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第1章 ヒストリア王国のお姫様
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ヒストリアの地域は今日も晴れ晴れとした青空が広がり、穏やかで過ごしやすい気候であった。
ネムルさん達と別れ、ネストの村を出てからもう二日が経っていた。
アリーシャとフィリアという現地人がいるので、迷うということはないとはいえ、長旅というのは中々にハードであった。
夜は馬車で寝泊まりしなければならないのだ。
地べたで寝るよりだいぶマシだとは思うのだが固い床で眠るというのは想像以上に疲れが取れないものだ。
それに夜は昼間よりも危険だ。
交代で見張りも立てなければならないのだ。
アリーシャの侍女であるフィリアが結界を張る魔法が使えたので、特に何事も無かったは無かったのだが、それでも魔族に狙われている可能性のある私達は、人一倍警戒した方がいいとのアリーシャの提案だった。
彼女の言葉を受け、改めて未知の生物に目をつけられているかもしるないという現実は、想像以上に私の心を重くした。
だがそんな中でも憂鬱な心持ちになるようなことばかりではない。
ネストの村を発ってからずっと続いていた森を、今朝ようやく抜けた。
鬱蒼とした森を抜けると視界が大きく開け、広大な丘陵地が広がっていたのだ。
開放的な緑と青のコントラストは、いくらか私の心を晴れやかにしてくれたのだ。
私達がまず目的地としているのは、ヒストリア王国への道程の中で、ちょうど中間に位置するピスタという街であった。
ネムルさんのいた村が百人規模の村に対し、そこには数千人規模の人達が生活を営んでいるらしい。
聞く所に依ると、ヒストリア王国からインソムニア王国へ入るための国境を目指すに際し、中継地として栄えた街なのだとか。
今私達が馬車で走っている街道は丁度ネストの村とそのピスタの街の中間くらいに位置しているらしい。
後二日、このような行程をひた進めば一旦の目的地ピスタに辿り着ける。
覚醒により身体能力が格段に向上したとはいえこのような馬車による旅は生まれて初めてだ。
勿論他の三人もそれは同様である。
ただでさえ見ず知らずの環境で戸惑いや不慣れはあれど、思いの外皆不平や不満を漏らすことはない。
寧ろこの状況を楽しんでいるとさえ感じる。
それはやはり我々が四人いるという事が大きいのだろう。
私自身も時折悲観的な思考が頭を過るものの、ずっとそうというわけではない。
見た感じ私がしっかりそういう悲観的な思考を維持していないとまるで遠足のようなムードになるのではないかと懸念してしまうほどである。
それが悪いことだとも思わない。
ただ、何事も孤独ではない、一人ではないという事がこんなにも心強いのだと改めて実感したのである。
人数も女性が二人増えて賑やかで華やかになり、旅はそれなりに順調且つ快適と言えた。
見上げた空もきらきらと華やいで見えた。
「ハヤト、少しいいだろうか」
現在御者台に座り、この馬車を走らせる私の隣にアリーシャがやって来た。
私は返事の代わりに御者台の右側に寄り、アリーシャが横に座れるだけのスペースを空ける。
彼女はフッと笑んでそこに腰掛けた。
「済まないな、君達に強制的に手伝わせるような事になってしまって」
「いや、私達もヒストリアに向かう予定だった以上、何も手を貸さない訳にも行くまい。それはもう気にしないでくれ」
運転中のためアリーシャの方は見れないが、彼女の申し訳無さそうな表情が脳裏に浮かぶ。
正直私もアリーシャからヒストリアの現状を聞かされた時は嫌な予感しかしなかったが、話を聞いてしまった以上無下にする事は出来ない。
しかも、私一人ならまだしも四人で行動している以上、アリーシャの話を聞いて面倒なので放っておこうとはならないと分かってしまっている事も辛い所だ。
私はふとアリーシャから聞いた話を思い出していた。
今から約二ヶ月程前。
ヒストリア王国の城下町に突然何処からともなくレッサーデーモンが出現するという事件が起こった。
いきなり町に最下級とはいえ魔族が現れたのだ。
当然人々はパニック状態に陥り騒ぎとなる。
幸いその時は王国の騎士団が直ぐ様赴き、レッサーデーモンを仕留めた。
それにより死者を出す事も無く事無きを得たが、それはその時だけに止まらなかった。
その後も度々何処からともなくレッサーデーモンが町に出現するという事件が多発しだしたのだ。
そんなだから騎士団は警備を増やし、厳戒体制でレッサーデーモンの討伐と町の警備に当たったが、結局の所それがいつ果てるともなく皆疲弊していった。
原因が全く分からなかったのだ。
そんな時にある噂が流れ出した。
この一連の事件は、我がヒストリア王国を邪魔だと考える北方の大国、ホプティア王国の仕業ではないかと。
そんな事はあり得ないとは思いつつも、火のない所に煙は立たない。
更にはそんな折りにホプティア王国の使いと思われる者が捕まったのだ。
流石にこのままにしておく訳にもいかなくなったヒストリア王国は、アリーシャの双子の兄であるアストリアをホプティアへの使者として送る事にした。
そしてアリーシャには国の対魔族の戦力増強のため、同盟国であるインソムニアへ行くという王からの勅命を受けた。
そこからアリーシャはインソムニアに行き魔石を仕入れた。そして帰国の折りに勇者出現の報を受ける。
その事からも私達を迎えに来たのは単なる偶然や定形の行動という事では無く、初めから私達に力を借りたかったためだったという事なのだとか。
勿論私達が信用に足る者達なのかの見極めは必要だろう。
そしてその逆もしかり。
そうなれば一国の王女であり騎士であるアリーシャというのは正に打ってつけの人物のように思えるのだ。
ちらとアリーシャの方を見ると、彼女は遠くの空を見つめていた。
そこに自身の母国、ヒストリアを思い浮かべているのだろうか。
彼女は多くを語らず私の横に座し、一点を見つめている。
時折馬車が揺れ、肩がこつんと触れた瞬間にフローラルな香りが漂い鼻腔をくすぐる。
まるでおとぎ話の一節のような光景がそこにあった。
アリーシャはこうも言っていた。
私達と合流を果たした際に、自分の身近に魔族がいた事。
その事に自身の周りに予想以上に魔族の手が入っており、危険感が膨れ上がったと。
そして恐らく今回の一連の流れ、それは魔族の仕業に違いない。
私はアリーシャの神妙な横顔をちらと見つつ、まだ見ぬ魔族の陰謀に胸焼けのような嫌な気持ちが込み上げてくるのだった。
出来る限りピスタの街で有益な情報が得られれば良いが。
花や枝葉は穏やかな風に揺らめき、街道は暖かな日差しが届き私達を包み込んでいる。
世界はこんなにも美しく平和だと感じさせてくるというのに、胸のもやもやは広がるばかりであった。
ネムルさん達と別れ、ネストの村を出てからもう二日が経っていた。
アリーシャとフィリアという現地人がいるので、迷うということはないとはいえ、長旅というのは中々にハードであった。
夜は馬車で寝泊まりしなければならないのだ。
地べたで寝るよりだいぶマシだとは思うのだが固い床で眠るというのは想像以上に疲れが取れないものだ。
それに夜は昼間よりも危険だ。
交代で見張りも立てなければならないのだ。
アリーシャの侍女であるフィリアが結界を張る魔法が使えたので、特に何事も無かったは無かったのだが、それでも魔族に狙われている可能性のある私達は、人一倍警戒した方がいいとのアリーシャの提案だった。
彼女の言葉を受け、改めて未知の生物に目をつけられているかもしるないという現実は、想像以上に私の心を重くした。
だがそんな中でも憂鬱な心持ちになるようなことばかりではない。
ネストの村を発ってからずっと続いていた森を、今朝ようやく抜けた。
鬱蒼とした森を抜けると視界が大きく開け、広大な丘陵地が広がっていたのだ。
開放的な緑と青のコントラストは、いくらか私の心を晴れやかにしてくれたのだ。
私達がまず目的地としているのは、ヒストリア王国への道程の中で、ちょうど中間に位置するピスタという街であった。
ネムルさんのいた村が百人規模の村に対し、そこには数千人規模の人達が生活を営んでいるらしい。
聞く所に依ると、ヒストリア王国からインソムニア王国へ入るための国境を目指すに際し、中継地として栄えた街なのだとか。
今私達が馬車で走っている街道は丁度ネストの村とそのピスタの街の中間くらいに位置しているらしい。
後二日、このような行程をひた進めば一旦の目的地ピスタに辿り着ける。
覚醒により身体能力が格段に向上したとはいえこのような馬車による旅は生まれて初めてだ。
勿論他の三人もそれは同様である。
ただでさえ見ず知らずの環境で戸惑いや不慣れはあれど、思いの外皆不平や不満を漏らすことはない。
寧ろこの状況を楽しんでいるとさえ感じる。
それはやはり我々が四人いるという事が大きいのだろう。
私自身も時折悲観的な思考が頭を過るものの、ずっとそうというわけではない。
見た感じ私がしっかりそういう悲観的な思考を維持していないとまるで遠足のようなムードになるのではないかと懸念してしまうほどである。
それが悪いことだとも思わない。
ただ、何事も孤独ではない、一人ではないという事がこんなにも心強いのだと改めて実感したのである。
人数も女性が二人増えて賑やかで華やかになり、旅はそれなりに順調且つ快適と言えた。
見上げた空もきらきらと華やいで見えた。
「ハヤト、少しいいだろうか」
現在御者台に座り、この馬車を走らせる私の隣にアリーシャがやって来た。
私は返事の代わりに御者台の右側に寄り、アリーシャが横に座れるだけのスペースを空ける。
彼女はフッと笑んでそこに腰掛けた。
「済まないな、君達に強制的に手伝わせるような事になってしまって」
「いや、私達もヒストリアに向かう予定だった以上、何も手を貸さない訳にも行くまい。それはもう気にしないでくれ」
運転中のためアリーシャの方は見れないが、彼女の申し訳無さそうな表情が脳裏に浮かぶ。
正直私もアリーシャからヒストリアの現状を聞かされた時は嫌な予感しかしなかったが、話を聞いてしまった以上無下にする事は出来ない。
しかも、私一人ならまだしも四人で行動している以上、アリーシャの話を聞いて面倒なので放っておこうとはならないと分かってしまっている事も辛い所だ。
私はふとアリーシャから聞いた話を思い出していた。
今から約二ヶ月程前。
ヒストリア王国の城下町に突然何処からともなくレッサーデーモンが出現するという事件が起こった。
いきなり町に最下級とはいえ魔族が現れたのだ。
当然人々はパニック状態に陥り騒ぎとなる。
幸いその時は王国の騎士団が直ぐ様赴き、レッサーデーモンを仕留めた。
それにより死者を出す事も無く事無きを得たが、それはその時だけに止まらなかった。
その後も度々何処からともなくレッサーデーモンが町に出現するという事件が多発しだしたのだ。
そんなだから騎士団は警備を増やし、厳戒体制でレッサーデーモンの討伐と町の警備に当たったが、結局の所それがいつ果てるともなく皆疲弊していった。
原因が全く分からなかったのだ。
そんな時にある噂が流れ出した。
この一連の事件は、我がヒストリア王国を邪魔だと考える北方の大国、ホプティア王国の仕業ではないかと。
そんな事はあり得ないとは思いつつも、火のない所に煙は立たない。
更にはそんな折りにホプティア王国の使いと思われる者が捕まったのだ。
流石にこのままにしておく訳にもいかなくなったヒストリア王国は、アリーシャの双子の兄であるアストリアをホプティアへの使者として送る事にした。
そしてアリーシャには国の対魔族の戦力増強のため、同盟国であるインソムニアへ行くという王からの勅命を受けた。
そこからアリーシャはインソムニアに行き魔石を仕入れた。そして帰国の折りに勇者出現の報を受ける。
その事からも私達を迎えに来たのは単なる偶然や定形の行動という事では無く、初めから私達に力を借りたかったためだったという事なのだとか。
勿論私達が信用に足る者達なのかの見極めは必要だろう。
そしてその逆もしかり。
そうなれば一国の王女であり騎士であるアリーシャというのは正に打ってつけの人物のように思えるのだ。
ちらとアリーシャの方を見ると、彼女は遠くの空を見つめていた。
そこに自身の母国、ヒストリアを思い浮かべているのだろうか。
彼女は多くを語らず私の横に座し、一点を見つめている。
時折馬車が揺れ、肩がこつんと触れた瞬間にフローラルな香りが漂い鼻腔をくすぐる。
まるでおとぎ話の一節のような光景がそこにあった。
アリーシャはこうも言っていた。
私達と合流を果たした際に、自分の身近に魔族がいた事。
その事に自身の周りに予想以上に魔族の手が入っており、危険感が膨れ上がったと。
そして恐らく今回の一連の流れ、それは魔族の仕業に違いない。
私はアリーシャの神妙な横顔をちらと見つつ、まだ見ぬ魔族の陰謀に胸焼けのような嫌な気持ちが込み上げてくるのだった。
出来る限りピスタの街で有益な情報が得られれば良いが。
花や枝葉は穏やかな風に揺らめき、街道は暖かな日差しが届き私達を包み込んでいる。
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