私のわがままな異世界転移

とみQ

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第4章 戦いを終えて

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  自分達で出来る範囲で魔族との戦いに身を投じる。
  それが今の私達の結論だ。
  大それた事は言えない。言いたくもない。
  世界を救うとか、勇者として扱われるとか、そんな事は深く考え過ぎない。
  だが結局魔族との関わりからは逃れられない畏れがあるのだ。
  そうなれば当然降りかかる火の粉は払っていくし、勿論世界を旅しながら元の世界に帰れる方法も探していくつもりだ。
  だからこれは利害の一致、という言葉が一番しっくり来るのだろうか。
  ネムルさんも、そんなこちらの都合のいい話を受け止めてくれた。
  そもそも自分達に私達の行動を強要する権利などなく、それで構わないと。
  ネムルさんや村の人々も実際五百年前の事は半信半疑な部分もあるのかもしれない。
  だがそれでも予言を信じ、決して安全とはいえないこの場所に、こうして村を構えここに居続けたこの人達は単純に凄いと思った。
  それにもし彼らがこの場所に居続けてくれなかったならば、きっと私達は今頃この周辺での垂れ死んでいただろう。
  そんな風に考えてしまうと、酷く恐ろしい気持ちになるし、改めて彼らに感謝の念を抱かずにはいられないのだった。
  さて、それでは改めて私達これからについて――。
  当面の直近の目的だ。
  どうやら既に、王国であるヒストリア王国からの使者がこちらへと向かっているという話をネムルさんから聞かされた。
  というか昨日の内に私達が魔族とワイバーンを撃退したという報告を伝書鳩で送ったらしいのだ。
  まだ返事は受け取っていないらしいが、手筈通りなら毎月初めに王国からこの村に防御魔法を施したり、物資を支援してくれる馬車が来る。その時に使いの者が一緒に現れて、ヒストリア王国へと案内されるのだとか。
  ある程度準備していただけあって、手並みはかなりスムーズだ。
  当然ながら、次の目的やこの先の当てがあったわけではない。
  よって断る理由などないのだ。
  皆異論はなく、先ずはその王国へ行ってみようという事になった。
  ――ヒストリア王国。
  そこは剣術で栄えた騎士の国。勇者ヒストリアの名前を冠してつけられた。
  そこへ赴けばこの世界について、より深く知る機会に恵まれるだろう。
  ――そこで、だ。
  ヒストリアの使者が来るまではおおよそ少なく見積もっても一週間から十日程の時間があるらしい。
  ただただ何もせずに待っているだけというのも勿体ない。
  それまでの間、私達は各自、自分達がもっと強くなるために力を磨く、という事になった。
  いわゆる修行、というやつだ。
  私達四人の中で真っ先に覚醒した椎名は、たった一日程度で風の扱いが相当進化した。
  しかも彼女曰く、『私、まだまだ強くなれそう――』とのことらしいのだ。
  そこから他の三人も同じように、とんでもない成長速度と可能性を秘めていると思ったのだ。
  魔族は強い。
  正直まだまだとてもではないが敵う相手ではないというのが本音なのだ。
  だがそれは今この段階での話。
  今は魔族に敵わなくとも、いずれそうなれるよう自分達の伸びしろを充分に埋めておくべきだと考えたのだ。
  そう考えるとこの動きは必然のような気がしてくる。
  すぐに動こう、と。
  そこまで決めると工藤は行動が早かった。

「山籠りしてくるぜっ!」

  彼は一言そう告げて、少ない荷物だけ持ってさっさと村の外へ出ていってしまったのだ。
  正に思いつきの行動。
  工藤らしいと言えば工藤らしいのだが――。
  まさか本当に求道者のような行動に出るとは思わなかった。
  私達は苦笑しながらもまず彼を見送った。
  一人で大丈夫かとも思ったが、今の工藤ならばその辺の魔物に対しても危険はないだろう。
  万が一強敵に出くわしても、一人なら逃げる事も雑作ないと思ってしまうのだ。
  それに椎名も寝泊まりは村でしてはいるが、日中は村の外で何やら色々試すようであった。
  そんな彼女の行動から、何だかんだ言って工藤が心配なのではとも思った。友達想い、もしくはそれ以上の感情から来るのかもしれない。本人には間違っても言えないが。
  美奈はというと、この村の人達にこの世界での戦い方というものを聞いているようだった。
  特に興味を示していたのが魔法と弓。
  村の人達と一緒に弓矢を持って狩りに付き添ったり。夜に村の灯りを魔法で点けて回る事に付き合ったりしていた。
  私も魔法には興味があったので、一緒に話を聞いて試してみた。
  だが、残念だが使う事は出来なかった。
  この世界でも、魔法は全ての人が使えるものではないらしい。
  魔力を様々な属性の魔法に変換して行使するものらしいのだが、そもそも魔力を持っている人自体がそう多くはないらしいのだ。
  それに魔力をどの属性の系統に変換出来るかどうかも人それぞれというのだから、思っていたより万能ではないようだ。
  魔法はある程度に止め、私は私でそれなりに色々試したい事もあった。
  それを実行しつつも、村の人達にこの世界の事を聞いたり学んだり、情報収集をメインに行った。
  魔法の事もそうだが、世界の国や種族。多岐に渡る一般的な知識は収集しておきたかった。
  ヒストリア王国に行ってからの方が詳しく学べるかもしれないが、今知れる情報は仕入れておいて絶対に損はない。
  そんな事をしている内に、あっという間に時間は流れ――――。
  ――――遂にその日は訪れたのだ。
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