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ネストの村編 第1章 変わる日常
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椎名の活躍もあり、目的地である村へと思っていたよりもずっと早く辿り着くことができた。
森林を抜けて来たからか、道中は思いの外涼しく、夏の名残りは無いように思えた。
照りつける日差しもまだ高い位置にあるというのに気温は初秋のそれを感じさせる。
私達は村には直接向かわず、一旦入り口が見通せる木陰に隠れ、遠巻きながら様子を確認していた。
「――門番が二人いるわね」
椎名が頭の後ろでそう呟く。
日陰になる場所に美奈を下ろし、今は工藤と椎名の三人で草場の陰から覗いている。
ちらと後ろを見ると彼女は思いの外近くにいて、健康的な白い肌が目に飛び込んできた。
彼女は夏場という事もあり、短パンにTシャツと何ともラフな格好をしているのだ。
スラッとした出で立ちと露出の多さ、そして女性らしい曲線が相まって、何とも言えない扇情的な雰囲気を醸し出していた。
しかし本人には全くそういう自覚は無いようで、いつも隙の多い振る舞いが度々男性陣の男的な部分を逆撫でするものだから質が悪い。
各言う私も度々椎名の柔肌に目が行ってしまい、そういう時に限って勘の鋭い美奈のにこやかなプレッシャーに冷や汗をかかされる羽目になった事も少なくはないのだ。
――話を戻そう。
私は改めて逸れてしまった思考を修正する。
現在村の入り口に門番が二人。
最悪の場合、人外を想像していたがどうやら見た目は人間らしいのでその点は安心出来た。
だが問題なのは二人共に簡素な槍を持っている事だ。
見張りなので当たり前な事かもしれないが、こちらは丸腰だ。
万が一戦闘にでもなればこちらは三人とはいえ戦いの素人の集まり。
圧倒的に不利だと思われた。
「問題は言葉が通じるかと、私達に対して友好的なのかどうかだな」
見た感じどちらも服装こそ布製の地味な物であるが、一見どちらも真面目な風だ。職務をしっかりと全うする感じに見えなくはない。
まあ人は見かけに寄らないとも言うが、もし普通に話し掛けて、途端に捕らえられてしまう可能性も十分にあるな、などと考えていたその矢先の事であった。
私の言葉を聞いた途端、後ろに控えていた工藤が動いたのだ。
「は!? そんなことで隠れてたのかよ! わかった。俺が行ってきてやるよ! しゃーねーなっ、あのお~、すんませ~んっ!!」
「――お、おいっ! ちょっと待てっ!」
私の静止を気にも留めず、スタスタと門番の方へと駆けていってしまう。
「あっのバカッ……」
椎名も工藤の軽率な行動に毒づく。
工藤の考え無さを考慮に入れなかった私の失態だ。
もう手遅れだと観念する私を余所に、警戒されなかったのか、工藤は何やら門番と話をし始めた。
チラチラとこっちを見ながら喋っている所を見ると、そこまで問題はなさそうだ。
普通に話している所を見ると言葉も通じるのだろう。
「……何とかなりそうかしら?」
「……あ、ああ。そうだな。……やれやれだ」
「はあ~……びっくりさせないでよね……あのあほ」
椎名がそう呟き脱力気味にへたりこむ。
肩に彼女の手が乗せられ、コツンと背中におでこが当たった。
先程の椎名の姿が思い出され、私は内心ドキリとしてしまう。
「おーいお前ら! こっち来いよ!」
その時、もう話を終えたのか工藤が私達を大声で呼んだ。
振り向くと村の入り口から何人か出てきたようで、工藤の周りには既に数人の男女が取り巻いてこちらを見ている。
私と椎名は目を合わすと、何とも言えない表情で頷き合い工藤の元へと駆けていった。
森林を抜けて来たからか、道中は思いの外涼しく、夏の名残りは無いように思えた。
照りつける日差しもまだ高い位置にあるというのに気温は初秋のそれを感じさせる。
私達は村には直接向かわず、一旦入り口が見通せる木陰に隠れ、遠巻きながら様子を確認していた。
「――門番が二人いるわね」
椎名が頭の後ろでそう呟く。
日陰になる場所に美奈を下ろし、今は工藤と椎名の三人で草場の陰から覗いている。
ちらと後ろを見ると彼女は思いの外近くにいて、健康的な白い肌が目に飛び込んできた。
彼女は夏場という事もあり、短パンにTシャツと何ともラフな格好をしているのだ。
スラッとした出で立ちと露出の多さ、そして女性らしい曲線が相まって、何とも言えない扇情的な雰囲気を醸し出していた。
しかし本人には全くそういう自覚は無いようで、いつも隙の多い振る舞いが度々男性陣の男的な部分を逆撫でするものだから質が悪い。
各言う私も度々椎名の柔肌に目が行ってしまい、そういう時に限って勘の鋭い美奈のにこやかなプレッシャーに冷や汗をかかされる羽目になった事も少なくはないのだ。
――話を戻そう。
私は改めて逸れてしまった思考を修正する。
現在村の入り口に門番が二人。
最悪の場合、人外を想像していたがどうやら見た目は人間らしいのでその点は安心出来た。
だが問題なのは二人共に簡素な槍を持っている事だ。
見張りなので当たり前な事かもしれないが、こちらは丸腰だ。
万が一戦闘にでもなればこちらは三人とはいえ戦いの素人の集まり。
圧倒的に不利だと思われた。
「問題は言葉が通じるかと、私達に対して友好的なのかどうかだな」
見た感じどちらも服装こそ布製の地味な物であるが、一見どちらも真面目な風だ。職務をしっかりと全うする感じに見えなくはない。
まあ人は見かけに寄らないとも言うが、もし普通に話し掛けて、途端に捕らえられてしまう可能性も十分にあるな、などと考えていたその矢先の事であった。
私の言葉を聞いた途端、後ろに控えていた工藤が動いたのだ。
「は!? そんなことで隠れてたのかよ! わかった。俺が行ってきてやるよ! しゃーねーなっ、あのお~、すんませ~んっ!!」
「――お、おいっ! ちょっと待てっ!」
私の静止を気にも留めず、スタスタと門番の方へと駆けていってしまう。
「あっのバカッ……」
椎名も工藤の軽率な行動に毒づく。
工藤の考え無さを考慮に入れなかった私の失態だ。
もう手遅れだと観念する私を余所に、警戒されなかったのか、工藤は何やら門番と話をし始めた。
チラチラとこっちを見ながら喋っている所を見ると、そこまで問題はなさそうだ。
普通に話している所を見ると言葉も通じるのだろう。
「……何とかなりそうかしら?」
「……あ、ああ。そうだな。……やれやれだ」
「はあ~……びっくりさせないでよね……あのあほ」
椎名がそう呟き脱力気味にへたりこむ。
肩に彼女の手が乗せられ、コツンと背中におでこが当たった。
先程の椎名の姿が思い出され、私は内心ドキリとしてしまう。
「おーいお前ら! こっち来いよ!」
その時、もう話を終えたのか工藤が私達を大声で呼んだ。
振り向くと村の入り口から何人か出てきたようで、工藤の周りには既に数人の男女が取り巻いてこちらを見ている。
私と椎名は目を合わすと、何とも言えない表情で頷き合い工藤の元へと駆けていった。
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小説家になろうにて4年以上連載中の作品です。https://ncode.syosetu.com/n2034ey/続きが気になる方はこちらでも読めますのでどうぞ。ブクマや感想などしていただけるととても嬉しいです。よろしくお願いいたします。
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