二ヶ月だもんな。あと二周くらいはしないとだから、最低でも八ヶ月くらい。交渉の時間を考えると……一年くらいかかるか」
渦を巻くように中心に向かっているので、内側に行くほど移動距離は短くなるのだけれども、内側の士族はそれなりの武力と権力があり、それらに比例するようにプライドも高い。だから、交渉にならないだろう。
しかし、森の奥に閉じ籠っている連中だ。自分たちの世界しか知らないし、情報戦なんて言葉はないだろう。
会ってさえもらえれば、唆すのは簡単だと思う。
それでも、神々が一年くらいかかると予想したのなら、僕が予想していないイレギュラーが起こるのだろう。
「なるほど。それで、駄馬どもが発情期みたいになってるのか」
「人馬族で懐妊した方はいませんからね」
人馬族は人族と同じ人種に分類されている。
女神教は人族以外の人種を亜人と呼んでいるものの、生物学的には、人馬族も、人蜘蛛族も、鬼人族も、人族の親戚で人種だ。
余談ではあるが、竜人族と龍人族も人種。人魚族は人種だが、魚人族は魚人種だ。
「人種同士では妊娠しにくいってわけじゃなさそうなんだよね」
人蜘蛛族のミアと鬼人族のシュェは妊婦だ。
両種族が僕の子供を妊娠したのに、同じ人種の人馬族には妊娠した人がいない。
おまけに、同族でも妊娠しにくい妖精種も妊娠している。
だから、彼女たちは焦っている。発情しているように見えるけど、焦っているんだ。たぶん。
「回数をこなす、ってのもわからないではない。当たれば、だけど」
人馬族が妊娠しないのは、単純に僕のナニが短いからではないだろうか。短いから、精子が子宮にまで辿り着いていないのでは?
これ、イルムヒルデも気づいてるよね。
まあ、指摘できないだろうけど。
狂信者メイドが見てるし、ストーカーもドローンを使って見ているだろう。指摘しちゃうとなにをされるかわからない。だから、口を噤んでいるのだろう。
「それに関しては、解決策をロクサーヌと一緒に考えた」
「思考がエロスに偏りがちなロクサーヌさんと、ですか。一応、聞きましょう」
「足りないなら長くすればいいじゃない!」
イルムヒルデは、僕のキメ顔に首を傾げて続きを促す。
「プラーナの物質化ってあるじゃん?」
イルムヒルデが頷く。
魔法銃にも使われている技術で、うちではメジャーな技術だ。
高濃度のプラーナは物質化する。
魔法銃では、術式で意図的にプラーナ密度を上げることでプラーナの塊を銃弾の代わりにしている。
実はこれ、プラーナ操作技術を極めれば、術式がなくても物理干渉を引き起こせるんだ。
だから。
「プラーナで棹を伸ばせばいい」
キメ顔の僕に、「うわぁ」という顔を向けるイルムヒルデ。
「……寝室での死亡は、戦死として数えるべきなんでしょうか?」
旗揚げからもうじき一年。『他力本願』の戦死者数は未だゼロのままだ。
でも、ベッドの上で死亡した人は一人いる。
一部の妻たちは、僕との夜の戦闘を魔王戦なんて呼んでいるから、戦死も間違いではない。
「でも、この方法なら、精子を子宮に押し込める」
伸ばした竿の内壁をプラーナ操作で精子を押し出すようにしているので、射精の勢いも凄いことになった。
僕の説明を聞いて、イルムヒルデがゴクリと生唾を飲む。
「それは、試したんですか?」
「いや、まだ。さすがに、妊婦のロクサーヌには使わないよ」
僕にもその程度の良識はある。手と御胸でしか試していない。
「どこかで試さないといけませんね」
「そうだねぇ」
イルムヒルデの碧眼が、狩人の目になる。
「……マゴイチ様、散歩に行きませんか?」
「……いいねぇ」
狩人の目と獲物の目は、互いに情欲で濁っていた。
0
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
勇者がパーティーを追放されたので、冒険者の街で「助っ人冒険者」を始めたら……勇者だった頃よりも大忙しなのですが!?
シトラス=ライス
ファンタジー
漆黒の勇者ノワールは、突然やってきた国の皇子ブランシュに力の証である聖剣を奪われ、追放を宣言される。
かなり不真面目なメンバーたちも、真面目なノワールが気に入らず、彼の追放に加担していたらしい。
結果ノワールは勇者にも関わらずパーティーを追い出されてしまう。
途方に暮れてたノワールは、放浪の最中にたまたまヨトンヘイム冒険者ギルドの受付嬢の「リゼ」を救出する。
すると彼女から……「とっても強いそこのあなた! 助っ人冒険者になりませんか!?」
特にやることも見つからなかったノワールは、名前を「ノルン」と変え、その誘いを受け、公僕の戦士である「助っ人冒険者」となった。
さすがは元勇者というべきか。
助っ人にも関わらず主役級の大活躍をしたり、久々に食事やお酒を楽しんだり、新人の冒険者の面倒を見たりなどなど…………あれ? 勇者だったころよりも、充実してないか?
一方その頃、勇者になりかわったブランシュは能力の代償と、その強大な力に振り回されているのだった……
*本作は以前連載をしておりました「勇者がパーティーをクビになったので、山に囲まれた田舎でスローライフを始めたら(かつて助けた村娘と共に)、最初は地元民となんやかんやとあったけど……今は、勇者だった頃よりもはるかに幸せなのですが?」のリブート作品になります。
みそっかすちびっ子転生王女は死にたくない!
沢野 りお
ファンタジー
【書籍化します!】2022年12月下旬にレジーナブックス様から刊行されることになりました!
定番の転生しました、前世アラサー女子です。
前世の記憶が戻ったのは、7歳のとき。
・・・なんか、病的に痩せていて体力ナシでみすぼらしいんだけど・・・、え?王女なの?これで?
どうやら亡くなった母の身分が低かったため、血の繋がった家族からは存在を無視された、みそっかすの王女が私。
しかも、使用人から虐げられていじめられている?お世話も満足にされずに、衰弱死寸前?
ええーっ!
まだ7歳の体では自立するのも無理だし、ぐぬぬぬ。
しっかーし、奴隷の亜人と手を組んで、こんなクソ王宮や国なんか出て行ってやる!
家出ならぬ、王宮出を企てる間に、なにやら王位継承を巡ってキナ臭い感じが・・・。
えっ?私には関係ないんだから巻き込まないでよ!ちょっと、王族暗殺?継承争い勃発?亜人奴隷解放運動?
そんなの知らなーい!
みそっかすちびっ子転生王女の私が、城出・出国して、安全な地でチート能力を駆使して、ワハハハハな生活を手に入れる、そんな立身出世のお話でぇーす!
え?違う?
とりあえず、家族になった亜人たちと、あっちのトラブル、こっちの騒動に巻き込まれながら、旅をしていきます。
R15は保険です。
更新は不定期です。
「みそっかすちびっ子王女の転生冒険ものがたり」を改訂、再up。
2021/8/21 改めて投稿し直しました。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる